ファイングレインがフランスで種牡馬入り
2月2日、JRAのサイトに、サクセスブロッケンとファイングレインの競走馬登録抹消の記事がありました。前者は東京競馬場で誘導馬に、後者はフランスで種牡馬となるそうです。
ファイングレイン(父フジキセキ)は Pure Grain(愛オークス、ヨークシャーオークス)の全妹を母に持つ良血で、競走生活の晩年は衰えが目立ったものの、全盛期の5歳春に高松宮記念(G1・芝1200m)を制しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102667/
海外のホースマンにとって、フジキセキとは“Sun Classique の父”という認識でしょう。Sun Classique はフジキセキがシャトル種牡馬でオーストラリアへ渡った際、そこでの種付けで誕生した世界的名牝です。
http://www.pedigreequery.com/sun+classique
オーストラリア生まれの南アフリカ育ち。南アフリカでケープフィリーギニーズ(G1・芝1600m)など3つのG1を制して同国の3歳牝馬チャンピオンとなり、その後、ドバイへ渡ってドバイシーマクラシック(G1・芝2400m)をレコードで勝ちしました。
http://www.youtube.com/watch?v=mY0dfCsmJkQ
Sun Classique は母方に Mill Reef を持ち、その母 Milan Mill 5×5というクロスを持ちます。ファイングレインも同パターンです。それだけでなく、配合構成がかなり似ています。ファイングレインの母ミルグレインと、Sun Classique の母ラストタイクーンは相似な血です。
┌ Northern Dancer
┌○┘
┌○┤ ┌ Buckpasser
ミルグレイン ―――┤ └○┘
│ ┌ Mill Reef
└○┘
┌ Northern Dancer
┌○┤ ┌ Buckpasser
ラストタイクーン ―┤ └○┘
│ ┌ Mill Reef
└○┘
フジキセキの成功パターンは幾通りかあるわけですが、こうした血統的共通項を見ると、ファイングレインと Sun Classique は似たような原理で走ったのだろうと想像できます。
Pure Grain の近親で、Sun Classique ときわめてよく似た配合構成を持ち、しかもG1勝ちの競走成績。フランスの生産者がファイングレインに白羽の矢を立てた理由が分かります。成功するかどうかは別として、目の付けどころの良さには感心しました。
昨年暮れ、マルカシェンクがフランスで種牡馬となるニュースが流れ、当ブログでも取り上げました(12月24日のエントリー)。しかし、その後、話は流れてしまったようで、日本で種牡馬入りすることになりました。さすがに2回連続でそんなことにはならないと思うので、何ごともなくフランスに渡ってほしいところです。