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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年10月

2011年10月31日 (月)

天皇賞・秋はトーセンジョーダン

レース前半、かなりのペースでレースが展開していることは分かりましたが、1000m通過が「56秒5」とターフビジョンに表示されると場内がドッと湧きました。逃げたシルポートが残り300mで馬群に飲み込まれたあともペースは落ちることなく、馬場中央を突き抜けた△トーセンジョーダン(7番人気)が1分56秒1の日本レコードで快勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=wbCnkopLCkk

1800mの通過1分44秒3は、同距離のコースレコード(1分44秒2=チョウサン)と0秒1しか違いません。2000mの旧レコード(1分57秒2=ウオッカ)が樹立された3年前の当レースは、この距離を1分44秒6で通過したものの、最後の1ハロンで12秒6とラップを落としました。今回は11秒8で締めくくったので大レコードとなりました。

◎ペルーサ(6番人気)は好スタートを決め、後方で折り合いがつきました。個人的には超ハイペースの展開に内心しめしめ……という気分で、直線で大外に持ち出したときには差し切れると思いましたが、惜しくも届かず3着。思いのほか前がしぶとかったですね。

『netkeiba.ocm』の「No.1予想」、『ウマニティ』に提供した予想は△○◎で3連単21万4010円的中。連単系マルチに買い目を設定していたので高配当が的中しました。予想文を転載します。

「◎ペルーサは『ゼンノロブロイ×キャンディストライプス』という組み合わせで、母アルゼンチンスターの全姉に亜チャンピオン牝馬で米G1も制したディフェレントがいる良血。昨年5月の青葉賞(G2)を勝った際は、いずれ日本を背負って立つ名馬になるだろうとの期待感があったが、それを最後に勝ち星がなく現在7連敗中。しかし、たそがれたイメージとは裏腹に今回の休養中にガラリ一変。稽古で抜群の時計を連発している。思えば父ゼンノロブロイも4歳秋に一変し、天皇賞・秋→ジャパンC→有馬記念とG1を3連勝した。ここにきての急上昇は父の軌跡と重なって見える。ゼンノロブロイ産駒は東京芝2000mで連対率48%(23戦11連対)と驚異的な成績を挙げており、ペルーサ自身、昨年の天皇賞・秋でブエナビスタの2着と好走している。この条件はベストに近く、休み明けだからこそ配当面の妙味もある。」

馬体重はプラス14キロ(520キロ)。太いというよりも筋肉の盛り上がりが目立ち、明らかにスケールアップしていました。反動が出なければジャパンCでも勝ち負けに持ち込めそうです。

2着○ダーウシャドウ(2番人気)は直線半ばで前が開かず、外側に進路を変えた不利が痛かったですね。あれがなければ……と惜しまれます。大阪杯でG1馬に伍して2着、前走の毎日王冠では安田記念馬リアルインパクトに先着しているのですから、今回のメンバーに交じっても格下ということはありません。ゴール前の追い比べでは、尾を振って内にモタれ、苦しがっていました。最後の一滴までガソリンを使い切ったような走りだったので、反動がやや心配です。

勝ったトーセンジョーダンはジャングルポケット産駒。スパッと切れるタイプではないだけに瞬発力勝負になるとやや劣勢では、という気がしていました。スピードの持続力が要求される超ハイペースになったことが幸いしました。とはいえ、トップレベルのG1をレコードで制したわけですから、もちろん展開が向いたことだけが勝因ではありません。この馬自身、厳しい流れを追走しながら上がり3ハロンはメンバー中2位の34秒2。地力強化は明らかです。晩成型の血がようやく開花してきたのでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103169/

当ブログで再三示しているとおり、配合構成は2年前の天皇賞・秋、マイルCSを制したカンパニーに酷似しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103435/

            ┌ トニービン
          ┌○┤ ┌ Nureyev(≒Sadler's Wells)
トーセンジョーダン ┤ └○┘
          └ エヴリウィスパー(=ブリリアントベリー)

            ┌ トニービン
          ┌○┤ ┌ Sadler's Wells(≒Nureyev)
カンパニー ――――┤ └○┘
          └ ブリリアントベリー(=エヴリウィスパー)

カンパニーは長らくG2大将というポジションでしたが、8歳にして本格化し、G1を勝ちました。配合がよく似たトーセンジョーダンもこれから旬を迎えるのではないでしょうか。フロックではないでしょう。

両馬の2代母クラフティワイフの牝系は、トニービン系と絶好の相性を示しており、トーセンジョーダンとカンパニーのほかにも、レニングラード、バトルバニヤンといった活躍馬が出ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1999107047/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004102878/

          ┌ トニービン
レニングラード ――┤
          └ ブリリアントベリー(=エヴリウィスパー)

            ┌ トニービン
          ┌○┘
バトルバニヤン ――┤
          └ クラフティワイフ

非常に分かりやすいニックスなので、トーセンジョーダンは以前POGで指名していました。個人的にも思い入れのある馬です。この秋、ジャングルポケット産駒はアヴェンチュラ(秋華賞)に次いで2頭目のG1制覇となりました。

もともとトニービンとノーザンテーストの組み合わせは東京コースのG1に強く、90年代にはサクラチトセオーとエアグルーヴが天皇賞・秋を勝っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1990108898/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993109154/

          ┌ トニービン
サクラチトセオー ―┤ ┌ ノーザンテースト
          └○┘

          ┌ トニービン
エアグルーヴ ―――┤ ┌ ノーザンテースト
          └○┘

これらに加え、トーセンジョーダン、カンパニーを含めてあらためて思うのは、“Hyperion の勝利”である、ということ。トニービンもノーザンテーストも Hyperion が主要な構成要素です。府中の長い直線で底力勝負になったとき、この血は頼りになります。Hyperion については以下のエントリーご参照ください。

★Hyperion 没後50年(前)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/hyperion-a60d.html
★Hyperion 没後50年(後)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/hyperion-4e5d.html
★Hyperion とウォルター・オルストン(1)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/hyperion-7206.html
★Hyperion とウォルター・オルストン(2)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/hyperion-5de0.html
★Hyperion とウォルター・オルストン(3)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/hyperion-58a6.html

周知のとおり、トーセンジョーダンがここに至るまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。裂蹄により二度の長期休養を余儀なくされ、クラシックも棒に振りました。ここまでよく這い上がったものです。サンデーサイレンスを含まない血統なのでいずれ種牡馬となったときに重宝されるでしょう。

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2011年10月30日 (日)

ドクタースパート死す

88年の3歳世代は、オグリキャップ、サッカーボーイ、スーパークリークなど競馬史に名を刻むスターホースが目白押し。2つ下の90年世代も、メジロマックイーン、メジロライアン、メジロパーマーのメジロ三銃士が現れて賑やかでした。しかし、その間に挟まれた89年世代はひたすら地味で、結果的に最も目立った馬は15歳まで走ったミスタートウジンだったような気がします。

ドクタースパートはあまり強いとはいえない世代の皐月賞馬。道営競馬の出身です。地方競馬でデビューした馬が牡馬クラシックを勝ったのは、いまのところこの馬が最後です(牝馬はオグリローマンが94年の桜花賞を勝っています)。地方出身の皐月賞制覇はその16年前にハイセイコーが成し遂げていますが、ドクタースパートとハイセイコーは同じダルモーガンの牝系から誕生しているという共通点があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1986101204/

ダルモーガンは大井競馬場がオーストラリアから輸入した牝馬で、俗にいう「豪サラ」。ハイセイコーはチャイナロックの子、ドクタースパートの母の父タケシバオーもチャイナロックの子なので、両者は牝系が同じというだけでなくチャイナロックが入る点も同じです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000b7f/

ドクタースパートは新冠の須崎光治さんが生産しました。須崎光治さんといえばスズユウ(東京ダービー、帝王賞、東京大賞典)の生産者としても知られています。スズユウはドクタースパートの2代母の半弟。ややこしいので牝系図に示します。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1978103154/

 ダルモーガン(f.1950.Beau Son)
  ロンジー(f.1954.ビッグヴイ)
  │パルスター(f.1966.シプリアニ)
  │ ロダンエーコ(f1.1972.ロダン)
  │ │ドクターノーブル(f.1980.タケシバオー)
  │ │ ドクタースパート(c.1986.ホスピタリテイ)
  │ スズユウ(c.1978.トラフィック)
  ハイユウ(f.1961.カリム)
   ハイセイコー(c.1970.チャイナロック)

ドクタースパートの父ホスピタリテイは、大井競馬で羽田盃を含め8戦全勝、中央移籍後もセントライト記念を制した名馬です。つまり、ドクタースパートは父も牝系も大井競馬と深いつながりがあります。パワー満点の配合(母は Rockefella 3×5)なので、不良馬場を泥だらけになって抜け出してきた皐月賞は、この馬に最も合った舞台だったといえるでしょう。

あらためて血統表を眺めると時代を感じさせます。父ホスピタリテイ、母の父タケシバオーはいずれも Hyperion 系。ちなみに、翌年の皐月賞を制したハクタイセイはハイセイコー産駒で、これまた Hyperion 系でした。トニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスが相次いでデビューを果たした90年代前半に、日本血統は大きく転換していきます。ドクタースパートやハクタイセイは、前時代の末尾に現れた活躍馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1987104019/

ドクタースパートについて印象に残っているのは、皐月賞を除けば中央転入初戦の京成杯3歳S(G2)ですね。当時は笠松出身のオグリキャップが競馬ブームを盛り上げ始めたころでした。ドクタースパートも「道営の北海道3歳優駿をレコード勝ちした大物」という触れ込みだったので、どんなものだろうかと観戦に出掛けたのを覚えています。パドックでは決して見栄えはしないものの、キャリアがある強みなのか、ほかの7頭とは完成度が違っていました。それが強く印象に残りました。レースでは後方待機策から追い込んで前をキッチリとらえました。

ちなみに、そのレースにはエレクトロアートという牝馬が出走していました(6着)。しかし、どう記憶をまさぐっても当時の姿が思い出せません。オルフェーヴルとドリームジャーニーの2代母です。

2011年10月29日 (土)

「“ドナー150”を探して ~精子提供者と子どもたち~」

10月25日深夜にNHK・BS1で放送された『BS世界のドキュメンタリー』は、そのスリリングな内容に思わず惹き込まれました。タイトルは「“ドナー150”を探して ~精子提供者と子どもたち~」。アメリカを舞台に制作されたイギリスの作品です。

“ドナー150”とは精子提供者を示す番号のこと。アメリカには精子バンクという商売があり、主に伴侶のいない女性の希望によって、知能、外見、人種など、さまざまな条件に合致した精子が販売されています。アメリカではこれまで100万人以上が人工授精により生を享けたと言われています。

主人公の女子大生ジョーエレンもそのひとりで、自らのルーツを探るために、同じ精子提供者の子を探すことができるサイトに登録します。すると、異母姉ダニエルからメールが届き、やがて対面を果たします。そのストーリーが新聞に紹介されると、“ドナー150”の子供たちが次々と名乗りをあげ、全米中に異母きょうだいが少なくとも14人いることが判明しました。

それまで自らのルーツに不安を抱きながら生きてきたところに、いきなりビッグダディ家のような大家族が目の前に立ち現われ、自分がその一員であると知らされるのですから、アイデンティティの混乱はかなりのものであると想像します。しかし、アメリカ人の気質なのか、みな屈託なく明るいですね。

映像に登場する何人かは顔の造作が似ています。父親が同じなので当然といえば当然です。そして、14人のきょうだいたちが一堂に会したとき、バラバラに育ったはずの彼らが持つそれ以外の共通点に驚きの声が挙がりました。

・フォークの持ち方
・髪をかきあげる仕草
・笑いのツボ
・ストレートな物言い
・動物好き
・成績優秀
・ピアノが弾ける
・論理的
・リーダーシップ
・哲学好き
・自立心旺盛
・社交的
・飽きっぽい
・すぐ道に迷う

フォークの持ち方の遺伝子や、髪をかきあげる仕草の遺伝子は、もちろん存在しません。しかしながら、何らかの遺伝的な影響によって、別々に育ったきょうだいたちに同じ特徴が表れているのです。このあたりは神秘的としか言いようがありません。

サラブレッドの遺伝はまさにこれと同じですね。同じ種牡馬の子は程度の差こそあれ似たような特徴を持っています。育成の方のお話をうかがうと「○○の子はみんなうるさくてね」「××の子はまじめですよ」という話が出てきます。複雑な精神領域を伴った人間という生き物でさえ、父が同じというだけでさまざまな共通点があるのですから、走ることに特化したサラブレッドはもっとダイレクトに共通点が表れてくるように思います。

ある日、ジョーエレンのもとに“ドナー150”からメールが届きます。彼女は、それを頼りに彼の住むカリフォルニアへ向かいます。長年探し求めていた“ドナー150”、すなわち実の父は、海岸沿いのキャンピングカーをねぐらとし、たったひとりで犬や鳩と気ままなヒッピー風の生活を営んでいました。初めて対面した父と娘は喜びを分かち合います。やはりジョーエレンの顔は父の特徴を受け継いでいました。

その後、ほかのきょうだいも合流し、西海岸の陽光のもとで“ドナー150”と子供たちは自転車遊びに興じます。たしかに遺伝的には親子でありきょうだいではありますが、どことなくぎこちない集団。そのシーンは、明るさのなかに胸が締め付けられるような重さを孕んでいて、なんともいえない余韻を残しました。

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2011年10月28日 (金)

オルフェーヴル有馬記念へ

1970年に英三冠を達成した Nijinsky は、三冠目の英セントレジャーを勝ったあと、フランスの凱旋門賞に出走しました。当然のように大本命に推されたものの、伏兵 Sassafras の2着に敗れ、デビュー以来12戦目にして初の敗北を喫しました。

『新・世界の名馬』(原田俊治著・サラブレッド血統センター)に収められたニジンスキーの物語のなかで、同馬の馬主チャールズ・エンゲルハード氏は、「セントレジャーのあの距離がニジンスキーの精力を予想以上に奪いとってしまった」と、凱旋門賞の敗因について語っています。同馬は凱旋門賞のあとに出走したチャンピオンSでも Lorenzaccio の2着と敗れ、調子を戻すことなくターフを去りました。競馬史に残る偉大な名馬にしては少々寂しい幕切れだったといえるでしょう。

先日、菊花賞を勝ち史上7頭目の三冠馬となったオルフェーヴルは、ジャパンCを回避し、暮れの有馬記念に直行することが決定しました。

ジャパンC(G1)も使おうと思えば使えないことはないでしょう。出れば勝つ可能性もそれなりにあると思います。ただ、陣営も明言しているとおり、この馬の最大目標は来年秋の凱旋門賞(仏G1)です。三冠達成→ジャパンCというキツいローテーションによって、かつての Nijinsky のように調子を狂わせてしまったり、さらには闘志や活力を消耗して競走生命を縮めてしまっては元も子もありません。

池江泰寿調教師の父池江泰郎調教師が管理したディープインパクトは、7戦全勝で迎えた05年の有馬記念で、単勝1.3倍の1番人気に推されながらハーツクライの2着に敗れました。レース後、手綱を取った武豊騎手は「今日は飛ばなかった」と語りました。目に見えない菊花賞の反動があったのかもしれません。大きな目標を達成したあとのレースはとかく仕上げが難しいものです。

日本を代表するスーパーホースが、国名を冠したビッグレースをスキップすることに関しては批判があるかもしれませんが、馬のコンディションを第一に考えた末の結論だと思うので、わたしは支持します。今年の有馬記念は12月25日。例年とは盛り上がりが違うでしょう。楽しみです。

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2011年10月27日 (木)

『馬券師倶楽部2』再放送決定!

  栗山求(前編)
   10/28 (金) 06:30 ~ 07:00
   10/28 (金) 18:30 ~ 19:00
  栗山求(後編)
   10/31 (月) 06:30 ~ 07:00
   10/31 (月) 18:30 ~ 19:00

CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。

中山芝1200mで見たいダイワパッション

■日曜東京3Rの新馬戦(ダ1600m)は、2番手追走の◎ミリオンヴォルツ(1番人気)が直線で早め先頭に立ち、後続の追撃をぎりぎりしのぎました。
http://www.youtube.com/watch?v=l3ORF7t--Nw

予想は◎★○で馬単3990円、3連単48790円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ミリオンヴォルツは『ブルーグラスキャット×ディストーテッドヒューマー』という組み合わせの外国産馬。アメリカの調教セール出身馬だけあって稽古でバリバリ時計を出しており、初戦から動けそうな点は魅力。父ブルーグラスキャットは現役時代にハスケル招待H(米G1・ダ9f)を勝った一流馬で、種牡馬としても現3歳の初年度産駒からG2、G3勝ち馬を1頭ずつ出しており悪くない。ストームキャット系が最も得意とする東京ダ1600mなので力を発揮できるだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110089/

近い世代に Storm Cat、A.P.Indy、フォーティナイナー、Danzig を持ち、Mr.Prospector 4×4があるので、いかにも脚抜きのいいダートの新馬戦に強いタイプです。仕上がりも万全でした。今回は行きたがるのを必死になだめながらの追走だったので、ラストの弾け方がイマイチでしたが、距離を短縮するなどしてもっとペースが速くなれば、折り合いがついて持ち味をさらに発揮できるでしょう。

■日曜東京5Rの新馬戦(芝1400m)は、好スタートからハナに立った◎ダイワインスパイア(2番人気)が危なげなく逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=ph_DCl5l6Ag

予想は◎△△で馬単1950円、3連単19410円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ダイワインスパイアは『ダイワメジャー×フォーティナイナー』という組み合わせ。母ダイワパッションはその父フォーティナイナーの影響が強かったようで、フィリーズレビュー(G2)とフェアリーS(G3)を制した早熟のスピード馬だった。このあたりの特徴が産駒に伝わっているのか稽古で好時計をマークしている。仕上がりが早そうなので初戦から走れるだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101602/

母ダイワパッションは現役時代、デビュー4戦目に初勝利を挙げると、そこからフェアリーS(G3)、フィリーズレビュー(G2)を含めて4連勝しました。しかし、それから先は10戦して最高着順が8着と、ほとんどが二桁着順の惨敗でした。精神的に燃え尽きてしまったのか、肉体的に苦しい面があったのか、そのあたりは分かりません。ただ、早い時期に強かったのは事実なので、息子もこの時期の競馬に適性があるのでしょう。

直線で蛇行したように精神的にはまだ幼いですね。抑えたり小細工をしなくて済むこのぐらいの距離が合っていると思います。「ダイワメジャー×フィーティナイナー」ですから追って味のあるタイプとは思えません。同じ「ダイワメジャー×Mr.Prospector 系」のビウイッチアスのように、中山芝1200mに向きそうです。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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2011年10月26日 (水)

満点のレースぶりで初戦突破レッドエクスプレス

■土曜京都5Rの新馬戦(芝1400m)は、中団追走の△タガノグーフォ(1番人気)が直線で大外を突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=1aP7ypvfxxA

ネオユニヴァース産駒は素軽いスピードタイプではないので、芝の新馬戦では1800~2000mなら買えるのですが、マイル以下では人気を鵜呑みにしないようにしています。とくに芝1400mではこのレースの前まで連対率6%。

シルシを△に落としたのですが、アッサリ勝たれました。このメンバーのなかでは抜けた能力の持ち主でしたね。サンデー系と相性抜群のダンシングブレーヴが母の父に入り、Halo≒Drone 3×4というニックスがあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104946/

「ネオユニヴァース×ダンシングブレーヴ」は、インペリアルマーチ、グレヴィテーションなどダートに強い傾向が見られるのですが、前者にはブレイヴェストローマン、後者にはミルジョージが入るので、この組み合わせ自体が力馬的な特徴を醸し出すというものではないでしょう。本馬は2代母の父が Caerleon ですから、今回の走りっぷりが示すとおり芝でも問題なくやれるはずです。距離は2000m前後がよく、高い素質が感じられるので昇級戦でも要注意です。

■日曜京都5Rの新馬戦(芝1800m)は、2番手追走の◎レッドエクスプレス(2番人気)が逃げ馬を交わして抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=wYhmNe7j_H4

予想は◎★△で馬単3380円、3連単44100円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎レッドエクスプレスは『ディープインパクト×シーキングザゴールド』という組み合わせ。アメリカの名門フィップス家が育てた名牝系に属し、2代母ディスピュートはケンタッキーオークス(米G1)、ベルデイムS(米G1)など米G1を4勝した。母アドヴァーシティはブロードウェイ3×4という名牝のクロスを持っているので繁殖牝馬として期待できる。やや硬めのアメリカ血統で構成されているが、父ディープインパクトはダート色の強い繁殖牝馬を料理するのが得意なので、芝適性に関しては問題ないだろう。2代母の父ダンジグはディープインパクトと相性良好。京都芝1800mの新馬戦はディープインパクト産駒が連対率55.6%と得意にしている。」
http://www.youtube.com/watch?v=PnYB4m4x32w

『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で指名した馬で、血統屋の電子書籍『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』では○評価。ソツのないクレバーなレースぶりでした。初戦としては満点でしょう。

母アドヴァーシティが3×4で持っている Broadway は、繁殖牝馬として稀な成功を収めた名牝です。Queen of the Stage(米最優秀2歳牝馬)、Reviewer(悲劇の名牝 Ruffian の父)、Stage Director(フィラデルフィアH)、グレートホワイトウェー(本邦輸入種牡馬)などを産み、孫の代から名種牡馬 Seeking the Gold が誕生しています。
http://www.pedigreequery.com/broadway

グレートホワイトウェーは大井競馬場のレコードホルダーを2頭出しました。ダ1600mのカツスイセー(1分37秒5=79年8月3日)、ダ1200mのカオルダケ(1分10秒2=80年9月18日)です。前者のレコードは06年のマイルグランプリでアジュディミツオーが1分37秒2を出して27年ぶりに更新されましたが、後者は30年以上経った現在も破られていません。ちなみに、カツスイセーの記録を破ったアジュディミツオーはアジュディケーティング産駒で、アジュディケーティングの母の父はグレートホワイトウェーの半弟 Reviewer です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001104554/

こうした血統的なアウトラインからも分かるように、Broadway はパワーを兼ね備えた抜群のスピードを伝える一方、やや一本調子なところがあります。それを3×4でクロスさせた母アドヴァーシティは柔軟さや瞬発力を伝えるタイプではありません。レッドエクスプレスの2代母 Dispute は、予想文に記したとおりケンタッキーオークス(米G1)、ベルデイムS(米G1)など米G1を4勝した名牝で、前出のアジュディケーティングの全妹にあたります。この点からもアドヴァーシティの個性を類推できることと思います。

レッドエクスプレスは、母が硬質なアメリカ血統で固められているので、距離適性がやや長めのリアルインパクト、といったイメージです。POGで期待できる完成の早いディープインパクト産駒はこのパターンが手堅いといえるでしょう。

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2011年10月25日 (火)

ダイワメジャー産駒の砂系の大物? メジャーアスリート

■土曜東京1Rの未勝利戦(ダ1600m)は、逃げたメジャーアスリート(1番人気)が直線で後続を突き放し4馬身差で快勝しました。タイムの1分36秒9はレコード。
http://www.youtube.com/watch?v=pV1PV7qxjZg

ここまでの3戦は芝を走って2、2、7着。ダート替わりの今回、見違えるような走りを見せました。

ダイワメジャー産駒は、幼駒時代からガッシリとしたパワフルな馬体が印象的で、セールで見るたびに「ひょっとしたらダート向きの種牡馬として大成する可能性もあるなぁ~」と考えていたのですが、デビューしてみると芝の好成績に比べダートはイマイチ。ただ、素軽いスピードタイプかといえばそうではなく、芝では切れ負けして2着が多く、馬場が荒れたり渋ったりしたほうが持ち味が活きます。

まだサンプルが少ないので、現状の傾向が絶対というわけではなく、メジャーアスリートのようなダートホースもこれからぼちぼち現れてくると思います。

メジャーアスリートは、テンザンデザート(ファンタジーS-2着)、スマートブレード(クラスターC-4着)、タガノラフレシア(アイビーS)などの半弟ですから、まずまずの良血ですね。母の父 Storm Cat は、ダイワメジャーの母スカーレットブーケと構成が似ており、ゆるい見立てでは「スカーレットブーケ≒Storm Cat 2×2」と言えないこともありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100746/

Storm Cat は米リーディングサイアーに輝いたパワー型のスピード血統です。ダートは得意で、ピリッとした切れ味はないもののスピードの持続力には優れています。スカーレットブーケが産んだ2頭の傑作ダイワメジャーとダイワスカーレットも、ダート適性はともかく Storm Cat と同じように、切れ味はないもののスピードの持続力には優れている、というタイプでした。Storm Cat とスカーレットブーケが出会うことで、このあたりの共通項が強化されて伝わったものと考えられます。

すでにデビューしたダイワメジャー産駒のなかで、Storm Cat を抱えたものはほかにドリームリーグのみ。同馬は現在、芝で3戦して未勝利ですが、ダートに替わったところが馬券の買いどころでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100492/

■土曜東京4Rの新馬戦(芝1800m)は、後方追走の△シルバーウエイブ(5番人気)が大外を突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=zt_61Ej0XFw

正直なところ、予想の段階ではこれほどの道悪(不良馬場)になるとは想定していませんでした。「ジャングルポケット×フレンチデピュティ」という堅めの配合が道悪で活きました。走りっぷりを見ても掻き込みが強くパワフルです。外伸びの馬場も幸いしました。2代母の父サンデーサイレンスは、父ジャングルポケットとも母の父フレンチデピュティとも相性が抜群なので、この位置に入るだけで配合の安定感が違ってきます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105983/

母の父フレンチデピュティは Deputy Minister の子。Deputy Minister 系の牝馬にジャングルポケット、という配合はオウケンブルースリ(菊花賞、京都新聞杯)と同じです。Deputy Minister 系は母の父として総じて優秀ですが、ジャングルポケットとの組み合わせでも悪くない結果を残しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102548/

良馬場のスピード勝負になったときにどう対処するか、という点が今後の課題です。距離は伸びても問題ありません。

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2011年10月24日 (月)

オルフェーヴル三冠達成

日曜日の午前、新幹線で京都に向かう道中、周りの席に座っていた方々がずっと菊花賞の話題で盛り上がっていました。こういう雰囲気はいいですね。自然に耳に入ってくる会話はオルフェーヴルが中心でした。

レースは、そんなファンの期待に応える横綱相撲。最終コーナーの手前で馬なりのまま先頭に接近した時点で勝負は決しました。着差は2馬身半ですが、ゴール前で手綱を抑えなければ4~5馬身差はつけていたでしょう。ふと17年前のナリタブライアンの圧勝劇が脳裏に甦りました。勝ちタイムの3分02秒8はコースレコードにコンマ1秒差です。
http://www.youtube.com/watch?v=gKY_XWhuv0o

1ハロン13秒台のラップが一度もない、という過去に例がない引き締まったペース。しかも、馬群が縦長にならなかったため、実力が如実に表れるレースとなりました。1着◎オルフェーヴル(1番人気)、2着▲ウインバリアシオン(2番人気)、3着○トーセンラー(3番人気)というガチガチの決着です。穴馬に出番はありませんでした。

予想は◎▲○で馬単400円、3連単2190円的中。各媒体に提供した予想文(一部)を転載します。

「◎オルフェーヴルは『ステイゴールド×メジロマックイーン』という有名なニックス配合で、ドリームジャーニー(有馬記念、宝塚記念、朝日杯フューチュリティS)の全弟にあたる良血。二冠を制した春の時点でも抜きん出た実力を誇っていたが、夏を越して心身の成長ぶりが著しく、もはや同世代には負けようがないレベルに達している。前走の神戸新聞杯はテンションが上がりやすい休み明けで、なおかつ例年の菊花賞よりも遅いペースで展開したにもかかわらず折り合いがついた。引っ掛かって自滅するシーンは想像しづらい。淀みない流れで展開した場合は、折り合いを欠く心配がなくなり、この馬の底力が活きる競馬となる。いずれにしても死角は小さく三冠達成は濃厚。2着探しのレースだ。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/

スタート後の3コーナーの下りで、ハミを噛んで行きたがる仕草をみせましたが、折り合いがついてからはスムーズでした。ここまで上手にレースができるようになったのは、スタッフの創意工夫や並々ならぬ忍耐の賜物でしょう。もし2歳時に見せた気性難が治らなかったら、三冠どころか一冠もなかったはずです。入線後、止め際で池添騎手を振り落したシーンに、いまだ潜在する気性難を感じました。この悍性こそが父ステイゴールドから受け継いだ最大の武器であり、またアキレス腱でもあります。

ダービーを勝って二冠を制したあと、オルフェーヴルはノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市)で夏を過ごしました。管理する池江泰寿調教師は毎週見に行っていたそうで、「いい夏を越せたのが三冠達成の大きなファクターでした。遅生まれだったので成長も大きかった」と語っています。前走16キロ増だった馬体が、今回さらに6キロ増えていました。全兄ドリームジャーニーもそうでしたが、ステイゴールド産駒は古馬になって完成する晩成型が多いので、まだまだ成長していくでしょう。

レース後の記者会見で、池江調教師は「来年の目標は凱旋門賞制覇。そのプランについてはこれから練っていきたい」と語りました。気負いのない自信に満ちた口ぶりに、ひょっとしたら「まともに走れば勝てる」と考えているのではないか――と、軽い戦慄を覚えつつその胸中を想像しました。5年前のディープインパクトのフランス遠征に池江調教師は付き添いました。その経験は大きな財産となっているはずです。今後のレースについては馬の状態を見て決めるそうなので未定です。回復が早いようならジャパンC、疲れが抜けないようなら有馬記念でしょう。

2着ウインバリアシオンは、世代ナンバー2の実力を証明しました。レース後、安藤勝己騎手はサバサバとした表情で「馬がようやく良くなってきたところだから。これから楽しみがありますよ」と、馬の成長力に期待を寄せていました。松永昌博調教師は次走について「相手(オルフェーヴル)次第やね」と語りました。ライバルが出ないレースに出す、ということなのでしょう。オルフェーヴル以外なら勝てる、という自信の表れとも取れます。

3着トーセンラーは、管理する藤原英昭調教師がオルフェーヴルの強さにショックを受けた様子で、「あそこまで強いとは思わへんかったなぁ~」と、苦笑まじりに社台ファーム代表の吉田照哉氏に語っていました。「三冠馬誕生かぁ~」とつぶやいて溜息をついたのが印象的でした。

10月24日(月)の午後10時55分から、NHK総合テレビ『アスリートの魂』で、「人馬ひとつになって 三冠馬・オルフェーヴルと池添謙一」が放送されます。検量室前にNHK大阪のスタッフの姿がやけに目についたのですが、三冠達成へ向けての密着取材をしていたようです。10月26日(水)の午前2時00分(25日深夜)に再放送があります。

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2011年10月23日 (日)

菊花賞の穴馬2011

単なる血統診断とは違い、予想は「格」と「適性」の見極めがテーマですから、そこがおもしろいところです。

「格」というのは総合能力と言い換えてもかまいません。先日死んだシンボリルドルフは現役時代2000m前後がベストの中距離馬で、能力がズバ抜けていたため菊花賞を勝って三冠を達成しました。出走馬のなかには高い長距離適性を秘めた馬もいましたが、中距離馬シンボリルドルフの総合能力の前に敗れ去りました。

3000mはどの馬も走ったことがない未知の距離です。しかし、人気は2000~2400mあたりの実績で形成されます。人気馬が格の高さでそのまま押し切ることもありますが、それまで注目されていなかった人気薄が突っ込んでくることも少なくありません。そうした馬はほぼ例外なく長距離レースに対する「適性」を持った馬です。

00年以降、7番人気以下で連対した馬が9頭います。うち4頭がダンスインザダーク産駒で、残り5頭はそれぞれリアルシャダイ、サッカーボーイ、Sadler's Wells、ペンタイア、バゴを持っていました。

それまでは平凡な成績で人気に推されることもなく、3000mという距離で変わり身を見せるわけですから、激走の原因は“高い長距離適性”以外に考えられません。

昨年の菊花賞直前のエントリーで、菊花賞の穴馬として挙げた5頭のなかから、1着ビッグウィーク(7番人気)、3着ビートブラック(13番人気)が出ました。それまでの競走実績を考えると買いづらい馬ではありましたが、菊花賞で穴を狙うときは成績面を極力無視し、血統だけで買うほうがいい結果を生む、というのがこれまでの経験則です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-fa2e.html

今年も、人気薄ながら長距離適性が高そうな馬を5頭挙げてみます。

2番ルイーザシアター(母が Kingmambo×Quest for Fame)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102824/
6番シゲルリジチョウ(母が Sadler's Wells×Darshaan)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103874/
7番ゴットマスタング(母の父 Sadler's Wells)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101715/
8番ダノンミル(父ジャングルポケット)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102875/
16番ダノンマックイン(2代母リアルシャダイ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103259/

ゴットマスタングなどは500万下を勝ったばかりですから、常識的に考えて苦しいとは思います。でも、ここに挙げた5頭のような、多少の無理筋を狙っていかないと大穴は取れません。とりあえずプライベートの馬券では目をつぶってこの5頭は押さえたいと思います。

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2011年10月22日 (土)

土曜日に東京競馬場のイベントに出演します

10月22日(土)、東京競馬場のセンターコートで行われる「オープン型レーシングセミナー」に出演します。わたしの出番は第5R(12時30分)が終わったあとです。

また、14時30分ごろから16時30分ごろまで、同所で「リアルタイム情報ステーション」に出演します。司会は竹山まゆみさん、共演は長谷川雄啓さんです。

重賞でもやれそうなハイリリー

日曜東京4Rの新馬戦(芝1600m)は、ダッシュがつかず後方追走となった〇ハイリリー(4番人気)が上がり33秒7の末脚で大外を突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=MPpKfYqLESM

800m通過が49秒7というスローペース。牡馬相手に上がりの競馬で後方一気の差し切りですから強いと思います。この切れ味はアグネスタキオン産駒の最大の長所ですね。

母方に Lyphard を持つアグネスタキオン産駒は成功しており、キャプテントゥーレ、リトルアマポーラ、アグネスアーク、ブロードストリート、リディル、リルダヴァルといった活躍馬が出ています。Lyphard を持つアグネスタキオン産駒は、持たない産駒に比べて連対率で約3%上回り、1走あたりの獲得賞金額は約1.5倍です。

★Lyphard を持つアグネスタキオン産駒
連対率 23.3%
1走あたりの獲得賞金額 302万円

★Lyphard を持たないアグネスタキオン産駒
連対率 20.2%
1走あたりの獲得賞金額 201万円

Lyphard の代表産駒ダンシングブレーヴはアグネスタキオンと相性抜群で、ダンシングブレーヴは母の父に Drone を持ちます。したがって、この両者の組み合わせは、“Halo と Drone のニックスの効果”という側面もあります。

ただし、ダンシングブレーヴを除いた Lyphard 系との関係でも、アグネスタキオンは連対率22.1%、1走あたり285万円という優れた数値が出ているので、やはりアグネスタキオンと Lyphard は好相性といえるでしょう。

2代母ワディアは英ダービー馬エルハーブの半姉です。個人的に思い出のある馬で、日本で産んだ初子スカイハイ(父 Silver Hawk)を10年ぐらい前のPOGで全体の1位指名にして笑われた経験があります^^ ハイリリーの半兄スカイフォレスト(父フジキセキ)も指名馬でしたが、残念ながら走りませんでした。母テイクミーハイヤーは初子(スカイフォレスト)、2番子(デルサラード)と続けて不振だったため、さすがに3番子のハイリリーには食指が動きませんでした。ただ、配合的には好きなタイプです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106597/

前評判に挙がっていた馬ではありませんがいい馬ですね。重賞戦線でも楽しみです。

◎エンドレスノット(2番人気)は2番手から抜け出す完全な勝ちパターンでしたがゴール前で差されて2着。相手が悪かったとしか言いようがありません。すぐに勝ち上がれるでしょう。

予想は〇◎△で馬連1660円、3連複4940円的中です。

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2011年10月21日 (金)

ダート新馬戦の鬼マンカフェを父に持つタマモスコーピオン

■日曜京都4Rの新馬戦(ダ1800m)は、後方追走の◎タマモスコーピオン(1番人気)が直線で差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=_lTe24rb0JY

着差はハナですが、2着以下とは力が二枚ぐらい違います。カーブを曲がるのが下手で、1~2コーナーでも3~4コーナーでも外に膨れていました。致命的と思えるロスを克服して勝つのですから走る能力は高いと思います。

予想は◎△○で馬単1770円、3連単4670円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎タマモスコーピオンは『マンハッタンカフェ×アフリート』という組み合わせ。これは共同通信杯を勝ったハンソデバンドと同じ。2代母サンドピアリスはエリザベス女王杯を20番人気で勝って大穴を開けた馬だが、ハイセイコー産駒だけあってダート適性を伝えており、母の半兄にはダート重賞を3勝したタマモストロングがいる。高い砂適性は本馬にも伝わっているだろう。マンハッタンカフェ産駒はダート新馬戦で連対率30%と優秀だ。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104233/

昨日のエントリーでスペシャルウィーク産駒のダート新馬戦における強さについて触れましたが、それと双璧なのがマンハッタンカフェ。連対率は30.6%です。クロフネやゴールドアリュールなどと違ってこの条件に強いというイメージがないせいか、さほど人気にはならず単勝回収率は229%と優秀です。今年の1月以降に限ると13戦9連対(連対率69.2%)、単勝回収率1153%と呆れるような数字を残しています。

タマモスコーピオンは、走るために覚えるべきことを覚えれば、上のクラスでも即通用するでしょう。ただ、それには多少時間がかかるかもしれません。

■日曜東京3Rの新馬戦(ダ1400m)は、二の足を利かせて先頭に立った◎ヴェイグストーリー(2番人気)が直線で後続を突き放し、2馬身半差をつけて逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=0g1wBEV8Hjc

予想は◎▲○で馬単4410円、3連単13240円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ヴェイグストーリーは『ゴールドアリュール×エリシオ』という組み合わせ。母ウインドヴェインはアストンマーチャン(スプリンターズSなど重賞4勝)の半姉なのでスピードの潜在能力は高く、自身はヌレイエフ≒フェアリーキング3×3を持つので重厚感も感じられる。先手を取れれば押し切れそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105726/

予想文に書いたとおりの結果となりました。父ゴールドアリュールはスマートファルコン、エスポワールシチー、オーロマイスター、シルクフォーチュンなどの大物を送り出しているダート界の大物種牡馬。快速タイプではないので、ダート新馬戦では1600m以上の好成績に比べて1400m以下ではやや落ちます。ヴェイグストーリーが買えたのはアストンマーチャンの姪という血統背景が大きいですね。

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2011年10月20日 (木)

ダート新馬戦は強し、スペシャルウィーク産駒ズッカ

■土曜京都2Rの未勝利戦(芝1600m)は、これが5戦目のタイセイシュバリエ(2番人気)が5馬身差で圧勝し初勝利を挙げました。勝ちタイム1分34秒7(重)は同日のデイリー杯2歳S(G2)を0秒2上回るもの。ペースの違いがあるとはいえ優秀です。
http://www.youtube.com/watch?v=7-1h9qIyLBY

「クロフネ×サンデーサイレンス+La Troienne」は好きなパターンです。以前、本馬と同じ「クロフネ×サンデー+Seattle Slew(La Troienne が主要構成要素)」のボンバルディエーレという馬をPOGで所有したことがあります。やや癖のある馬で1000万条件をなかなか勝ち上がれませんが、配合の方向性は間違っていないと思うので、似た配合のタイセイシュバリエには今後も注目したいところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105247/

■土曜京都3Rの新馬戦(ダ1400m)は、〇ズッカ(1番人気)と◎チキウミサキ(2番人気)の激しい叩き合いとなり、前者がクビ差先着しました。
http://www.youtube.com/watch?v=hC7C3QIzAuo

予想の段階でどちらに◎を打つか迷いに迷ったレースです。ダート新馬戦で圧倒的に強いスペシャルウィークを父に持つ前者か、配合におもしろいところがある後者か。結局、稽古の良さを活かし、前者が単勝1.5倍の1番人気に応えました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102444/

スペシャルウィーク産駒はダート新馬戦で連対率31.0%と強く、前週のツクバヤマノオー(10月14日のエントリー参照)に続いてのダート新馬戦勝利です。母の父 A.P.Indy は Seattle Slew 系で、Secretariat を併せ持つ配合ですから、リーチザクラウン(マイラーズC、きさらぎ賞)と似た構成ですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102923/

リーチザクラウンは2代母の父に Mr.Prospector を抱えているのに対し、本馬にはそうしたスピードが入らず、代わりに重厚な Master Willie が入ります。それによって Aureole≒ハイハット5×5・6という組み合わせのクロスが生じるためパワー型に傾いています。Aureole とハイハットの関係については昨日のエントリーをご参照ください。

■土曜京都5Rの新馬戦(芝1200m)は、素早く先手を奪った◎ソラコマチ(4番人気)がギリギリ逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=Gw5GysU9WnM

予想は◎▲○で馬単1970円、3連単6760円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ソラコマチは『サクラバクシンオー×ウォーニング』。この組み合わせは成功しており、JRAで出走したわずか4頭からマルブツイースター(小倉2歳S)、サクライダテン(3勝)が出ている。母ブイルージュは新馬戦をレコード勝ちした快速馬なので仕上がりは早い。力強い血で構成されているので道悪もこなすはず。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101892/

新馬戦をレコード勝ちしたブイルージュに、快速サクラバクシンオーを掛けて誕生した子ですから、やはり新馬戦のスピード比べでは強いですね。使って大きな上昇が見込めるタイプではないのでここが買い時でした。

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2011年10月19日 (水)

スピルバーグ、初陣を豪快に差し切る

土曜東京4Rの新馬戦(芝2000m)は、◎スピルバーグ(1番人気)が長い直線を活かして末脚を伸ばし、ゴール直前で差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=JCxOBrHaXN4

4コーナーで外からマクられ、先を行く3頭から離されたときには終わったかなと思いましたが、そこから盛り返して差し切ったのにはビックリしました。北村宏司騎手によれば直線までハミを取らなかったとのこと。本気を出してからの走りは別馬のようでした。

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』の予想は◎〇▲で馬単380円、3連単750円的中。予想文を転載します。

「◎スピルバーグは『ディープインパクト×リシウス』という組み合わせ。半兄にフラワーアリー(米G1トラヴァーズSなど重賞4勝)、半姉にブルーミングアレー(G2フローラS-3着)を持っている。母はハイハット≒オリオール4×5で、自身はそれを継続する形でハイペリカム≒オリオール6×6を持つので底力は十分。スピードとスタミナをバランスよく抱えた好配合馬なので、このレースといわず来春のクラシックまで注目したい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105961/

予想文には「トーセンラー(きさらぎ賞)の全弟」という最も重要な情報をウッカリ書き忘れてしまいました。スミマセン。

母プリンセスオリビアはきわめて優秀な繁殖牝馬なので、配合相手が何であれPOGでは毎年指名候補には入れたくなります。競走馬時代はたいした成績を挙げられませんでしたが、その父 Lycius が送り出した唯一のG1ホース(Hello)と同じ「Lycius×Sadler's Wells」という組み合わせで、両者の相性の良さ、スピードとスタミナの交配でいいとこ取りができたことが繁殖牝馬として成功した最大の要因でしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010abb/

配合を細かく見ると、(1)ハイハット≒Aureole 4×5という組み合わせのクロス、(2)Goofed 4×4という牝馬クロス、というふたつのポイントがあります。

(1)を図にすると以下のようになります。

       ┌ Hyperion
ハイハット ―┤ ┌ Donatello
       └○┘

       ┌ Hyperion
Aureole ―――┤ ┌ Donatello
       └○┘

80年代の女傑 Time Charter(父が Native Dancer 系で母がハイハット≒Aureole 2×3)を連想させる配合です。予想文に記したとおり、息子のスピルバーグはこれを部分的に継続する形で Hypericum≒Aureole 6×6という4分の3同血クロスを持ちます。スタミナ、底力といった要素を補強しています。

(2)については、「母に名牝の強いクロスがある」という個人的に好きなパターンで、わたしも過去にディープスカイ(母アビは Miss Carmie 4×3)、ストロングリターン(母コートアウトは Smartaire 4×3)などをPOGで指名した経験があるので、その効果については実感しています。

プリンセスオリビアの2代母 Diamond Spring は、名牝 Nobiliary の4分の3同血(父が同じで母が親子)です。

         ┌ Vaguely Noble
Diamond Spring ―┤
         └○┐
           └ Goofed

         ┌ Vaguely Noble
Nobiliary ――――┤
         └ Goofed

Nobiliary は Lyphard の半妹で、現役時代にワシントンDC国際(米G1)、サンタラリ賞(仏G1)を制したほか、英ダービー(G1)に挑戦して2着に食い込む活躍をみせました。つまり、プリンセスオリビアは Goofed が産んだ2頭の傑作、Lyphard と Nobiliary の要素をほぼ含んだ上で、Goofed 4×4という牝馬クロスを持っています。これは好感が持てますね。スピルバーグ自身は Lyphard 4×4なので、母が持つ Goofed のクロスを継続(5×5・5)しています。

このようにスピルバーグは、母プリンセスオリビアが持つ(1)(2)のポイントをいずれも継続しており、配合的によく出来ています。『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で指名し、血統屋の電子書籍『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』でも◎評価でした。電子書籍のほうは共著者の望田潤さんと◎が被った数少ない1頭です。

スケールの大きさを感じさせる勝ち方ではありましたが、一方でまだまだ課題も多いなという印象も受けました。残り3ハロンの地点で13秒3→11秒3とペースアップしたときに、ギアチェンジできずに一瞬置かれ気味になりました。ハミを取っていなかったので仕方がないところではあるものの、ディープインパクト産駒にときどき見られる現象でもあります。心身の成長により、このあたりに対応できる俊敏さが出てくれば、全兄トーセンラー同様の活躍が期待できるでしょう。兄よりも50キロ以上重い490キロという馬格は魅力があります。

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2011年10月18日 (火)

デイリー杯2歳Sはクラレント

2歳戦は基本的に実績よりも素質がモノをいいます。まさにそのとおりの結果となりました。キャリアわずか1戦の△クラレント(4番人気)がゴール前で鋭く抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=R0rTEYbj5Hs

当レースは2年前に半兄リディルが制しているので兄弟制覇です。リディルはデイリー杯を勝ったあと骨折し、3歳シーズンを全休しました。本馬は無事に来年のクラシックを迎えてほしいものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105009/

ダンスインザダーク産駒が2歳重賞を勝ったのは02年のザッツザプレンティ(ラジオたんぱ杯2歳S)以来9年ぶり。ここ数年はPOG界における存在感がまったくなく、現3歳世代は新馬戦勝ち馬がゼロという体たらく。ただ、現2歳世代はクラレントのほかに京都芝1600mの2歳レコード(1分33秒4)を樹立したショウナンラムジ(10月12日のエントリー参照)がいるので、当たり年といえるでしょう。2歳時に重賞を勝ったダンスインザダーク産駒は、前出のザッツザプレンティのほかにファストタテヤマがいますが、両馬は3歳以降にも重賞を勝ち、菊花賞で連対を果たしたという共通点があります。

クラレントについては新馬戦を勝った直後、7月19日のエントリー「距離延びて楽しみ、リディルの半弟クラレント」で取り上げています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/07/post-d019.html

そのコメント欄で解説しているように、Halo≒Drone 3×4、Dinner Partner≒Buckpasser 5×5を持つので、毎日王冠を勝ったダークシャドウに近い構成です。2000m前後を得意とする中距離タイプでしょう。この配合構成がなぜ優れているかという点については、10月10日のエントリー「毎日王冠はダークシャドウ」をご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/10/post-3426.html

10月12日のエントリーでクラレントをプッシュしながら、肝心の予想で△に落としてしまったのは、一言でいえば天候の読み違いです。豪雨の影響で土曜日は重~不良馬場だろうと考えて道悪血統を上に取り、ゲンテン(3着)に◎を打ちました。

次走は11月19日の東京スポーツ杯2歳S(G3・芝1800m)。ここにはジャスタウェイ、エネアド、ディープブリランテ、サトノグロリアスといった大物候補が出走を予定しています。ここでぶつかるのがもったいないくらいの好メンバーなので、いまから胸が躍ります。

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2011年10月17日 (月)

「一口馬主好配合馬ピックアップ」でセゾン、ブルー診断開始

おかげさまでご好評をいただいております「一口馬主好配合馬ピックアップ」は、本日からサラブレッドクラブセゾンとブルーインベスターズの診断を開始いたしました。
http://www.miesque.com/c00006.html

昨日からラフィアンの2次募集の診断も開始しております。ぜひご参考にどうぞ。
http://www.miesque.com/

タイムフォームが Frankel に143ポンドを与える

10月16日のエントリーに、「タイムフォームのレーティングは10月9日時点で142ですが、この勝利を受けて143~144に上がるのではないでしょうか」と記しました。最新の『Sportinglife.com』の記事によれば、タイムフォームが Frankel に対し「143」を与えたとのこと。これは145の Sea Bird(1962年生)、144の Brigadier Gerard(1968年生)、Tudor Minstrel(1944年生)に次ぐ歴代4位の記録です。

上位3頭はいずれも40年以上前に誕生した歴史的名馬。わたし自身、リアルタイムでこのレベルの名馬を目撃するのは初めての経験です。できることなら来年、一度ぐらいはヨーロッパへ出掛けて行ってそのレースぶりを目に焼き付けたいですね。セシル調教師は2000m路線にチャレンジすることを示唆しています。ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズS(英G1・芝10f)あたりでオルフェーヴルと対決するなら仕事を放り出してでも行きます(笑)。

秋華賞はアヴェンチュラ

◎アヴェンチュラ(2番人気)が3番手追走の積極策から4コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切りました。勝ちタイムの1分58秒2はレースレコードにコンマ1秒と迫る優秀なものです。
http://www.youtube.com/watch?v=MeSPBirT3c0

稍重とはいえ、ひとつ前の清水S(1600万下・芝1600m)が1分33秒2と例年並みの水準でした。ただし、馬場の乾き方は均一ではなく、コースの内側と外側にバイアスがあったのが大きかったですね。掲示板に載った馬は、3着〇ホエールキャプチャ(1番人気)を除いてインコースを通った馬で占められました。

アヴェンチュラは内ラチ沿いをぴったり回り、早め先頭で押し切るという得意のレースパターン。今回はすべてが完璧でしたね。

全額単勝勝負の『ウマニティ』は3.1倍を的中しましたが、連単系の流し馬券にした他の媒体では2着キョウワジャンヌ(7番人気)がヌケだったので不的中。予想文を転載します。

「◎アヴェンチュラは『ジャングルポケット×サンデーサイレンス』という組み合わせ。全兄フサイチホウオーはラジオNIKKEI杯2歳S(G3)など3つの重賞を制し、全姉トールポピーはオークス(G1)と阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の勝ち馬。ホーンビーム≒サンセット4×5が成功の鍵となっている。『ジャングルポケット×サンデーサイレンス』はニックスで、前出の兄姉のほかに、ジャガーメイル、アプリコットフィズ、トーセンキャプテンといった活躍馬が出ている。ジャングルポケット産駒だけにスパッと切れるタイプではなく、パワー兼備で持続力が身上だけに、淀みのない流れで展開する小回り戦がベスト。こうした条件で行われた前走のクイーンS(G3)では52キロの軽量とはいえ古馬の骨っぽいところを撃破した。似たようなレース設定で同世代が相手ならまず崩れないだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103078/

前走のクイーンS(G3)の回顧にも記しましたが、全兄フサイチホウオーは06~07年の『赤本』で全体の1位に指名した思い出深い馬です。能力を把握しづらい新種牡馬(父ジャングルポケットはこの年デビュー)の子を1位指名にすることはリスクが大きいのですが、それでも指名リストのトップに置いたのは、フサイチホウオーの配合にそれだけの可能性を見出したからです。禁を破って1位に指名した甲斐があり、同馬は3つの重賞を制覇してくれました。翌年にトールポピー(オークス、阪神ジュベナイルフィリーズ)、そして2年置いてアヴェンチュラが出たことは驚くにあたりません。Hornbeam≒Sunset 4×5が底力の源泉です。
http://www.pedigreequery.com/hornbeam
http://www.pedigreequery.com/sunset3

      ┌ Hyperion
Hornbeam ―┤
      └○┐ ┌ Bois Roussel
        └○┤
          └ Point Duty

      ┌ Hyperion
Sunset ――┤ ┌ Bois Roussel
      └○┤
        └ Point Duty

兄と姉は、3歳夏の休養が明けると魔法が解けたかのように走らなくなってしまいました。アヴェンチュラは3歳春を全休し、その間に心身の成長を促すことができたので、そのパターンには当てはまらないと信じたいですね。牝馬らしからぬ逞しい馬体は惚れ惚れします。

2着キョウワジャンヌには印が回りませんでした。4分の3兄キョウワロアリング(北九州記念)はPOGの元所有馬だったので心情的に応援するところはあったのですが、1ハロンの距離延長が気になってどうしても印が打てませんでした。ハーツクライはしっかりとしたスタミナを伝えますね。失敗でした。

ホエールキュプチャ、▲マルセリーナ(3番人気)は結果的に枠順に泣きました。今回は外を回らされた馬にとってはキツいレース。まともに力を発揮できる舞台なら巻き返してくるはずです。

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2011年10月16日 (日)

Frankel 無傷の9連勝でシーズン終了

土曜日にアスコット競馬場で行われたクイーンエリザベス2世S(英G1・芝8f)は、マイル路線で無敵の進撃を続ける Frankel が楽々と抜け出し、デビュー以来の連勝を「9」に伸ばしました。2着 Excelebration との着差は4馬身。タイムは1分39秒45。カルティエ賞の年度代表馬の座は確定的です。
http://www.youtube.com/watch?v=65QCKTzBw1w

スタートは悪く、序盤は後方で宥めるのにやや苦労しましたが、ペースメーカーが引っ張る速い流れにリズムを取り戻し、鞍上のGOサインで一気に抜け出しました。2着 Excelebration、3着 Immortal Verse は、直近の出走レースでマイルG1を勝っているように決して弱い馬ではありません。それらを子供扱いするのですから力が抜けています。

レースが終わったあとすぐ息が入り、涼しい顔で曳かれていました。まさに怪物です。デビュー以来9戦の平均着差は5馬身強。来年も現役を続行する予定です。マイルでは今後もちょっと負けようがない感じですね。タイムフォームのレーティングは10月9日時点で142ですが、この勝利を受けて143~144に上がるのではないでしょうか。
http://www.pedigreequery.com/frankel3

「Galileo×デインヒル」は今年注目を集めたニックスで、Frankel のほかにも以下の活躍馬がいます(G1勝ち馬のみ)。

・Frankel(英2000ギニー、サセックスSなどG1を5勝)
・Golden Lilac(仏1000ギニー、仏オークス)
・Roderic O'Connor(愛2000ギニー、クリテリウム国際)
・Teofilo(デューハーストS、ナショナルS)
・Maybe(モイグレアスタッドS)
・Cima de Triomphe(伊ダービー)

5月26日のエントリー「活躍馬が続出する『Galileo×デインヒル』」でも触れておりますのでご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/05/galileo-d5ba.html

同日に行われたチャンピオンS(英G1・芝10f)は、1番人気 So You Think と伏兵 Cirrus Des Aigles の一騎打ちとなり、後者が競り勝ってG1初制覇。道中からターゲットを So You Think 1頭に定めて徹底マークしたスミヨン騎手の好騎乗でした。昨年のジャパンC(G1)にシリュスデゼーグルの名で出走し9着だった馬です。
http://www.pedigreequery.com/cirrus+des+aigles

Cirrus Des Aigles は Ahonoora 系。この日行われたチャンピオンズスプリントS(英G2・芝1200m)も同系の Deacon Blues が勝ちました。また、チャンピオンズフィリーズアンドメアズS(英G2・芝12f)は母の父に同系の Indian Ridge を持つ Dancing Rain が優勝と、今年のチャンピオンズデイは Ahonoora 系の活躍が目立ちました。Deacon Blues も Cirrus Des Aigles もセン馬なので種牡馬にはなれません。
http://www.pedigreequery.com/deacon+blues2
http://www.pedigreequery.com/dancing+rain3

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2011年10月15日 (土)

『馬券師倶楽部』『馬券師倶楽部2』再放送決定!

◆『馬券師倶楽部』
  半笑いVS栗山求(前編)
   10/20 (木) 06:30 ~ 07:00
   10/20 (木) 18:30 ~ 19:00
  半笑いVS栗山求(後編)
   10/21 (金) 06:30 ~ 07:00
   10/21 (金) 18:30 ~ 19:00

◆『馬券師倶楽部2』
  栗山求(前編) 
   10/16 (日) 28:30 ~ 29:00
  栗山求(後編)
   10/17 (月) 28:30 ~ 29:00

CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。

『サラブレ』11月号発売

10月13日に発売された『サラブレ』11月号(株式会社エンターブレイン)に、「名配合展覧会2011」という記事を執筆しました。カラー6ページの特集企画で、望田潤さんとの共同執筆です。現役競走馬とその母から10頭の名配合馬を選び、どこが優れているのかを解説をするというものです。

配合に関する文章は一般読者の方々にとっては敷居が高く、したがって商業誌ではまず取り上げられない分野です。そのタブーを『サラブレ』は破りました。ぜひ一冊お手元にどうぞ。

秋華賞で狙えるタイプ、狙えないタイプ

秋華賞は珍しいことに“良馬場以外で行われたことがないG1”です。創設された96年以降、すべて良馬場で開催されており、稍重すらありません。

関西地方では金曜日から雨が降り出し、予報によれば土曜日のお昼ごろにかけてかなりの雨量となるようです。ただ、昔と違って最近は馬場回復のスピードが速いので、なんだかんだで最終的には良馬場となるような気がします。とはいえ、パンパンの良馬場ではないでしょうし、前が残りやすいのか差しが決まりやすいのか、内伸びなのか外伸びなのかなど、直前までレースの傾向が把握できません。このあたりの見極めが今年は大変です。

京都芝2000mは内回りコースです。直線が短く、ゴチャゴチャした競馬になりやすいので、荒れるときは荒れます。加えて、秋華賞はフルゲート18頭ですから、乗っているジョッキーにとっても難易度が高いレースです。

00年以降のデータを見ると、京都芝2000mにおける逃げ馬の連対率は28.6%なので、外回りコースで行われる他のレース(外1400m、外1600m、1800、2200、2400m)に比べると好成績です。小回りコースだけに先に行った馬が有利、というわけです。

ただし、クラス別でみると話が違ってきます。OP特別と重賞に限ると、逃げ馬の連対率は17.3%に下がります。下級条件と違ってペースがキツくなるので、逃げ馬が残れなくなります。

秋華賞でもこの傾向は生きており、過去15回のなかで連対を果たした逃げ馬は00年のヤマカツスズラン(2着)のみ。このときは1000m通過が60秒8というレース史上2番目のスローペースでした。平均すると59秒1ぐらいのペースで展開するレースなので、差し馬が有利です。

今年は短距離戦で揉まれてきたメモリアルイヤーが行くので、少なくとも平均ペースでは流れるでしょう。大逃げという形になると2番手の出方がレースを作ることになるのですが、2番手候補のピュアブリーゼは切れ味勝負では分が悪いので、じっくり溜めていくということはなく、付かず離れずで追いかけるのではないかと思います。こうなるとやはり差し有利でしょうか。

小回りコースに実績があり、ハイペース耐性のある馬。こういうタイプが狙い目です。血統的には Roberto、ノーザンテースト、トニービン、Nijinsky、Deputy Minister あたりがいいですね。直線の長いコースでの実績を鵜呑みにするのは危険です。00年以降、10番人気以下で勝ったティコティコタックとブラックエンブレムは、ともに小回り巧者でした。前者はそれまでに挙げた3勝が中京、小倉、小倉。後者は春にフラワーC(G3・中山芝1800m)を勝っていました。穴を開けるのはこういうタイプです。

2011年10月14日 (金)

『競馬王』11月号発売

自宅に見本誌が届きました。話題沸騰のWIN5に焦点を当て、データ面を深く追究した特集が読ませます。蛯名正義騎手のインタビューも興味深い内容です。ぜひ1冊お手元にどうぞ。

アプリコットフィズと血統構成が同じサトノグロリアス

■日曜東京3Rの新馬戦(ダ1600m)は、後方追走の◎ツクバヤマノオー(4番人気)が直線で大外から差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=JP3zzaOb6R4

予想は◎△〇で馬単7850円、3連単47960円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ツクバヤマノオーは『スペシャルウィーク×コンバットレディ』という組み合わせ。母レスリーズラブはアメリカで通算56戦22勝の成績を残したダート向きのスプリンター。ノーサードチャンス≒リヴォークト5×6、ガルフストリーム≒ヘリオポリス6×6などが生じるのでサンデー系のスペシャルウィークとは合いそうだ。同産駒は東京ダ1600mの新馬戦で7戦3勝(勝率42.9%)と好成績を挙げている。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106039/

もともとスペシャルウィーク産駒は、ダート新馬戦で連対率30.2%と圧倒的に強く、とくに1600m以上では39.0%と抜群の信頼性を誇ります。東京ダ1600mの新馬戦はこれで通算8戦4勝となりました。

勝ったツクバヤマノオーは518キロの大型馬で、いかにもダート馬らしいパワフルなタイプ。前半はズブくて付いていけませんでした。忙しい競馬には向いていません。力のいる中山の深いダートは合いそうです。

■日曜東京5Rの新馬戦(芝1800m)は、後方追走の〇サトノグロリアス(2番人気)が上がり32秒9で差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=M1kfyHU2fzo

先週は東京・京都開催の開幕週でしたが、芝で行われた新馬戦では逃げ切りが1レースもありませんでした。当レースは1000m1分06秒6という超スローペース。過去、東京競馬場の芝新馬戦で、上がり32秒台を出して勝った馬はなく、本馬が初めての例となります。開幕週、超スローペースということを加味しても価値があると思います。

昨日のエントリーでご紹介したプールマシェールと同じく「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」という組み合わせ。クイーンC(G3)とクイーンS(G3)を勝ったアプリコットフィズとは、父が同じで母同士が全きょうだいの関係にあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105992/

           ┌ ジャングルポケット
サトノグロリアス ――┤ ┌ サンデーサイレンス
           └○┤
             └ サトルチェンジ

           ┌ ジャングルポケット
アプリコットフィズ ―┤ ┌ サンデーサイレンス
           └○┤
             └ サトルチェンジ

アプリコットフィズの母マンハッタンフィズは、ほかにコロンバスサークル、クレスコグランドと活躍馬を連発しています。それに対し、サトノグロリアスの母マンハッタンセレブは、これまでに送り出した2頭(シャインセレブ、ピエナセレブ)がいずれも未勝利馬でした。ジャングルポケットに父が替わった途端に新馬勝ちですからこの配合は走りますね。ちなみに、マンハッタンフィズ、マンハッタンセレブの全兄は名馬マンハッタンカフェ(有馬記念、天皇賞・春、菊花賞)です。

馬体重が504キロと大きく、この時期の2歳馬にしてはガシッと出来上がった造り。1月生まれのアドバンテージは多少あったでしょう。もちろん、それを考慮してもかなり楽しみな素材であることは間違いありません。次走が楽しみです。

◎オコレマルーナ(1番人気)は追い込んで3着。この馬の上がり33秒2も東京競馬場の芝新馬戦史上2位のタイムですから能力は示しました。相手が悪かったですね。

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2011年10月13日 (木)

素質高いライラプスの娘アナスタシアブルー

■土曜京都5Rの新馬戦(芝1800m)は、好位のインを追走した▲プールマシェール(4番人気)が直線で早めに先頭に立ち、後続の追撃を振り切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=4f9A31RAsss

「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は定番のニックス配合で、フサイチホウオー、トールポピー、アヴェンチュラの3兄妹や、ジャガーメイル、アプリコットフィズ、トーセンキャプテンなど多くの活躍馬が出ています。芝1800m以上の新馬戦では連対率29%と信頼性が高い組み合わせです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106165/

3月25日のエントリーで、「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」の良否を見分けるコツとして“2代母の父”の重要性について指摘しました。引用します。

「ここにスピードタイプや軟弱な血が入ると減点です。たとえば、Mr.Prospector 系などが入るパターンはあまり結果が出ていません。逆に、いかつい Northern Dancer 系とか、ヨーロッパ型の重厚な血とか、スタミナに秀でた血とか、そういういった血はフィットします。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/03/post-8cab.html

本馬の2代母の父 Top Ville は現役時代に仏ダービー(G1)を制したクラシックディスタンス向きの種牡馬。前記の条件に当てはまります。ちなみに、母シェリールは Winged Love(愛ダービー)、ダイワカーリアン(札幌記念、富士S、東京新聞杯)、アドマイヤビッグ(東京スポーツ杯2歳S)のきょうだにあたる良血です。

インコースと前に行った馬が有利な開幕週で、距離ロスのないラチ沿いの好位でレースを進められたことが大きな勝因だとは思いますが、ハイレベルなこのメンバー相手に新馬戦を勝つのですからもちろん実力は十分。中長距離で楽しみな存在です。

〇ピュアソウル(3番人気)、◎ダノンムーン(1番人気)が2、3着。この時期の新馬戦は1年で最もレベルが高いので、勝てなかったといっても悲観する必要はありません。勝ち馬にうまく立ち回れたことが敗因であり、この2頭も高い能力を感じさせる走りは見せました。すぐに勝ち上がるでしょう。

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は▲〇◎で馬連4070円、3連複1240円的中です。

■日曜京都5Rの新馬戦(芝1400m)は、◎アナスタシアブルー(1番人気)が好位追走から直線で抜け出すと、後続を一気に4馬身突き放して圧勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=4oSlDmIlcls

2着に逃げ粘ったフォーチュネイト(8番人気)を拾うことができず不的中でしたが、予想文を転載します。

「◎アナスタシアブルーは『ファルブラヴ×フレンチデピュティ』という組み合わせ。母ライラプスはクイーンC(G3)の勝ち馬で、フサイチリシャール(朝日杯フューチュリティS)の4分の3姉にあたる良血。さらに、2代母フサイチエアデールは重賞4勝の名牝と、最高クラスの名牝系に属している。ラトロワンヌ血脈をしっかり継続した配合は好感が持て、仕上がりの早い一族なので新馬戦にも向いている。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106379/

父ファルブラヴは典型的なフィリーサイアーで、全産駒の収得賞金の1位から8位まで、上位20頭中17頭までが牝馬という性別の偏りがあります。現3歳世代にはダンスファンタジア、スピードリッパー、フォーエバーマークと3頭の活躍馬がおり、これらはすべて牝馬でした。したがって牝馬というだけで信頼性はアップします。

母ライラプスにとってはこれが初子。重賞勝ちの競走成績、父がブルードメアサイアーとして定評のあるフレンチデピュティ、これにサンデーサイレンス、Mr.Prospector、La Troienne が添えられているわけですから、交配相手がファルブラヴでなくとも走る子を出しそうな雰囲気がある繁殖牝馬です。今後の産駒も要チェックです。

次走は10月29日の萩S(2歳OP・芝1800m)。牡馬相手のOP特別ですから楽ではありませんが、いい勝ち方をすれば暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)では1番人気でしょう。

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2011年10月12日 (水)

レコードで快勝ショウナンラムジ

土曜京都2Rの未勝利戦(芝1600m)は、中団追走のショウナンラムジ(3番人気)が勝負どころで進出し、直線で豪快に抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=k6qFdecrDYc

勝ちタイムの1分33秒4はレコード。2年前にアグネスワルツが記録した1分33秒7を0秒3更新しました。この日は準メインの大原S(1600万下・芝2000m)で1分56秒8というコースレコード(日本歴代2位タイ)が出ているので、馬場コンディションのアシストが何より大きかったと思います。ただ、それでも強い勝ちっぷりには違いなく、昨年10月に同じコースで未勝利戦を勝ち上がったサダムパテックぐらいのインパクトはありました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106523/

母フォーカルスターの半弟フォーカルポイントは、キングカメハメハを破って京成杯(G3・芝2000m)をレースレコード(1分59秒2)で制しています。高速決着を得意とする一族なのかもしれません。

父ダンスインザダークは、自身が抱える Nijinsky と相似な血の関係にある Storm Bird や、4分の3同血の The Minstrel を母方に入れた配合がうまく行っています。本馬には Storm Bird が入ります。

そしてもうひとつ、サンデー系と相性抜群のホワイトマズルが母の父に入るところが強調ポイントです。当ブログで繰り返し説明しているとおり、そこに含まれる Drone はサンデーサイレンスの父 Halo とニックスの関係にあります。

「サンデー系×ホワイトマズル」のなかでも、とくに父がアグネスタキオンの場合は優秀で、この配合でデビューを果たした3頭(エミーズスマイル、シュガーヴァイン、ハッピーダイアリー)はすべて準OP以上に出世しています。好相性の理由については10年1月24日のエントリー「アグネスタキオン×ホワイトマズル」に記しました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/01/post-33fe-1.html

理由のひとつに挙げた「Autocratic(ホワイトマズルの2代母)とロイヤルスキー」の組み合わせを、母フォーカルスターは持っています。

          ┌ Bold Ruler
        ┌○┤ ┌ My Babu
Autocratic―――┤ └○┘
        └○┐
          └○┐
            └ Lea Lark

          ┌ Bold Ruler
        ┌○┤ ┌ My Babu
ロイヤルスキー―┤ └○┘
        │ ┌○┐
        └○┘ └○┐
              └ Lea Lark

本馬は近い世代にサンデーサイレンス、ホワイトマズル、ロイヤルスキーを持つため、「アグネスタキオン×ホワイトマズル」のニックス配合にきわめて近い組成を持つことになります。

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┘
ショウナンラムジ ―┤ ┌ ホワイトマズル
          └○┤
            └○┐ ┌ ロイヤルスキー
              └○┘

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤ ┌ ロイヤルスキー
タキオン×マズル ―┤ └○┘
          │ ┌ ホワイトマズル
          └○┘

3代母ダイナフォーカスが Raja Baba≒ステューペンダス2×2で、ロイヤルスキーの構成要素を強調している点も、ロイヤルスキーがキーポイントとなっている配合のなかではプラス材料でしょう。全体的によくできた配合だと思います。2000m前後がベストで、2400mも守備範囲でしょう。

ダンスインザダーク産駒は先週、ダークシャドウが毎日王冠を勝ちました。今週はクラレント(ショウナンラムジと同じく母方にダンシングブレーヴが入ります)がデイリー杯2歳S(G2)で人気を集めそうです。ダンスインザダーク産駒の月別の重賞勝ち数を調べると10月が「10勝」で突出しています(2位が12月の6勝)。昨年はダノンヨーヨー(富士S)とマルカフェニックス(スワンS)が、一昨年はムードインディゴ(府中牝馬S)とスリーロールス(菊花賞)がいずれも2週連続重賞制覇を果たしました。クラレントがデイリー杯2歳Sを勝てば3年連続となります。この時期のダンスインザダーク産駒は要注意です。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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2011年10月11日 (火)

マイルCS南部杯はトランセンド

土曜日の夜半に降った雨の影響で、月曜日の東京ダートは第1Rまでは稍重。メインのマイルCS南部杯(Jpn1・ダ1600m)も良馬場ではありましたがやや脚抜きのいい馬場でした。

とはいえ、〇エスポワールシチー(2番人気)が刻んだラップは凄まじく、1200m通過が1分09秒3。馬場が改修された03年以降では最速です。

それ以前では、01年の武蔵野Sでクロフネが1分09秒2で通過した例があります。クロフネは残りの2ハロンを、最後は手綱を抑える余裕を見せながら11秒7-12秒4で乗り切り、1分33秒3という大レコードを樹立しました。もっとも、クロフネは別カテゴリーの怪物ですから、他の馬にこの芸当は無理です。

当レースのラスト2ハロンは12秒4-13秒1。エスポワールシチーが最後の1ハロンで失速してしまったのは仕方がありません。それでも約3馬身差の4着に粘っているので、調子も気迫も春よりはだいぶ戻してきたなという印象です。順当に良化すれば次走はもっと粘れるはずです。

勝った◎トランセンド(1番人気)は、先頭のエスポワールシチーにいったん突き放されかけ、外のダノンカモン(3番人気)にも出られてしまい、一瞬危ないムードが漂ったのですが、そこから盛り返して勝つところが並の馬ではないですね。
http://www.youtube.com/watch?v=SKbDBozuNDA

予想では◎を打ったものの、2着ダノンカモンをヌケにしてしまい不的中。予想文を転載します。

「◎トランセンドは『ワイルドラッシュ×トニービン』という組み合わせ。ブッシェルンペック≒サニースワップス3×3はユニークで、この相似な血のクロスが活力と底力の源泉ではないかと思われる。サニースワップスの母アイアンリージはハイペリオンとサンインローの組み合わせで、父ワイルドラッシュの大物産駒は、たとえばクリールパッション、クラーベセクレタ、ブラウンワイルドなどのように、この組成を母方から取り入れたものが目につく。母の父トニービンや、ハイペリオンとサンインローの組み合わせから成る血は成長力があるので、昨年秋以降の本格化は、こうした血がモノをいっているのだろう。メンバーを見渡すと単騎マイペースが濃厚。フェブラリーS(G1)と同じ舞台なら中心は動かない。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104736/

トランセンドの4代母アイアンエイジは、名馬 Swaps(北米で通算25戦19勝、世界レコード5回)の全妹にあたる良血。Swaps は「Hyperion と Son-in-Law」から成る名馬の代表的存在です。望田潤さん風に表現すれば“ハイインロー”ですね。この牝系から出たダンディコマンド(北九州記念)は、Abernant≒チャイナロック≒アイアンエイジ4・3×3で、この部分を強調した配合でした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993109569/

           ┌ Hyperion
         ┌○┘ ┌ Son-in-Law
Abernant ――――┤ ┌〇┘
         └○┘

           ┌ Hyperion
         ┌○┘ ┌ Son-in-Law
チャイナロック ―┤ ┌〇┘
         └○┘

           ┌ Hyperion
         ┌○┘ ┌ Son-in-Law
アイアンエイジ ―┤ ┌〇┘
         └○┘

トランセンドの場合、父ワイルドラッシュが「Hyperion と Son-in-Law」から成る Flower Bowl と Etonian を持ちます。Flower Bowl とアイアンエイジは母の父が Beau Pere という点まで共通しています。

           ┌ Hyperion
         ┌○┘ ┌ Son-in-Law
Flower Bowl ―――┤ ┌〇┘
         └○┘

           ┌ Hyperion
         ┌○┘
Etonian ―――――┤
         └○┐ ┌ Son-in-Law
           └〇┘

つまり、トランセンドは、同じ牝系から出たダンディコマンドと同じく「Hyperion と Son-in-Law」を継続した配合となっています。

父ワイルドラッシュの側から見ても「Hyperion と Son-in-Law」の継続は大物を生み出すパターンです。予想文に記した以外にも、海外におけるG1ウィナー Hollywood Story、Dream Rush、名古屋の王者ヒシウォーシイなどがこれに当てはまります。
http://www.pedigreequery.com/hollywood+story
http://www.pedigreequery.com/dream+rush
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005105442/

苦しい勝負どころでもうひと頑張り、ふた頑張りできる底力は、「Hyperion と Son-in-Law」の影響によるものが大きいと思います。こうした血がサポートしているか否かによって、大レースにおける信頼度は違ってきます。

次走、11月3日に大井競馬場で行われるJBCクラシック(Jpn1・ダ2000m)は、現在6連勝中のスマートファルコンとの頂上決戦が予定されています。昨年9月の日本テレビ盃以来の対戦で、このときはトランセンドが2着、スマートファルコンが3着でした。ただ、両馬ともそれから大きく化けたので力量比較の参考にはなりません。この対決は熱すぎですね~。ライブで見たい一戦です。

2011年10月10日 (月)

毎日王冠はダークシャドウ

800m通過が48秒7ですから超スローペース。その結果、00年以降の毎日王冠(G2・芝1800m)では最も遅い1分46秒7という決着となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=DkLb6O0Fca8

直線で前が壁になりながら上がり32秒7で追い込んだ◎ダークシャドウ(1番人気)、3歳で57キロを背負ってクビ差2着の○リアルインパクト(2番人気)は強いですね。堀厩舎は昨年のアリゼオに続いての連覇で、今年はワンツーフィニッシュです。

予想は◎○△で馬単1250円、3連単5660円的中。『netkeiba.com』の「No.1予想」に提供した予想文を転載します。

「◎ダークシャドウは『ダンスインザダーク×プライヴェートアカウント』という組み合わせで、2代母ユーセフィアがスピードタイプの名種牡馬グリーンデザートの全妹という良血。母方に速いアメリカ血統を入れ、ヘイロー≒サーアイヴァー3×4、ディナーパートナー≒バックパサー5×4というクロスを持っているため、ダンスインザダーク産駒にしては俊敏さがある。大阪杯のあとトモに違和感が出て休ませたが、前走のエプソムCはその影響を感じさせない楽勝。抜け出すときだけ本気を出してあとは流すという、力が二枚ぐらい違う勝ち方だった。天皇賞でも勝ち負けになる器だと思われるので、ここは普通に走れば結果がついてくるはず。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102929/

昨年5月、デビュー2戦目の500万下(芝2000m)の予想で◎を打ち、勝ったあとに『web競馬王』で配合を褒めたことがあるので、自分のなかでは気に入っている馬です。論旨は当時から変わっていません。予想文に「Dinner Partner≒Buckpasser 5×4」とありますが、ダンシングキイは Flaming Page≒Dinner Partner 2×3という特殊な凝縮を持つので、同時に「Flaming Page≒Buckpasser 4×4」でもあります。つまり、

         ┌ Tom Fool
Dinner Partner ―┤ ┌ Blue Larkspur
         └○┤ ┌ Man o'War
           └○┘

         ┌ Tom Fool
         │   ┌ Man o'War
Buckpasser ―――┤ ┌○┘
         └○┤ ┌ Blue Larkspur
           └○┘

であると同時に、

             ┌ Bull Dog
           ┌○┘
         ┌○┤ ┌ Blue Larkspur
Flaming Page ――┤ └○┘
         │ ┌ Menow
         └○┤
           └○┐ ┌ Man o'War
             └○┘

           ┌ Menow
         ┌○┤ ┌ Bull Dog
         │ └○┘
Buckpasser ―――┤   ┌ Man o'War
         │ ┌○┘
         └○┤ ┌ Blue Larkspur
           └○┘

でもあります。後者の相似な血のクロスはマルゼンスキー、ヤマニンスキー、ラシアンルーブルが2×2で持っており、「Nijinsky×Buckpasser」の成功の有力な根拠となっています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0003bd/

ダンスインザークの配合については、昨年10月24日のエントリー「ダンスインザダークの配合的核心」でも解説しております。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-599e.html

Halo≒Sir Ivor については、昨年11月9、10日のエントリー「Halo≒Sir Ivor≒Drone(前・後)」をご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivordro.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivord-1.html

ダンスインザダーク産駒ではありますが、2代母が快速 Green Desert の全妹で、なおかつアメリカ血統を積極的に絡めていることから、長距離タイプではありません。ダンスインザダーク産駒の中距離型としては最高傑作といえるでしょう。大阪杯(G2・芝2000m)でヒルノダムールと同じ斤量を背負いハナ差2着となっているので、天皇賞・秋(G1)でも互角の勝負に持ち込めると思います。

2着リアルインパクトは、パドックに出てきたときに、春に比べてずいぶん逞しくなったと感じました。筋肉が盛り上がってきましたね。結果的に仕掛けが早かったかもしれませんが、鞍上のゴーサインが出ると瞬時に反応し、後続を突き放しにかかったところが非凡です。ディープインパクト産駒のトビが大きいタイプには真似ができない芸当で、このあたりの爆発力は母方に濃厚に流れるアメリカ血統の影響でしょうか。

3歳馬が57キロを背負って毎日王冠で連対を果たしたのは98年のエルコンドルパサー以来13年ぶり。安田記念の結果がフロックでないことを証明しました。次走は天皇賞・秋ではなくマイルチャンピオンシップ(G1・芝1600m)になる模様です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103244/

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2011年10月 9日 (日)

日曜日に東京競馬場のイベントに出演します

10月9日(日)、東京競馬場のセンターコートで行われる「オープン型レーシングセミナー」に出演します。わたしの出番は第5R(12時35分)と第6R(13時05分)が終わったあとの2回です。

また、14時30分ごろから16時30分ごろまで、同所で「リアルタイム情報ステーション」に出演します。司会は竹山まゆみさん、共演は辻三蔵さんです。

サッカーボーイ逝く(後)

サッカーボーイのサイアーラインはもともとスタミナ豊富ですが、一方で気性が激しすぎるという特徴も見られ、この影響が強すぎると距離がもたずにマイラーとなる、という傾向があります。

三冠馬ミスターシービーは、スピード型のトウショウボーイの子でありながら菊花賞を制しました。スタミナの裏付けのひとつは母の父トピオ(凱旋門賞)です。トピオの父は Fine Top で、ディクタスの2代父でもあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1980107022/

種牡馬としてのサッカーボーイはスタミナを伝えるタイプでした。というよりも、気性の激しさをあまり伝えなかったため、父ディクタスから受け継いだスタミナのみが産駒に表現された、ということだと思います。マイル前後で出世した唯一の産駒であるブルーイレヴンは、母の父シンボリルドルフの影響で気性面の火薬庫に火がついてしまい、距離がもたなかったのだと思います。じっさい、凄まじい気性でした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2000105909/

サッカーボーイの全妹ゴールデンサッシュは、ステイゴールド(香港ヴァーズ、ドバイシーマクラシック)の母となりました。ステイゴールドの激しい気性はサッカーボーイ一族から受け継いだものでしょう。種牡馬としては大成功し、ドリームジャーニー(有馬記念、宝塚記念、朝日杯フューチュリティS)や、その全弟で三冠を狙うオルフェーヴルを送り出しています。サッカーボーイ一族の血はこれから日本競馬に深く根付いていくものと思われます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/

 ロイヤルサッシュ(f.1966.Princely Gift)
   ダイナサッシュ(f.1979.ノーザンテースト)
   │ サッカーボーイ(c.1985.ディクタス)
   │ ベルベットサッシュ(f.1986.ディクタス)
   │ │ ホールオブフェーム(f.1991.アレミロード)
   │ │   バランスオブゲーム(c.1999.フサイチコンコルド)
   │ ゴールデンサッシュ(f.1988.ディクタス)
   │   ステイゴールド(c.1994.サンデーサイレンス)
   │   グレースランド(f.1998.トニービン)
   │   │ ドリームパスポート(c.2003.フジキセキ)
   │   レクレドール(f.2001.サンデーサイレンス)
   ダイナホット(f.1982.ディクタス)

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2011年10月 8日 (土)

サッカーボーイ逝く(前)

武豊騎手はディープインパクトの走りっぷりを「飛んだ」と表現しましたが、わたしがそれ以外に飛んだ馬として思い浮かべることができるのはサッカーボーイです。

レースシーンを描いた19世紀の絵画は、競走馬たちが四肢をいっぱいに伸ばして空中を飛んでいるように描かれています。サッカーボーイの走りはまさにそうしたイメージでしたね。

ひときわ目を惹く尾花栗毛と、派手なぶっちぎり勝ちがトレードマーク。圧勝シーンを盛り上げるのが上手い杉本清アナウンサーの実況と相まってアイドル的な人気がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=pl7tb4Kv02k
http://www.youtube.com/watch?v=c7m7zWgQaO4
http://www.youtube.com/watch?v=YaC2f5xY7HU

函館記念(G3・芝2000m)の1分57秒8というレコードタイムは驚天動地でしたし、それから3ヵ月後のマイルチャンピオンシップ(G1・芝1600m)では、+18キロの馬体重をものともせず4馬身差のぶっちぎり勝ち。杉本アナウンサーの「これは恐ろしい馬だ!」というフレーズが当時の心境を正確に代弁してくれました。まさに飛んでいましたね。

それより少し前、美浦の松山康久厩舎にダイナホットというスプリンターがいました。毛色を含めた外見はサッカーボーイによく似ており、中山芝1200mで時計勝負になったときに強い小器用な牝馬でした。サッカーボーイとダイナホットは4分の3同血の関係にあります。前者にはノーザンテーストが入り、後者には入りません。ノーザンテーストが入るのと入らないのとではこれだけ違うのかと、長らくリーディングサイアーの座にある血の偉大さを、この比較からあらためて認識した覚えがあります。

         ┌ ディクタス
サッカーボーイ ―┤ ┌ ノーザンテースト
         └○┤
           └ ロイヤルサッシュ

         ┌ ディクタス
ダイナホット ――┤
         └ ロイヤルサッシュ

「ディクタス×ノーザンテースト」は有名なニックスで、サッカーボーイのほかにもイクノディクタス、ムービースター、ディクターガール、クールハートをはじめ多くの活躍馬が誕生しています。総じてトビが大きいので平坦コースを得意としました。ディクタスは非主流のフランス血統で固められており、ノーザンテーストは Lady Angela 3×2という主流血統の塊。対照的な個性がぶつかり合ったことが成功の要因でしょう。

サッカーボーイの母ダイナサッシュはそれに加えて Nearco 4×4・4という煮詰まった構成ですから、ディクタスとの配合で弾ける度合いも大きかったのではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1985103538/

望田潤さんのブログにもサッカーボーイの配合についての考察があります。ご一読ください。
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/80feff355f84b7396496dbaddfe94191

ちなみに、ディクタスの「Sanctus×Worden」という組み合わせは、同じく種牡馬として成功したサンシーと同じです。サンシーの代表産駒ハギノトップレディ(桜花賞、エリザベス女王杯)は、2代母ミスマルミチが Nasrullah 3×3、Nearco 4・4・4ですから、サッカーボーイと似たような構造です。(続く)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1977104003/

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2011年10月 7日 (金)

『今、競馬で勝つための考え方』

秋の競馬シーズンはこれからが本番。競馬書籍が書店の本棚に並ぶようになってきました。

10月3日に『今、競馬で勝つための考え方』(株式会社エンターブレイン)というムック本が発売されました。「達人たちの馬券術」というコーナーのなかで、長谷川仁志さん、水戸正晴さん、亀谷敬正さんと並んで取り上げていただきました。見開き2ページの写真つきなので結構大きめです。

わたしはタッチしていませんが、それ以外にも種牡馬解説、コースやレースの攻略ポイント、調教や馬体の見方、といった記事が満載で、競馬に対する考え方をよりいっそう深めてくれる1冊です。もしご興味のある方はどうぞ。
http://www.enterbrain.co.jp/product/mook/mook/11335201.html

上のクラスのほうが競馬がしやすいアンチュラス

■日曜阪神1Rの未勝利戦(芝1400m)は、アンチュラス(1番人気)が単勝1.3倍の断然人気に応えて4馬身差で勝ちました。
http://www.youtube.com/watch?v=iv5gjKo9Zqg

デビュー戦は単勝1.4倍の1番人気に推されたものの、掛かり気味に追走して末を失い、3着に敗れました。稽古の動きは未勝利レベルではないので、2戦目に勝ち上がったのは当然の結果といえるでしょう。

ただ、行きたがる気性は相変わらず。レース序盤、ジョッキーが持って行かれそうになっていました。1、2戦目とも外枠だったので、前に馬を置けば違ってくるのかもしれませんが……。

3戦2勝のイングリッド(現在休養中)の全妹にあたり、母アンチョは Music Zone≒Medaille d'Or 2×3で、Music Zone の父 The Minstrel は父ディープインパクトと相性良好です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106569/

        ┌ The Minstrel(≒Fanfreluche)
Music Zone ――┤
        └〇┐
          └ Zonely(≒Secretariat)

        ┌ Secretariat(≒Zonely)
Medaille d'Or ―┤
        └ Fanfreluche(≒ The Minstrel)

『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で指名し、血統屋の電子書籍『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』では〇評価でした。母方が硬質なアメリカ血統で固められているので、距離は1800mあたりまでが良さそうです。気性を考えれば1400~1600mでしょうか。おそらく、レースの流れが速くなる上のクラスのほうが走りやすいでしょう。次走に予定しているファンタジーS(G3・芝1400m)では、内枠を引ければ好勝負に持ち込めるのではないかと思います。

■日曜札幌1Rの未勝利戦(芝1500m)は、3番手追走のガッテンムサシ(5番人気)が抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=Y4O8QrNYrCM

直線半ばで前と後ろの態勢がガラリと入れ替わるレースで、きついペースのなか3番手から押し切った内容は強かったと思います。持続力とパワーが活きそうな1200~1600mのレースではこれからも要注意です。

母方に Storm Cat が入るスペシャルウィークの典型的なニックス配合。2代母テンザンストームは名馬タイキシャトルに土をつけた数少ない馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104180/

スペシャルウィークと Storm Cat の関係については、10年4月14日のエントリー「マルゼンスキーと Storm Cat」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/storm-cat-897-1.html

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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2011年10月 6日 (木)

母譲りの中山巧者ぶり、マイネエカテリーナ

■阪神9RのききょうS(2歳OP・芝1200m)は、1~4着までハナ、ハナ、クビの大接戦をネオヴァンクル(4番人気)が制しました。
http://www.youtube.com/watch?v=OGEA4liSQzk

小倉の未勝利戦(芝1200m)に続いての連勝です。音無秀孝厩舎の2歳馬のなかで、現在のところ勝ち星を挙げているのはこの馬だけ。クラヴェジーナがモタつく間に2勝してしまいました。クランモンタナ、ダノングーグー、ヒストリカルなど評判馬が揃っているので、京都開催で攻勢をかけてくる予感がします。

「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」は桜花賞馬レジネッタなど多くの活躍馬を出して成功している組み合わせです。この馬は、父がフレンチデピュティで、2代母マイライフスタイルがサンデーサイレンスの全妹ですから、配合構成が似ています。母の父にティンバーカントリーを挟むので一本調子ではありますが、緩急を必要としない1200~1400mの競馬では逆にいいのでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106011/

サンデーサイレンスの全妹は、サンデーズシス、ペニーアップ、マイライフスタイルと3頭輸入され、かなり多くの子孫が誕生していますが、重賞を勝ったのはトーセンクラウン(中山記念)のみ。残念ながらサンデーサイレンスのような影響力は発揮していません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004101623/

■中山5Rの新馬戦(芝1800m)は、◎マイネエカテリーナ(4番人気)が2番手から抜け出して快勝しました。

予想は◎△〇で馬単13980円、3連単74240円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎マイネエカテリーナは『アグネスタキオン×ブライアンズタイム』という組み合わせ。母マイネヌーヴェルはフラワーC(G3)の勝ち馬で、その全弟にマイネルチャールズ(弥生賞、京成杯)とマイネルアワグラス(シリウスS)がいる良血。『アグネスタキオン×ブライアンズタイム』は芝新馬戦で連対率36.4%(11戦4連対)と走っており、母は中山巧者だったのでこのコース条件も向くはず。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105193/

名繁殖牝馬マイネプリテンダーの孫。予想文に記したとおり、母マイネヌーヴェルの2頭の全弟マイネルアワグラスとマイネルチャールズは重賞を勝っており、半弟マイネルヌーヴォーは中山グランドジャンプ(J・G1)の勝ち馬。つまり、マイネプリテンダーの子はデビューした4頭がすべて重賞を勝っています。この一族は中山芝コースに強く、今回の勝利で連対率46.4%(28戦13連対)となりました。

マイネプリテンダーの父はオセアニアの大種牡馬 Zabeel。その父は“南半球の Northern Dancer”と言われた Sir Tristram で、その父は Sir Ivor。この血は Halo とニックスの関係にあるので、サンデーサイレンス(その父 Halo)の系統は合うでしょう。

2011年10月 5日 (水)

シンボリルドルフ死す

ニュースを目にしたとき、わずかな思考の空白のあと、「……シンボリルドルフでも死ぬのか」と思いました。生き物ですから死ぬのは当たり前です。その当たり前のことが訪れることを不思議に思うくらい、自分のなかでシンボリルドルフは別格の存在でした。

桁外れの天稟と、侵しがたい威厳。厩舎で「ライオン」とあだ名されるほどの激しい気性であったといいます。その一方で、競馬になれば冷静沈着、まるで人間の頭脳を搭載しているかのような完璧なレースぶりでした。熱さや激しさを不思議なほど感じさせず、努力や根性といった言葉から最も遠く離れた、クールでスマートな天才でした。

一個のサラブレッドとして、これほど魅力的な存在はほかに見当たりません。現役時代から大好きな馬でしたし、その気持ちは二十数年を経ても変わることはありませんでした。

昨年9月30日のエントリー「シンボリルドルフがジャパンC当日に東京競馬場へ」のなかで、以下のように記しました。

「絶対的に強い馬(=シンボリルドルフ)に憧れる気持ちが『なぜ強いのだろう』という探求心を生み、それを解き明かそうとしたことが血統に関心を持つきっかけだったと思います。そういう意味でシンボリルドルフは自分の人生を変えた馬といえます。初めて5代血統表を書いた馬はシンボリルドルフでした。もっとも、完成した血統表を見たところで何が何やらわかりませんでしたが……。」
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/09/post-ef66.html

昨年のジャパンC当日、東京競馬場にやってきたシンボリルドルフは、昼休みにパドックに現れてお披露目をしました。何の根拠もなくシンザンの長寿記録を抜くのだろうと思い込んでいたので、久々だなぁという感慨以外、これといって感傷を浸ることもなく、晴れやかな気分でパドックの周回を見守っていました。いまから考えればあれがファンに対する別れの挨拶でしたね。

シンボリ牧場を隆盛に導いた天才馬産家・和田共弘と、彼の馬産哲学の結晶であるシンボリルドルフについては、『神に逆らった馬――七冠馬ルドルフ誕生の秘密』(木村幸治著/ノン・ポシェット)に詳しく描かれています。『凱旋――シンボリルドルフをつくった男』を改題し、新たに文庫版としたものです。この本を読まずして日本競馬の歴史は語れません。名著だと思います。

2011年10月 4日 (火)

「一口馬主好配合馬ピックアップ」でロード診断開始

10月に入って急に秋めいてきましたが、血統屋の好評企画「一口馬主好配合馬ピックアップ」はまだ真夏のように熱いです。

9月中に東京サラブレッドクラブ、シルクホースクラブを片付けました。本日からロードサラブレッドオーナーズの診断を開始します。これが終わったら(あるいは並行して)ラフィアンの2次募集、というスケジュールです。
http://www.miesque.com/c00006.html

少しずつアップロードしていく予定です。更新の告知につきましては血統屋トップページの「What's New」をご覧ください。
http://www.miesque.com/

ディープブリランテ視界良好

土曜阪神5Rの新馬戦(芝1800m)は、中団追走の◎ディープブリランテ(1番人気)が4コーナー手前でマクリ気味に進出し、直線で楽々と抜け出しました。2着との着差は5馬身。
http://www.youtube.com/watch?v=q27WwQ6XuRw

予想は◎△★で馬単500円、3連単6690円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ディープブリランテは『ディープインパクト×ルーソヴァージュ』という組み合わせで、ハブルバブル(フラワーC-2着)の全弟にあたる。母ラヴアンドバブルズには重厚なヨーロッパ血統が含まれており、本馬はバステッド4×5を持つなど底力を感じさせる中距離配合に仕上がっている。ダービー向きの本格派だろう。姉と違ってこの時期に仕上がったのは体質が強い証拠。稽古時計も素晴らしく、ここは相手探しのレース。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105084/

ディープインパクト産駒は、首を上手に使って全身を躍動させるタイプが目につくのですが、この馬もその1頭ですね。追い出されてからフットワークが伸びるので末が切れます。初戦としては満点の勝ち方でした。

今年のフラワーC(G3)で2着となったハブルバブルの全弟です。同馬が新馬戦を勝った直後の3月3、4日に、「ハブルバブルとブサック血統(前・後)」という2回にわたるエントリーを記しました。配合についての詳しい説明はそちらをご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/03/post-bd37.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/03/post-dc7f.html

注目の配合馬なので、『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で取り上げただけでなく、白夜書房で行われた「POG公開ドラフト」でも指名しました。netkeiba.com の「私のオススメ10頭」にも入れています。

血統屋の電子書籍『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』では、Busted 4×5の影響で姉のように仕上がりが遅れたら……という懸念から評価を○にしてしまいました。望田潤さんは◎だったのでちょっと悔しいですね(笑)。
http://www.miesque.com/c00005.html

00年以降、10~12月に中央開催で行われた芝1600~2000mの新馬戦で、2着を5馬身以上ちぎって勝った馬は過去9頭います。そのうちの3頭はのちにG1ウィナーとなり(ダンスインザムード、フサイチパンドラ、ヴィクトリー)、2頭は重賞を勝ち(ローエングリン、ハイアーゲーム)、2頭は重賞で3着以内に入りました(メテオバースト、テイラーバートン)。要するに、上記の条件をクリアした馬はだいたい重賞クラスには出世し、3分の1の割合でG1を勝つ、ということです。

レース後は、ソエを治すために放牧に出たとのこと。能力の高さは間違いないので、ダービーを目指してじっくり行ってほしいですね。

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2011年10月 3日 (月)

凱旋門賞は Danedream

好天続きでロンシャン競馬場は過去最高レベルの高速馬場。しかも30℃前後まで気温が上昇する異常気象。これを見て、レース前はヒルノダムールが好位から抜け出すシーンしか頭に浮かびませんでした^^

しかし、勝負は甘くありません。ヒルノダムール10着。ナカヤマフェスタ11着。ただ、人気を集めた Sarafina が7着、Galikova が9着、昨年の覇者 Workforce が12着ですから、凡走というわけでもなく、力いっぱい走ったものの相手が強かった、ということでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=PcqRJojow6k

勝った Danedream(父 Lomitas)はドイツ産の牝3歳馬。ドイツ調教馬の凱旋門賞制覇は1975年の Star Appeal 以来36年ぶりです。
http://www.pedigreequery.com/danedream

ドイツからの遠征馬は長らく勝てなかったわけですが、ドイツ血統を持つ馬の優勝は3年連続です。09年の優勝馬 Sea the Stars、10年の優勝馬 Workforce にもドイツ血統が含まれていました。
http://www.pedigreequery.com/sea+the+stars
http://www.pedigreequery.com/workforce

ドイツの名伯楽ペーター・シールゲン調教師が管理し、今年5月の伊オークス(G2・芝2200m)を6馬身半差で勝って重賞初勝利を挙げました。ただ、次のマルレ賞(仏G2・芝2400m)では同じ3歳牝馬を相手に5着と敗れているので、この時点ではまだごくありふれた重賞勝ち馬だったと思います。

変わったのはその次から。約1ヵ月後の7月24日、牡馬を含めた古馬相手のベルリン大賞典(独G1・芝2400m)を5馬身差で、9月4日のバーデン大賞典(独G1・芝2400m)も同様に6馬身差で勝ち、ロンシャンに乗り込んできました。映像を見ると強靭な末脚が印象的です。バーデン大賞典から凱旋門賞を制したのは02年のマリエンバード以来となります。
http://www.youtube.com/watch?v=le3Xm_kfJrI
http://www.youtube.com/watch?v=L3GjMUnAR0U

凱旋門賞の直前、社台ファーム代表の吉田照哉氏が権利の半分を獲得しました。競走馬購買の広汎なネットワーク、眼力、決断力。さすがというしかありません。社台ファームは過去にもドイツ血統を積極的に入れているので、たまたまドイツ牝馬を買ったら当たったというわけではなく、ドイツの良血牝馬を獲得したいという明確な意思のもとに行ってきた地道な活動が実を結んだ、ということだと思います。

今回の凱旋門賞出走に関しては、10万ユーロ(約1030万円)という高額な追加登録料を支払っています。もし吉田照哉氏の購買と凱旋門賞挑戦がリンクしているなら、今回の勝利の立役者は吉田照哉氏といえるかもしれません。ジャパンCに出走する可能性があるのかどうか、続報を待ちたいと思います。

Danedream の父 Lomitas は、一昨年のエリザベス女王杯に来日(4着)したシャラナヤ Shalanaya の父。このほか、Silvano(アーリントンミリオン-米G1)、Belenus(独ダービー-独G1)などを送り出し成功しています。Lomitas の母の父 Surumu は、旧来の重苦しいドイツ血統とは肌合いを異にする現代的な特長を持ちます。それはすなわち堅い馬場を苦にしないということです。詳しくは10年4月22日のエントリー「勢力を拡大するドイツ血統」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/post-5cf1.html

母 Danedrop はキンシャサノキセキの母ケルトシャーンと構成が似ています(近い世代で Northern Dancer、His Majesty、Lady Berry が共通)。

母の父にデインヒルが入り、自身は Ribot 5×5を持つので馬力や底力は十分ですが、Nijinsky や High Top は堅い芝もOKなので、凱旋門賞のレースレコード(2分24秒49)を出せる下地はあったと思います。たとえば、05年のジャパンCを2分22秒1のレコードで勝ち、日本の堅い芝で新たな才能を開花させたイギリス馬アルカセットは、母チェサブラナが Niniski×High Top という組み合わせ。Danedream も近い世代に Niniski と High Top を持ちます。
http://www.pedigreequery.com/alkaased

Danedream はいずれ社台ファームで繁殖入りするのでしょう。93年の凱旋門賞を制した Urban Sea(Galileo、Sea the Stars などの母)のような名繁殖牝馬になることを期待したいところです。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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2011年10月 2日 (日)

Dabirsim がジャンリュックラガルデール賞(仏G1)制覇!

ハットトリック産駒として注目を集める Dabirsim が、凱旋門賞当日に行われた仏2歳チャンピオン決定戦・ジャンリュックラガルデール賞(G1・芝1400m)を制しました。通算5戦全勝。
http://www.youtube.com/watch?v=O9oxMZghO44

2倍を切る圧倒的な1番人気ながら、鞍上のデットーリ騎手は残り300mぐらいまで前が詰まり最後方に控える展開。ゴール直前、最内を突いてグイグイ伸び、全馬を交わし去りました。曲芸のような騎乗でしたね。サンデー系の切れ味はやはり恐ろしいものがあります。乾いた馬場で勝ち時計は1分19秒85と速いのですが、ロンシャンのこのコースは実測1400mありません。このあたりは日本のように厳密ではありませんね。

Dabirsim はこれでカルティエ賞最優秀2歳牡馬の受賞に大きく前進しました。レース後、テレビカメラの前でインタビューに応えたデットーリ騎手は、興奮冷めやらぬ様子で「スーパースター」を連発していました。サンデーサイレンス系にとっても大きな意味を持つ勝利です。
http://www.pedigreequery.com/dabirsim

スプリンターズSはカレンチャン

いろいろあったスプリンターズS(G1・芝1200m)ですが、△カレンチャン(3番人気)の完勝ぶりは文句のつけようがなく、能力が一枚上という競馬でした。ここまで強くなっているとは……という感想です。
http://www.youtube.com/watch?v=VqCvGFc-MS0

5連勝でG1戴冠、という歩みは同じクロフネ牝馬のスリープレスナイトと同じ。着差がつきづらいスプリント戦における“1・3/4馬身差”はかなり大きなもので、2000年以降、良~稍重で行われたスプリンターズSでは、06年のテイクオーバーターゲット(2・1/2馬身差)に次ぐものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102807/

4コーナーから直線にかけて◎ロケットマン(1番人気)の外側に被せるように進出し、同馬をポケットに閉じ込めた池添騎手のプレーが見事でした。「(ロケットマンを)ずっと見ながら競馬ができたらいいかなぁと思っていました」と、レース後に語っていたので、最大のライバルと見越した上で蓋をしたのでしょう。池添騎手はこれでホエールキャプチャ、オルフェーヴルに続き3週連続重賞制覇。今年に入って重賞11勝目で、うちG1は4勝目となります。大レースで冷静沈着に仕事ができるという点では現役ナンバーワンではないでしょうか。

カレンチャンの配合については、4月10日のエントリー「阪神牝馬Sはカレンチャン」をご覧ください。準OPからノンストップで頂点を極めたわけですが、馬はまだ強くなる可能性があります。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/04/post-c728.html

1番人気で敗れたロケットマンは4着。先頭に並びかけることすらできませんでした。蓋をされてロスがあったのは事実ですが、それ以前に道中の手応えがもうひとつでしたね。

個人的には、火曜日と金曜日に強いところを追って、なおかつ馬体重が増えていたところに敗因があるような気がします。シンガポールから日本への輸送を見越して、出発前に少し太めに作りすぎていたのではないでしょうか。あるいは、9月17日に来日してから何か誤算があったか。

今年に入ってから、本拠地シンガポールのレースでは481、479、479、479キロと安定しています。ドバイでは計測がありません。昨年末、香港に遠征(2戦)した際は、475、473キロ。シンガポールでレースをしているときよりも減っています。そして今回は486キロ。香港遠征のときのように減っているならともかく、逆に増えています。レース当週の異例の2回追いは、太目を解消するための苦肉の策だったとも考えられます。

もしこれが敗因なら、ベストの体調ではなかったことになるので、できることなら来年もう一度チャレンジしてほしいですね。セン馬なので7歳になっても衰えはないでしょう。

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札幌2歳Sはグランデッツァ

■札幌2歳S(G3・芝1800m)は好位追走の◎グランデッツァが好位追走から難なく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=YeSx5gvfE4Q

予想は◎△△で馬単410円、3連単2430円的中。『netkeiba.com』の「No.1予想」に提供した予想文を転載します。

「◎グランデッツァは『アグネスタキオン×マージュ』という組み合わせ。半姉マルセリーナは桜花賞馬で、母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1)など3つのマイル重賞を制した名牝。母方はヨーロッパ血統で構成されており、馬場が少々湿ったぐらいではへこたれない。ほんの少し気合いをつけた程度で後続を8馬身ちぎった前走の勝ちっぷりは圧巻。まだまだ未完成でレースぶりも荒削りだが、外からすんなり好位をキープできればこのメンバー相手に連を外すことはなさそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105989/

1200mの2歳重賞と違い、札幌2歳Sは来年のクラシックを思い描きながら予想することができるので、毎年検討するのが楽しみなレースです。今年は素直にグランデッツァが抜けていると評価して◎。外からすんなり好位をキープできた時点で半分レースは決まったようなものでした。

配合については9月21日のエントリー「グランデッツァ8馬身差圧勝」をご覧ください。Alcide 周辺の重厚な部分を強化した配合なので、雨の心配はしていませんでした。これで賞金は足りたのでゆったりとしたローテーションを組むことができます。次走は暮れの阪神でしょうか? 直線の長いコースでどんな脚が使えるのか楽しみです。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/09/post-43d5.html

2着△ゴールドシップ(2番人気)の走りを見ていると母の父メジロマックイーンの姿がダブります。身のこなしがそっくりですね。直線でエンジンが掛かったときに思わず「おっ」と身を乗り出しました。鋭く追い込んで届かなかった馬はつねに強く見えるもので、現時点で過大視は禁物ですが、先々かなりいい形で完成しそうな予感があります。早熟型ではないのでこれからどんどん成長するでしょう。

■阪神11RのシリウスS(G3・ダ2000m)は、勝ったヤマニンキングリー(5番人気)を無印に落として大失敗。2年も勝ち星から遠ざかった6歳馬が初挑戦のダートで蘇り、しかもそれが重賞だったという例はきわめて稀です。
http://www.youtube.com/watch?v=zPgDoB4FU-0

武豊騎手は「初めてのダート戦なので砂を被らないポジションでレースをしようと思っていました」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っています。ファインプレーですね。

2代母ティファニーラスはケンタッキーオークス(米G1・ダ9f)の勝ち馬で、その父 Bold Forbes、母の父 Graustark というパワー型の血統ですから、ダートをこなす下地はありました。父アグネスデジタルと同じく芝とダート双方で重賞を勝ったことになります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005105360/

前日に雨が降り、良馬場とはいえ軽い馬場コンディションだったことも幸いしたはずです。必ずしも状態面が良好というわけではなかったと思うので、調子が上がってくればさらに上のパフォーマンスが期待できます。もともと寒い時季のほうがいいタイプ。武豊騎手のお手馬であるスマートファルコンの座を脅かし、“男版ホクトベガ”といった存在になればおもしろいですね。

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2011年10月 1日 (土)

シンガポールの快速王ロケットマン

ワールドサラブレッドランキングの最新版によれば、スプリント部門の世界トップはオーストラリアの快速牝馬 Black Caviar で、2位はロケットマン(Rocket Man)です。後者のレーティングは125ポンド。日曜日に行われる凱旋門賞(仏G1・芝2400m)の出走馬のなかで最も高く評価されているのが So You Think で126ポンド。ロケットマンはそれとほとんど変わらないわけですから実力のほどが窺えます。

どのカテゴリーであれ、125ポンドをもらった馬が来日するのは稀なことです。スプリンターズS(G1・芝1200m)では過去に例がありません。たとえば、1番人気で優勝を果たした05年のサイレントウィットネス Silent Witness(香港)、06年のテイクオーバーターゲット Takeover Target(オーストラリア)は、来日時それぞれ123、118ポンドでした。ロケットマンはそれらの上を行きます。先日行われたセントウルS(G2・芝1200m)の2着馬ラッキーナインは117ポンド、4位入線のグリーンバーディーは114ポンドです。

ワールドサラブレッドランキングの結果どおりにレースが決着したら誰も苦労はしないのですが、少なくとも基本能力についての有力な物差しにはなります。数値が120以上あり、状態面や馬場適性に問題がなければ好走はほぼ間違いないところです。

ロケットマンはオーストラリアで誕生し、シンガポールで競走馬となりました。オーストラリアは世界最高の芝短距離王国で、過去にスプリンターズSを制した海外調教馬3頭はいずれも同国で誕生しています。香港の短距離路線がきわめてハイレベルなのは、馬資源のほとんどをオーストラリアから輸入しているからです。ロケットマンが本拠とするシンガポールもオーストラリアやニュージーランドから馬を仕入れています。
http://www.pedigreequery.com/rocket+man

ロケットマンの半兄 Our Giant(父 Giant's Causeway)は南アフリカのホースチェスナットS(G1・芝1600m)の勝ち馬。母 Macrosa は97年のジャパンCで12着となったエボニーグローブ Ebony Grosve の半姉で、母の父マクギンティ McGinty は83年のジャパンC5着馬です。質の高いファミリーの出身で、なおかつ日本とも縁があります。
http://www.pedigreequery.com/our+giant
http://www.pedigreequery.com/ebony+grosve
http://www.pedigreequery.com/mcginty

父 Viscount は英ダービー馬 Quest for Fame の子。ただ、競走馬としてはスプリンター寄りのマイラーで、1600mのG1を2勝、1400mのG1を1勝しています。Octagonal、Kaapstad、Danewin、コマンズ、Don Eduardo など多くの名馬が現れている名牝系に属し、種牡馬としてはロケットマンのほかにオーストラリアで2頭のG1馬を送り出しています。ただ、全体的な種牡馬成績は平凡というべきもので、ここ3年の種牡馬ランキングは40位、37位、54位です。

ロケットマンは、兄弟にG1馬がいる良血に加え、相性のいい Sir Tristram と Sovereign Path を持っていることが強調材料として挙げられます。オーストラリア産の名スプリンターは、サイレントウィットネスやテイクオーバーターゲットにしてもそうですが、スプリンター血統ばかりを掻き集めて誕生しているわけではなく、スタミナ血統がやや多すぎるのではと思うくらいしっかり入っています。ロケットマンの場合でいえば、Quest for Fame、McGinty、Tamerlane、Ribot など。おそらくこれがスピードを持続させるスタミナとして作用しているのでしょう。

通算21戦17勝(2着4回)という成績は圧巻の一語。スタートは抜群に速いので出遅れて包まれる危険性はありません。遠征慣れしており、どんな環境・条件でも勝ち負けに持ち込む安定性は大きなセールスポイントです。金曜日、中山競馬場のダート(良)で上がり3ハロン35秒9(ラスト1ハロン11秒5)という時計を出しました。強烈としかいいようがありません。

唯一の死角は切れる脚を使えないこと。ワンペースでじりじりと伸びるタイプなので、スローペースで極端に上がりが速くなったときには不安があります。ただ、平年並みの速い流れになれば、バテることを知らない馬なのでスピードの持続力でねじ伏せてしまうでしょう。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!