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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年2月

2011年2月28日 (月)

中山記念はヴィクトワールピサ

日曜日の中山競馬場は春でした。昼食を食べたあとボーッと馬場を眺めていると睡魔が襲ってきて困りました。そんな競馬日和のなか行われた中山記念(G2・芝1800m)。素晴らしいレースでしたね~。目の保養になりました。
http://www.youtube.com/watch?v=yjfvsdYBWcM

大外をマクった◎ヴィクトワールピサ(1番人気)が直線で先頭に立つと、軽いどよめきが起こりました。「うわっ、強いな~!」という声も。それなりの強豪が集まる古馬G2で、他馬を子供扱いにして楽勝するのですから、一言でいって能力が違います。予想は◎△で馬単810円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ヴィクトワールピサは『ネオユニヴァース×マキアヴェリアン』」という組み合わせで、スウィフトカレント(小倉記念、天皇賞・秋-2着)の4分の3弟、アサクサデンエン(安田記念)の半弟にあたる。中山コースでは3戦全勝(有馬記念、皐月賞、弥生賞)。前走、2500mの有馬記念でブエナビスタを倒したが、本質的には2000m前後を得意とする中距離馬なので、距離短縮はプラスだろう。能力は抜けており、他馬との比較で58キロはむしろ有利。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/

着順掲示板に表示された上がり4ハロン「45秒9」という数字にビックリしました。中山内回りコースの終盤は、3コーナー→4コーナー→急坂、というレイアウト。カーブと坂が大半なので速い上がりは出ません。上がり4ハロンは序盤どんなにスローでも46秒台が精一杯。それが、45秒台突入。「TARGET frontier JV」で調べてみたところ、これは中山内回りコースの新記録でした。

コース史上最も速い上がりを記録したレースで、後方から大外を回って突き抜けたヴィクトワールピサの脚力は、ちょっと形容しがたいものがあります。有馬記念でブエナビスタを封じたロングスパートはやはり並ではなかったということです。今回のマクリは一瞬ディープインパクトの姿がダブりました。

これで中山コースは4戦全勝。もちろん、中山は得意ですが、中山専用馬ではないという点には注意したいところです。レースを見ても明らかなように、コース巧者である以前に能力が違います。直線の長いコースでも大きな能力減はなくそれなりの走りはするでしょう。次走予定のドバイワールドC(3月26日・メイダン競馬場・AW2000m)はまさにそうしたコースレイアウト。世界のトップクラスとブエナビスタを相手にどれだけやれるのか興味が尽きません。

2011年2月27日 (日)

アーリントンCはノーザンリバー

土曜阪神11RのアーリントンC(G3・芝1600m)は、好位追走の◎ノーザンリバー(4番人気)が外から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=D3POibKfIy4

阪神競馬は開幕日ということで絶好の芝コンディション。傷みの少ないインコースを通れる内枠の馬が馬券に絡みまくっていました。ノーザンリバーは12番枠から出て終始外を回っていたので、着差以上に強かったと思います。

2着キョウエイバサラ(11番人気)は無印。血統的に芝向きだとは思いましたが、成績が成績だけに印は回りませんね~。内枠だったことにも幸いしたと思います。レース選択が上手な矢作調教師があえてぶつけてきた意味をもう少し考えるべきでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008110045/

勝ったノーザンリバーについては、前走を勝ったあと、2月2日のエントリーで「次は芝に戻るのではないでしょうか。ダート馬ではないので要注意です」と書きました。ここ2走はダートで勝ちましたが、芝・ダート兼用というだけで、ダート専用馬ではもちろんありません。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ノーザンリバーは『アグネスタキオン×マキアヴェリアン』という組み合わせ。ノットアローン(ラジオNIKKEI賞-2着)、ルミナスポイント(OP)の全妹、モンローブロンド(ファンタジーS-2着)の半妹にあたる良血。ダートで連勝しているが、初戦(芝1500m)はレーヴディソールの2着、休み明けだった2戦目(芝1600m)も差のない3着。芝適性は問題ない。アグネスタキオン産駒は阪神芝1600mと相性がいい。ダイワスカーレットとレーヴディソールがG1を制覇し、アーリントンCでも〔0・2・1・2〕とコンスタントに走っている。全兄ノットアローンが4着なら、それより上と思えるノーザンリバーは勝ち負けになっていい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103212/

母の父が Machiavellian で、母の母が Sonic Lady ですから、1600~2000mあたりがちょうどいいタイプですね。牝系については1月19日のエントリー「ディープインパクト産駒の買いどころは基本的にマイル以上」で触れておりますのでご覧くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-35da.html

○ノーブルジュエリー(1番人気)は見てのとおり出遅れ+大外回しが敗因。牡馬相手の1600mでそのような競馬は荷が重すぎました。牝馬相手の1400mなら評価を下げる必要はないと思います。

△ラトルスネーク(3番人気)は引っ掛かる気性で、勝った前走でも外に出した途端掛かり気味になっていました。したがって馬群に入れてレースを進めたい馬なのですが、それはイコール、前が詰まるリスクを背負うことでもあります。今回も馬群が捌けていれば勝ち負けでした。次走以降も詰まったら負け、詰まらなければ勝ち、という丁半博打のような競馬になりそうなので、なかなか本命は打ちづらい馬です。

さて、日曜日の阪急杯。馬場の傾向が土曜日とほぼ同じだと仮定すると、内枠の馬は要注意です。1~3枠の馬は人気薄でも念のため押さえたいところです。

2011年2月26日 (土)

黛弘人騎手、油断騎乗により9日間の騎乗停止

土曜日の小倉最終レースで、メジロガストンに騎乗した黛弘人騎手が「決勝線手前で2完歩ほど追う動作を緩め2着」(JRAホームページより)となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=QCNcvxI0dDs

87年10月の東京競馬で、天間昭一騎手(現調教師)がゴール前で手綱を緩めて後続に差されたことが問題になったとき、騎乗停止期間は「4ヵ月」でした。わたしはこういうケースで仮に半年間の騎乗停止処分が下ったとしても重いとは思いません。

メジロガストンの馬主であるメジロ牧場のブログに以下のような記述があります。

「黛ジョッキーから牧場に電話がありました。ガストンがもたれて斜行しそうになり、それを立て直すために上体が起きてしまったとのこと。しかもムチを入れようとおもった手が勝ったときのガッツポーズにとられてしまったそうです。」
http://ameblo.jp/mejiro308/entry-10813960180.html

JRAの説明は以下のとおり。

「黛騎手本人から事情聴取を行うとともに、パトロール映像を精査した結果、この行為は騎手としての注意義務を著しく怠った油断騎乗であると認め、騎乗停止30日としました。」
http://www.jra.go.jp/news/201102/022602.html

JRAは黛騎手の言い分を認めていません。「騎乗停止30日間」は競馬開催日に直すと「9日間」ということになります。

ゴール前の競り合いの最中、不用意に手綱を緩めたり腰を上げたりする騎手がよく目に付きます。今回は1着と2着が入れ替わったので目立ちましたが、2着と3着、あるいは3着と4着の争いでは、「最後までしっかりと追っていたら着順が入れ替わっていたのでは?」というシーンをたまに目にします。たった数メートル手綱を緩めたぐらいで馬のスピードは変わらないよ、という意見もあります。しかし、ファンの目にはそうは映らないでしょう。レースの公正性に対して疑念を抱かせる行為が競馬ファンの増加につながるとは思えません。

公正というものに厳格な態度を貫くJRAが、なぜこうした行為を放置しているのかよく分かりません。騎手を調整ルームに缶詰にすることよりも重要だと思うのですが。

ボールドスマッシュ2勝目

2月18日のエントリーで取り上げたボールドスマッシュ(牝3歳・船橋・岡林光浩厩舎)が、2月22日に船橋競馬場で行われた2戦目(ダ1600m)を快勝し、通算成績を2戦2勝としました。
http://www2.keiba.go.jp/KeibaWeb/TodayRaceInfo/RaceMarkTable?k_raceDate=2011%2f02%2f22&k_raceNo=9&k_babaCode=19

出走馬の半数以上がJRA所属馬。前走に比べて大幅に相手が強化されたため着差はわずか(2馬身半差)でしたが、勝ちタイムの1分43秒4は同日のB3特別と0秒4差なので悪くないでしょう。好位追走からしびれを切らしたように3コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切りました。順調に成長してクラーベセクレタやマニエリスムに追いついてほしいものです。
http://www2.keiba.go.jp/KeibaWeb/DataRoom/HorseMarkInfo?k_lineageLoginCode=30018402055

2月が通り過ぎれば地方競馬にもクラシックの蹄音が微かに聞こえてきます。ここで各地区の3歳有望馬を整理しておきます。

【岩手】
ベストマイヒーロー
牡 父サクラプレジデント 瀬戸幸一厩舎
通算6戦5勝
主な勝ち鞍:南部駒賞、若駒賞、金杯、ジュニアグランプリ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105137/
〔一口メモ〕厩舎の先輩に岩手の帝王ロックハンドスターがいる。サクラプレジデントの現3歳は中央でもよく走っている。母方は Hyperion 色が強くパワー満点。

【南関東】
セルサス
牡 父タイムパラドックス 佐藤賢二厩舎
通算4戦3勝
主な勝ち鞍:ハイセイコー記念
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008106137/
〔一口メモ〕配合については昨年11月11日のエントリー「ハイセイコー記念はセルサス」で紹介済み。昨年暮れの調教中に脚をぶつけて現在休養中。復帰時期は未定。

【東海】
アポインホープ
牡 父アポインテッドデイ 原口次夫厩舎
通算8戦4勝
主な勝ち鞍:若鮎特別3歳
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103810/
〔一口メモ〕母に Capote≒Some de Lys 2×2がある。まだ格下だがこれから頭角を現しそうな馬。馬主の大藪憲三氏は元名古屋競馬の調教師でリーディングトレーナーとなった経験もある。

【兵庫】
オオエライジン
牡 父キングヘイロー 橋本忠男厩舎
通算5戦5勝
主な勝ち鞍:園田ジュニアC、兵庫若駒賞、園田ユースC
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102256/
〔一口メモ〕2代母フシミラッキーは道営の北海優駿を制した名牝。父がキングヘイローで母方にブレイヴェストローマンを持つのでキクノアロー(ダイオライト記念)と似ている。

【佐賀】
リョウマニッポン
牡 父ルールオブロー 九日俊光厩舎
通算3戦3勝
主な勝ち鞍:九州ジュニアグランプリ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101805/
〔一口メモ〕ギオンゴールドやマンオブパーサーと同じ九日俊光厩舎所属。Nureyev≒Sadler's Wells 4×4を持つ。父ルールオブローはこの4分の3同血クロスが走るのかもしれない。

2011年2月25日 (金)

オーストラリアのスピードクイーン Black Caviar(後)

Black Caviar の重要な構成要素である Vain(1966年生)は、日本ではあまり馴染みのない血で、過去にこの系統の種牡馬が導入されたこともありません。オーストラリアでは83-84年にリーディングサイアーに輝くなどメジャーな血です。現役時代は14戦12勝(2着2回)。圧倒的なスピードで大レースを勝ちまくり、69-70年の豪年度代表馬に選ばれました。名誉の殿堂入りも果たしています。
http://www.pedigreequery.com/vain2

その父 Wilkes(1952年生)は、Worden(ボンモーやマリーノの父、ディクタスやサンシーの母の父)の半弟、ブランブルー(タニノチカラの父)の半兄にあたる良血。父 Court Martial 譲りの非凡なスピードを伝え、1960年代にオーストラリアで3回リーディングサイアーとなりました。Vain と同じく名誉の殿堂入りを果たした Wenona Girl など多数の一流馬を送り出しています。
http://www.pedigreequery.com/wilkes

Vain は、父が Fair Trial 系で、母の父が Nasrullah 系。これら Lady Josephine 牝系の影響を受けた血からスピードを受け継ぎ、Gainsborough-Hyperion を重ねて底力を補強しています。当時のイギリスでよく見られたスピード型の配合パターンで、イギリス血統の影響を強く受けたオーストラリアでもよく見られました。自国で生まれ育った名馬が種牡馬としても成功し、新たな名馬を作り出すための糧となっている、というサイクルが Black Caviar の血統表からは見て取ることができます。オーストラリア生産界の歴史と底力を感じさせる配合ですね。

Black Caviar の母の父 Desert Sun は、現代のスピード血統の新たな主流ラインを形成しつつある Green Desert の子。名誉の殿堂入りを果たした名牝 Sunline(通算48戦32勝)の父でもあります。Black Caviar と Sunline は近い世代に Nijinsky と Desert Sun を持っているという共通点があります。
http://www.pedigreequery.com/sunline

父 Bel Esprit は First Rose≒Tom Fool 4×5。娘の Black Caviar は、Tom Fool の息子 Silly Season 5×5によってこの相似な血のクロスを継続しています。これもポイントのひとつかもしれません。
http://www.pedigreequery.com/first+rose
http://www.pedigreequery.com/tom+fool

       ┌ Menow
First Rose ―┤ ┌ Sir Gallahad(=Bull Dog)
       └○┤ ┌ Broomstick
         └○┤
           └ Cherokee Rose(=Pennant)

       ┌ Menow
Tom Fool ――┤ ┌ Bull Dog(=Sir Gallahad)
       └○┤   ┌ Pennant(=Cherokee Rose)
         │ ┌○┤ ┌ Broomstick
         └○┘ └○┘

Black Caviar は楽勝の連続で、これまで辛勝というものがありません。今回のライトニングSでもゴール前で手綱を抑えていました。勝ちっぷりがあまりに楽なので、弱い相手と戦っているように見えますが、今回の2着馬 Hay List は通算13戦11勝のG1ウィナーで、これも相当な強豪です。よほど調子が悪かったり、長すぎる距離を使ったり、常識外の斤量でも背負わないかぎり、連勝は続いていきそうです。

2011年2月24日 (木)

オーストラリアのスピードクイーン Black Caviar(前)

オーストラリアで注目を集める女傑スプリンター、Black Caviar が無傷の9連勝を飾りました。2月19日に豪フレミントン競馬場で行われたライトニングS(G1・芝1000m)を3・1/4馬身差で快勝。すでに歴史的名牝との評価を獲得しています。
http://www.youtube.com/watch?v=J6QktlVEydw

オーストラリアの芝短距離は世界ナンバーワンの水準。そこで抜きん出た強さを誇っているので、いま世界で一番速い馬かもしれません。
http://www.pedigreequery.com/black+caviar

父 Bel Esprit は前肢に難があるため、1歳時のセールでわずか9000ドル(当時の邦貨で約55万円)の値しか付きませんでした。しかし、競走馬としては何の問題もなく、2つのG1を含めて重賞6勝という成績を収めました。Nijinsky 系のロイヤルアカデミー産駒で、重賞勝ち距離は1000mから1350mです。
http://www.pedigreequery.com/bel+esprit2

昨シーズンの豪種牡馬ランキングは21位。今シーズンは現時点で10位。Black Caviar のほかにロバートサングスターS(豪G1・芝1200m)を勝った Bel Mer などを出しています。
http://www.pedigreequery.com/bel+mer

Black Caviar と Bel Mer は、いずれも「Vain 3×4」というクロスを持っています。Bel Esprit 産駒のこの配合パターンは要注目です。

2011年2月23日 (水)

My Charmer が光るヒラボクインパクト

■日曜東京5Rの新馬戦(芝1800m)は、△カグニザント(2番人気)が5馬身差で逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=dnVJMjuV4sg

ネオユニヴァースの現3歳世代は、昨年6月のシーズン開幕から32連敗を喫しました。2歳夏のローカル戦が苦手であることを差し引いても酷い成績であり、前途多難を思わせたのですが、その後は順調に勝ち星を伸ばしています。一昨年のロジユニヴァースとアンライバルド、昨年のヴィクトワールピサほどの大物は見当らないものの、オールアズワン、ユニバーサルバンクがクラシック路線に乗っています。

カグニザントは、母インコグニートがシックスセンス(京都記念)の半姉です。底力はあるものの瞬発力に一抹の不安を感じさせる配合なので、この距離にありがちな切れ味比べになると弱みを見せる可能性も……と予想しました。先頭に立って自らレースを作ったのは正解だったと思います。最後の3ハロンは11秒7-11秒5-11秒4と尻上がりにラップを上げているので、相手がバテたわけではなく、自身がしっかり伸びています。決して展開に恵まれた勝利ではありません。内容は濃いですね。

母方に Danzig を持つネオユニヴァース産駒は、ロジユニヴァースとオールアズワンという重賞勝ち馬に加え、サンビーム、ダノンフェニックス、ベストリガーズ、本馬と、このところ活躍馬が目立っています。パワフルな配合なので、良馬場ながら雨の影響により馬場が荒れていたことはプラスでした。中山のほうが向いているかもしれません。皐月賞に間に合うようなら楽しみです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102580/

■東京9Rのセントポーリア賞(3歳500万下・芝1800m)は、ヒラボクインパクト(6番人気)が逃げ切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=BmGssldqAPY

母ドリームカムカムは短距離戦線で活躍した馬(シルクロードS-5着)で、「メジロライアン×ローモンド×ハードツービート」という組み合わせ。決め手に欠ける血統なので、息子のヒラボクインパクトはディープインパクト産駒であっても瞬発力勝負になるとどうかな……と感じさせます。日曜日の東京芝は前残りばかり。そして馬場が荒れていたのでパワーが活きるコンディションでもありました。この馬に向いていたと思います。薄いながらも Hypericum≒Aureole という重厚な4分の3同血クロス(6×6)を持っており、これは粘りを補強するものでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100579/

2代母の父 Lomond は米三冠馬 Seattle Slew の半弟で、英2000ギニー(G1)の勝ち馬。その母 My Charmer は Striking=Busher 3×3という大胆な全きょうだいクロスを持っています。Striking も Busher も名牝 La Troienne の孫。
http://www.pedigreequery.com/my+charmer

       ┌○┐
       │ └○┐
My Charmer ―┤   └ Striking(=Busher)
       │ ┌○┐
       └○┘ └ Busher(=Striking)

ディープインパクトと La Troienne の関係は非常に良好で、同じように La Troienne 血脈の凝縮から成る Sex Appeal(Busanda≒Mr.Busher 2×3)も、ディープインパクトと抜群の相性を示しています。このパターンからはマルセリーナ、ターゲットマシンが出ました。
http://www.pedigreequery.com/sex+appeal

もし仮にヒラボクインパクトに My Charmer が無かったとしたら、強調点の見当たらない茫洋とした配合で、大成は覚束なかったと思います。ディープインパクト産駒は年明けから500万以上で7勝目。内訳は重賞1勝、OP特別2勝、500万特別4勝。もちろん世代トップです。とにかく層が厚いですね。

2番人気に推されたリヴェレンテ(父キングカメハメハ)は出遅れて後方からの競馬となり、大外へ持ち出したものの12着。騎乗したデムーロ騎手曰く「今日は精神的に不安定で、物見してばかりいました」(週刊競馬ブック)。ただ、デムーロ騎手もこの土日は、出遅れて後方追走から大外回しという騎乗が目立ち、とくに日曜日の後半はほとんどこのパターンでした。騎乗のリズムがイマイチだったような気がします。

2011年2月22日 (火)

ラヴィアンクレールの「マンカフェ×エンドスウィープ」はニックス

■土曜京都9Rのこぶし賞(3歳500万下・芝1600m)は、ディープインパクト産駒のアルティシムス(4番人気)がしぶとく伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=FZihqCf2yj0

母アルーリングアクトは小倉3歳S(G3)の覇者。Mr.Prospector 3×3が手堅いスピードを安定的に伝えているようで、産駒はコンスタントに走っています。出世頭のアルーリングボイス(父フレンチデピュティ)は小倉2歳S(G3)とファンタジーS(G3)を勝ちました。アベレージヒッター型の繁殖牝馬といえるでしょう。その一方で大物感という面ではやや物足りないところがあり、アルティシムスがこれをどう克服していくかが今後の鍵でしょうね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102629/

ディープインパクト産駒は基本的に外回りコース向きですが、この馬は母方の影響で内回りコースに向いているのかもしれません。フットワークからもそんな感触があります。秋山真一郎騎手によれば「荒れた馬場はうまい」(週刊競馬ブック)。これで道悪は2戦2勝です。

母方に Fappiano を持つディープインパクト産駒には、ダノンバラード、サイレントソニック、そしてこのレースにも出走したダコールがいます。相性がいいようですね。このほか、本馬には Pocahontas 5×6(Alzao の2代母、Tom Rolfe の母)があります。このクロスは注意したいところです。

3着ダコール(2番人気)は、福永祐一騎手によれば「切れ味タイプだからこんな馬場はもうひとつ」(週刊競馬ブック)とのこと。12キロ減の馬体重も影響したのかもしれません。休み明けを使った反動でもあったのでしょうか。次走、馬体が戻って良馬場の1600mなら絶好の狙い目でしょう。

■土曜東京9RのヒヤシンスS(3歳OP・ダ1600m)は、好位追走のラヴィアンクレール(5番人気)が抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=QQP4UD-zTAI

『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で取り上げた好配合馬です。母ダークエンディングはシリーンS(加G1・ダ8.5f)の勝ち馬。本馬は「マンハッタンカフェ×エンドスウィープ」ですからゲシュタルト(京都新聞杯)と同じ組み合わせです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102913/

日本に輸入後わずか3世代しか残せなかった名種牡馬エンドスウィープは、母の父としても優秀です。連対率は21.4%。母の父として連対率が20%を超える種牡馬は稀です。こぶし賞を勝った前出のアルティシムスも母の父がエンドスウィープですね。

エンドスウィープはサンデー系とニックスといえる関係にあります。なかでもマンハッタンカフェとの組み合わせはおもしろいと思います。エンドスウィープは Mr.Prospector と Northern Dancer を併せ持つのですが、これはマンハッタンカフェの交配相手としては有効なパターン。さらにはマンハッタンカフェの配合構成のなかで鍵となる Heliopolis を継続します。

前回のPOGではゲシュタルトを、今回はラヴィアンクレールを「栗山ノート」で取り上げました。どちらも走ったので「マンハッタンカフェ×エンドスウィープ」はニックスといってもいいでしょう。ほかにもう1頭、キッズアプローズという馬がいるのですが、全成績〔3・3・2・0〕と複勝圏を一度も外していません。

母ダークエンディングは File≒Fire Water 3×3という組み合わせのクロスを持ちます。これがパワーを補強しているものと思われます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006881/

         ┌ Tom Rolfe
File ――――――┤ ┌ Double Jay
         └○┘

         ┌ Tom Rolfe
Fire Water ―――┤ ┌ Double Jay
         └○┘

そして自身は Promised Land≒Darlin Patrice 5×5という4分の3同血クロスを持ちます。なかなか洗練された配合です。

         ┌ Palestinian
Promised Land ――┤
         └ Mahmoudess

         ┌ Palestinian
Darlin Patrice ―┤
         └○┐
           └ Mahmoudess

マンハッタンカフェは、ダート色の強い繁殖牝馬から芝をこなす産駒を作ることが珍しくないので、デビュー前は芝でも行けるんじゃないかと考えていたのですが、バリバリのダート馬でしたね。この日は東京ダートでマンハッタンカフェ産駒が3勝。プチ祭りでした。現3歳世代のマンハッタンカフェ産駒には、これも大物と評価されているグレープブランデーという馬がいます(2月9日のエントリーを参照)。どちらもデムーロ騎手が手綱を取っているので、聞けるものなら力量比較を聞いてみたいところです。

2011年2月21日 (月)

フェブラリーSはトランセンド

今週の東京ダートは時計が掛かりました。フェブラリーSの勝ちタイムは1分36秒4。2000年以降で2番目に遅いタイムです。スピードよりもパワーやスタミナが必要な馬場でした。
http://www.youtube.com/watch?v=Zt29AsEeEMI

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は▲◎で馬連1100円、▲◎△で3連複3200円的中。『ウマニティ』の予想は◎フリオーソの単勝一本勝負で不的中。美味しいオッズ(5.5倍)にちょっと目が眩んでしまいました……^^

勝った▲トランセンド(1番人気)にとって東京ダ1600mは決して条件好転ではありません。Mr.Prospector が無く Hyperion のパワーで走るダート馬ですから、過去の成績どおりダ1800mがベスト。今回はパワーやスタミナが必要な馬場状態になったことが良かったのでしょう。仮に1分34秒台の決着になっていたとしたら厳しかったのではないか、と思います。ただ、差しが利く馬場コンディションで、道中競り掛けられながら、逃げ切りが難しいレースを逃げ切ったのですから、能力の高さは歴然としています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104736/

配合については11月7日のエントリー「トーセンジョーダン、トランセンド」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/post-e9bf.html

2着◎フリオーソ(3番人気)のレースぶりは見てのとおり。スタート直後の芝の部分であれほど置かれるとは思いませんでした。先頭か番手が定位置のこの馬にとって、後方に控える競馬は経験がありません。慣れない位置取りで大外をマクって2着に追い込んできたのですから、能力は頭ひとつ抜けていたと思います。予想文を転載します。

「◎フリオーソは『ブライアンズタイム×ミスタープロスペクター』という組み合わせ。フェブラリーSはダートのマイル戦なのでミスタープロスペクターと相性がいい。ただ、スピードだけで乗り切れるレースではなく、底力に秀でた持続力型の血、ロベルトを持つ馬の活躍が目立っている。とくにブライアンズタイムとは好相性。昨年の優勝馬エスポワールシチー、07、08年と2年連続で連対したブルーコンコルドはこの血を持っていた。
 フリオーソはブライアンズタイム産駒。そして、母の父にミスタープロスペクターを持つのでノーリーズン(皐月賞)、チョウカイキャロル(オークス)と同じ組み合わせ。底力は申し分ない。昨年来、日本のダート界の頂点を争う馬たちと互角の勝負を繰り広げており、格ではナンバーワンだろう。
 問題は坂のあるコースをこなせるかどうか。こればかりはやってみないと分からないが、以前中央で競馬をしたころとは別馬のようにパワーアップしており、この充実ぶりならこなせるのではないか。土曜日の競馬を見ると馬場は思っほど速くなく、この馬向きの適度なコンディションとなっている。早め先頭で粘りたい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004106867/

エスポワールシチーやスマートファルコンが復帰しなければ、ダートスタートのダート戦ではしばらく負けることはないのでは、と思わせる充実ぶり。パドックではその迫力ある馬体に痺れました。これなら負けないだろうと確信したのですが……。

3着△バーディバーディ(4番人気)は「父ブライアンズタイム、母の父 Mr.Prospector 系」ですからフリオーソと酷似しています。パワーが必要なダートではブライアンズタイムは頼りになります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100567/

2011年2月20日 (日)

ダイヤモンドSはコスモメドウ

木曜日から金曜日にかけて東京競馬場に降った雨はJRA発表では49ミリ。冬場にしては珍しくしっかり降ったので、1日やそこらで回復するのだろうかと思っていたら、10RのアメジストSから早くも良馬場になりました。

勝った○コスモメドウ(2番人気)の上がりは34秒7。完勝でした。
http://www.youtube.com/watch?v=MJq2M7dPorI

「King's Best×Sadler's Wells」ですから、昨年の凱旋門賞と英ダービーを制した Workforce と同じ組み合わせ。そして、「Kingmambo 系×Sadler's Wells」ですから、エルコンドルパサーとも似ています。この組み合わせは Nureyev と Sadler's Wells の4分の3同血クロスが鍵となります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110045/

昨年6月8日のエントリー「仏ダービー、英ダービー」、同10月4日のエントリー「ナカヤマフェスタ、凱旋門賞2着」、1月18日のエントリー「リスポリ騎手の鬼追いで快勝、タガノリベラノ」などで詳しく解説しておりますので、お時間がありましたらご覧いただければと思います。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/06/post-f907.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-6f63.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-61a5.html

前走の万葉Sでかなり行きたがる素振りを見せており、それが気になったため対抗評価でした。今回は序盤にちょっと首を上げて難しいところを見せただけで、あとはしっかり折り合いました。外国人騎手は折り合いのつけ方が総じて巧みですね。いまが伸び盛りなのでG1の天皇賞・春でも怖い1頭です。

◎ビートブラック(1番人気)は出負けして最後方から。こうなると展開頼みになってしまうわけですが、レースの上がりが35秒3ですから向きませんでした。よく4着まで追い上げたという感じです。切れる脚がない馬なのでもう少し流れに乗りたかったですね。それにしてもこの馬が1番人気になったのはビックリしました。新聞の印を見てもせいぜい4~5番人気だろうと思ったのですが。

さて、日曜日はフェブラリーS。土曜日の競馬を見ると、思ったよりもダートは時計が掛かっています。昨日のエントリーで「とにかく持ち時計重視です」と記しましたが、そんな雰囲気ではないですね。見込みが違ったので前もって考えていた予想を変更しました(現在公開しているものが変更後の予想です)。土曜日に比べてダートの水分はさらに抜けるはずなので底力やパワーが必要。Roberto や Ribot といった血がモノをいう馬場ではないでしょうか。

2011年2月19日 (土)

コース改修後の東京ダ1600m

昨年秋、東京ダート1600mにコースレイアウトの変更がありました。それまでは向正面右奥のスタート地点から1ハロンほど走ると、2コーナーを巻くように緩やかな左カーブがありました。新しいコースではゲートが奥に移動したため、そのカーブが無くなり、3コーナーまで一直線に走れるようになりました。

そのせいなのか、昨年の4回東京開催以降、東京ダ1600mの枠別連対率に変化が見られます。

     旧    新 
1枠  10.9%   3.9%
2枠  12.2%  12.5%
3枠  13.3%  10.7%
4枠  14.3%  13.8%
5枠  14.7%  13.3%
6枠  14.3%  15.6%
7枠  13.5%  17.4%
8枠  14.4%  17.4%

   #数字は連対率
    旧コース=03年4月~10年6月
    新コース=10年10月~

6、7、8枠と外枠の成績が伸びた一方、内枠が苦戦しています。とくに1枠は連対率3.9%という惨状。緩いとはいえ最初のコーナーが消滅したことで、外枠の馬は距離ロスが減ったというメリットがあります。外枠の馬が前に付けられるようになったことで、内枠の馬が窮屈なポジションに押し込められるようになった、ということなのかもしれません。ある程度先に行ける馬なら枠順による有利不利はないと思います。

脚質を見てみると、こちらにも変化が見られます。

     旧    新 
逃げ  26.6%  19.6%
先行  23.0%  25.3%
中団  11.9%  10.2%
後方   4.9%   5.8%

逃げが減って先行抜け出した増えました。中団、後方は大きく変わっていません。先行争いが激化して逃げ馬が残りづらくなっている、ということなのでしょうか。逃げ争いを見つつ好位につけた馬が勝つ、というイメージです。重・不良馬場では前に行った馬が止まらなくなるので、後ろからは届きづらくなります。

種牡馬に関してはまだサンプルが少ないですね。序盤のコースレイアウト変更程度で成績に影響があるのかと言われればそのとおりですが、一応、現時点で連対率の上昇が目立っているのは以下の4頭。

            旧    新 
プリサイスエンド   20.0%  44.4%
ブライアンズタイム  18.9%  35.3%
フジキセキ      17.7%  30.0%
ワイルドラッシュ   16.1%  28.6%

このデータを考慮しつつ、土曜9RヒヤシンスS、日曜11RフェブラリーS、日曜12R東京ウインタープレミアムの予想を組み立てたいところです。勝ちタイムが速くなるだろうと思われるので、とにかく持ち時計重視です。時計の裏付けのない馬は危険です。

2011年2月18日 (金)

船橋の天才少女? ボールドスマッシュ

ミルコ・デムーロ騎手の13歳下の弟、クリスチャン・デムーロ騎手が南関東で連日騎乗しています。まだ18歳ですが、昨年はイタリアで153勝を挙げて勝利数ランキング第2位。先週土曜日には中央でも騎乗しました。

さすがに上手いですね。鞍嵌りがよく、コースロスを押さえる意識が徹底し、鞭の持ち替えは自由自在、狭いところを抜ける技術もあります。一言でいって、そりゃ勝つでしょう、という感じです。もちろん減量恩典などありません。2月17日の大井競馬では2勝。第10Rの東風特別では9番人気のワールドベアハートを持ってきました。騎乗期間は1月17日から3月4日までの予定なので、あと2週間ほどで帰国します。

デムーロ家の家族構成はどうなっているんでしょうね? 詳しいことはまるで分からないのですが、ミルコの妹パメラが調教師をやっているらしいので、兄弟で少なくとも3人は競馬の仕事についています。ミルコとクリスチャンは13歳も離れているので、その間にいるのはパメラだけでなく、何人かいるのかもしれません。もしビッグダディ的な大家族だったりすると、第三、第四のデムーロが来日する可能性も……? そして彼らの息子たちもやがて騎手になり、将来、大挙して来日して、わが国の競馬がデムーロだらけになる可能性も……?

くだらない妄想はさておき、クリスチャン・デムーロ騎手が初めて騎乗した1月の船橋開催で、2着馬をはるか後方にちぎり捨てて話題になった3歳牝馬がいました。ネオユニヴァース産駒のボールドスマッシュ(岡林光浩厩舎)。同馬にとってこれがデビュー戦でした。

2011年1月21日 船橋第2R(ダ1200m)
http://www.youtube.com/watch?v=SUQnAH6wDKE

最後の1ハロンは手綱を抑えて流し、2着馬に3秒8もの大差をつけました。メジロラモーヌ、メイショウホムラ、サクセスブロッケンなど、デビュー戦で3秒以上の大差をつけて勝つ馬はたまにいるのですが、3秒8差は見たことがありません。もちろん、ボールドスマッシュは地方競馬所属で、しかも相手に恵まれたものなので単純比較はできません。ただ、楽しみな素材であるのは確かでしょう。

生産者は社台ファーム。馬主は吉田照哉氏の名義で、地方競馬オーナーズクラブの募集馬です。全兄アサクサハンター(中央未勝利)は当歳時にセレクトセールで6600万円の値がつきました。2代母はローミンレイチェル。したがって年度代表馬ゼンノロブロイの姪にあたります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102774/

             ┌ サンデーサイレンス
           ┌○┘
ボールドスマッシュ ―┤
           └○┐
             └ ローミンレイチェル

           ┌ サンデーサイレンス
ゼンノロブロイ ―――┤
           └ ローミンレイチェル

今年の南関東3歳牝馬戦線は、元旦のエントリーで取り上げたクラーベセクレタがリード。先週、浦和競馬場で行われた桜花賞トライアルの重賞・ユングフラウ賞(ダ1400m)を、ほぼ持ったままで後続に5馬身差をつけました。このほか、桃花賞を勝って6戦4勝としたマニエリスムもかなりの器です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103178/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103001/

少なくとも現時点においては、ボールドスマッシュがクラーベセクレタ、マニエリスムよりも上ということはないと思います。ただ、今後順調に成長し、5月の東京プリンセス賞や6月の関東オークスあたりに間に合えば、あるいはいい勝負になるかもしれません。現在の賞金では桜花賞には間に合いません。クラーベセクレタの馬主はサンデーレーシング、マニエリスムはボールドスマッシュと同じ地方競馬オーナーズですから、中央と同じように社台系強し、ですね。

2011年2月17日 (木)

サクラプレジデント産駒の現3歳は黄金世代

■日曜京都5Rの新馬戦(ダ1400m)は○グリッターテイル(6番人気)が大外をマクって突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=pB9QeMkt69E

8頭分ほどの大外を回した騎乗は大胆でしたね。さすがにやりすぎではないかと懸念したのですが、最後まで脚いろは衰えず。強い競馬でした。予想は○▲で馬連5860円的中。

母 Tadwiga は愛メイトロンS(G3・芝1600m)の勝ち馬。父 Tale of the Cat は Storm Cat 系の名種牡馬。ダート新馬戦には滅法強く、これで連対率は62.5%(16戦10連対)。今シーズンは3頭出走してすべて勝ったことになります。初戦駆けに関して特筆すべき才能を持っており、それについては重々承知していたのですが、稽古が動いていなかったので◎には推せませんでした。それでこの勝ちっぷりですから「参りました」というしかありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008110006/

■日曜東京2Rの新馬戦(ダ1400m)は★アティロン(11番人気)が後方一気の差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=-17uahGXg9A

スタートで出負けして序盤は最後方。最後よく間に合いました。予想は★◎で馬連6180円、★◎○で3連複12500円的中。

先日、『競馬総合チャンネル』の「新着POG馬紹介」で取り上げたばかりの馬です。稽古は足りず動きも冴えず11番人気(単勝7200円)。ただ、好みの配合だったので押さえてみたところ正解でした。解説文を転載します。

「半姉ルナロッソ(父キングヘイロー)は1000万条件で堅実に走っている。2代母パルブライトは新潟記念(G1)、函館記念(G1)の勝ち馬。派手さはないものの良牝系だ。父がキングヘイローからサクラプレジデントに替わったので、芝中距離向きの適性が前面に出てくるだろう。“母の父フレンチデピュティ”は成功を収めており、スズカコーズウェイ、ブレイクランアウト、アニメイトバイオ、ビッグバンといった活躍馬が出ている。芝向きの中距離タイプ。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104640/

Nijinsky=ミンスキー4×5という全兄弟クロスも光りますね。父サクラプレジデントは今年に入ってから新馬勝ち馬を4頭出しました。狂い咲きといっては失礼ですが、いままでにない絶好調ぶりです。しかも、サクラシオン、サクラフローレス、サクラゴスペル、アティロンと、高い素質を感じさせるものばかり。黄金世代ですね。

アティロンはダートで勝ち上がりましたが、解説文に書いたとおり本質的には芝向きでしょう。次走、芝に回ってきたときに人気が落ちるようならしめたものです。

■日曜東京6Rの3歳500万下(ダ1600m)はコルポディヴェント(4番人気)が差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=AUr5lHlQl9U

これでデビュー2連勝。同日の古馬1000万特別と0秒1しか違わないのですからハイレベルです。当ブログの読者でいらっしゃるBS様が一口出資されているとのことで、2月2日のエントリー「大物感あり、リヴェレンテ」のコメント欄で触れた馬でした。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/02/post-5b5c.html

終いがしっかりしているのがいいですね。前途洋々です。

2011年2月16日 (水)

菊花賞で買いたいダノンシャーク

■土曜京都9Rのつばき賞(3歳500万下・芝1800m)はダノンシャーク(1番人気)が完勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=L98ncrqr6Gk

父はディープインパクトで、兄弟にターキー、ワキノパワー、スティルゴールドと3頭の準OP馬がいます。コンスタントに走るものの重賞クラスには届かない、というファミリーです。その原因は決め手の無さにあると思います。

以前、この兄弟のレッズフィールド(父アグネスタキオン)という馬を指名していたのですが、瞬発力に定評のあるアグネスタキオン産駒でありながら、どうにもこうにも終いの甘い馬で、全成績は〔1・7・3・8〕でした。ダノンシャークがデビュー戦から3戦連続で2着となったときは、ああやっぱり、と思ったものですが、今回の競馬を見るかぎり馬が目覚めてきましたね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105554/

ダノンシャークは Montjeu の近親です。Montjeu は現役時代にヨーロッパでG1を6勝し、仏リーディングサイアーにも輝いた名馬ですが、決め手に優れたタイプではありません。このあたりが影響している可能性があります。母カーラパワーは、Montjeu の代表産駒の1頭 Fame and Glory と血統構成が似ています。
http://www.pedigreequery.com/carla+power
http://www.pedigreequery.com/fame+and+glory

            ┌ Northern Dancer
          ┌○┘
        ┌○┘
カーラパワー ―┤ ┌ Shirley Heights
        └○┤
          └ Toute Cy

            ┌ Northern Dancer
          ┌○┘
        ┌○┤
        │ └○┐
Fame and Glory ┤   └ Toute Cy
        │ ┌ Shirley Heights
        └○┘

ヨーロッパのクラシックディスタンスを得意とする名馬と似ているわけですから、底力やスタミナに関しては申し分ありません。問題は日本向きの軽い切れ味。今回のレースではその面でだいぶ改善が見られたので春に期待を繋いだといえるでしょう。トップクラスとは時計面でまだ差があるものの、成長力の期待できる血統なので、着実に差を詰めていくはずです。今年の菊花賞はディープインパクト産駒のどれかが勝つだろうと考えているのですが、本馬はその有力候補の1頭ではないかと思います。

■土曜東京6Rの新馬戦(芝1600m)はリッチフロー(4番人気)が差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=Bks0UxF9JoA

2月13日のエントリーでも少し触れたのですが、Hold Your Peace≒Yes Dear 3×5という4分の3同血クロスを持ちます。この2つの血の母 Blue Moon を刺激することは、フレンチデピュティ系の成功パターンです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103007/

           ┌ Prince John
         ┌○┘
Hold Your Peace ―┤
         └ Blue Moon

         ┌ Prince John
Yes Dear ――――┤
         └ Blue Moon

リッチフローの叔父で、本馬と4分の3同血の関係にあるフレンドシップは、ジャパンダートダービー(G1・ダ2000m)の勝ち馬です。フレンドシップは Hold Your Peace≒Yes Dear 3×4。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102636/

基本的にこの血統はパワー型で、リッチフローも前肢を掻き込む走法です。今回は雨の影響で力の要る馬場になったことが功を奏しました。勝ちタイムは1分37秒5とかかっています。

2011年2月15日 (火)

京都記念はトゥザグローリー

日曜日の朝、東京競馬場に着くと、1コーナー方面に見える富士山があまりにも美しく、心が洗われました。フジビュースタンドから眺める冬の富士山は最高です。

思わずハッとするほど美しい富士山、ということでいまだに思い出すのは、ダイナガリバーが勝った共同通信杯4歳S当日。86年2月ですからちょうど25年前ですね。眺める自分は年を取りましたが、丹沢の山並みと雪を被った富士山はな~んにも変わりません。頭がキーンと冴えるような絶景でした。その日はたしか東京国際マラソンが開催されていて、場内テレビでその様子が放映されており、イカンガー選手の独走を眺める人々が鈴なりになっていました。当時なぜあれほどマラソン熱が盛んだったのか、いまから考えるとちょっと不思議ではあります。

それはさておき、京都記念。◎トゥザグローリー(1番人気)の単勝オッズは1倍台だろうと思っていたところ2.4倍。締め切り10分前までは2.8倍もありました。これは意外でした。
http://www.youtube.com/watch?v=ygUKE6nMqFs

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は◎△で馬単1650円、◎△▲で3連単5390円的中。予想文を転載します。

「◎トゥザグリーリーは「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯(G1)を2連覇したほか、ドバイワールドC(G1)でも2着となった名牝。スケールの大きさを感じさせる血統で、有馬記念(G1)3着はフロックではない。今年はG1戦線の中心勢力となるだろう。稽古の動きを見るかぎり体調面に不安はなく、外回りコースも合っている。取りこぼすことはなさそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103265/

管理する池江泰郎調教師が定年で引退するため、次走から池江泰寿厩舎に転厩し、ドバイ遠征に向かう予定。この充実ぶりなら期待できそうです。再三書いているように有馬記念はフロックではありません。

レースぶりに注目していたのは○ダノンシャンティ(3番人気)。着順は4着でしたが、勝ったトゥザグローリーより2キロ重い斤量を背負い、守備範囲を超えた2200mで、道中再三引っ掛かりながら最後しぶとく脚を伸ばしてきたのですから、やはり相当強い馬です。休養から復帰後9、4着という成績なので、次走、多少でも人気が落ちてくれればしめたものですが……。

2着△メイショウベルーガ(5番人気)の京都外回りにおける強さはさすがというしかないですね。トゥザグローリーと同斤で4分の3馬身差まで迫るのですから頭が下がります。このあたりが母の父 Sadler's Wells の底力でしょうか。ちなみに Sadler's Wells 産駒は京都芝2200mで連対率80%、複勝率100%という成績(2・2・1・0)。ここは得意の舞台でした。

2011年2月14日 (月)

共同通信杯はナカヤマナイト

今年の3歳牡馬戦線は、抜けた馬が存在せず、トップクラスの力が拮抗しているのでおもしろいですね。こういう年にしっかり馬券を取れる人が上手いのでしょう。今回私はまったくダメでしたが……^^

△ナカヤマナイト(3番人気)は終始インにこだわった柴田善臣騎手のファインプレーですね。外に出していたら届かなかったでしょう。パドックではやや太めに見えたのですが関係ありませんでした。平均よりやや遅めのペースで、先に行った馬、インを突いた馬同士での決着。外側は伸びない馬場です。
http://www.youtube.com/watch?v=MPtuFZlNTZU

ナカヤマナイトは「ステイゴールド×カコイーシーズ×マルゼンスキー」という配合。鍵となる血はマルゼンスキーの父 Nijinsky です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105362/

父ステイゴールドはメジロマックイーン牝馬とのニックスが有名ですが、じつは Nijinsky とも好相性。シルクメビウス、アルコセニョーラ、マイネレーツェル、フェイトフルウォー、エムエスワールドなどがこのパターンに当てはまります。このうち、シルクメビウス、マイネレーツェル、エムエスワールドは Nijinsky の息子マルゼンスキーを持っています。ナカヤマナイトはこれらと配合構成の一部が似ていることになります。詳しく調べたわけではないのですが、社台系の繁殖牝馬よりも日高の繁殖牝馬のほうが Nijinsky を持つ割合が高いような気がするので、社台系の繁殖牝馬と交配する機会が少ないステイゴールドの、これは数少ないメリットといえるかもしれません。

母の父カコイーシーズは、「Alydar×Jester」というアメリカ血統ながらヨーロッパでデビューし、名馬 Nashwan(英2000ギニー、英ダービー、キングジョージ)のライバルとして活躍しました。89年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)は、75年のグランディ対 Bustino を思い起こさせる素晴らしい一騎打ちでした。のちにジャパンCにも出走して3着となっています。
http://www.youtube.com/watch?v=wWIwL0rNV8w#t=6m43s
http://www.youtube.com/watch?v=CkJ31MSXtSw

種牡馬としては、競走成績で示した芝の中長距離タイプという特徴は伝えず、「Alydar×Jester」という血統どおりダート戦が活躍の舞台となっています。コンサートボーイ(帝王賞)やエスプリシーズ(川崎記念)など地方競馬における強さには定評があります。

母フィジーガールの「カコイーシーズ×マルゼンスキー」は相性がよく、ほかにラヴァリージェニオ(福島記念-3着)、ヘイアンショウグン(セントライト記念-5着)などが出ています。連対率と1走あたりの賞金額は、それ以外のカコイーシーズ産駒を大きく上回ります。ニックスと呼んでもいいでしょう。

カコイーシーズ×マルゼンスキー………………………連対率21.8%
                      1走あたり202万円
母の父マルゼンスキー以外のカコイーシーズ産駒……連対率14.2%
                      1走あたり112万円

マルゼンスキーは Flaming Page≒Buckpasser 2×2という強烈な父母相似配合の産物です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0003bd/

            ┌ Bull Dog
          ┌○┘
        ┌○┤ ┌ Blue Larkspur
Flaming Page ―┤ └○┘
        │ ┌ Menow
        └○┤
          └○┐ ┌ Man o'War
            └○┘

          ┌ Menow
        ┌○┤ ┌ Bull Dog
        │ └○┘
Buckpasser ――┤   ┌ Man o'War
        │ ┌○┘
        └○┤ ┌ Blue Larkspur
          └○┘

「カコイーシーズ×マルゼンスキー」は Tom Fool のクロスが生じます。Tom Fool はマルゼンスキーの父母相似配合の中心的な役割(Menow と Bull Dog を併せ持つ)を担っているので、そのあたりが好結果を生む秘密ではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1996102218/

前述のとおり、ステイゴールドは Nijinsky 系と相性がよく、マルゼンスキーとの組み合わせでも好結果を生んでいます。母フィジーガールが持つカコイーシーズとマルゼンスキーはニックスは、マルゼンスキーの配合的エッセンスを継続するものなので、ステイゴールドとの相性の良さがさらに引き立つということなのかもしれません。カコイーシーズは大柄な馬で、産駒も総じて大きなサイズに出てきます。小柄なステイゴールドとのバランスが取れるのもいいのでしょう。

ナカヤマナイトは、前走のホープフルS(OP)で他馬よりも1キロ重い斤量を背負いながらベルシャザールのハナ差2着ですから、能力の高さは間違いないところ。ただ、カコイーシーズの血が引っ掛かって積極的に推せませんでした。こうして腰を据えて配合を眺めてみると、案外悪くないのかなという気がしてきます。勉強になりました。

◎ベルシャザール(2番人気)は4着。スタートで出負けしたのが痛かったですね。ペースが遅い序盤にジワッと位置取りを上げていったのは正解だったと思いますが、スパッと切れる脚がないので、上がり勝負となった今回は流れが不向きでした。

冒頭にも記したように、今年の3歳牡馬は実力拮抗の大混戦。同じメンバーで走っても、そのときどきの条件によってガラッと着順が入れ替わるでしょう。ですから、今回負けたメンバーを安易に評価下げするのは危険だと思います。その馬に合う条件が巡ってくれば上位争いをするはずです。

2011年2月13日 (日)

クイーンCはホエールキャプチャ

昨年暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ(G1・芝1600m)はレベルが高かったということでしょう。○ホエールキャプチャ(2番人気)が横綱相撲で押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=0ktuZKaZ1Wc

◎ダンスファンタジア(1番人気)は直線で最内から外に出したロスが痛かったですね。この馬がどいたスペースに、2着の△マイネイサベル(5番人気)が突っ込んできて2着を確保。結果論ですが、動かずに前が開くのを待っていれば2着はあったと思います。ただ、それにしても動かなすぎた感もあるので、前走の反動があったのかもしれません。

ホエールキャプチャの配合はデビュー戦から高く評価してきました。昨年7月3日の新馬戦(函館芝1200m)に出走した際、いまはなき『web競馬王』に異例の長文予想を書いたのですが、それを再録します。

「◎ホエールキャプチャは『クロフネ×サンデーサイレンス』。この組み合わせでチヨダマサコの牝系を汲む配合といえばベストクルーズ(阪神ジュベナイルF-G1・3着、ファンタジーS-G3・2着)がいる。フレンチデピュティ系の配合で重要と思われるひとつのパターンは、同馬が持つブルームーンという血を刺激すること。ブルームーンとよく似た配合構成の血を母系に入れた馬はよく走っている。本馬の場合、それはサンデーに含まれるバニッシュフィアであり、ラバージョンの2代母であるブルーグロット。これらを併せ持つ配合はベストクルーズと同じなので高い期待が掛けられる。全兄は初勝利を挙げるまでに11戦を要したが、本馬は牝馬ということもあり仕上がりが早そう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100544/

Blue Moon は、フレンチデピュティの母の父の母。
Blue Grotto はラバージョンの2代母で、Blue Moon の全妹。
Banish Fear は Halo の母の父の母。
http://www.pedigreequery.com/blue+moon2
http://www.pedigreequery.com/blue+grotto
http://www.pedigreequery.com/banish+fear

          ┌○┐
        ┌○┤ └ Herodias
        │ └○┐
Blue Moon ―――┤   └○┐
(=Blue Grotto)│     └ Bathing Girl(=Over There)
        │ ┌ Blue Larkspur
        └○┘

       ┌ Blue Larkspur
Banish Fear ―┤ ┌ Over There(=Bathing Girl)
       └○┤
         └ Herodias

つまり、ホエールキャプチャには、Blue Moon=Blue Grotto≒Banish Fear というクロスがあります。フレンチデピュティ系の配合としては文句なしのA級です。

厳密にいえば Hail to Reason の母 Nothirdchance も Blue Moon に似ています。また、ホエールキャプチャの血統とは関係ありませんが、Nothirdchance と相似な血の関係にある Revoked や、Bluehaze、Blue Banner、Blue Eyed Momo といった「Blue」がつく一連の血脈、それから Busanda、Alondra などもこれらの仲間ですが、詳しく説明を始めると長大なものになるので割愛します。フレンチデピュティやクロフネ産駒の活躍馬はこのパターンが非常に多いですね。

土曜東京6Rの新馬戦(芝1600m)を勝ったリッチフロー(父フレンチデピュティ)は、Hold Your Peace≒Yes Dear 3×5という4分の3同血クロスを持つのですが、この2つの血の母は Blue Moon です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103007/

望田潤さんのブログを読んだら、水曜日に同じような内容のエントリーがありました。私と望田さんは配合の共同研究をしたことはないのですが、もともと同じ競馬通信社の仲間でしたから、アプローチの仕方は似ていて、血統を掘り下げていく過程で似たような結論に達することはしょっちゅうあります。ご参考までに。

ホエールキャプチャ≒ベストクルーズ≒レジネッタ
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/d7f6472ac0ed4ca142cd202b7aa530e8

トーセンレーヴ初戦突破

鞍上のリスポリ騎手、管理する池江泰寿調教師が口を揃えて「ソラを使った」と語っているように、残り300mで先頭に立ったあと、フワッとして走りに集中していませんでした。しかし、ゴール前で外から2着馬が迫ると、再びグッと首を下げて加速しました。
http://www.youtube.com/watch?v=fBzN1M0biCI

首が低くフットワークがシャキシャキと素軽いですね。機動力と瞬発力にいいものがありそうです。見ているうちにふとタイキシャトルの走りがオーバーラップしました。どちらも Halo 系で母の父は Caerleon です。もちろん、こちらはディープ産駒なので、タイキシャトルのようなマッチョ体型ではありませんが。

今回のレースでは、抜け出すときだけ本気を出した感がありますが、その一瞬に垣間見せた加速には光るものがありました。

一応、予想を載せておきます。

「◎トーセンレーヴは『ディープインパクト×カーリアン』という組み合わせで、ブエナビスタ、アドマイヤオーラ、アドマイヤジャパンの半弟にあたる。最高の父と最高の母の組み合わせから誕生した注目の1頭。ディープインパクトの母の父アルザオは、その母レディレベッカがサーゲイロード≒ポカホンタス2×1なので、これらを継続した配合には注目したい。トーセンレーヴは母方にサーゲイロードを持つので好感が持てる。血統的なポテンシャルの高さが圧倒的。ここで連を外すことはなさそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103273/

池江泰寿調教師は、爪に関してはトーセンジョーダンで散々苦労されたので、その経験がトーセンレーヴに活きてほしいものです。無事ならばクラシック路線に乗るでしょう。ただ、レーススケジュールに合わせて馬を仕上げるということはないと思います。調教師自らが語っているように、あくまでも爪の具合次第。これだけの良血ですから慎重になるのは致し方ありません。

2011年2月12日 (土)

トーセンレーヴが土曜京都でデビュー

うっかり紹介し忘れていたのですが、『競馬王』3月号が発売になりました。巻頭特集は「社台系馬券論」。社台対策なくして馬券もPOGも勝てない時代だけに、社台グループにまつわる各種データを手際よく整理した今回の企画は興味深いものがあります。ぜひ1冊お手元にどうぞ。

日曜日の東京メインレースは共同通信杯(G3・芝1800m)。『競馬王』で毎月担当している「重賞スクランブル」というコーナーの、共同通信杯の項を転載してみます。血統面を中心に好走パターンを抽出するという企画です。

「クラシック登竜門だけに、実績を伴った評判馬が出走しれくれば、そう簡単には崩れない。過去5年間を振り返ると、サダムイダテンが飛んだ08年を除けば、馬連配当は2000円未満に収まっている。昨年は1、2、3番人気馬が4着以下を2馬身離して写真判定の大接戦を演じた。奇をてらわず素直に人気馬から入るのがセオリー。
 血脈的に注目したいのはミスタープロスペクター。過去5年間の連対馬10頭のうち、半数以上の6頭がこの血を持っている。サダムパテック、ダノンバラード、ベルシャザールなどのトップクラスが出走してくれば、当然中心的存在となる。とくにベルシャザールは過去5年間で3頭の連対馬を出している松田国英厩舎の所属馬なので怖い。このレースで好走させるノウハウを持っているはず。
 ディープインパクト産駒は東京コースで実績を残しているので要注意。あとはアグネスタキオン、キングカメハメハの両産駒。」

原稿執筆は1月中旬なので何が出てくるか分からないまま書いています。内容を要約すると、人気のダノンバラードとベルシャザールはそれなりに信頼できて、ディープインパクト産駒は基本的に悪くないですよ、ということ。あくまでも傾向なので、もちろんこれが最終結論ではありません。

今年は降雪の影響で予想が難しくなりました。降雪や凍結のおそれがあるときは、芝コースにシートが被せられるといいますが、それがどれぐらいの面積なのか、いつから被せていていつから取り外すのか、そういったことが分からない以上、土曜日の競馬を見てから馬場状態を判断するしかないですね。内伸びなのか外伸びなのかも把握しておきたいところです。現時点では何とも言えません。

土曜日の京都競馬で注目したいのは、今シーズンのPOGで1番人気率が最も高かったであろうトーセンレーヴ。第6Rの新馬戦(芝1800m)で初陣を迎えます。父はディープインパクト、母はビワハイジ。つまり年度代表馬ブエナビスタの半弟です。私も赤本で指名し、「栗山ノート」でも取り上げました。昨年の10月以降、爪の異状で二度デビューが延期されたので、ようやくという感じですね。今回のレースはほかにも好配合馬が揃っており、レベルが高いのではないかと感じます。2月7日のエントリーに記したように、京都芝1800mはディープインパクト産駒が得意とする舞台。連対率56.5%を誇ります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103273/

2011年2月11日 (金)

カラー画像で見る1950年代の阪神競馬場

「Flickr」という画像共有コミュニティサイトがあります。ここには世界各国の人々が撮った膨大な画像がアップロードされており、眺めていると時間がいくらあっても足りません。検索機能があるので興味に沿った画像を探すことができます。
http://www.flickr.com/

競馬関係で良かったのは、Herbert T. Gouldon(1923~2006)という方が撮った1950年代の阪神競馬場(キャプションでは「Nigawa Racetrack」)。カラー画像なのできわめて貴重だと思います。

1955年
http://www.flickr.com/photos/herb450/4138799649/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4139559382/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4138796903/

1956年
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142982386/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142981174/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142980170/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142223111/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142218439/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142217203/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142972030/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142970734/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4142969244/

下から4番目の画像などは、年代と馬番と勝負服が分かっているので、調べようと思えば人馬を特定することも可能でしょう。枠の帽色が現在のとおり決められたのは1957年。それ以前の時代なので1番ゼッケンなのに赤い帽子を被っています。

ちなみに1955年のダービー馬はオートキツ、56年はハクチカラ。アラブの怪物セイユウがデビューしたのは56年夏で、第1回有馬記念が行われたのは56年暮れです(当時のレース名は中山グランプリ)。55、56年のリーディングサイアーは内国産のクモハタです。

Gouldon 氏はカメラマンではなく実業家。ここに挙げた以外の画像を見ると、1950年代半ばに神戸あたりにお住まいだったようです。家族で出かけたときに写したスナップ写真のコレクションを、「Flickr」にアップロードされています。おそらく競馬が好きだったんでしょうね。

名所旧跡よりも日常風景を主体に収めている点がいいですね。1950年代の素顔の日本がカラーで切り取られています。これなどはなんともいえず郷愁にかられる風景です。
http://www.flickr.com/photos/herb450/4138708293/
http://www.flickr.com/photos/herb450/4145543981/

あの時代に惜しげもなくカラーフィルムを使っていることから分かるように、経済的にかなり恵まれた方だったようです。世界各国を旅されている写真があります。当時のアメリカの豊かな国力が伝わってきます。
http://www.flickr.com/photos/herb450//

2011年2月10日 (木)

ファイングレインがフランスで種牡馬入り

2月2日、JRAのサイトに、サクセスブロッケンとファイングレインの競走馬登録抹消の記事がありました。前者は東京競馬場で誘導馬に、後者はフランスで種牡馬となるそうです。

ファイングレイン(父フジキセキ)は Pure Grain(愛オークス、ヨークシャーオークス)の全妹を母に持つ良血で、競走生活の晩年は衰えが目立ったものの、全盛期の5歳春に高松宮記念(G1・芝1200m)を制しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102667/

海外のホースマンにとって、フジキセキとは“Sun Classique の父”という認識でしょう。Sun Classique はフジキセキがシャトル種牡馬でオーストラリアへ渡った際、そこでの種付けで誕生した世界的名牝です。
http://www.pedigreequery.com/sun+classique

オーストラリア生まれの南アフリカ育ち。南アフリカでケープフィリーギニーズ(G1・芝1600m)など3つのG1を制して同国の3歳牝馬チャンピオンとなり、その後、ドバイへ渡ってドバイシーマクラシック(G1・芝2400m)をレコードで勝ちしました。
http://www.youtube.com/watch?v=mY0dfCsmJkQ

Sun Classique は母方に Mill Reef を持ち、その母 Milan Mill 5×5というクロスを持ちます。ファイングレインも同パターンです。それだけでなく、配合構成がかなり似ています。ファイングレインの母ミルグレインと、Sun Classique の母ラストタイクーンは相似な血です。

              ┌ Northern Dancer
            ┌○┘
          ┌○┤ ┌ Buckpasser
ミルグレイン ―――┤ └○┘
          │ ┌ Mill Reef
          └○┘

            ┌ Northern Dancer
          ┌○┤ ┌ Buckpasser
ラストタイクーン ―┤ └○┘
          │ ┌ Mill Reef
          └○┘

フジキセキの成功パターンは幾通りかあるわけですが、こうした血統的共通項を見ると、ファイングレインと Sun Classique は似たような原理で走ったのだろうと想像できます。

Pure Grain の近親で、Sun Classique ときわめてよく似た配合構成を持ち、しかもG1勝ちの競走成績。フランスの生産者がファイングレインに白羽の矢を立てた理由が分かります。成功するかどうかは別として、目の付けどころの良さには感心しました。

昨年暮れ、マルカシェンクがフランスで種牡馬となるニュースが流れ、当ブログでも取り上げました(12月24日のエントリー)。しかし、その後、話は流れてしまったようで、日本で種牡馬入りすることになりました。さすがに2回連続でそんなことにはならないと思うので、何ごともなくフランスに渡ってほしいところです。

2011年2月 9日 (水)

切れ味炸裂、ディープインパクトの近親アフロディーテ

■日曜京都6Rの3歳500万下(ダ1800m)はグレープブランデー(1番人気)が6馬身差圧勝。3着はさらに9馬身離しました。勝ちタイムは1分53秒4。同日、同距離で行われた古馬1000万条件が1分54秒1ですから、0秒7上回っています。非常に優秀です。
http://www.youtube.com/watch?v=SMpJpbvKDIY

父マンハッタンカフェは芝向きですが、母ワインアンドローズはダートで準OPまで出世したパワータイプ。本馬の半兄にはダート得意の準OP馬ワインアドバイザーがいます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103069/

馬体重が530キロという大型馬。道中で機敏に動けない鈍さはあるものの、バテることを知らない重戦車のような走りで後続をちぎりました。母の父ジャッジアンジェルーチは、種牡馬としては大失敗でしたが、母の父としてはエガオヲミセテ、オレハマッテルゼ、エノクの兄弟、地方競馬で大活躍したアジュディミツオーなどを出し、悪くありません。雄大な馬格を伝えるのもひとつの特徴で、本馬もそのあたりの影響を受けているのもかもしれません。ただ、母はワインアンドローズは現役時代400キロそこそこの小型馬でした。

パワー型の母は、What a Pleasure と Pleasant Colony の組み合わせを持つので、ワンダーアキュートに似た雰囲気が感じられます。底力の補給源として Ribot 系の血を入れるのは、マンハッタンカフェ産駒において成功しているパターンでもあります。同産駒のダート馬で最も出世したエーシンモアオバーを超えるかもしれません。

■日曜東京5Rの新馬戦(芝2000m)は○アフロディーテ(2番人気)が快勝しました。超スローペースで上がりだけの競馬。ラスト2ハロンが11秒1-11秒3というラップをスパッと抜け出し、最後は手綱を抑える余裕がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=EOA5zL7CcZ8

アグネスタキオン産駒は切れ味勝負になるとやはり強いですね。脚の回転速度が違います。しかも、母はレディブロンド。ディープインパクトの半姉で、現役時代に6戦5勝という成績を残した快速馬です。これまでにデビューした2頭の産駒、ラドラーダとゴルトブリッツはそれぞれOP、準OPまで出世しており、繁殖成績も優秀です。

ウインドインハーヘアの孫で、父がアグネスタキオンという配合。これはダノンパッション(デイリー杯2歳S-3着)、リルダヴァル(NHKマイルC-3着)と同じ。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103372/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100999/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103142/

          ┌ アグネスタキオン
          │   ┌ Mr.Prospector
アフロディーテ ――┤ ┌○┤ ┌ Buckpasser
          └○┤ └○┘
            └ ウインドインハーヘア

          ┌ アグネスタキオン
          │   ┌ Mr.Prospector
ダノンパッション ―┤ ┌○┤ ┌ Buckpasser
          └○┤ └○┘
            └ ウインドインハーヘア

          ┌ アグネスタキオン
          │     ┌ Mr.Prospector
リルダヴァル ―――┤   ┌○┘
          │ ┌○┘
          └○┤
            └ ウインドインハーヘア

3頭とも切れ味豊かな中距離馬で、“母の父が Mr.Prospector 系”という点まで一致しています。アフロディーテとダノンパッションは、母の父が「Mr.Prospector×Buckpasser」の組み合わせ。さらに似ています。まず外れはないだろうという配合なので「栗山ノート」でも推奨しました。あまり体質が強くないとのことですが、ぜひクラシック路線に乗ってほしい馬です。

余談ですが、レディブロンドは2年前の5月に死亡しました。アフロディーテの全妹(現1歳)が最後の産駒です。牝馬を3頭残したことで牝系が繋がっていきそうなのはせめてもの慰めです。レディブロンドの血は将来的に非常に大きな価値を持つと思います。

■日曜小倉10Rのあすなろ賞(3歳500万下・芝2000m)はカフナ(1番人気)が好位追走から2馬身突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=lxzV3BsEzDc

昨年暮れに中山で行われたホープフルS(2歳OP)はレベルが高く、3着フェイトフルウォーは京成杯を勝ち、5着プレイは同3着と健闘しました。それらとの比較から4着だった本馬は重賞で勝ち負けする能力があると思います。

ローズキングダムやトゥザグローリーと同じ「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。フットワークがシャープでいいですね。近親のベッラレイアやワイルドラズベリーと同じく切れ味が非凡です。

Kingmambo は Nijinsky を含む繁殖牝馬と好相性を示したのですが、息子のキングカメハメハもその特徴を受け継いでいます。特に芝の成績が良好。芝連対率、1走あたりの賞金額は、キングカメハメハ産駒全体の成績を上回ります。先週の東京新聞杯(G3)2着馬キングストリート、先々週の京都牝馬S(G3)勝ち馬ショウリュウムーンと、最近このパターンの配合馬がよく頑張っているのも目に付きます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103281/

次走は、坂のあるコースで強いメンバーと当たることなると思いますが、今回のレースぶりならかなりやれそうな感触があります。ローカル帰りでも侮れません。

2011年2月 8日 (火)

器の大きさを評価したいオーシャンビーナス

■土曜京都4Rの新馬戦(ダ1800m)は★アドマイヤケルソ(8番人気)が勝ちました。
http://www.youtube.com/watch?v=bReLs6E3rn8

予想は★◎で馬連12520円的中。単勝配当が4210円もついたのは稽古内容がまったく平凡だったからです。血統的に見どころがあったので押さえて正解でした。

父アドマイヤドンは2年連続で最優秀ダートホースに選ばれた名馬。母ロイヤルカードは未勝利馬ですが、アドマイヤホープ(全日本2歳優駿)、アドマイヤフジ(重賞3勝)の半姉にあたる良血です。本馬はアドマイヤフジと配合構成が似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101638/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002103091/

          ┌○┐
アドマイヤケルソ ―┤ └ ベガ
          │ ┌ サンデーサイレンス
          └○┤
            └ アドマイヤラピス

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤
アドマイヤフジ ――┤ └ ベガ
          └ アドマイヤラピス

根拠はこれだけだったのですが、冴えない稽古内容でいきなり勝つということは、潜在能力が高いということなのでしょう。

■土曜京都6Rの新馬戦(芝1600m)は◎ダノンフェニックス(1番人気)が押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=9zOheEOv3zM

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は◎▲で馬単2790円的中。予想文を転載します。

「◎ダノンフェニックスは『ネオユニヴァース×グランドロッジ』という組み合わせ。ディープインパクトの近親にあたる。ネオユニヴァース産駒の活躍馬と配合を比較してみると、母方にバステッドを持つところはヴィクトワールピサ、ロジユニヴァースに似ており、ダンジグを持つところはロジユニヴァース、オールアズワンに似ている。母バシマーはネオユニヴァースと相性のいい血で構成されているので好感が持てる。稽古の動きも良好。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103264/

配合が良好で稽古も動いていたので順当な結果でしょう。ただ、このレースで本当に◎を打ちたかった馬は2着▲オーシャンビーナス(3番人気)でした。カンパニーの半妹で配合は抜群。しかし、父リンカーンは芝新馬戦で41戦して連対なし。この成績ではいくら配合が素晴らしいといっても◎は打てません。▲が精一杯でした。

父リンカーンの母グレースアドマイヤは、カンパニーの父ミラクルアドマイヤの全姉です。したがって、オーシャンビーナスとカンパニーの配合構成はよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103301/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103435/

           ┌○┐ ┌ トニービン
オーシャンビーナス ―┤ └○┤
           │   └ バレークイーン
           └ ブリリアントベリー

             ┌ トニービン
           ┌○┤
カンパニー ―――――┤ └ バレークイーン
           └ ブリリアントベリー

1月24日のエントリー「アメリカJCCはトーセンジョーダン」のなかで、クラフティワイフの牝系とトニービンの好相性について記しました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-fea6.html

オーシャンビーナスはまさにそのパターン。カンパニーと配合構成が似ているということは、トーセンジョーダンやレニングラードとも似ていることになり、さらにいえば先日の小倉大賞典で2着となったバトルバニヤンとも似ています。いいところがあるのではないかと考え、某POGでも指名した馬でした。

リンカーン産駒には、牝馬ながらジュニアC(OP・芝1600m)を制したデルマドゥルガーという活躍馬がいます。オーシャンビーナスは、リンカーン産駒が苦手とする新馬戦で牡馬相手にハナ差2着ですから、かなりの素質馬ではないでしょうか。器の大きさではデルマドゥルガーに負けていないと思います。次走以降が楽しみですね。

2011年2月 7日 (月)

きさらぎ賞はトーセンラー

きさらぎ賞(G3・芝1800m)は○トーセンラー(3番人気)が差し切り勝ち。ディープインパクト産駒の重賞勝ちはダノンバラード(ラジオNIKKEI杯2歳S)に次いで2頭目です。
http://www.youtube.com/watch?v=1Y_zQi_LHIw

後続を離して逃げたリキサンマックス(8番人気)は平均よりやや速いペース。2番手以下はスローでした。00年以降、良馬場で行われたきさらぎ賞(10回)の5ハロン通過平均タイムは60秒7。リキサンマックスは60秒2ですから、離して逃げたものの無茶なラップを刻んだわけではありません。

結果論ですが、後続馬群は向正面で離されすぎましたね。京都の外回りコースではたまにこういうレースがあります。ポジショニングに関して鋭敏な感覚を持つデムーロ騎手は“これはマズイ”と察知したのでしょう、3コーナー手前でいち早く動いて位置取りを上げていき、これが最後の差し切りにつながりました。

◎オルフェーヴル(2番人気)は上がり33秒2という鬼脚を繰り出したものの3着。池添謙一騎手は「馬の後ろでも折り合いを欠くぐらいギリギリのレースでした。下りで一気に動いたら、我慢したことが台無しになってしまいますからね」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っています。前走を見るかぎり、気性的な問題はだいぶ治まってきたのかなという印象があったのですが、まだまだのようです。ステイゴールド産駒はこういうところがあるので難しいですね。いろいろ注文がつく現状で重賞を勝ち切れるほどの実力はまだないようです。

トーセンラーの父ディープインパクトは、今回のレースが行われた京都芝1800mで圧倒的な強さを誇ります。連対率56.5%(23戦13連対)は凄いの一語。トビが大きく器用なタイプではないので、コーナーが2つしかなく直線が長いこのコースが合うのでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102985/

昨日のエントリーで、ディープインパクトとスプリンター血統の相性の良さについて記しましたが、母の父 Lycius はスプリンター寄りのマイラーといったタイプ。2歳時にミドルパークS(英G1・芝6f)をレコード勝ちしています。スプリンターの要素を含んだディープインパクト産駒はやはり走るのかもしれません。ちなみに、Lycius の全妹 Autumn Moon はステキシンスケクンの母となりました。
http://www.pedigreequery.com/lycius

Lycius は種牡馬として期待ほどの成績を挙げたとはいえず、G3クラスをパラパラと送り出した程度。軽いスピードタイプで底力がイマイチでした。唯一のG1馬 Hello(伊グランクリテリウム)は母の父が Sadler's Wells。つまりトーセンラーの母のプリンセスオリビアと同じ組み合わせです。
http://www.pedigreequery.com/hello

プリンセスオリビアは繁殖牝馬としてきわめて優秀。アメリカにいたころ出産した Flower Alley は、トラヴァーズS(米G1)を含め重賞を3勝した活躍馬で、ブリーダーズCクラシック(米G1)でも2着と健闘しました。日本にやってきてからは、フローラS(G2)3着のブルーミングアレー、そしてトーセンラーを産んでいます。すべて違う血統内容の種牡馬を相手に優れた産駒を誕生させているのですから素晴らしいですね。
http://www.pedigreequery.com/flower+alley
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102912/

プリンセスオリビアの母は「Sadler's Wells×Vaguely Noble」で、このあたりから受け継いだ底力とスタミナと、Lycius のスピードがうまく融合しているのでしょう。今回は上がりだけの競馬だったので、ペースが上がったときにどうなるかは未知数です。ただ、配合的には十分対応できると思います。

2011年2月 6日 (日)

ディープインパクトとスプリンター血統は好相性

■土曜東京9Rの春菜賞(3歳500万下・芝1400m)は、当ブログで推奨したクリアンサス(3番人気)が逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=9WnpHZ7Iahk

最初の4ハロンが49秒2という超スローペース。上がり3ハロンが34秒0(11秒7-11秒0-11秒3)ですから、後ろの馬はどう頑張っても届きません。能力検定としては不十分なレースでしたが、重心の低いフォームでしっかりと速い脚を使ったところに素質の高さを感じました。

昨日のエントリーにも記したとおり、この馬のベストディスタンスは1400m以下。1200mならさらに強いでしょう。1600mでディープインパクト産駒やアグネスタキオン産駒に勝てる気はしません。成長力があるタイプなのでまだまだ強くなると思います。本格化は夏を越してからではないでしょうか。母の歩んだ道に進んでほしいと思います。

■土曜京都9RのエルフィンS(3歳OP・芝1600m)は、ディープインパクト産駒のマルセリーナ(2番人気)が大外を突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=5t166lkl0X8

勝ち馬の上がり3ハロンは34秒2。勝ちタイム1分34秒4はレース史上2番目。レベルの高いレースだったと思います。

芝1400mのデビュー戦を大楽勝したノーブルジュエリー(1番人気)は、それなりの力は示したものの、1ハロン延びたことでもうひとつ味が出ませんでしたね。1400mと違って1600mでは瞬発力という要素が重要になってきます。母方のドイツ血統の力をもってしても、父の一本調子のスピードをカバーしきれない感がありました。

勝ったマルセリーナは牡馬相手のシンザン記念で3着と健闘した実力馬。配合については昨年12月14日のエントリー「ディープインパクト産駒が11週連続で新馬戦勝利」で触れています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/12/post-540f.html

母方にラストタイクーンを持つディープインパクト産駒といえば、新馬-寒竹賞を連勝したターゲットマシンと同じです。素質を高く評価されながら死亡したレッドディアーナもこのパターンでした。「ディープインパクト+ラストタイクーン」は今年のPOGでも注目です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103009/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102935/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105563/

ディープインパクト産駒の上級馬には、母方にスプリンター血統を抱えているものが目に付きます。リアルインパクト、ターゲットマシン、ドナウブルー、マルセリーナ……。いずれもレース終盤にピリッとした脚を使えるタイプなのは偶然でしょうか。

スプリンターは往々にして筋骨隆々のガッチリとした体型です。ディープインパクトが小柄で薄いタイプだけに、こうした要素を取り入れることはプラスでしょう。ディープインパクトのしなやかな中距離向きの筋肉と、強く速い収縮を可能にするスプリンターの筋肉が、いいとこ取りの理想的な形で融合するのかもしれません。

スプリンターではありませんが、ダノンバラードの母レディバラードは、ダート重賞を2勝した砂巧者でした。パワフルでボリュームのある体型だったと記憶しています。ディープインパクトが、豊富な筋肉量を誇る繁殖牝馬との間から優れた優駿を誕生させたことは、スプリンター血統との好相性に通じるところがあるような気がします。

2011年2月 5日 (土)

クリアンサスに活きる Hyperion & Son-in-Law の底力(後)

ニホンピロウイナーが凡百のマイラーとは異なり、重厚感のある馬体と抜群の底力を持ち合わせていたのは、昨日のエントリーで説明した“Abernant≒チャイナロック3×2”というクロスの効果でしょう。

Dahlia(キングジョージ2連覇などG1を10勝)、Oh So Sharp(英オークス、英1000ギニー、英セントレジャー)、Fall Aspen(大繁殖牝馬)をはじめ、Hyperion と Son-in-Law の組み合わせが配合の骨格を形成している名馬は数えきれません。

Dahlia(Aureole≒Honeys Alibi 3×2)
http://www.pedigreequery.com/dahlia
Oh So Sharp(Tudor Minstrel≒Flower Bowl≒Swaps 5×3・3)
http://www.pedigreequery.com/oh+so+sharp
Fall Aspen(Imitation≒Swaps 2×2)
http://www.pedigreequery.com/fall+aspen

父 Redoute's Choice の父デインヒルは、Flower Bowl という名牝の血を抱えています。この馬は Hyperion と Son-in-Law の組み合わせによって誕生しました。

          ┌ Hyperion
        ┌○┘ ┌ Son-in-Law
Flower Bowl ――┤ ┌○┘
        └○┘

オースミドライバーとクリアンサスは、かなり大ざっぱな表記ですが、Flower Bowl≒Abernant≒チャイナロックとなります。クリアンサスにはさらに Flower Bowl と相似な血の関係にある Aureole も入ります。

Redoute's Choice は過去2回、短距離王国オーストラリアでリーディングサイアーとなっており、その系統の発展が注目されています。スピード面の心配はほとんどなく、あとは底力の充実が課題です。カツラドライバーとフラワーパークは、Hyperion と Son-in-Law の影響を色濃く受けたニホンピロウイナーと、Hyperion 4×3(Lady Angela 3×2)のノーザンテーストを抱え、そうしたベクトルに沿った配合構成となっています。軽さに傾くことなく底力を湛えた非常にいい配合だと思います。

ちなみに、クリアンサスは某POGで指名しました。父 Redoute's Choice、母フラワーパークという血統を見るかぎり短距離馬でしょう。マイルに色気を見せているうちは中途半端なままだと思いますが、1200~1400mならかなりやれると思います。土曜東京9Rの春菜賞(3歳500万下・芝1400m)は、適距離に戻るのでちょっとおもしろいと思います。

                *

1月28日のエントリー「トウショウボーイ系最後の競走馬」で、スベスベヨークンという競走馬を取り上げました。昨日、同馬の馬主である鍵谷篤宏様からご投稿をいただきました。下記のURLをご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-3793.html

現2歳の牡馬は「フワフワヨークン」の名で競走馬登録が完了。現3歳のスベスベヨークンは2月20日のセントポーリア賞(3歳500万下・東京芝1800m)に出走するとのことです。

2011年2月 4日 (金)

クリアンサスに活きる Hyperion & Son-in-Law の底力(前)

先々週の新馬戦で「やられた!」と思ったのは、土曜小倉4R(芝1200m)を勝ったオースミドライバー(13番人気)です。

新馬戦は仕上がり具合が大きな比重を占めるので、いくら配合が良くても稽古で動いていない馬はダメ。オースミドライバーは配合的には申し分なかったものの、稽古内容を見ると厳しそうだったので、印を打つのを躊躇しました。だから単勝9790円という大穴になったわけですが……。実戦タイプなのでしょう。大外から鮮やかに差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=bogESSaRsqM

新潟2歳S(G3)を勝ち、桜花賞(G1)とオークス(G1)でそれぞれ2着となったエフティマイアの半弟。父はオーストラリアからシャトルでやってきた快速種牡馬スニッツェル。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103116/

母が「ニホンピロウイナー×ノーザンテースト」で、父が Redoute's Choice 系という配合は、フラワーパーク(スプリンターズS、高松宮記念)の子で今週土曜の春菜賞(3歳500万下・芝1400m)に出走するクリアンサスと同じです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102710/

             ┌ Redoute's Choice
           ┌○┘
オースミドライバー ―┤ ┌ ニホンピロウイナー
           └○┤ ┌ ノーザンテースト
             └○┘

           ┌ Redoute's Choice
クリアンサス ――――┤ ┌ ニホンピロウイナー
           └○┤ ┌ ノーザンテースト
             └○┘

母の父ニホンピロウイナーは80年代を代表する名マイラーで、その底力の源泉は、Hyperion と Rustom Pasha(その父 Son-in-Law)の組み合わせから成る“Abernant≒チャイナロック3×2”というクロスです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1980106362/

          ┌ Hyperion
        ┌○┘
Abernant ―――┤ ┌ Rustom Pasha(その父 Son-in-Law)
        └○┘

          ┌ Hyperion
        ┌○┘
チャイナロック ┤ ┌ Rustom Pasha(その父 Son-in-Law)
        └○┘

Hyperion は昨年12月9、10、29、30、31日のエントリーで触れたように文句なしの名血。一方、Son-in-Law は今世紀前半のイギリスを代表する名ステイヤー血統。このふたつの血の組み合わせは相性がよく、これらを近い世代にペアで持つ馬同士の組み合わせは効果抜群です。前出の Abernant、チャイナロック以外にも、Tudor Minstrel、Aureole、Flower Bowl、Swaps、Honeys Alibi、Cover Up、Hypericum、Imitation、アイアンエイジ、テューダーペリオッドなど、この仲間はたくさんいます。

Hyperion と Son-in-Law の組み合わせがもたらす優れた効果について、初めて言及したのは笠雄二郎氏です。(続く)

2011年2月 3日 (木)

弥生賞でも勝ち負けになるルルーシュ

■日曜東京4Rの未勝利戦(芝2400m)はヴァーゲンザイル(1番人気)が上がり33秒8で突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=IZL9C2jrcbc

父はネオユニヴァース。兄姉に重賞勝ち馬はいないものの、ワイドサファイア(フローラS-2着)など準OP以上に達した馬が3頭います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102828/

一般的な傾向として、ネオユニヴァース産駒は東京よりも中山を得意とし、上がりがかかる競馬のほうが持ち味が出ます。しかしこの日は、ヴァーゲンザイルに続いて第5Rの新馬戦(芝1800m)でも、同産駒のヒカリキャピタルが上がり勝負で勝ちました。ネオユニヴァース産駒は素軽いスピードに欠けるのでマイル以下ではイマイチ。1800m以上になると馬券になる感じですね。

母方にノーザンテーストを持つネオユニヴァース産駒は走っており、持たない同産駒に比べて連対率が上昇します。トーセンファントム、ネオヴァンドーム、マルカボルトといった活躍馬が出ています。

勝ちっぷりは良好。しかし、この時期の芝2400m戦を勝った馬は、春のクラシックでいいところがないというのが過去の傾向です。ただ、青葉賞ではチャンスがあるかもしれません。

■日曜東京6Rの3歳500万下(ダ1600m)はレーザーバレットが大外から1頭だけ違う脚いろで伸びて3馬身差勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=J80qJ5k1-Z0

新馬戦を勝ったときにも取り上げた馬です(12月15日のエントリー)。「ブライアンズタイム×Mr.Prospector」ですからチョウカイキャロル、ノーリーズン、フリオーソ、ビッグゴールドなどと同じ。このパターンはよく走ります。母が Nasrullah 4×4・4ですからスピードを活かす競馬が合っているでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104812/

■日曜東京7Rの3歳500万下(芝2000m)は昨年の札幌以来のレースとなるルルーシュが鋭く伸びて快勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=d7Bn_1T1UhY

最後の2ハロンが10秒9-11秒0という上がりだけの競馬。メンバーのなかでは抜けて強かったですね。デビュー前の調教を見たときからフットワークがいい馬だと感じていたのですが、久々に見てもやはりいいと思いました。休養を挟んで成長を促したのは正解だったと思います。直線の迫力あるフットワークを見ると、眠っていた素質が覚醒した感がなきにしもあらず。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102912/

配合についは9月3日のエントリー「今週の新馬戦はルルーシュに注目」をご覧くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/09/post-c622.html

「栗山ノート」にも取り上げた馬でもあり、配合は好みです。1回東京の3歳500万下・芝2000mの平場戦は、一昨年アプレザンレーヴ、昨年ペルーサと、勝ち馬がその後重賞を勝っています。毎年ハイレベルなメンバー構成となるからでしょう。ペルーサとは同父、同馬主、同調教師、同生産者という関係。次走、弥生賞では勝ち負けに加われるはずです。

2011年2月 2日 (水)

大物感あり、リヴェレンテ

■日曜京都5Rの新馬戦(芝2000m)は▲リヴェレンテ(3番人気)が差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=AdpDqgbdSGM

スタートが鈍く後方からの競馬となり、超スローペースを大外からマクって進出し、11秒7-11秒6-11秒0という上がり勝負をスパッと差しました。なかなか強いですね。

桜花賞馬レジネッタ(父フレンチデピュティ)の半弟にあたる良血。レジネッタは「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」で、これはコンスタントに走るもののG3レベルで頭打ちになりがちな配合です。にもかかわらずクラシックを制覇したのは、2代母マクダヴィアの配合構成に負うところが大きいのではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102077/

マクダヴィアは20世紀後半を代表する名繁殖牝馬の1頭 Fall Aspen の孫。また、Hyperion と Son-in-Law の組み合わせから成る血(望田潤さん風にいえば「ハイインロー」)を5代以内に5つも抱える(Tudor Minstrel、Flower Bowl、Abernant、Imitation、Swaps)という底力の塊のような配合。これがうまく作用したのではないでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006530/

レジネッタの半弟リヴェレンテは、同じ「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」のトゥザグローリーと配合のイメージが似ています。トゥザグローリーは2代母フェアリードールに Hyperion が8本も入っています。配合的に硬いかなと思わせて切れる脚があるところも似ています。リヴェレンテについてはレース前、底力はあっても切れ負けして2、3着ぐらいではないか……と目算を立てていたのですが、予想に反して素晴らしい切れ味を発揮しました。

今回は決め手の勝利である以上に、総合力の勝利だったと感じます。芝新馬戦を上がり33秒台で勝ち上がった「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」は過去2頭しかいません。その2頭とはローズキングダムとトゥザグローリー。リヴェレンテには底力と切れ味が理想的な形で表現されているので大物感があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102577/

蛇足ですが、日曜小倉3Rの未勝利戦(芝2000m)を勝ったノーティカルスター(父ステイゴールド)はリヴェレンテの甥、つまりマクダヴィアの息子です。中長距離で強くなりそうなので動向を追いたい馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102613/

■日曜京都6Rの3歳500万下(芝2000m)はノーザンリバー(1番人気)が外を回って楽々と突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=GFRK4JrL89g

2週間前、1月19日のエントリー「ディープインパクト産駒の買いどころは基本的にマイル以上」で取り上げた馬です。次は芝に戻るのではないでしょうか。ダート馬ではないので要注意です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-35da.html

■日曜小倉10Rのくすのき賞(3歳500万下・ダ1700m)は佐賀公営に所属するウルトラカイザー(5番人気)が逃げ切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=TQ2VIIYong4

佐賀所属馬がJRAで勝つのは06年1月のスーパーワシントン(かささぎ賞)以来5年ぶりです。手綱を取った真島正徳騎手は、00年9月にコウセイロマンでひまわり賞(2歳OP)を勝っており、JRAのレースを佐賀所属馬で勝つのはこれが2回目となります。

父レギュラーメンバー、母の父ダイナレター、2代母の父マルゼンスキーと、いずれもわが国のダート競馬で素晴らしい能力を披露した馬たちで血統が構成されています。JRAではあまり見られないタイプですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104671/

父レギュラーメンバーは1月27日のエントリーで取り上げたロジータの孫。サイレントスタメン(東京ダービー)やダイナマイトボディ(東海ダービー、兵庫クイーンカップ)など、地方競馬を中心に産駒が走っています。現在、青森県の山内牧場で繋養されています。

2011年2月 1日 (火)

ダンスファンタジアと配合構成が似ているフォーエバーマーク

先週は3歳の素質馬・注目馬がたくさん勝ち上がったので、サクサクと回顧していきたいと思います。正月の1開催目とは違い、勝ち馬のレベルがグンと上がったような気がしますね。弥生賞、チューリップ賞まであと1ヵ月。頂点を目指す馬はこのあたりで何とかしないと黄信号が灯ります。

■土曜京都3Rの未勝利戦(ダ1400m)はアイアムアクトレス(2番人気)が後続を8馬身ちぎりました。
http://www.youtube.com/watch?v=AZLSzi1imQs

アイアムカミノマゴ(阪神牝馬S)の全妹で、新馬戦でマルセリーナ(シンザン記念-3着)の2着ですから、芝適性も問題ないでしょう。

母アイアムザウィナーは、オーナーの堀紘一氏が故大川慶次郎氏と一緒にアメリカのセリへ行って買ってきた馬です。20年ほど前、堀氏がフジテレビの『平成教育委員会』に出演された際、控え室で番組収録を待っていると、大川氏から「馬を買ってみませんか」と誘われたそうです。これが競馬の世界に入るきっかけでした。その後、堀氏のご長男は吉田照哉氏のご長女と結婚されたので、結果的に見ると大川氏の働きかけは非常に大きなものでした。

大川氏と一緒に買ってきたアイアムザウィナーは、競走馬として重賞入着を果たし、繁殖牝馬としても重賞勝ち馬を送り出しました。非常に優秀です。「Danzig 系×Mr.Prospector」ですからコンスタントにスピードを伝える一方、やや一本調子なところがあるので、芝向きの瞬発力に秀でたアグネスタキオンとの配合でも、ダートでは抜群に強く、芝でも1400mあたりがベストになります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102746/

■土曜京都5Rの未勝利戦(芝1800m)はオンリーザブレイヴ(8番人気)が差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=197GfqNzpUk

ディープインパクト産駒で、Burghclere≒Height of Fashion 3×4という大胆な4分の3同血クロスを持ちます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102980/

          ┌ Busted
Burghclere ――――┤
          └ Highclere

            ┌ Busted
          ┌○┘
Hight of Fashion ―┤
          └ Highclere

新馬戦に出走したあとに当ブログでもちょっと触れました。そのときは鈍重そうな走りが印象に残り、前向きな評価はしづらかったのですが、3戦目でびっくりするような変わり身を見せました。上がり最速(34秒3)で突き抜けるシーンは当時のレースぶりからは想像できません。昇級して即通用するかどうかは微妙ですが、Burghclere≒Height of Fashion は晩成型の資質を伝えると思われるので、時間はかかっても着実に昇級していくタイプでしょう。

■土曜京都7Rの3歳500万下(芝1400m)はラトルスネーク(3番人気)が2勝目を挙げました。
http://www.youtube.com/watch?v=9B7HVvkVSv0

周知のとおりこの馬の課題は折り合い。今回はリスボリ騎手がガッチリと押さえ込み、外を回って道中の不利もなく直線で弾けました。スローペースだったので、最後の3ハロンは11秒4-11秒4-11秒2。上位3頭の力が抜けていました。ラトルスネークの配合については11月14日のエントリー「ラトルスネーク新馬戦圧勝」でじっくり解説しています。どうぞご覧くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/post-6a94.html

ディープインパクト産駒のダコール(2番人気)は出遅れも響いて3着。1月19日のエントリー「ディープインパクト産駒の買いどころは基本的にマイル以上」で述べたように、やはり1400mは忙しいですね。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-35da.html

さらには内回りも厳しかったと思います。ディープインパクト産駒は直線の長いコースが合っています。もっとも、この時期は番組の選択肢が少ないので、それを分かっていても使わざるを得ないのですが……。今回は不利な条件を克服して勝てるほど相手が弱くありませんでした。距離が延びればまた違った結果が出るでしょう。私は新馬戦でも東京スポーツ杯2歳S(G3)でも◎を打っており、この馬を高く買っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104798/

■土曜東京9RのクロッカスS(OP・芝1400m)はフォーエバーマークが逃げ切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=Yrg-Qy2hyOI

3歳世代のファルブラヴ産駒は豊作で、本馬のほかにフェアリーS(G3)を勝ったダンスファンタジアが出ています。この2頭は配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103048/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102910/

         ┌ファルブラヴ
フォーエバーマーク┤ ┌ダンスインザダーク(=ダンスインザムード)
         └○┘

         ┌ファルブラヴ
ダンスファンタジア┤
         └ダンスインザムード(=ダンスインザダーク)

フォーエバーマークの母の父ダンスインザダークと、ダンスファンタジアの母ダンスインザムードは全兄妹です。

ファルブラヴは Nijinsky と相性が良好。前記の2頭には Nijinsky が含まれています。ファルブラヴは Menow の全妹 Lithe を持ち、Nijinsky は Menow を抱えています。つまり、Nijinsky が母方に入るファルブラヴ産駒には、Lithe=Menow という全きょうだいクロスが生じます。これが好相性のひとつの鍵だと思われます。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!