ディープインパクト産駒の買いどころは基本的にマイル以上
■日曜京都3R・未勝利戦(ダ1400m)はノーザンリバー(2番人気)が8馬身差で楽勝。初ダートで後続をちぎりました。
http://www.youtube.com/watch?v=uLcIGocfO_g
昨年9月デビュー戦(札幌芝1500m)がレーヴディソールの2着で、暮れに走った2戦目(阪神芝1600m)は休み明けで3着ですから、芝がダメというわけではありません。
全姉にダートOPのルミナスポイント、全兄に芝の重賞戦線で頑張ったノットアローンがいるので、芝・ダート兼用タイプでしょう。母ソニンクは名繁殖牝馬ですね。このほかアコースティクス(ロジユニヴァースの母)、モンローブロンド(ファンタジーS-2着)、ランフォルセ(ダートOP)などを出しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103212/
2代母 Sonic Lady は現役時代、ムーランドロンシャン賞(仏G1)、サセックスS(英G1)、愛1000ギニー(愛G1)を勝ったマイルの名牝。1歳下の Miesque があまりにも凄かったのでその存在が霞みがちですが、80年代後半のヨーロッパでは Nureyev 牝馬の二枚看板、といった感がありました。
Sonic Lady は13歳の若さで死亡し、牝馬を2頭しか産まなかったので、その血を受け継ぐファミリーは貴重です。これまで次女ソニンクを経由したものしか見たことがなかったのですが、昨年の愛オークス(G1)3着馬 Lady Lupus は、Sonic Lady の長女 Lady Icarus から出たラインだったので目を惹きました。
http://www.pedigreequery.com/lady+lupus
ソニンクはこれだけ走る馬を出しているのに、重賞を勝った子はいません。ノーザンリバーはよさそうです。アグネスタキオン産駒はなんだかんだいいながら今年は駒が豊富ですね。レーヴディソール、レッドデイヴィス、デボネア、ショウナンパルフェ……。脚もとのトラブルに見舞われる子がいないのも特徴です。
■日曜京都9Rの紅梅S(3歳OP)は、キングカメハメハ産駒のモアグレイス(5番人気)とシナル(6番人気)がワンツーフィニッシュ。
http://www.youtube.com/watch?v=XBXNoIZZjpc
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102959/
最初の3ハロン36秒4は、98年に創設された紅梅Sのレース史上、2番目に遅い通過タイム。しかも、京都芝は土曜日から前が止まらないコンディション。序盤の1~5番手がそのまま1~5着に流れ込みました。力量を反映したレースであったかは疑わしい面もあります。
ただ、モアグレイスの前走、12月26日の2歳500万下(阪神・芝1600m)は、レベルの高いレースだったようで、1位入線から10着降着となったレッドデイヴィスはシンザン記念(G3)を、4着ニジブルームは500万下を、モアグレイスは紅梅Sを勝ちました。このレースに出走した馬は今後も要注意ですね。
キングカメハメハ産駒は一般的に、内回りよりも外回りを得意としているのですが、京都芝1400mに関しては、内回りが連対率31.4%と走っているのに対し、外回りはなぜか10回走って連対ゼロでした。今回、1、2着を占めたので数字の帳尻が合ってきましたね。この条件が合わないということはないと思います。
ディープインパクト産駒のケイティーズジェム(1番人気)は4着、リトルダーリン(4番人気)は11着。ディープインパクト産駒は、秋の中央開催に入ってから勝ち星を挙げるペースが上がってきたように、基本的にはマイル以上に向くタイプだと思います。マイル未満で走った産駒は、適性よりも能力が上回った場合か、母方の適性が強く出た場合でしょう。
昨年1月18日のエントリー「京都芝1400mはダート血統OK」のなかで、京都芝1400mではサンデー系の成績がいまひとつ、という話を書きました。芝1400mは緩急がいらないので、一本調子の、それこそダートもこなせるようなタイプが台頭している、という話です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/01/
そのなかで、主なサンデー系種牡馬の京都芝1400mと芝1600mにおける連対率を示したのですが、新しく何頭かの種牡馬を加えて最新の表を作ってみました。
芝1400 芝1600
ディープイパクト 12.5% 45.2%★
アグネスタキオン 15.6% 29.9%
サンデーサイレンス 21.1% 25.5%
マンハッタンカフェ 15.4% 18.8%
フジキセキ 21.5% 18.1%☆
ダンスインザダーク 16.5% 16.6%
スペシャルウィーク 10.0% 15.8%
ネオユニヴァース 8.3% 15.3%
ゼンノロブロイ 14.3% 11.5%☆
ステイゴールド 8.9% 10.3%
芝1400>芝1600は、フジキセキとゼンノロブロイだけです。フジキセキはサンデー産駒の膨大な数にのぼる種牡馬のなかで、唯一、芝1200mのG1で連対馬を送っている(キンシャサノキセキ、ファイングレイン)ように、緩急のないスピードレースにも適性を見せています。そういう意味でもサンデー系の主要種牡馬のなかでは異質といえるでしょう。
ディープインパクトは京都芝1400mで12.5%、芝1600mで45.2%。まだサンプルは少ないのですが、芝1600>芝1400というサンデー系の傾向を強く反映したタイプです。紅梅Sは向いた条件とはいえませんでした。
ケイティーズジェムに騎乗した福永祐一騎手は「この距離は忙しい感じがする」(週刊競馬ブック)と語っています。リトルダーリンはゲートの出が遅く、序盤の位置取り争いに敗れて後方に下がってしまったので、今回は参考外のレース。次走、1600m以上のレースに出てくれば、人気も下がっているので狙い目です。
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