2010年9月

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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

2010年9月 9日 (木)

戸塚記念はハーミア

9月8日夜、川崎競馬場で行われた戸塚記念(ダ2100m)は、1番人気に推された牝馬のハーミア(父フィガロ)がビクトリースガのマクリを封じて勝ちました。これが重賞初制覇です。

父フィガロは懐かしいですね。新馬-京都3歳S(OP)を連勝し、グラスワンダーが勝った朝日杯3歳S(G1)で3着に食い込んだ馬です。朝日杯は Storm Cat を持つ馬がやたらと走るのですが、その一番最初の例だったと記憶しています。通算成績3戦2勝。伊達秀和さんの持ち馬でした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995108837/

種牡馬としては地味な存在で、02年から昨年まで8年間の平均種付け頭数は14頭。伊達さんが所有するサンシャイン牧場に繋養され、自家牝馬を中心に種付けを行ってきました(現在は優駿スタリオンステーションで種付け)。代表産駒のアンパサンドは東京ダービーと報知オールスターCの勝ち馬です。

ハーミアとアンパサンドは配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105461/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004105545/

        ┌ フィガロ
ハーミア ―――┤
        └○┐
          └ ボニータ

        ┌ フィガロ
アンパサンド ―┤
        └○┐
          └ ボニータ

両馬ともサンシャイン牧場の生産馬。ボニータの母は伊達さんが所有した桜花賞馬ブロケードです。フィガロとボニータの組み合わせはよほど合うようで、まったく同じ配合パターンを持つデリスという2歳牝馬が、先週大井で新馬戦(ダ1200m)を勝ちました。同馬はハーミアと同じく荒山勝徳厩舎に所属しています。いずれ重賞戦線を賑わす馬に成長するかもしれません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105499/

        ┌ フィガロ
デリス ――――┤
        └○┐
          └ ボニータ

2010年9月 8日 (水)

橋本邦治さん死去

先月19日にお亡くなりになったとのことですが、9月に入ってから知りました。87歳。大川慶次郎さんより7歳年上で、大正生まれ(大正11年/1922年生)では最も長く現役でいらした競馬関係者ではないでしょうか。つい数年前までラジオNIKKEIの競馬中継に出演されていたイメージがあります。

『日本の名馬』(サラブレッド血統センター)の118頁に、「私と競馬」と題する橋本さんの文章が載っています。抜粋します。

「私の家は、昔府中にあった。そんな関係もあり、父が野戦重砲兵だったりしたため、子供のころから馬が好きだった。そのうえ、目黒から東京競馬場が移転してきたりしたため、なにもわからないうちから、競馬は見ていた。だから、ガヴアナーが『ダービー』に勝った後で急死して、墓地に運ばれる、悲運な姿を見たことを覚えている。」

ガヴアナーは第4回のダービー馬。死んだのは1935年(昭和10年)ですから75年前です。橋本さんはそのときの光景を目撃しています。

また、『優駿』04年10月号にはこんな記述があります。

「私も、馬房によこたわるトキノミノルを見舞ったが、“これがあのダービー馬か”と、目を疑いたくなるような寂しい姿だった。」

トキノミノルは1951年(昭和26年)の二冠馬で、通算10戦全勝。ダービー制覇から17日後に破傷風により死亡しました。橋本さんは死の床にあるトキノミノルも目撃しています。

時代が下り、日本テレビの名物番組『11PM』で、大橋巨泉氏と競馬コーナーを持ったと聞きますが、残念ながら記憶にありません。私にとって橋本さんは『話のかいば』の著者です。NAR地方競馬全国協会の機関誌『地方競馬』に連載されたコラムをまとめたもので、91年にJRA馬事文化賞を受賞しました。競馬に関する幅広い蘊蓄を90のチャプターに分けてエッセイ風に記したものです。読みやすくて好きな本でしたね。「父は、明治の日本画家、橋本雅邦の六男」というプロフィールの記述を見て、へぇ~と感心したりもしました。この本を Amazon で検索しても引っ掛かってきません。現在入手は困難かもしれません。晩年はJRA賞の記者投票でたびたび独創的な票を投じることで話題になりました。

私はよく中山競馬場行きのバスでお見かけしました。雨の日も風の日も変わることなく座席に腰掛けていらっしゃいました。奥様らしきお連れの方と一緒のことが多かったですね。自分はあの歳まで競馬場に通う気力を保てるだろうか……と、そのお背中を見ながら思ったものです。合掌。

2010年9月 7日 (火)

9月の中山開幕週とダンスインザダーク

ダンスインザダーク産駒の競馬場別連対率(芝)を調べると、中山コースは「14.0%」で最下位。“ダンスインザダーク産駒は中山芝では信用できない”ということは、血統で馬券を買う人にとっては経験的・感覚的に身についていることだろうと思います。たとえば、中山のG1レースで同産駒を切るのは昔からのセオリーです(過去22戦して一度も連対していません)。

ただ、1年のうちここだけは狙えるというポイントがあります。9月の中山開催です。連対率「21.5%」ですから普通に買えます。開幕週に限れば「29.4%」。むしろ積極的に狙ってみたい、という数字ですね。

開幕週は馬場コンディションがいいので、時計が速く前が止まりません。ハイペースのままバテずにゴールになだれ込むという競馬になりがちです。ラップの起伏が少なく、平均して速くなります。したがってギアチェンジや決め手はあまり必要とされません。

ダンスインザダーク産駒の弱点は、ほかのサンデー系に比べると瞬発力がイマイチで、エンジンの掛かりが遅いこと。ギアチェンジが上手くないので機動力に欠けます。基本的にこういうタイプは中山では買いづらいですね。ただし、9月の開幕週は話が別です。一本調子の競馬になりやすいため、こうした弱点が露呈しづらいのだろうと思います。とくに注目したいのは芝1600mと芝2000m。この2つのコースでは抜群の成績を誇ります。昨年の京成杯オータムH(G3・芝1600m)はダンスインザダーク産駒のザレマが勝ちました。

サンプルは少ないものの、シンボリクリスエス産駒も9月の中山開幕週を得意としています。芝で9戦して3連対。連対率33.3%です。同馬については6月6日のエントリー(「高速馬場とシンボリクリスエス」)でその特徴を分析しました。抜粋してみます。

「『ハイペースへの耐久力とスピードの持続力』を活かす展開になれば、シンボリクリスエス産駒は生き生きと躍動します。そうした競馬になりやすい高速馬場ではつねにマークが必要です。」
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/06/post-5cad.html

開幕週に強い、という条件を備えた種牡馬であることがわかります。ダンスインザダーク産駒と同じくマークが必要です。昨年の紫苑S(OP・芝2000m)を11番人気で制したダイアナバローズはシンボリクリスエス産駒でした。

9月8、9日に『馬券師倶楽部2』再放送

『馬券師倶楽部2』の「栗山求(後編)」です。放送スケジュールは以下のとおり。

   9/8(水) 16:00~16:30
   9/9(木) 10:00~10:30

CS放送の“MONDO21”で観ることができます。よろしかったらどうぞ。

2010年9月 6日 (月)

日曜日のレースあれこれ

■小倉2歳S(G3)は◎ブラウンワイルド(1番人気)がギリギリ差し切りました。前走のフェニックス賞(2着)は馬を見てピンと来なかったのですが、今回は良かったと思います。稽古の動きからしてまったく違っていたので、体調がグンと上向いていたのでしょう。予想は◎○△で3連単23440円的中。血統解説は7月17日のエントリー(「ブラウンワイルド、新馬戦レコード勝ち」)をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/07/post-66b2.html

毎年思うのですが、同日同距離で行われる2歳未勝利戦と勝ち時計がほとんど変わりません。この日も未勝利戦が1分08秒8で、小倉2歳Sが1分08秒7。重賞に出ている馬たちは、仮にマイペースで逃げたり少頭数で走れば、たいていこのぐらいの時計では走れるはずです。ただ、多頭数のゴチャゴチャした競馬になると勝手が違ってきます。精神的なたくましさや経験値が大きくモノをいうレースですね。

■札幌日経オープン(OP)はトウカイメロディ(1番人気)が完勝。前走のみなみ北海道S(OP)で2着に負かしたホクトスルタンと斤量差が一気に4キロ縮まっていたものの、伸び盛りの勢いが買われて1番人気となり、堂々とそれに応えてみせました。

父チーフベアハートは薄味の種牡馬で、自身の特徴を産駒に伝えるというよりは交配相手の特徴を出しやすいタイプです。母方からスタミナを受ければマイネルキッツ(天皇賞・春)になり、スピードを受ければビービーガルダン(阪急杯、キーンランドC)になります。トウカイメロディの場合、母が「ジェネラス×リアルシャダイ」ですからスタミナタイプ。菊花賞(10月24日・G1・京都芝3000m)で買おうと密かに狙っていた方は多いかと思いますが、この快進撃では密かどころではなくなってしまいましたね。春のクラシック上位組が前哨戦で躓けば1番人気の可能性も……。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007106596/

■札幌4Rの新馬戦(芝1800m)は、9月3日のエントリー(「今週の新馬戦はルルーシュに注目」)で取り上げたルルーシュがハナ差で勝利を飾りました。着差はわずかでしたが、中だるみのないラップはなかなか優秀。終始外を回っていたので内容は悪くなかったと思います。藤沢流の仕上げでしょうから使って変わりそうですね。

2010年9月 5日 (日)

テレグノシス産駒が重賞勝ち

新潟2歳S(G3)はマイネイサベル(9番人気)が差し切り勝ち。残念ながら予想の印は回りませんでした。7月17日の新馬戦(新潟芝1400m)を勝ち上がった際に『Web競馬王』に記した評価を再掲します。

「『テレグノシス×サンデーサイレンス』という組み合わせで、母マイネレジーナはクイーンS(G3)2着、函館3歳S(G3)2着という成績がある。父テレグノシスはNHKマイルC(G1)など3つの重賞を制した追い込み馬。今年の2歳世代が初年度産駒で、これがJRA初勝利(地方では兵庫でシークレットベースが勝っている)。トニービンの代表産駒ジャングルポケットがサンデー牝馬と抜群の相性を示しているように、テレグノシスもサンデー牝馬と掛け合わせて成功するだろう。本馬はトニービンと相性のいいニジンスキーが母方に入るのでこの点も評価できる。バランスのとれた好配合馬。稽古は平凡だったが実戦タイプなのだろう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104086/

今年の春、必要に迫られてテレグノシス産駒27頭の配合を調べた際、まっさきに目に付いたのがマイネイサベルでした。母マイネレジーナは重賞戦線で活躍したので、たいていの人はトップクラスに評価する馬でしょう。それに加えて配合も文句なし。まさに“群鶏の一鶴”でした。

テレグノシスは「トニービン×ノーザンテースト×Secretariat」という配合なので、カンパニー(天皇賞・秋、マイルCS)と構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1999106851/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103435/

        ┌ トニービン
テレグノシス ―┤ ┌ ノーザンテースト
        └○┤ ┌ Secretariat
          └○┘

          ┌ トニービン
        ┌○┘
カンパニー ――┤ ┌ ノーザンテースト
        └○┤
          └○┐ ┌ Secretariat
            └○┘

テレグノシスもカンパニーも東京コースを得意としました。同じように直線の長い新潟外回りコースで鮮やかな差しを決めたマイネイサベルは、その特長を受け継いでいるような気がします。初戦の内容からこのメンバーに入ってどうかと思ったのですが、同じトニービン系のジャングルポケット産駒と同じく、ここ一番の強さがありますね。外回りコースでの変わり身をもっと重く見るべきでした。

テレグノシスは初年度に46頭に種付けして産駒は27頭。2年目は28頭に種付けして産駒は14頭。3年目は22頭に種付けしました(現時点で産駒数は明らかになっていません)。交配頭数は年々減っていますが、今回の勝利で来年は増加が見込まれます。それなりのレベルの繁殖牝馬と交配すれば重賞級の産駒を出せると証明できたのは大きいですね。母方にはまずサンデーサイレンスを入れるのが基本でしょう。それに加えて Nijinsky、Mr.Prospector、Sir Ivor といった血があればおもしろそうです。

◎レッドセインツ(5番人気)は3着。人気どころが見せ場を作れずに終わったなかでよく頑張りました。精神的にしっかりしているという印象です。まだ未完成なので秋になればさらに成長するでしょう。

2010年9月 4日 (土)

Harbinger 日本へ

社台グループが Harbinger を獲得したと複数の海外メディアが報じています。値段は明らかになっていません。円高傾向が続いているので、このクラスの馬としてはそれほど高い価格ではなかったのでは、と思います。

社台ファーム代表の吉田照哉氏は「種馬は数打たなきゃ当たらない」「失敗するのが当たり前」が口癖です。社台グループといえばサンデーサイレンス、トニービン、ノーザンテーストといった華々しい成功種牡馬にばかり目が行きがちですが、その陰には膨大な数の失敗種牡馬が死屍累々と横たわり、それだけで一冊の本が書けるほどです。種牡馬というものは本来きわめて低い確率でしか成功しません。

競走成績からある程度見分ける方法はあります。2歳時からトップクラスで活躍し、3歳時にスプリントまたはマイルのG1を勝つようなタイプは当たる確率が高いといわれています。ただ、こんなことはプロなら誰でも知っているでしょう。

ヨーロッパでそうした馬を買ってこようとしても、種牡馬ビジネスで激しい火花を散らすクールモア、ダーレー、ジャドモントなどいくつかの巨大資本がまず押さえてしまうので簡単ではありません。当ブログでも Green Desert 系がいいとか Oasis Dream はサンデーと合うだろうとかたびたび書いてきましたが、欲しいといって買えるなら誰も苦労はしません。

現実的には、成功パターンから外れた Harbinger のような大物を狙うしかないのだろうと思います。最前線でしのぎを削る欧米の種牡馬事業グループ群は、クラシックディスタンスを得意とする晩成タイプに強く執着することはなく、だからこそ社台グループが手に入れることができたのだと思います。社台グループには「種馬は数打たなきゃ当たらない」という哲学と、リスクを承知の上でそれに挑むだけの資力があります。たとえ低い確率でも当たれば儲けもので、運良くヒットすれば牧場は20年間安泰です。失敗したとしても屋台骨が揺らぐことはないので、買ってみる価値はあるでしょう。

思えばサンデーサイレンスは血統的なリスクの大きな買い物でした。トニービンもクラシックディスタンスを得意とする晩成タイプ、という成功しづらいカテゴリーに属していました。種牡馬ビジネスというものは常識では割り切れませんし、かといって当てずっぽうでもダメ、という難しさがあります。Harbinger がトニービンになるのかエリシオになるのか分かりませんが、ワールドサラブレッドランキングでは過去最高クラスの評価を得た馬なので期待したいですね。

11馬身差のレコード圧勝、という今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)は、この一戦だけでアスコット競馬場に銅像が建つレベルのパフォーマンスだと思います。ニコニコ動画に生涯全9戦をダイジェストでまとめたものがアップロードされていました。戦績表と合わせて鑑賞すると楽しめます。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11808925
http://ahonoora.web.fc2.com/harbinger.html

2010年9月 3日 (金)

今週の新馬戦はルルーシュに注目

日曜日の札幌4R新馬戦(芝1800m)は、良血馬・好配合馬が集まった好カード。なかでも注目は藤沢和雄厩舎のルルーシュ。ゼンノロブロイの子で、ステージプレゼンス(きさらぎ賞-3着)の半弟です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102912/

『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」で指名した馬でもあります。コメント欄にはこう記しました。

「父はアメリカ血統過多なのでヨーロッパ血統が豊富なこの母は好ましい。相性がいいと思われるリヴァーマンも入る。サンデー系+ダンシングブレーヴも成功例が多く楽しみ。」

字数の制約により詳しく書けなかった部分を補足します。

ゼンノロブロイと Riverman の関係は悪くなく、アグネスワルツ(オークス-3着、フローラS-2着)を筆頭に、ゲームマエストロ、トレイルブレイザーなどの好素質馬が出ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102955/

この組み合わせを持つ馬の成績は以下のとおり。かなり優秀です。

全連対率 38.1%(単勝回収率214%)
芝連対率 43.5%(  〃  249%)
ダ連対率 31.6%(  〃  172%)

父ゼンノロブロイは、Admiral Drake≒Roman 6×5という隠し味的なクロスを持っています。ディープインパクトにも見られるクロスですね。

         ┌ Sunstar
       ┌○┤
Admiral Drake ┤ └ Maid of the Mist
       └ Plucky Liege

       ┌○┐
Roman ――――┤ └ Plucky Liege
       │   ┌ Sunstar
       │ ┌○┤
       └○┘ └○┐
             └ Maid of the Mist

Riverman の2代母の父は Roman。したがって、ゼンノロブロイと Riverman が出会うとこのクロスが継続されます。それが好結果の一因ではないかと推理しています。
http://www.pedigreequery.com/riverman

サンデーサイレンスとダンシングブレーヴの関係は、当ブログでも何度か説明した記憶があります。サンデーの父 Halo とダンシングブレーヴの母の父 Drone の血統構成がよく似ていることが好相性の鍵でしょう。ルルーシュの場合、母ダンスーズデトワールが Hairbrush≒Drone 3×4なので、ここで強調された要素を父方の Halo によって継続する効果は大きいのではないかと思います。

このほか Buckpasser クロスも好感が持てます。ゼンノロブロイ産駒の重賞好走馬のなかではサンテミリオンとアグネスワルツに見られます。ルルーシュの場合、La Troienne 血脈(Buckpasser)の活力を取り入れつつ、周辺にある豊富なヨーロッパ血脈によってパワー的な要素が表れるのを抑えている、というイメージですね。いいトコ取りができそうな気がします。

JRAレーシングビュアーで調教映像を観たのですが、フットワークがダイナミックなのに捌きが軽く、首の使い方がいいので全身で走れています。なかなか好印象です。初戦から行けるのではないでしょうか。

2010年9月 2日 (木)

G1サラブレッドクラブ誕生

今週発売の『週刊競馬ブック』の表紙をめくると、「G1 Thoroughbred Club 誕生」という広告があります。もちろんサイトも存在しており、8月30日付けで「G1サラブレッドクラブが誕生しました!」というインフォメーションが記されています。
http://www.g1tc.co.jp/

サイトのどこにも謳ってはいませんが、社台サラブレッドクラブ、サンデーサラブレッドクラブに続く、社台系第三のクラブ法人なのでしょう。社台グループが新しく何かを始めるらしいという噂は、こうした事情に疎い私の耳にも入っていました。サイトの作り、育成先やリンク先などを見ても、社台グループ以外にないだろうと思います。

驚いたのは「G1サラブレッドクラブは前身のないまったく新しい愛馬会法人」という一文です。この問題について10年前に取材した際に、新規のクラブ法人はもう作れないという規制があることを知り、それはいまなお生きているものと思っていました。事情が変わったのでしょうか。

1頭の総額は1400~3600万円(一口35~90万円)と比較的安く、月会費は1575円ですから社台やサンデーの半額。このご時世ですから大衆化路線は受けるかもしれませんね。

2010年9月 1日 (水)

凱旋門賞のアンティポスト

気がつけば暦は9月、フランスに遠征したヴィクトワールピサとナカヤマフェスタの勝負が迫ってきました。前哨戦のニエル賞(G2・芝2400m)とフォワ賞(G2・芝2400m)は9月12日(日)に、本番の凱旋門賞(G1・芝2400m)は10月3日(日)に行われます。

イギリスのブックメーカーが発表しているアンティポストをご紹介したいと思います。アンティポストとは“事前オッズ”のようなものと考えればいいでしょう。この賭けは、早ければ対象競走の数ヵ月前から受け付けられます。直前オッズよりも当然倍率は高いのですが、出走しなかったとしても掛け金は返ってきません。もし当たれば、賭けた時点のオッズで配当が支払われます。POGが盛んな日本では、もしアンティポストベットが実現したら相当売れると思うのですが。法改正して発売を目指すという動きはないのでしょうか。

多数のブックメーカーのなかで、世界三大ブックメーカーといわれる三社のものをご紹介します(9月1日現在)。数字は左から順にラドブロークス、コーラル、ウイリアムヒルです。オッズは日本式に直しています。

Fame and Glory   4  4  4
Behkabad      7  7  7
Planteur      11  11  11
Workforce      11  9  9
Sarafina      13  13  11
Byword       17  17  15
St Nicholas Abbey     13  13
Sariska       17  13  17
Rewilding         17  21
Youmzain      26  26  26
Cape Blanco        17  21
Cavalryman     17  34  26
Dar Re Mi      34  17  26
Snow Fairy     26  34  26
Daryakana      34  34  34
Goldwaki      41     26
Jan Vermeer        26  34
Ice Blue         41  34
Cutlass Bay     26  41  51
Simon De Montfort     26  34
Midas Touch        51  51

三社とも重賞4連勝中の Fame and Glory が1番人気、パリ大賞典(G1)の勝ち馬 Behkabad が2番人気です。
http://www.pedigreequery.com/fame+and+glory
http://www.pedigreequery.com/behkabad

Fame and Glory は古馬代表で、次走はフォワ賞。一方の Behkabad は3歳代表で、次走はニエル賞。つまり、前者はナカヤマフェスタと、後者はヴィクトワールピサと対決します。

表のなかに日本馬2頭の名前がないのは、まだオッズが付けられていないからです。日本馬の実力が把握できずにオッズが付けられないのか、それとも挑戦することすら知らないのか、事情はよく分かりません。前哨戦が終われば数字が出てくるでしょう。

現時点で数字を発表しているブックメーカーもあります。ヴィクトワールピサには3社がつけており、それぞれ35倍、39倍、44倍。ナカヤマフェスタには2社がつけており、それぞれ107倍、130倍。はっきり“圏外”という扱いです。こういうのを見ると燃えてきますね~。

両馬のオッズが付いている二社は以下のとおり。ご参考までに。
http://www.betfair.com/
http://www.wbx.com/

競馬王 2010年9月号
競馬王9月号は、昨今の日替わり馬場を攻略するために開発された特別付録「血統ビームplus ぴたり馬場読み的中マシーン」付きです。特集「馬場を読み切る!!」では、亀谷敬正、棟広良隆、今井雅宏の3名が儲かる馬場読みのテクニックを披露しています。また、今号はインタビューも充実。オグリキャップの秘蔵話を初めて明かした「安藤勝己の頭脳」、中央の調教師も師事する川島正行調教師に直撃した「頂点に立つ男 強さの秘密」は必読です。さらに、3号連続でプラス収支を達成した「パワースポットつき穴馬名鑑」、登場した騎手がことごとく覚醒すると評判の「大穴の騎手心理」など、当たる連載も充実しています。