2014年8月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

2011年11月 8日 (火)

ブログ移転しました

以下のURLで新たに「栗山求の血統BLOG」を開始いたします。
http://kuriyama.miesque.com/

当ブログをお気に入り(ブックマーク)に登録されている方は、お手数ですが変更をお願いいたします。ご面倒をおかけいたしますが何卒よろしくお願いいたします。

長い間ご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。競馬王編集部ならびに読者の皆さま方に心から御礼申し上げます。

お詫び申し上げます

11月6日から11月8日まで、当ブログへのアクセスが不能となりました。
読者の皆様、関係者の方々に多大なるご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

競馬王編集部

2011年11月 6日 (日)

ファンタジーSはアイムユアーズ

最初の3ハロン「34秒1」はレース史上最速。もともと馬場コンディションはいいものの、京都競馬場は昼前からずっと小雨が降っており、その影響を考えるとやはり速いペースでした。加えて外差しの馬場となっており、最後の1ハロンで12秒0とラップを落ちたところで大外から△アイムユアーズ(8番人気)が綺麗に差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=D_uRTnVLxzA

前走の函館2歳S(G3)では、出遅れた上に大外を回らされる厳しい競馬を強いられながら2着を確保。長くいい脚を使えるのがセールスポイントです。父ファルブラヴは牝馬ばかり走るフィリーサイアーで、過去に重賞で連対した6頭はすべて牝馬です。

配合は見てのとおり Fairy King=Sadler's Wells 2×4で、もっといえばファルブラヴ≒サドラーズギャル1×3です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106210/

母の父エルコンドルパサーの配合は、Nureyev≒Sadler's Wells 3×2、Special=Lisadell 4×4・3と、Special 牝系を執拗に重ねた特殊なものです。アイムユアーズの配合はこれをさらに凝縮の方向に進めているので大胆ですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995108742/

「ファルブラヴ×エルコンドルパサー」はやや重たいので、2代母の父に素軽いサンデーサイレンスが入るのがいいと思います。「ファルブラヴ×エルコンドルパサー×サンデーサイレンス」はこれまでに4頭出走してすべて勝ち上がっています。確実性があり、なおかつ重賞勝ち馬を出したわけですから、成功パターンといっていいかもしれません。次走の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1・芝1600m)もレースの流れが向けば当然首位争いでしょう。

2着▲アンチュラス(4番人気)については、未勝利戦を勝ち上がった際の回顧で、「おそらく、レースの流れが速くなる上のクラスのほうが走りやすいでしょう。次走に予定しているファンタジーS(G3・芝1400m)では、内枠を引ければ好勝負に持ち込めるのではないかと思います」と記しました。描いていた絵図どおりでしたが▲しか打てなかったのが悔やまれます。冒頭に記した厳しい流れを3番手追走から粘ったわけですから立派です。

◎エイシンキンチェム(2番人気)は7着。4コーナーではアイムユアーズの直後に付けていたのですが伸びきれず。レース間隔があいた影響かもしれませんがちょっと淡白なレースでしたね。

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

2011年11月 5日 (土)

土曜日に東京競馬場のイベントに出演します

11月5日(土)、東京競馬場のセンターコートで行われる「オープン型レーシングセミナー」に出演します。わたしの出番は第5R(12時20分)が終わったあとです。

また、14時30分ごろから16時30分ごろまで、同所で「リアルタイム情報ステーション」に出演します。司会は竹山まゆみさん、共演は須田鷹雄さん、井上オークスさんです。

来年の英ダービー最有力候補 Camelot

Dabirsim のジャンリュックラガルデール賞制覇以来、約1ヵ月ほど欧州2歳戦線をフォローしていませんでした。

その間に、アイルランドに Camelot という大物が現れ、現在、来年の英2000ギニー(G1・芝8f)と英ダービー(G1・芝12f10yds)のアンティポスト(ブックメーカーの前売り)でいずれも1番人気に推されています。

Camelot は2戦2勝。10月22日、英ドンカスター競馬場で行われたレーシングポストトロフィー(G1・芝8f)を最後方追走から鋭く抜け出して快勝しました。管理するのはアイルランドの名伯楽エイダン・オブライエン調教師です。
http://www.youtube.com/watch?v=H0f60tehWeA

配合は「Montjeu×Kingmambo」という本格派。父 Montjeu は Galileo と並び立つ Sadler's Wells の後継種牡馬で、2011年は英ダービー馬 Pour Moi を出したとはいえ Galileo の爆発の前にやや影が薄かったのですが、来年に向けて反攻の狼煙をあげた形です。来春の最大目標は英ダービーでしょう。
http://www.pedigreequery.com/camelot20

近い世代に Sadler's Wells とデインヒルを併せ持っています。この組み合わせはここにきて頻繁に目にするようになりました。Frankel に代表される「Galileo×デインヒル」のニックスにもこの組み合わせが中核となっています。
http://www.pedigreequery.com/frankel3

もうひとつの英2歳重要レース、デューハーストS(G1・芝7f)を制した Parish Hall は、父 Teofilo が「Galileo×デインヒル」のニックスを持ち、母の父が Montjeu。つまり Sadler's Wells 3×3です。
http://www.pedigreequery.com/parish+hall2

現時点で英ダービー2番人気となっている Akeed Mofeed は、母の近い世代にデインヒルと Sadler's Wells が並んでいます。
http://www.pedigreequery.com/akeed+mofeed

このように、Sadler's Wells とデインヒルの組み合わせは、最近になっていたるところで目にするようになりました。ともにヨーロッパにおける最もポピュラーな血なので、この組み合わせを持つ一流馬は今後どんどん出てくるでしょう。

Camelot の母の父は Mr.Prospector 系なので、Frankel と同じく Sadler's Wells、デインヒル、Mr.Prospector が主要な構成要素となっています。そして、昨年の英ダービーと凱旋門賞を制した Workforce と同じく、2代目に Sadler's Wells と Kingmambo が並び、Sadler's Wells≒Nureyev 2×4という4分の3同血クロスを持ちます。いかにも大レースに強そうなクラシック配合です。
http://www.pedigreequery.com/workforce

Camelot の現時点における英2000ギニーの単勝オッズは7倍。英ダービーのオッズは4.5倍。Montjeu 産駒ですからダービー向きだとは思いますが、今回の垢抜けた勝ちっぷりを見ると英2000ギニーも問題ないのではと思います。ちなみに、Frankel は2歳秋の時点で英2000ギニーのアンティポストのオッズは2倍を切る圧倒的人気でした。

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

2011年11月 4日 (金)

JBCクラシックはスマートファルコン

例年に比べて注目度が高ったJBCクラシック(Jpn1・ダ2000m)。大方の予想どおり◎スマートファルコン(1番人気)と〇トランセンド(2番人気)の一騎打ちとなり、前者が2分02秒1で逃げ切りました。『netkeiba.com』に提供した予想は◎○▲で完全的中。単勝120円、馬単150円、3連単250円という記録的な低配当でした。
http://www.youtube.com/watch?v=y2Ju6i6Ycvk

ちょっと長いのですが予想文を転載します。

「スマートファルコンとトランセンド。日本のダート界に君臨する2頭の横綱のマッチレースになることは誰の眼にも明らかだ。実力は甲乙つけがたい。昨年9月の日本テレビ盃で一度対決した際はトランセンドがハナ差先着した。しかし、両馬ともに当時とは比較にならないほどの進化を遂げているので、今回の勝ち馬検討の参考にはならない。

勝負を決する鍵は展開が握っている。両馬とも逃げたいタイプなので脚質が被る。

では、どちらが先に行くか?

おそらく、大方の予想どおりスマートファルコンだろう。下手に抑えずビュンビュン飛ばすスタイルで開眼したので、定位置を譲る気は毛頭ないはず。じっさい、テンのスピードも速く、これに競りかければ共倒れになるおそれがあるので、トランセンドは自重する可能性が高い。前走の南部杯で2番手に控え、しっかり結果を出したことも補強材料となる。

この時点でスマートファルコンの勝利はほぼ確定する。

近年は行われていないものの、アメリカでは超一流馬同士がマッチレースで雌雄を決する伝統がある。20世紀に全米を沸かせたマッチレースは以下の9レース。

1920年 マンノウォーVSサーバートン
1923年 ゼヴVSパパイラス
1938年 シービスケットVSウォーアドミラル
1942年 アルサブVSワーラウェイ
1947年 アームドVSアソールト
1956年 ナシュアVSスワップス
1972年 コンヴィニエンスVSタイプキャスト
1974年 クリスエヴァートVSミスマスケット
1975年 フーリッシュプレジャーVSラフィイアン

これらはすべて前者が勝っている。決まり手はいずれも『逃げ切り』。マッチレースには“先手を取ったほうが必ず勝つ”という法則が存在する。差して勝った例はない。この法則は有名なもので、マッチレースに騎乗する騎手も当然熟知している。そのため、スタートしてから最初のコーナーまで熾烈な逃げ争いが展開される。

75年のフーリッシュプレジャーVSラフィアンは、ゲートが開いてから両者が“絶対に譲らない”とばかりに凄まじい競り合いを繰り広げ、2ハロンを通過した地点でラフィアンの右前肢が折れて決着がついた。競馬史に刻まれる悲劇にはこうした背景が存在する。

出走馬の大井コースにおける成績を調べてみると、スマートファルコンは4戦して〔2・1・0・1〕。ただし、本格化した昨年秋以降は2戦2勝で、東京大賞典、帝王賞という頂点のレースを完勝した。
http://www.nankankeiba.com/uma_info/2005100097.do

一方、トランセンドは大井競馬場での出走歴は無し。慣れという面でもスマートファルコンに後れを取る。
http://www.nankankeiba.com/uma_info/2006104736.do

スマートファルコンが逃げ切りで2連覇を達成するだろう。」

トランセンドが行く気をまったく見せなかったので、すんなりとスマートファルコンの逃げが決まりました。同コースで行われた昨年暮れの東京大賞典、今年の帝王賞に比べると序盤の入りは遅かったですね。以下はそのラップです。

★10年東京大賞典(勝ちタイム2分00秒4=レコード)
12.2- 11.1- 11.5- 12.2- 11.9- 12.1- 12.1- 12.3- 11.9- 13.1

★11年帝王賞(勝ちタイム2分01秒1)。
12.2- 11.0- 12.0- 12.3- 12.3- 12.6- 12.7- 12.6- 11.3- 12.1

★11年JBCクラシック(勝ちタイム2分02秒1)
12.6- 11.8- 12.4- 12.1- 11.8- 12.0- 12.1- 12.3- 11.9- 13.1

今回の後半のラップは、レコード勝ちした東京大賞典と非常によく似ています。前半が遅い分だけ全体の時計も掛かりました。それぞれ馬場コンディションが同じだと仮定すると、前2回と比べて序盤で楽をしている分、ラストにもう少しペースが上がってきてもよかったのではないか……という気もします。もっとも、トランセンドを完封しておきながらこんな重箱の隅をつつくようなイチャモンを付けられるのですから、スマートファルコンはあらためて凄い馬だと思います。これで重賞7連勝、通算では17勝目です。配合については9月24日のエントリー「日本テレビ盃(G2・船橋ダ1800m)はスマートファルコン」をご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/09/post-1735.html

同日に行われたJBCスプリント(Jpn1・ダ1200m)は、〇スーニ(1番人気)が大外を突き抜けてレコード勝ち(1分10秒1)し、◎セイクリムズン(2番人気)が2着を確保。

同じく同日に行われたJBCレディスクラシック(重賞・ダ1800m)は、ミラクルレジェンド(2番人気)がレコード勝ち(1分49秒6)し、ラヴェリータ(1番人気)が2着でした。

前者ではカオルダケ(1200m=1分10秒2)の、後者ではカツアール(1800m=1分49秒9)のレコードがともに31年ぶりに破られました。わたしが競馬を始めたころから競馬新聞に記載されていた記録だったので感慨深いですね。

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

2011年11月 3日 (木)

重賞クラスの大物シャンボールフィズ

■日曜京都5Rの新馬戦(芝1600m)は、中団追走の★マデイラ(8番人気)が直線で末脚を爆発させて大外を突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=k1TyZtwX22A

「栗山ノート」でも取り上げたクロフネ産駒の好配合馬で、木曜日の想定が出た段階では本命候補。しかし、調教があまりにも酷かったので印を軽くしてしまいました。実戦タイプというよりも、非力なために坂路調教が苦手なタイプで、3コーナーの勝負どころから下り坂→直線平坦の京都コースが合っていたようです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106344/

母マチカネエンジイロはファンタジーS(G3)4着馬。2代母マチカネササメユキは、その2代目に La Troienne の影響が強いプレイメイトと Sex Appeal を配置しているため、マデイラ自身は「クロフネ×サンデーサイレンス+La Troienne 血脈」という父の成功パターンに合致しています。さらには Mr.Prospector が入るので、フサイチリシャール(朝日杯フューチュリティS、阪神C、東京スポーツ杯2歳S)に似た配合に仕上がっています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102955/

「栗山ノート」で指名した時点では、芝とダート、どちらでも行けそうだと感じていたのですが、馬は完全に芝向きですね。順調に成長すればいいところまで行けそうです。

■日曜東京3Rの新馬戦(芝1600m)は、好位追走のシャンボールフィズ(1番人気)が力強く抜け出して後続に3馬身差をつけました。
http://www.youtube.com/watch?v=H_fgEjN738U

予想は◎△で馬単1860円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎シャンボールフィズは『キングカメハメハ×サンデーサイレンス』という組み合わせ。母はマンハッタンカフェの全妹にあたる良血で、繁殖牝馬として非凡な才能を示しており、これまでにクレスコグランド(京都新聞杯)、アプリコットフィズ(クイーンC、クイーンS)、コロンバスサークル(オールカマー-4着)を送り出している。異なる父から確実に重賞級の産駒を生み出しているのは立派の一語。キングカメハメハとの組み合わせも問題ないだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105993/

「栗山ノート」で推奨した馬です。マンハッタンフィズについては当ブログでもたびたび取り上げてきたので、ここであらためて説明することはありません。文句なしの名牝、という一語に尽きます。

マンハッタンカフェが成功する交配牝馬のパターンはいくつかあるのですが、(1)Northern Dancer の強いクロスを持つ、(2)Mr.Prospector と Nijinsky の組み合わせを持つ、というものがあります。キングカメハメハは Northern Dancer 4×4・6で、Mr.Prospector と Nijinsky を併せ持っています。

つまり、仮にシャンボールフィズの父母をひっくり返し、マンハッタンカフェ産駒と見立てた場合、(1)(2)の条件に合致するので配合的に優れていると思います。「マンハッタンカフェ×Kingmambo」の組み合わせからはダイワバーバリアン(NHKマイルC-2着)、アントニオバローズ(シンザン記念、日本ダービー-3着)が出ています。

小柄な馬ですがそれを感じさせないしっかりとしたフットワーク。新馬戦の勝ちっぷりは半姉アプリコットフィズに引けをとりません。距離が延びても問題なく、重賞戦線で活躍するのは間違いないでしょう。

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

2011年11月 2日 (水)

明日は大井競馬場でJBCクラシック、JBCスプリント

スマートファルコンVSトランセンド――。いよいよ明日、世紀の対決が実現します。芝を含めて今年最も興味深い一戦ではないでしょうか。
http://www.nankankeiba.com/
http://www.tokyocitykeiba.com/index.php
http://www.keiba.go.jp/

『netkeiba.com』に予想記事を書かせていただきました。トップページ上部の青いメニューバーから「競馬ニュース」を選択し、ページが切り替わったら右のタテ列に並ぶリンクから赤いバナー「南関競馬研究所」をクリックしてください。
http://www.netkeiba.com/

同日の大井競馬場では、新設の重賞・JBCレディスクラシックも行われます。ミラクルレジェンドやラヴェリータなどが出走を予定しています。

切れ味非凡、アドマイヤムーン産駒アルキメデス

■土曜京都5Rの新馬戦(芝2000m)は、好位追走の▲アルキメデスが危なげなく抜け出し、単勝1.5倍の圧倒的人気に応えました。
http://www.youtube.com/watch?v=F886O8UKqWA

先週はアドマイヤムーン産駒が好調で、このほか萩S(OP)をスノードンが勝ち、くるみ賞(500万下)ではレオアクティヴが2着となりました。10月に入ってからわずか1勝と、勝ち上がりのペースがやや鈍っていましたが、月末になんとか帳尻を合わせました。

アルキメデスもスノードンも直線が平坦な京都コースでの勝利。ローカルと京都の芝では連対率42.9%と強いものの、直線に坂のある東京、中山、阪神の芝では連対率22.2%と落ちます。まだサンプルは少ないものの、現時点では直線が平坦となっているコースのほうが持ち味を活かしやすい、という傾向は見て取れます。

アルキメデスは調教で好時計をマークしたため、ガチガチの1番人気でした。母アーキオロジーは「Seeking the Gold×Storm Cat」とパワーが前面に出た配合で、Sky Mesa(米G1馬で種牡馬としても成功)の半妹でもあります。本馬の半兄アストロロジー(父アグネスタキオン)にはユニコーンS(G3・ダ1600m)の予想で◎を打ったほどです。切れ味勝負になったときにどうなのか、ペースが上がった場合は距離が長いのではないか、という懸念があったのですが、杞憂に終わりました。ラスト2ハロンは11秒0-11秒3。アドマイヤムーン産駒の切れ味はやはり非凡です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102619/

現時点では母方に Mr.Prospector を持つアドマイヤムーン産駒は連対率31.8%、持たない場合は35.7%と、さほど大きな違いはありません。母方に Seeking the Gold を持つアドマイヤムーン産駒には、ほかにレッドアーヴィングなどがいます。9月の札幌新馬戦(芝1800m)を大物感あふれるレースぶりで快勝した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106100/

レッドアーヴィングもアルキメデスも、母がパワー型のアメリカ血統で構成されています。この部分が父の柔らかさに一本芯を通す働きをし、大物感の源泉となっているのかもしれません。

■土曜東京5Rの新馬戦(芝1400m)は、△トーホウジュリア(1番人気)がマイペースで逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=dSYF8284Duk

新種牡馬メイショウボーラーは健闘しています。デビュー前の下馬評からすると現時点の7勝は文句なしの好成績で、この日、東京競馬場で2レース組まれた新馬戦はいずれもメイショウボーラー産駒が制しました。同産駒は総じて仕上がりが早く、逃げてしぶといですね。メイショウボーラーの現役時代の姿がこの特長と重なります。1番人気で強いというのも特筆できます。

約2ヵ月前、メイショウボーラー産駒のヴィンテージイヤーが勝った際の回顧で、「種牡馬としては7:3ぐらいでダート向きかなという気がします」と記しました。現時点では芝連対率13.3%、ダート連対率25.9%という成績なので、やはりダートのほうが信頼できます。芝では緩急が要求される1600~1800mには向かず、かといって1200m向きの快速タイプでもないので、いまのところ1400mに良績が集中しています。今回の勝利で6戦3勝となりました。

芝だったので評価を下げてしましましたが、拙速な判断であったと悔やまれます。サンデー系のアグネスタキオンを母の父に持ち、Halo 4×4ですからダートオンリーという配合ではありません。そして、Storm Cat とマルゼンスキーのニックスを持ち、自身は Nijinsky≒Storm Bird≒The Minstrel 4・5×4・5。芝で走るメイショウボーラー産駒のひとつのパターンとなってもおかしくない好配合です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009103643/

2代父タイキシャトルは Nijinsky と相性がよく、父メイショウボーラーは Nijinsky≒Storm Bird 4×3ですから、このあたりを刺激する配合は芝向きダート向きを問わず悪くないでしょう。

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

2011年11月 1日 (火)

昇級戦でも即通用しそうなピュアソウル

■土曜京都1Rの未勝利戦(ダ1200m)は、ここが初出走のエーシンブラスター(2番人気)が大外から差し切りました。スタートで出遅れて絶望的な位置取りからの逆転勝ち。しかも経験馬のなかで唯一の初出走馬だったわけですから強いですね。

配合はエルコンドルパサーを彷彿させる特異なものです。母 Madagascat は Storm Bird=オシアナ3×2という全きょうだいクロスを持ち、父は Storm Bird≒Nijinsky 4×3で、エーシンブラスター自身はこれらすべてを継続する形でヨハネスブルグ≒Tale of the Cat 2×2。さらには Mr.Prospector 3×4も持ちます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110069/

言葉で説明するとわけがわからないので、上記URLの血統表をご覧いただきたいと思います。頭がくらくらする配合です。

父 Scat Daddy は現役時代にシャンペンS(米G1)、フロリダダービー(米G1)などを制し、種牡馬としては今年の2歳世代が初年度産駒となります。『BloodHorse.com』の集計によると、現時点で新種牡馬トップであるばかりでなく、全体の2歳ランキングでもトップです。Daddy Long Legs(ロイヤルロッジS-英G2・芝8f)、Shared Property(アーリントンワシントンフューチュリティ-米G3・AW8f)、Finale(サマーS-加G3・芝8f)と、すでに3頭の重賞勝ち馬が出ています。芝とオールウェザーで結果を出している点が興味深いですね。

エーシンブラスター自身は今年春のOBSマーチセールに出場し、ラスト1ハロンで9秒8という怪時計を叩き出しました。価格は40万ドル。ファシグティプトンフロリダ2歳セールで47万ドルの値がついたゲンテン(デイリー杯2歳S-3着)には及びませんが、あちらが世界的な良血だったのに対し、こちらは時計の速さ(と配合の特異さ?)で価格が上がったという印象です。

フットワークを見ると、たしかに掻き込みは強いものの前肢が前に伸びているので、芝で走らせてみてもおもしろいのでないかと思います。もし仮に芝替わりで人気が落ちるようなら買ってみたい馬です。

■土曜京都3Rの未勝利戦(芝1600m)は、好位追走のピュアソウル(1番人気)が直線半ばで抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=VOHvYe_oR1I

道中はスローペースで展開し、ラスト2ハロンの上がり勝負。ピュアソウル自身はラスト1ハロンしか競馬をしていません。スマートな差し切り勝ちでした。

ディープインパクト産駒は現在、2歳の勝ち鞍ランキングで第4位。上位5頭は以下のとおりです。

1位 17勝 ダイワメジャー
2位 15勝 アグネスタキオン
〃   〃  シンボリクリスエス
4位 14勝 ディープインパクト
5位 12勝 アドマイヤムーン

昨年の同時期は20勝を挙げていたので勝ち星を減らしています。昨年はどの陣営も早めの仕上げで、ピリピリしたムードのなかキッチリ仕上げて新馬戦に使っていました。今年はゆっくりでいいんだというムードがあるように感じます。

それに加えて、ダイワメジャー、アドマイヤムーンの台頭の影響もあるでしょう。昨年の同時期の上位5頭が今年どの程度勝っているかを示してみます。
             10年 11年
1位 ディープインパクト 20勝→14勝
2位 ハーツクライ    14勝→ 5勝
〃  キングカメハメハ  14勝→ 8勝
〃  マンハッタンカフェ 14勝→ 6勝
5位 フジキセキ     12勝→12勝

昨年の上位5頭はその時点で合計74勝でしたが、今年は45勝。29勝も減らしています。今年、ダイワメジャーとアドマイヤムーンの勝利数は合わせて29勝(17勝+12勝)。減った分とぴったり数が合うのは偶然としても、“2頭に食われた分が減っている”という見方はそれほど間違ってはいないと思います。

さて、ピュアソウルに話を戻します。母ヒストリックスターは不出走馬ですが、牝馬二冠馬ベガが残した唯一の牝駒ですから血統的に貴重です。それ以外の4頭の兄弟は、アドマイヤベガ(日本ダービー)、アドマイヤドン(G1を7勝)、アドマイヤボス(セントライト記念)、キャプテンベガ(東京新聞杯-2着)。並の遺伝力ではありません。

「母の父ファルブラヴ」が気になったので、血統屋の電子書籍『種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』では無印としました。ファルブラヴは明らかなフィリーサイアーなので、母の父としては悪くないかもしれませんね。ちょっと悔やまれます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106275/

ピュアソウルについては、9月16日のエントリー「アドマイヤベルナと配合が似ているバウンダリーワン」でちょっと触れています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/09/post-4274.html

そのなかで「ピュアソウルにも一本調子なところが伝わっているのかどうか、気になるところです」と記しましたが、どうやら杞憂だったようです。上がり勝負をスパッと抜け出しました。昇級戦でも即通用するでしょう。

     ――――――――――――――――――――
      血 統 屋 http://www.miesque.com/
     ――――――――――――――――――――

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!