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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年2月 7日 (月)

きさらぎ賞はトーセンラー

きさらぎ賞(G3・芝1800m)は○トーセンラー(3番人気)が差し切り勝ち。ディープインパクト産駒の重賞勝ちはダノンバラード(ラジオNIKKEI杯2歳S)に次いで2頭目です。
http://www.youtube.com/watch?v=1Y_zQi_LHIw

後続を離して逃げたリキサンマックス(8番人気)は平均よりやや速いペース。2番手以下はスローでした。00年以降、良馬場で行われたきさらぎ賞(10回)の5ハロン通過平均タイムは60秒7。リキサンマックスは60秒2ですから、離して逃げたものの無茶なラップを刻んだわけではありません。

結果論ですが、後続馬群は向正面で離されすぎましたね。京都の外回りコースではたまにこういうレースがあります。ポジショニングに関して鋭敏な感覚を持つデムーロ騎手は“これはマズイ”と察知したのでしょう、3コーナー手前でいち早く動いて位置取りを上げていき、これが最後の差し切りにつながりました。

◎オルフェーヴル(2番人気)は上がり33秒2という鬼脚を繰り出したものの3着。池添謙一騎手は「馬の後ろでも折り合いを欠くぐらいギリギリのレースでした。下りで一気に動いたら、我慢したことが台無しになってしまいますからね」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っています。前走を見るかぎり、気性的な問題はだいぶ治まってきたのかなという印象があったのですが、まだまだのようです。ステイゴールド産駒はこういうところがあるので難しいですね。いろいろ注文がつく現状で重賞を勝ち切れるほどの実力はまだないようです。

トーセンラーの父ディープインパクトは、今回のレースが行われた京都芝1800mで圧倒的な強さを誇ります。連対率56.5%(23戦13連対)は凄いの一語。トビが大きく器用なタイプではないので、コーナーが2つしかなく直線が長いこのコースが合うのでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102985/

昨日のエントリーで、ディープインパクトとスプリンター血統の相性の良さについて記しましたが、母の父 Lycius はスプリンター寄りのマイラーといったタイプ。2歳時にミドルパークS(英G1・芝6f)をレコード勝ちしています。スプリンターの要素を含んだディープインパクト産駒はやはり走るのかもしれません。ちなみに、Lycius の全妹 Autumn Moon はステキシンスケクンの母となりました。
http://www.pedigreequery.com/lycius

Lycius は種牡馬として期待ほどの成績を挙げたとはいえず、G3クラスをパラパラと送り出した程度。軽いスピードタイプで底力がイマイチでした。唯一のG1馬 Hello(伊グランクリテリウム)は母の父が Sadler's Wells。つまりトーセンラーの母のプリンセスオリビアと同じ組み合わせです。
http://www.pedigreequery.com/hello

プリンセスオリビアは繁殖牝馬としてきわめて優秀。アメリカにいたころ出産した Flower Alley は、トラヴァーズS(米G1)を含め重賞を3勝した活躍馬で、ブリーダーズCクラシック(米G1)でも2着と健闘しました。日本にやってきてからは、フローラS(G2)3着のブルーミングアレー、そしてトーセンラーを産んでいます。すべて違う血統内容の種牡馬を相手に優れた産駒を誕生させているのですから素晴らしいですね。
http://www.pedigreequery.com/flower+alley
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102912/

プリンセスオリビアの母は「Sadler's Wells×Vaguely Noble」で、このあたりから受け継いだ底力とスタミナと、Lycius のスピードがうまく融合しているのでしょう。今回は上がりだけの競馬だったので、ペースが上がったときにどうなるかは未知数です。ただ、配合的には十分対応できると思います。

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