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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年4月

2011年4月30日 (土)

Sadler's Wells 死亡(後)

昨日のエントリーで、Sadler's Wells と Nureyev が4分の3同血であるという話を書きましたが、Sadler's Wells は兄弟も大成功しています。

全弟 Fairy King は、エリシオ(凱旋門賞)、オース(英ダービー)、ファルブラヴ(ジャパンC)などの父で、96年には仏リーディングサイアーとなっています。Sadler's Wells よりも短めの距離で強さを発揮しました。
http://www.pedigreequery.com/fairy+king2

この牝系は、51年にクレイボーンファームのブル・ハンコックがニューマーケットで購入した Rough Shod という牝馬にさかのぼります。代々活躍馬が目白押しで、Sadler's Wells と Nureyev の直近の共通祖先である Special は、英チャンピオンマイラー Thatch の全姉です。
http://www.pedigreequery.com/thatch

この牝系はスピードが持ち味で、Nureyev や Fairy King はそれを体現した馬でした。しかし、Sadler's Wells 自身は中距離馬で、種牡馬としては長距離向きの産駒も多数出しています。素晴らしい底力に恵まれ、2400m前後で少し時計が掛かればこれほど信頼できる種牡馬はありません。息子たちも種牡馬として成功し、ヨーロッパはもちろん、アメリカ、チリ、南アフリカ、インドなどでリーディングサイアーとなっています。

日本の馬場で走るにはやや重たく、スパッと切れる脚もありません。したがって、子の代では重賞勝ち馬が1頭(サージュウェルズ)しか出ませんでした。しかし、孫の代になると、持ち前の底力とスタミナがちょうどいい具合に希釈され、日本の馬場にフィットする大物が続出しました。サイアーラインを受け継ぐ孫にはテイエムオペラオー、メイショウサムソン。母の父に持つ馬にはエルコンドルパサー、フサイチコンコルド、シーザリオ、ヘヴンリーロマンスなど。天皇賞・春に出走するジャミールもそうです。

Sadler's Wells はアイルランドのクールモアスタッドに繋養されました。同スタッドはいまや世界最大級の種牡馬事業組織に成長しましたが、それを可能にしたのは Sadler's Wells が稼ぎ出した莫大な富です。こうした面からも世界を変えたといえるかもしれません。

『RACING POST.com』では、どのサドラーズウェルズ産駒が好きか、という緊急アンケートが行われていました。1位はなんと Istabraq。チャンピオンハードルを3連覇するなど無敵を誇ったハードル王です。これは故ジョン・ダーカン調教師との感動ストーリーが寄与したのでは、と思います。2位は Yeats。アスコットゴールドC(英G1・芝20f)を4連覇した長距離王です。以下、Galileo、Montjeu の順。

Istabraq、Yeats のワン・ツーは日本では想像がつかないところですが、「どれが強いか」ではなく「どれが好きか」という投票なので、妥当な結果かもしれません。イギリス人の意識に触れることができるおもしろいアンケートでした。

Sadler's Wells 系が障害に強いというテーマは昨年10月16日のエントリー「障害界のサンデーサイレンス」で触れています。ご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-c88e.html

2011年4月29日 (金)

土曜日に東京競馬場でイベント

4月30日(土)11時15分から、東京競馬場のセンターコートで行われる「オープン型レーシングセミナー」に出演します。また、14時30分ごろから16時30分ごろまで、同所で「リアルタイム情報ステーション」に出演します。後者は約2時間も何をしゃべればいいんでしょう? まったくの出たとこ勝負なので共演の荘司典子さんに頼って頑張ります。

Sadler's Wells 死亡(前)

「この種牡馬は凄いんじゃないか?」と初めて感じたのは88年のデューハーストS(英G1・芝7f)です。英2歳チャンピオン決定戦というべきレース。この年は、新種牡馬 Sadler's Wells を父に持つ Prince of Dance と Scenic が1着同着で勝利を分け合いました。

Sadler's Wells は現役時代、愛2000ギニー(G1・芝8f)など3つのG1を制しました。ただ、3歳春は同じヴィンセント・オブライエン厩舎に所属する El Gran Senor(英2000ギニー、愛ダービー)との使い分けによって、裏街道を歩まざるをえませんでした。

冒頭のデューハーストSには El Gran Senor の初年度産駒 Saratogan も出走していました。結果は3着。Sadler's Wells は現役時代の鬱憤を晴らすかのように、種牡馬としては El Gran Senor よりも格上であると示したのです。

初年度産駒にはこのほか、オールドヴィック(仏ダービー、愛ダービー)、In the Wings(BCターフ)、フレンチグローリー(ロスマンズ国際S)などがいます。当時から Northern Dancer 系の真打ち登場、という別格の扱いでしたね。

血統面の優秀さも評判を後押ししたと思います。母 Fairy Bridge は Nureyev の半姉。そして、Sadler's Wells と Nureyev はいずれも Northern Dancer を父に持ちます。要するに両者は4分の3同血(父が同じで母が親子)です。
http://www.pedigreequery.com/sadlers+wells
http://www.pedigreequery.com/nureyev

         ┌ Northern Dancer
Sadler's Wells ―┤
         └○┐
           └ Special

         ┌ Northern Dancer
Nureyev  ――――┤
         └ Special

Nureyev は当時すでに Miesque、Theatrical、Sonic Lady といった産駒を出して大ブレイクしており、その4分の3同血ですから成功は堅い、と見られていました。ちなみに、この2頭を使った4分の3同血クロスはポピュラーなもので、今週の天皇賞・春に出走するコスモメドウなどはこのパターンです(Nureyev≒Sadler's Wells 4×2)。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110045/

産駒がデビューして3年目の90年に英愛リーディングサイアーに輝き、翌年、ジェネラスを擁する Caerleon にタイトルを譲ったものの、92年に奪回すると04年まで13年連続でその座を守りました。通算14回、13年連続という記録は、18世紀の大種牡馬 Highflyer の通算13回、12年連続を上回る新記録です。(続く)

2011年4月28日 (木)

メジロ牧場解散

この成績ではたして牧場がやっていけるのだろうかと、失礼ながら以前から心配はしていました。80年後半から90年代にかけての黄金時代に比べ、見る影もなく低迷した00年代。なぜここまで落魄したのか、その原因はひとつではないでしょう。土壌と牧草、血統、育成、人材、馬場やレーススタイルへの適性、等々……。それを検証するメジロ牧場興亡記はいずれどなたかがお書きになると思います。

ただひとつはっきりしているのは“メジロ牧場が負けた”という事実。残念ながら現在の日本競馬のなかにメジロ牧場の居場所はなかったということです。実力社会においては、時代の移り変わりのなかで浮き沈みは避けられません。社台グループといえど、永久に成功が約束されているわけではなく、ちょっとした綻びをきっかけに転落していく可能性もないとはいえません。

わたしが競馬に興味を持ち始めた80年代、ホワイト&グリーンのメジロの勝負服は、大レースになくてはならない存在でした。時代錯誤ともいえるステイヤー血統。それをハードトレーニングで鍛え上げ、中長距離の重賞を席巻していました。その秘密を知りたくてメジロの血統はよく研究したものです。スノッブ、Djakao、Charlottesville、モンタヴァル、という馬名を目にすると、いまでも胸が疼きます。英仏の伝統的なステイヤー血統を重用し、ほかの牧場には見られない上品な血統を作り上げていました。それが意図的な選択の結果であったことは、たとえばメジロエニフの配合に端的に表れています。Sicambre=Senones 3×3、Barley Corn 4×3、Tourbillon 5×5という強烈な父母相似配合。これは偶然できるものではありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1979101600/

メジロ牧場の全盛期を支えた武田茂男氏が独立してから成績が振るわなくなった、という話を聞いたことがありますが、内情についてはよく分かりません。父として成功したモガミが母の父として不振だった、という事情もあるでしょう。メジロマックイーン、メジロパーマー、メジロアルダンといった種牡馬は、およそ能力的な見極めがついたあとでも粘り強く交配していましたが、残念ながら結果は出ませんでした。スピード不足に懲りたのか、時代に遅れまいとしたのか、徐々にスピード系の種牡馬に軸足を移して行きました。しかし、それも実りませんでした。最近の生産馬の血統には、かつてあった香気や配合的な意思といったものが消え失せていたように思います。

馬産の歴史を振り返れば、フランスのマルセル・ブサックはある時期から生産馬がまったく走らなくなり、晩年には本業も傾いて破産。競馬事業をすべて手放しました。北米では近年、カルメット、スペンドスリフト、オーヴァーブルック、ウインドフィールズといった名門牧場が撤退を余儀なくされました。こうして解体されていくものがある一方、新しく勃興するものもあります。サラブレッド生産の歴史はその繰り返しです。

マルセル・ブサックが破産したといっても、その生産馬が現代に及ぼす影響は不滅です。カルメット、スペンドスリフト、オーヴァーブルック、ウインドフィールズにおいてもそうです。“メジロ牧場が負けた”といっても、存在そのものが否定されるわけではありません。メジロ牧場の華々しい業績は競馬史に刻まれ、人々の記憶に残ります。ドリームジャーニーやオルフェーヴルを通じて血統は受け継がれていきます。

2011年4月27日 (水)

ハーツクライ産駒の名配合、ツルマルレオン

日曜京都10Rの橘S(3歳OP・芝1400m)は、◎ツルマルレオン(1番人気)がゴール前で鋭く伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=n7ZFYfB05lk

2着ミヤジエムジェイ(11番人気)が無印だったので、馬券は単勝しか的中しませんでした。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。

「◎ツルマルレオンは『ハーツクライ×キングマンボ』という組み合わせ。母方にロベルトが入るハーツクライ産駒はリフトザウイングスと同じで、このパターンは父が持つノーサードチャンス≒リヴォークト4×5を継続するので好ましい。ほかの部分の構成も素晴らしく、ハーツクライ産駒の配合としては文句なしのA級。500万下を勝ったばかりだが、昨年暮れの未勝利戦(芝1400m)を勝った際、すでに翌日の古馬1000万特別のタイムを上回っていた。ここでも通用する。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105965/

ハーツクライは「サンデー×トニービン」ですからアドマイヤベガと同じ。母の父 Kingmambo は「Mr.Prospector×Nureyev」なので名繁殖牝馬ソニンクと似ています。アドマイヤベガとソニンクの間に生まれたモンローブロンドと、ツルマルレオンは配合構成がそっくりというわけです。モンローブロンドは新馬戦(小倉芝1000m)をレコード勝ちしたほか、ファンタジーS(G3・芝1400m)2着などの成績がある快速馬。ツルマルレオンはひとつひとつの血を見るともう少し長めの距離に対応してもよさそうですが、短めの距離で持ち味を発揮しているのはこの血統構成に理由がありそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100890/

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤ ┌ トニービン
          │ └○┘
ツルマルレオン ――┤   ┌ Mr.Prospector
          │ ┌○┤ ┌ Nureyev
          └○┘ └○┘

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤ ┌ トニービン
          │ └○┘
モンローブロンド ―┤   ┌ Mr.Prospector
          │ ┌○┘
          └○┤ ┌ Nureyev
            └○┘

ツルマルレオンの配合でもうひとつ強調したいのは Hornbeam≒Amerigo 5×5。これがあるのでモンローブロンドよりも図太い底力を感じます。
http://www.pedigreequery.com/hornbeam
http://www.pedigreequery.com/amerigo

      ┌ Hyperion
      │   ┌ Nearco
Hornbeam ―┤ ┌○┘
      └○┤
        └○┐
          └ Point Duty

      ┌ Nearco
Amerigo ――┤
      └○┐ ┌ Hyperion
        └○┤
          └ Point Duty

4番人気の新馬戦でも◎を打ったように、以前から高く評価してきた馬で、ハーツクライ産駒のなかではいまのところいちばん好きな配合です。重賞戦線でも楽しめる逸材でしょう。

ところで、橘Sは「WIN5」の最初のレースでした。たいした額は賭けていないのに、当たったときの興奮は予想以上でした。第二関門のメトロポリタンSで外れたので“10分天下”でしたが……。

『競馬王』の人気連載漫画「グラサン師匠の鉄板競馬」は、現在店頭に並んでいる5月号で渡辺明永世竜王を取り上げました。24歳で永世竜王となった天才(27歳の現在は竜王位7連覇中)は、無類の競馬好きとして知られ、競馬雑誌や競馬番組にたびたび登場されています。先日、彼のブログに「WIN5自戦記。」と題するエントリーが掲載されました。これは秀逸です。
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/a098dcad0cde8f2f9155583ba9deac6e

個人的なことを書けば、わたしは将棋ファンの端くれで、タイトル戦があるときはいつもネット観戦しています。渡辺明永世竜王の大盤解説は、立て板に水の弁舌で明晰に手順を説明し、ときおりギャグをおりまぜて笑いも取るのも忘れないので、アマチュアに絶大な人気があります。未成年だった低段時代からすでに上手かったので、これはもう才能というしかありません。もちろん将棋は鬼神のように強く、文章を書かせればこのおもしろさ。選ばれた人間とはこういう方のことをいうのでしょう。ちなみに、奥様のブログも圧倒的な才気によって広く支持されています。
http://inaw.exblog.jp/

2011年4月26日 (火)

ディープインパクト×フレンチデピュティは走る

■土曜京都5Rの3歳未勝利戦(芝1600m)は断然の1番人気に推されたメイショウヤタロウが押し切りました。メイショウボーラー(フェブラリーS)の半弟にあたる良血で、父はアグネスタキオン。
http://www.youtube.com/watch?v=2DLXcZBjWvU

母方に Storm Cat を持つアグネスタキオン産駒は小粒なものが多く、印象に残るものはあまりいません。偶然ですが先週はメイショウヤタロウだけでなくアストロロジーが勝ちました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101718/

このレースで注目すべきは2着サトノユリア(8番人気)でしょう。4コーナーでは最後方に近い位置取りから大外を猛然と追い上げて1馬身差の2着。上がり3ハロンはメンバー中最速の34秒4。上がり第2位の馬を0秒8上回りました。しかも初出走です。

父はディープインパクト。母ソニックグルーヴはその名のとおりエアグルーヴの娘なので、近親には多数の名馬がひしめいています。本馬はグルヴェイグ(2戦1勝、父ディープインパクト、母エアグルーヴ)と4分の3同血の関係にあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103211/

母方にフレンチデピュティを持つディープインパクト産駒がデビューしたのはこれで3頭目。ほかの2頭はメデタシ(桜花賞4着、チューリップ賞3着)、ボレアス(樅の木賞)ですから走ります。

■土曜京都8RのムーニーバレーRC賞(3歳500万下・芝2400m)はクレスコグランド(2番人気)が押し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=mQDIriUYsoA

母マンハッタンフィズはマンハッタンカフェの全妹で、素晴らしい繁殖成績を誇ります。初子のコロンバスサークル(父ホワイトマズル)は中山牝馬S(G3)4着。2番子のアプリコットフィズ(父ジャングルポケット)はクイーンC(G3)とクイーンS(G3)の勝ち馬。そして3番子が本馬(父タニノギムレット)です。違う父からコンスタントに活躍馬を送り出しているのですから能力が高いですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103013/

現2歳はキングカメハメハの牝馬。POGで人気になりそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105993/

2011年4月25日 (月)

皐月賞はオルフェーヴル

スプリングSの勝利騎手インタビューで、池添騎手は「お兄さん(ドリームジャーニー)と比較するのはかわいそう」とコメントしていましたが、今回のオルフェーヴルのレースぶりをみると、どう見ても同時期の兄より強いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=KMYtO_7ptz0

恥ずかしながら馬券は1円も買っていませんでした。兄の東京適性、そして自身の京王杯2歳Sの惨敗(10着)を見ると手を出しづらく、外を回して追い込んでくる脚質も現在の馬場では厳しいように思われました。

直線半ばで馬群を割ってグンと突き抜けたとき、いつもなら馬券が外れた悔しさに舌打ちのひとつでもするところですが、今回はなぜかレースの興奮から離れて感心していました。気性の成長をうながす、と口で言うのは簡単です。しかし、じっさいには一朝一夕にできるものではなく、道中うまく折り合って馬群を縫って抜け出すという垢抜けたレースぶりを実践できるまでに、スタッフや池添騎手の多大な苦労があったはずです。見事な勝利というしかありません。

9Rの石和特別から芝コンディションは良馬場に回復しました。とはいえ、雨の影響は明らかに残っており、9Rも10R(メトロポリタンS)も時計の掛かる決着でした。皐月賞はエイシンオスマンが大逃げを打ち、好位勢も崩れたことから、ラップの内容以上に消耗戦といえるレースだったと思います。そのなかで上がり34秒2という抜群の決め手を披露したオルフェーヴルの力は完全に抜けていたといえるでしょう。

父ステイゴールドは、土曜日のフローラSの勝ち馬バウンシーチューンもそうですが、力のいる芝で強さを発揮するタイプです。ナカヤマフェスタが凱旋門賞で2着となったのも、この適性と無関係ではありません。中央競馬全10場の芝で最も相性がいいのは、最も馬場が重いことで知られる函館です。しかも馬場が荒れたり渋ったりすると強いタイプで、函館芝の重・不良では連対率37.5%。洋芝向きのパワーを秘めています。オルフェーヴルはピッチ走法の兄よりもフットワークが大きいですね。これが東京コースでビューンと伸びた要因かもしれません。

母の父メジロマックイーンは、娘のオリエンタルアートを通じて血を残すことに成功したようです。なにも父系をつなげるだけが血を残すことではありません。オルフェーヴルの血統を見ると、ディクタスやメジロマックイーンといった異端の血が入っているところが魅力です。ファッショナルブルとはいえない血を取り込んで活力に転化していく、というアガ・カーン四世殿下の馬産哲学にも通じる配合です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/

皐月賞で3馬身以上の差をつけて勝ったのは、94年に三冠を達成したナリタブライアン(3馬身半差)以来17年ぶり。東京コースの皐月賞では76年のトウショウボーイが5馬身差をつけて勝ちました。こうした名馬の列にオルフェーヴルも加わることができるかもしれません。

2011年4月24日 (日)

フローラSはバウンシーチューン

フローラS(G2・芝2000m)は雨の影響で重馬場となり、そのわりにペースが速かったのでレースの上がりは37秒8。近ごろ珍しい消耗戦となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=gWwUg6wjKNs

◎ピュアブリーゼ(3番人気)は4番手追走から残り1ハロンで先頭。しかしペースが速かったためゴールまで踏ん張りきれず垂れました。1着バウンシーチューン(9番人気)は後方から外を回っての差し切り。こうした馬場が合っていたのでしょう。基本的に先行有利、イン有利とはいえ、さすがにこのペースでは後ろの馬も届きます。

「ステイゴールド×トニービン」というパワーを感じさせる配合。ノーザンテーストのクロスはドリームジャーニー、オルフェーヴルの兄弟と同じ。しかし、牝馬限定の未勝利戦を勝ったばかりの追い込みタイプでは手が出ませんでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103051/

雨は日付が変わる前には上がりました。日曜日は晴れ、最高気温は20度を超える予報です。馬場はどんどん乾いていくはずなので、ひょっとしたらメインの皐月賞は良馬場で行われるかもしれません。道悪適性に神経質になる必要はないと思います。ただ、昨日のエントリーにも記したとおり、馬場の内側から乾いていくと思われるので、土曜日以上に内外のバイアスが大きくなるような気がします。騎手たちもそのあたりは十分わきまえているはずなので、先行争いが激化してフローラSのように差しが届く可能性もあります。このあたりをどう読むかが今年の皐月賞のポイントでしょう。

福島牝馬Sはフミノイマージン

新潟に場所を移して行われた福島牝馬S(G3・芝1800m)。勝ったフミノイマージン(9番人気)は、前走の中山牝馬S(2着)から3キロ増がどうかと思ったのですが、それをものともしない目下の充実ぶり、ということなのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=NA40IcATqMw

父マンハッタンカフェにとっては今年4頭目の重賞勝ち馬となります。先週時点でサイアーランキングは2位。今回の勝利で1位キングカメハメハにまた一歩迫りました。昨年のこの時期はたしか5~6位ぐらいだったので好調ですね。社台系の繁殖牝馬のバックアップがやや手薄な状態でこの成績ですから立派です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006105593/

フミノイマージンは、母シンコウイマージンが Northern Dancer 2×4。母に Northern Dancer の強いクロスを持つというのはマンハッタンカフェ産駒の成功パターンのひとつです。昨年7月9日のエントリー「マンハッタンカフェ整理整頓(5)」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/07/post-6154.html

手綱を取った太宰啓介騎手は98年のデビューから足掛け14年目にして初めての重賞制覇。112度目の正直でした。マイネルデスポットで2着に逃げ粘った菊花賞が印象に残っているのですが、あれからもう10年になります。ちなみに、そのレースの勝ち馬はマンハッタンカフェ。フミノイマージンの父です。

2011年4月23日 (土)

『netkeiba.com』リニューアル版で予想開始

都内ではすでに雨が落ちてきました。天気予報によると土曜日はほぼ一日雨。開幕週とはいえ芝への影響は避けられません。そして、日曜日は晴れ。東京競馬場におけるこのパターンは、これまで何度も繰り返されたように、内が伸びて外が伸びないというバイアスが発生します。インコースから馬場が乾いていくからです。馬場コンディションは生き物ですから、実際にそうなるかどうかは競馬を見てみないと分かりませんが、これまでの傾向から考えるとそうなる可能性が高いと思います。

周知のとおり、東京芝2000mはスタートして間もなく左カーブとなるため、外枠の馬は大きな距離ロスを強いられます。インが伸びる馬場コンディションに加えてこのコース形態ですから、外の馬は二重の不利を被ることになります。今回はある程度前に行ける内枠の馬を中心に馬券を組み立てるべきでしょう。わたし自身、木曜日に発表された枠順を見て、予想の組み直しを余儀なくされました。

内枠の馬が有利ではありますが、出遅れ癖のある馬は注意したほうがいいですね。このコースは道中のポジションが大事なので、最初のコーナーでいい位置を取るべく外枠の馬がどんどん被せてきます。内枠で出遅れると最後方近くまで下がる危険性があり、そこから盛り返すには距離損覚悟で外を回すしかありません。こうなれば勝機はないでしょう。荒れそうな予感がします。

今週から『netkeiba.com』リニューアル版に予想を提供することになりました。G1などの注目レースは別として、従来提供しているところと予想が被らないようにレースを選んでいきたいと考えています。
http://prev.www.netkeiba.com/info/

2011年4月22日 (金)

伊吹雅也著『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!!』

今週から関東の競馬が復活します。と同時に、新しい馬券がスタートします。すでに新聞雑誌で盛んに取り上げられている「WIN5」。JRAが指定する5つのレースの1着馬をすべて当てたら的中、という馬券です。100円で最高2億円の払戻金!というキャッチは魅力的ですね。

どう買ったらいいのか。当てるにはどうしたらいいのか。誰もが抱くであろうこの疑問に明快に答えてくれる好著が刊行されました。それがタイトルにある『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!!』(伊吹雅也著・競馬王新書)です。

単勝や複勝などと違い、当たりづらい高額配当系の馬券は、なによりも当てるための技術が要求されます。

「WIN5は既存の式別とまったく性質が異なる馬券です。『馬券であることに変わりはない』と鷹揚に構えている一般的な競馬ファンは、ほぼ間違いなく大損すると思います。(中略)しかし、だからといって『宝くじを買うようなもの』なのかと言えば、決してそんなこともないと思います。」(84頁)

WIN5を攻略するための賢い戦略が、数値をベースとした説得力のある論旨で展開されており、読んでいてびっくりするくらい目から鱗が落ちました。この本を読むと読まないとでは回収率において天と地ほどの差が出てくるでしょう。

2011年4月21日 (木)

ダノンシャンティ屈腱炎

海外に旅立ったヴィクトワールピサを別にすれば、今年の古馬戦線で最も期待していた馬でした。右前浅屈腱炎で9ヵ月以上の休養を要する、という診断です。

トレーナーの数だけ馬の仕上げ方があります。藤沢和雄、角居勝彦調教師が“強い調教を課さない派”の代表だとすれば、松田国英調教師はその逆、“ハードトレーニングを課す派”の代表です。

過去に松田国英調教師が管理した大物の多くが怪我に泣きましたが、ハードトレーニングを課さなければ栄光を手にしていたかどうかは分かりません。門外漢のわたしには判断のつかない難しい問題です。仕上げ方に関して対照的な考えを持つ角居勝彦調教師が、調教助手時代に松田国英厩舎に所属していたのはおもしろい事実です。

安田記念で走るところは見てみたかったですね。この春の楽しみのひとつでした。休養から復帰後、2000m以上を3戦して結果が出ませんでしたが、1600mの定量戦なら違うと思っていました。残念。

2011年4月20日 (水)

レッドセインツ復活

土曜阪神9Rのはなみずき賞(3歳500万下・芝1800m)は、後方に控えた▲レッドセインツ(8番人気)が直線で外から突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=N0JsZPW1nII

昨年12月以来の実戦。休養前のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)はしんがり15着と大敗しましたが、四位騎手のコメントを読むと、当時は状態が悪かったようです。しっかり休養を取って甦りました。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は▲◎で馬連3440円的中。

ディープインパクト産駒の配合としては以前から高く評価してきた馬です。『赤本』と『POGの達人』ではともに指名馬に挙げました。評価のポイントは、①Pocahontas≒River Lady 4×5、②Nothirdchance≒Revoked 5×5、③母サセッティの半姉で愛オークス馬 Winona(父 Alzao)の構成要素がそのまま含まれていること(父ディープインパクトの母の父が Alzao)。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103154/
http://www.pedigreequery.com/winona3

だから走った……のかどうかは分かりませんが、この時期に2勝目を挙げられればまずまずでしょう。四位騎手曰く「まだ緩いところもあるから、秋になればもっといい馬になると思う」(週刊競馬ブック)。420キロの小柄な馬体で、パドックで見るかぎりまだまだ未完成。長い目で見たいですね。

ディープインパクト産駒は、ローテーションを詰めて使うより十分な間隔を空けたほうがいいと思います。桜花賞馬マルセリーナもエルフィンSから本番まで2ヵ月空けました。レースで全力を出し切るので1戦ごとの消耗が激しいのと、使い詰めでテンションが上がってくる、という心身両面のリスクが高まります。古馬になれば解消する傾向かもしれませんが、未成熟なうちは大事に使ったほうがいいと思います。

また、早期デビューも好ましいとは思えません。これまで2勝以上を挙げた同産駒は19頭いますが、6~8月にデビューした馬はわずか3頭。馬の素質という根本的な要素もあるかもしれませんが、デビュー前に有望と騒がれた馬でも、早い時期にデビューさせるとその反動があるのか、もうひとつ伸びがないような気がします。7月デビューのレッドセインツは、ラジオNIKKEI杯2歳Sでしんがりに敗れたあと、思い切って休ませたことが功を奏しました。

◎エーシンミズーリ(2番人気)は2着確保。予想文に記したとおりトレンドハンター(フラワーC)とよく似た配合構成で、詰めは甘いものの安定感は抜群です。

          ┌ マンハッタンカフェ
          │   ┌ Roberto
エーシンミズーリ ―┤ ┌○┘
          └○┤ ┌ Storm Cat
            └○┘

          ┌ マンハッタンカフェ
          │   ┌ Roberto
トレンドハンター ―┤ ┌○┘
          └○┤ ┌ Storm Cat
            └○┘
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101288/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100618/

2011年4月19日 (火)

ワンペースだが強い、ロードカナロア

土曜小倉10Rのドラセナ賞(3歳500万下・芝1200m)は、楽にハナを切った◎ロードカナロア(1番人気)が直線で後続を3馬身半突き放しました。ここでは力が違いましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=SA9clRHh9x0

予想文を転載します。

「◎ロードカナロアは『キングカメハメハ×ストームキャット』という組み合わせ。半兄ロードバリオスは現6勝馬で毎日杯(G3)5着などの成績がある。キングカメハメハ産駒は小倉芝1200mを得意としており、連対率23.5%は過去10年間に当コースで50走以上した種牡馬のなかでトップの成績。じっさい、本馬は昨年暮れに当コースで行われた新馬戦を6馬身差で圧勝している。これまで戦ってきた相手は強く、久々でもまず連は外さない。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103552/

16頭中最低人気、単勝370倍のアスターウィングが2着に突っ込んできたので、単勝以外は不的中でした。勝ったロードカナロアは、ここまで先着を許したのがデルマドゥルガーとラトルスネークだけですから、このメンバーのなかでは能力が一、二枚抜けています。

2代母は米3歳牝馬チャンピオンのサラトガデュー(米G1を2勝)。母の父は Storm Cat。これにキングカメハメハですから、ダート向きに出てもおかしくない配合です。しかし、母レディブラッサムは Secretariat=Syrian Sea 3×4の影響か、意外に芝適性を伝えており、半兄ロードバリオス(父ブライアンズタイム)もダートが得意そうな血統に見えて芝で活躍しました。

兄弟ともワンペースなところがあるのは主に Storm Cat の影響でしょう。ですから、そうした特徴が強みとなる1200~1400mでは今後も期待できます。

2011年4月18日 (月)

マイラーズCはシルポート

最初の3ハロンが35秒0ですから落ち着いた流れ。ハナを奪ったシルポート(7番人気)は道中で後続を3~4馬身引き離していたので、2番手以下はスローだったと思います。勝ち馬に騎乗した小牧太騎手が「今までで一番楽な競馬ができました」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っていたのはそのとおりでしょう。2番手追走のクレバートウショウ(14番人気)が2着に入り、結局行った行ったの決着となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=Zb7-N-xsqXk

好位を追走した◎ダノンヨーヨー(1番人気)は3着。いつもより積極的な競馬でしたが、これは音無調教師の意向を反映した部分があったのかもしれません。前週と同じく日曜日の芝は外差しの馬場となりつつあったのですが、前に行った馬がこれだけ楽をするとなかなか差せませんね。1、2着馬が無印なので馬券的には完敗。外差しということに気を取られて展開の読みが甘かったですね。

シルポートは正月の京都金杯(G3)に次いで重賞2勝目。これで16戦連続で逃げたことになります。「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」は過去24頭が出走して重賞勝ち馬が4頭(シャドウゲイト、アサクサキングス、シンゲン、シルポート)。1走あたりの賞金額は495万円。明らかなニックスです。ダンシングブレーヴの母の父 Drone と、サンデーサイレンスの父 Halo の血統構成がきわめて似ていることが好相性が鍵だと思います。昨年11月9、10日のエントリー「Halo≒Sir Ivor≒Drone(前・後)」をご参照ください。

Halo≒Sir Ivor≒Drone(前)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivordro.html
Halo≒Sir Ivor≒Drone(後)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivord-1.html

2011年4月17日 (日)

Frankel 今季緒戦を快勝

デューハーストS(英G1・芝7f)など4戦全勝の Frankel が、4月16日に行われたグリーナムS(英G3・芝7f)を4馬身差で快勝。危なげなく今季緒戦をものにしました。昨年10月17日のエントリー「土曜日のレースあれこれ」に記したように、当時の段階ですでに英2000ギニー(G1・芝8f)の前売りオッズが1.8倍ですから、もし今回負けていたら大事件でした。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-0e86.html

「Galileo×デインヒル」という身も蓋もない主流血統同士の組み合わせ。母方には Rainbow Quest、Stage Door Johnny という重厚な血が並んでいるので、パッと見では12ハロンも大丈夫ではないかという気がします。
http://www.pedigreequery.com/frankel3

問題は気性。母 Kind はスタミナ豊かな血統構成ながらスプリント路線を歩みました。テンションの高さを伝えているのかもしれません。管理するヘンリー・セシル調教師は、昨年秋にデューハーストSを勝ったあと、Frankel にマイル路線を歩ませる青写真を語りました。ところが、今季緒戦を前に、気性面の成長を理由に英2000ギニー→ダンテSという選択肢があることを示しました。もしダンテSのレース内容が良ければ英ダービーに向かうことになるでしょう。正直なところ、デューハーストSの走りっぷりを見ると、Danzig-デインヒルが強く出ているように感じ、距離がもちそうな匂いは感じられませんでした。セシル調教師のマジックが見ものです。
http://www.youtube.com/watch?v=N9LKFOMvCak

2011年4月16日 (土)

マニエリスム敗れる

南関東の3歳牝馬戦線は、川島正行厩舎の2頭、クラーベセクレタとマニエリスムがリードしています。3月23日に行われる予定だった浦和桜花賞は東日本大震災の影響で中止。今年は東京プリンセス賞と関東オークスの二冠しかありません。

2歳女王のクラーベセクレタ(父ワイルドラッシュ)は京浜盃(4月18日・大井・ダ1700m)を使う予定で、その後は決まっていませんが、中央の皐月賞に相当する羽田盃(5月11日・大井ダ1800m)にチャレンジするプランも当然あるでしょう。

桜花賞トライアルの桃花賞を勝ったマニエリスムは、4月15日にクラウンC(川崎ダ1600m)に出走し、6着と敗れました。スタートがイマイチで位置取りが悪くなり、1コーナーを曲がったところで前が詰まるアクシデント。参考外の一戦といっていいでしょう。後遺症がなければ次走の東京プリンセス賞(5月12日・大井ダ1800m)では勝ち負けになると思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103001/

父ゼンノロブロイは初年度産駒からサンテミリオン(オークス)、ペルーサ(青葉賞)、アニメイトバイオ(ローズS)、コスモネモシン(フェアリーS)、アグネスワルツ(オークス-3着)、マカニビスティー(東京ダービー)など多くの活躍馬を送り出しましたが、2年目の産駒は一転して不振。2勝馬はわずか3頭しかなく、いまのところ春のクラシックに出走できる可能性のある馬はルルーシュぐらいしかいません。繁殖牝馬の質が落ちた、というのがおそらく最大原因だろうと思いますが、それにしてもここまで大きな落差があるケースは珍しいと思います。

2011年4月15日 (金)

トレンドハンター骨折

桜花賞3着馬でオークスの有力候補と目されていたトレンドハンター(松田博資厩舎・父マンハッタンカフェ)が、右第1指節種子骨を骨折し、戦列から離れることとなりました。1年以上の休養を要するとのことなので症状としては軽くありません。血統的に距離が延びていいタイプだったので残念です。今年の3歳牝馬戦線はサバイバル戦の様相を呈してきました。オークスはマルセリーナとホーエルキャプチャの二強対決でしょうか。

もうすぐPOGの季節

毎年春はPOG関連の仕事で身動きが取れません。今年も例年と同じく2歳馬の血統表を見まくる生活が続きました。思わず過去形で書いてしまいましたが、これは締め切りが早い赤本(『POGの達人』)のヤマを越えたからです。締め切りが遅い『競馬王のPOG本』はこれからが本番。ひと晩寝て充電したら、またしばらく机にかじりつく日々が始まります。

自分が選んだオススメ30頭を見ると、14頭がディープインパクト産駒でした。ほかの方がどんな馬をリストに並べたのかまったく知りませんが、桜花賞を勝ったマルセリーナ効果もあって、今年はディープインパクト産駒中心のドラフトになるのではないでしょうか。

新種牡馬はダイワメジャー産駒を1頭入れました。同馬が種牡馬として成功するかどうかは別にして、とりあえず配合の腕試しをするつもりで好配合馬をピックアップしてみたというわけです。走ったら嬉しいのはじつはこういう馬だったりします。

2011年4月14日 (木)

ムーンリットレイクが経験馬相手のデビュー戦を快勝

■日曜阪神3Rの未勝利戦(芝1600m)は、関東から遠征してきてこれが初出走となるムーンリットレイクが快勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=XD2BwEjTbqI

ディープインパクト産駒はこれだけ勝ち上がっているのに、まだこんないい馬が残っていたのか、というのが感想です。母ムーンライトダンスは愛インターナショナルS(G3・芝8f)の勝ち馬で、その半兄に愛ダービー(G1)など重賞を5勝した Grey Swallow がいます。母の父 Sinndar は凱旋門賞、英ダービー、愛ダービー(いずれもG1)などを制した名馬。その父 Grand Lodge はディープインパクトと相性のいい Danzig と Habitat を併せ持っており、ちょっと Zieten に似た構成です。「ディープインパクト×Zieten」といえばテンペル(先々週の未勝利戦を初出走ながら勝つ)の名が挙がります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103350/

ヨーロッパ系のスタミナと底力に恵まれた血統なので、気性的な問題さえなければ2000m以上で本領を発揮しそうです。菊花賞あたりでも楽しめそうです。

■日曜小倉4Rの未勝利戦(ダ1000m)は、ラディアーレが後続を7馬身引き離して逃げ切りました。相手に恵まれたといえばそれまでですが、ダ1000m戦でこれだけ離すのはなかなかのものです。

父はサクラバクシンオーで、母の父はウイニングチケット。バクシンオーの父サクラユタカオーはウイニングチケットと同牝系なので、本馬はサクラユタカオー≒ロッチテスコ2×4です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008106717/

2011年4月13日 (水)

アイヴィーリーグが新馬-500万を連勝

■土曜阪神7Rの3歳500万下(芝1600m)は、アイヴィーリーグ(3番人気)が力強く抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=2oAP2wImln4

新馬-500万下と2連勝。なかなか強いですね。新馬戦を勝ち上がった直後、3月25日のエントリー「フロックではないダノンミル」でも取り上げました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/03/post-8cab.html

新馬戦で動かないリンカーン産駒であるにもかかわらず、いいレースぶりで勝ち上がり、しかも配合が良好。2戦目の今回も楽勝ですから、かなりの好素材です。ダービーにも間に合うかもしれません。

母の父フレンチデピュティの優秀さは当ブログで何度か記してきたと思います。また、2代母の父にトウショウボーイが入るパターンも、ウオッカ、スイープトウショウ、ジョーカプチーノなどG1クラスの大物が目につきます。母の父トウショウボーイにはコスモバルクがいました。トウショウボーイは非社台の代表的な名血。現在も日高の繁殖牝馬のなかに脈々と息づいています。ここ10年以内に日高で誕生した超大物に、高い確率でトウショウボーイが含まれていることは、この血の卓越した影響力を示すものでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104893/

■日曜阪神9Rの忘れな草賞(3歳OP・芝2000m)は、○エリンコート(3番人気)が中団から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=WbiiI1dlAQA

父デュランダルは優秀な競走成績のわりに産駒成績はパッとしないのですが、最近はカリバーン、フラガラッハ、エアラフォンなど、着実に上昇してくる産駒が目につきます。デュランダル自身もそうでしたが晩成型の傾向がありそうです。

母エリンバードは伊1000ギニー(G2・芝1600m)の勝ち馬。というより武豊騎手が乗って1位入線→降着となったオペラ賞(仏G2・芝1850m)の印象が強いですね。来日して臨んだ京王杯SC(G2)、安田記念(G1)では見どころがありませんでした。配合的には好きなタイプで、Sir Ivor を持っているのでサンデー系との交配でいい子を出すのではないかと考えていたのですが、重賞級の産駒はまだ出ていません。エリンコートが最良の産駒となりそうです。ただ、今回は勝ちタイムも上がりも平凡だったので、オークスで勝ち負けになるにはちょっと足りないような気もします。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102805/

2011年4月12日 (火)

川崎開催始まる

本日から南関東競馬が再開します。場所は川崎競馬場。第1Rの発走時刻は12時30分。30分ごとにレースを消化し、16時30分の第9Rで終了です。電力不足を考慮した番組となっています。出走馬はすべて川崎所属馬。4月15日(金)までの4日間開催です。

ニュージーランドTはエイシンオスマン

土曜日の阪神芝はインコースがしっかり伸びる馬場でした。スローの2番手からエイシンオスマン(12番人気)が抜け出して快勝。2着にもエーシンジャッカル(7番人気)が入り、栄進グループのワン・ツー・フィニッシュ。
http://www.youtube.com/watch?v=1w2m91Jv2RI

1、2着馬ともに予想は無印。まったくいいところなしでした。エイシンオスマンの手綱を取った幸英明騎手は、スローペースを味方につけた好騎乗だったと思います。ベストの位置取りでした。

生産者はノーザンレーシングで、母ゲルニカはアルゼンチンでG1を4勝した名牝。社台グループは世界各地の名牝を購買しており、南米も例外ではありません。南米血統は見慣れないものも多いのですが、ゲルニカは大部分がアメリカ血統なので判断に迷うタイプではありません。エイシンオスマン自身は、持続力と馬力に秀でたマイラー、という血統です。雨が降ったわりに時計が速かったのですが、パンパンの良馬場ではないので、パワーを秘めた馬が台頭しました。もっとも、もともと能力を低く見積もっていたので、分かっていたとしても印は打てませんでしたが……。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103390/

◎ダノンシャーク(2番人気)は7着。もっと馬場がぐちゃぐちゃになってスタミナを要するレースになると読んでいました。直線は大外に持ち出しましたが、あそこは押しても叩いても伸びません。インしか伸びない馬場でした。

2011年4月11日 (月)

桜花賞はマルセリーナ

フォーエバーマークが緩みのないペースで逃げ、締まったラップの好レースとなりました。34秒台前半の上がりで後方から飛んできた上位3頭の力が抜けていたと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wvBG6JNtrPY

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は○◎▲で的中。馬連620円、3連複1480円でした。ウマニティは連単マルチで買っているので馬単1230円、3連単5880円的中です。

勝った○マルセリーナ(2番人気)はこれで4戦3勝。先着を許したのは牡馬のレッドデイヴィスとオルフェーブルのみですから、牝馬同士ではトップクラスの力量の持ち主であることは明らかです。父ディープインパクトはいうまでもなくサンデーサイレンスの最高傑作。種牡馬としても2歳種牡馬記録をことごとく塗り替えるなど、期待どおりの成功を収めつつあります。最初のクラシックレースで見事に勝ち馬を送り出しました。今年のセレクトセールでは人気沸騰となるでしょう。

マルセリーナはスタートの出が悪く、4コーナーでは後方のインという絶望的な位置取り。しかし、1頭分だけ開いた進路をうまくすり抜けることができました。もちろん詰まっていたらアウト。運も実力のうちです。狭いスペースを抜けてこられたのも、一瞬でビュンと伸びる脚があるから。これがある馬は馬群をこじ開けることができます。ウオッカなどはそうでしたね。速い脚を使えない馬は、モタモタしているうちにドアが閉まって終了です。

母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1)など3つのマイル重賞を制した名牝。母の父 Marju、2代母の父 Distant Relative は欧州マイルG1の勝ち馬。この距離は合います。母方に入るラストタイクーン、Habitat、Round Table は父ディープインパクトと相性がいい血です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103009/

ディープインパクトとラストタイクーンの組み合わせからは、ほかにターゲットマシン、レッドディアーナ(素質を高く評価されながらもデビュー前に病死)などが出ています。一方、Habitat との組み合わせからは、Barocci、リトルダーリン、テンペルなどが出ています。いずれも回転の速いフットワークを伝えるスピードタイプの血で、大トビの父ディープインパクトとフィットするのだと思われます。Danzig なども似た傾向の血です。

Burghclere≒Welsh Flame 3×4が底力をサポートしているほか、薄いながらも名牝 Pocahontas のクロス(5×8)があります。代が遠いので効果あるかどうかは別として、ディープインパクト産駒のこのクロスは好きなパターンではあります。あとはディープインパクト自身が持たない名血、たとえば Nasrullah、Ribot、Tom Fool、Djebel あたりを母方から複数取り込んでいるのは好感が持てますね。

前述のとおり、母は競走成績も血統もマイラー型ですが、ディープインパクトはそうしたタイプの繁殖牝馬を相手にして、意外に距離をこなす産駒を出す傾向があります。2400mはベストではないものの守備範囲内ではないかと思います。安藤勝己騎手も「距離が延びても大丈夫なタイプ」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っています。今回は序盤にやや行きたがるシーンがあったので、そのあたりが出なければ、といったところでしょう。

2着◎ホエールキャプチャ(1番人気)は16番枠がアダとなりました。内に潜り込むことができずに終始外を回らされ、4コーナーでは内から張られてさらなる距離ロス。勝ち馬とは実力差はないと思います。こちらも2400mはこなせるでしょう。

3着▲トレンドハンター(4番人気)にマイル戦は忙しいですね。2400mのほうが断然いいタイプです。

4着△メデタシ(11番人気)は前走のチューリップ賞(3着)で、2着ライステラスよりもはるかにいい競馬をしていました。ここにきて上昇しています。

2011年4月10日 (日)

阪神牝馬Sはカレンチャン

クロフネ産駒のスピード型牝馬といえばスリープレスナイトの名が挙がりますが、◎カレンチャン(1番人気)はその域に達する可能性があると思います。ここにきてさらに成長していますね。
http://www.youtube.com/watch?v=zOqlbrFV2ug

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は、◎△で馬単5640円、◎△○で3連単38300円的中。予想文を転載します。

「◎カレンチャンは『クロフネ×トニービン』という組み合わせ。母方にトニービンを持つクロフネ産駒は成功しており、シェルズレイとブラックシェルの姉弟や、フラムドパシオン、カホマックス、ポルトフィーノなど多くの活躍馬が出ている。カレンチャンはこのパターン。母は「トニービン×マルゼンスキー」という組み合わせ。これはシェルズレイとブラックシェルの母の父ウイニングチケットと同じ。つまり、この姉弟とカレンチャンは血統構成がきわめてよく似ている。前走の山城Sは準OPとはいえ直線は手綱を抑えたままの大楽勝。いよいよ本格化してきた。距離も道悪もこなせる血統。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102807/

半兄のスプリングソング(父サクラバクシンオー)は京阪杯(G3)の勝ち馬。母スプリングチケットは2頭目の重賞ウィナーを誕生させたことになります。

予想文に書いたようにカレンチャンの配合は、シェルズレイとブラックシェルの姉弟によく似ています。カレンチャンの母スプリングチケットと、シェルズレイの母の父ウイニングチケットは、いずれも「トニービン×マルゼンスキー」という組み合わせです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102823/

         ┌ クロフネ
カレンチャン ――┤ ┌ トニービン
         └○┤ ┌ マルゼンスキー
           └○┘

         ┌ クロフネ
シェルズレイ ――┤   ┌ トニービン
(=ブラックシェル)│ ┌○┤ ┌ マルゼンスキー
         └○┘ └○┘

カレンチャンの馬主は鈴木隆司氏。2007年のセレクトセール当歳において2500万円で落札しました。じっさいに馬を選定し、購買したのは須田鷹雄さんです。須田さんは以前から鈴木氏と個人的な交友があり、金銭関係のないアマチュア的なアドバイスによって、セリ市における購買をサポートされていました。

カレンチャンのデビュー戦の前日、グリーンチャンネルに出演するための控室で、たまたま須田さんとカレンチャンの話題になったのを覚えています。馬の値段が2500万円だったと聞いて、思わず「そんなに安いんですか!?」と言ってしまったのですが、考えてみればカレンチャンがセレクトセールで落札された当時、スプリングソングはまだデビューしていませんでした。妥当な値段だったかもしれません。須田さん曰く「クロフネとトニービンの相性の良さに注目した」とのことです。

2011年4月 9日 (土)

春の雨は穴馬券の宝庫

春は雨が降りやすいので道悪を得意とする種牡馬の出番です。昨年も雨が降るたびにオペラハウス祭りやキングカメハメハ祭りといった現象が起きました。じっさい、この2頭は渋った馬場を得意としています。馬場状態別の連対率は以下のとおり。

          良・稍重   重・不良
オペラハウス    15.9%  21.7%
キングカメハメハ  20.5%  22.5%

どちらも馬場が悪化するにしたがって連対率が上昇します。とくにオペラハウスの伸び率は素晴らしいですね。

金曜日のお昼ごろから土曜日にかけて、阪神地方にはしっかりと雨が降りました。土曜日は道悪確実でしょう。阪神芝にオペラハウス産駒が出走しているかどうかチェックしてみると、第10Rの大阪-ハンブルクC(OP・芝2500m)にブラストダッシュが出ていました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005100139/

この馬は500万下を勝ち上がったときに、不良馬場で後続を6馬身引き離しました。道悪は鬼です。問題はこのメンバー相手に能力が通用するかどうか。ハンデ戦ですから勝ち負けになってもおかしくないと思います。

日曜日の午後、桜花賞のころには馬場コンディションもだいぶ回復しているでしょう。ただし、パンパンの良馬場は望めません。ヨーロッパ由来の重厚なスタミナや、アメリカ由来のパワーを備えた馬は人気薄でも怖いですね。

2011年4月 8日 (金)

今年のニュージーランドTは本番と直結しそう

スポーツ新聞を開けば桜花賞の話題で賑わっていますが、土曜阪神の最終レース、中山から場所を移して行われるニュージーランドT(G2・芝1600m)も今週の目玉レースです。

関西で行われることが関係しているのか、メンバー構成が近年にないほどの素晴らしさです。朝日杯1、2着のグランプリボス、リアルインパクトを筆頭に、ディープサウンド、ダノンシャーク、スギノエンデバー、ドナウブルー、キョウエイバサラ、ラトルスネーク、リキサンマックス……。これはもうNHKマイルCの前哨戦ではなく「日本版2000ギニー」といいたくなるほどの豪華メンバーです。ディープインパクト産駒が4頭出走します。

中山芝1600mは、外枠に入った時点で諦めムードが漂うほど、内外の枠に関してバイアスがあります。馬券を買う側にとってはそれがおもしろいわけですが、走らせる側にとっては厄介だと思います。しばしば実力以外のものが勝敗を分けるコースです。一方、阪神芝1600mは、まぎれが少なく実力がはっきり出るので、能力検定の場としてふさわしいといえるでしょう。

例年、ニュージーランドTとNHKマイルCは直結しませんが、今年はリンクする可能性が高いのでは、と思います。

2011年4月 7日 (木)

南関東競馬は4月12日(火)に再開

3月11日の大井競馬を最後に中断していた南関東の公営競馬は、ようやく復活の運びとなり、4月12日の川崎開催から再開することとなりました。ちょうど1ヵ月ぶりですね。

川崎競馬のサイトによると、「『復興支援競馬』として、節電等の対策を講じたうえで開催する」とのことです。具体的には、開催の総売上金の1%を義援金として拠出する、ナイター開催取り止め、開催日数とレース数の削減、等々……。
http://www.kawasaki-keiba.jp/news/20110405.html

今後の日程は以下のとおり。

4月12日(火)~15日(金) 川崎競馬(昼間開催)
4月18日(月)~22日(金) 大井競馬(昼間開催)
4月25日(月)~29日(金) 浦和競馬(昼間開催)
5月2日(月)~6日(金) 船橋競馬(昼間開催)

地震によりコースが地割れし、液状化現象も起こった船橋競馬も、5月から開催可能となりました。今年は川崎も大井もナイター競馬が行われることはなさそうです。厳しい電力事情を考えると仕方ありません。大井競馬が夏季に昼間開催を行うのは85年以来26年ぶりだと思います。はとバスのトゥインクルレースツアーは企画取り止めでしょうか?

2011年4月 6日 (水)

スプリンターの資質が開花しつつあるクリアンサス

■日曜阪神5Rの未勝利戦(芝1800m)は、これがデビュー戦となるテンペル(1番人気)が中団から伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=Do02IN9jlhk

ビーオブザバン(準OP)、シーズズベスト(1000万条件)の半弟で、父はディープインパクト。同産駒は芝1800mの新馬戦で連対率50%(26戦13連対)と驚異的な成績を収めました。今回のテンペルは初出走ですから実質的には新馬戦のようなもの。やはりこの条件は走ります。

母の父 Zieten は現役時代にミドルパークS(英G1・芝6f)など重賞を4勝。「ザイーテン」という名で日本でも3戦し、京王杯スプリングC(G2・芝1400m)では2着と健闘しています。ディープインパクトとスプリンター血脈の相性の良さについてこれまで何度か記してきましたが、Zieten はまさに「Danzig×Habitat」というスプリンター配合。脚の回転速度を上げるこうした血はディープインパクトとフィットします。ディープ産駒は総じて大トビなのでバランスがとれるのでしょう。Danzig との組み合わせではディープサウンドとドナウブルーが、Habitat との組み合わせでは マルセリーナと Barocci が出ています。

ディープインパクトの母方に含まれる Lady Rebecca を刺激する配合は好みなのですが、Habitat は Lady Rebecca の父 Sir Ivor と同じく Sir Gaylord 産駒。先日の毎日杯で3着となったトーセンレーヴにも Sir Gaylord があります。そして、本馬は Pocahontas(Lady Rebecca の母)≒Table Rose 5×5。これも好ましいですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103180/

■日曜9RのマーガレットS(3歳OP・芝1400m)は、◎クリアンサス(8番人気)が好スタートから一気に逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=GQhk2GixJGU

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は、◎で単勝1630円、◎△で馬単12210円、◎△○で3連単43050円的中。予想文を転載します。

「◎クリアンサスは『リダウツチョイス×ニホンピロウイナー』という組み合わせ。父リダウツチョイスはオーストラリアでリーディングサイアーとなった快速種牡馬。母フラワーパークは高松宮記念(G1)、スプリンターズS(G1)を制し、JRA賞最優秀短距離馬に選ばれた快速馬で、ハイペリオン色が強い底力満点の配合。配合構成も素晴らしい。前走のフィリーズレビュー(G2)は完全な前崩れで展開が厳しかった。それでも着差的には大きく負けているわけではない。平均ペースなら牡馬相手でも勝ち負けになると思われる。再度狙ってみたい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102710/

今回はレース運びにも展開にも無理がなく、自分十分の体勢から電車道で寄り切りました。逃げ馬がこういう形に持ち込むと強いですね。配合については2月4、5日のエントリー「クリアンサスに活きる Hyperion & Son-in-Law の底力(前・後)」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/02/hyperion-son-in.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/02/hyperion-son--1.html

デビュー当時と比べて走りに重厚感が増したような印象を受けます。母の父ニホンピロウイナーは軽快さよりも重厚感を感じさせるフットワークでした。いよいよこの血統のよさが表れてきた感があります。本格化はまだまだ先。これからもっと強くなるでしょう。マイルでは味がないと思いますが、1200~1400mなら大きなところを狙える器です。

2011年4月 5日 (火)

芝の長距離向きカーマイン

■土曜阪神3Rの未勝利戦(芝1400m)は、これが初出走となるエポワス(3番人気)が3番手から伸び、ゴール直前で逃げ馬を交わしました。高速馬場とはいえデビュー戦で芝1400m1分21秒4は優秀です。

母マニックサンデーはサンスポ賞4歳牝馬特別(G2)の勝ち馬。その4分の3弟にザッツザプレンティ(菊花賞)、近親にバブルガムフェロー(天皇賞・秋、朝日杯3歳S)がいる良血です。今年の3歳牝馬戦線の有力馬ハブルバブルもこの牝系に属しています。

「ファルブラヴ×サンデーサイレンス」はニックスですが、ワイルドラズベリー、ダンスファンタジア、スピードリッパーなど、活躍した馬のほとんどが牝馬というのもおもしろい傾向です。本馬は牡馬。走りがしっかりしており能力は高そうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103002/

■土曜阪神6Rの3歳500万下(芝2400m)は、カーマイン(8番人気)が中団からしぶとく差しました。

勝ちタイムは2分25秒4。単純な比較をすれば同日の日経賞(G2・芝2400m)と同タイムです。もちろん、道中のペースが違うので同じ価値というわけではありません。スパッと切れる脚がないので、前が引っ張り持久力が問われる流れになったのはよかったと思います。

ヴァーミリアン(最優秀ダートホース)、サカラート(東海Sなどダート重賞4勝)、キングスエンブレム(シリウスS)の半弟、ソリタリーキング(ヒヤシンスS-2着)の全弟にあたる良血。本馬はこれらとは違ったタイプで、いかにも芝の長距離向きといった走法ですね。青葉賞→ダービーという路線が狙いになるのでしょう。将来的には3000m級の重賞の常連になりそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103188/

2011年4月 4日 (月)

大阪杯はヒルノダムール

昨年1月の若駒S(OP)以来1年以上も勝ち星のない△ヒルノダムールが単勝1番人気。これは危ないのでは、と思っていたら勝ってしまいました。「御見それしました」という言葉しか出てきません。
http://www.youtube.com/watch?v=Pd1lYKP7cls

藤田騎手がうまく馬群を捌いてインから上昇し、距離ロスを最小限に抑えたのが勝因でしょう。今週からBコースだったので内側の馬場状態がよく、ここを通った馬は簡単に止まりませんでした。

配合については昨年1月23日のエントリー「若駒Sはヒルノダムール快勝」をご覧ください。世代の二番手集団に落ちたかと思わせてまたトップ争覇圏に返り咲くしぶとさ。これはたいしたものです。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/01/post-39a6.html
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/

レースを見ていて一瞬勝ったと思ったのがハナ差2着のダークシャドウ(8番人気)。昨年4月、経験馬相手に大出遅れから上がり33秒5の鬼脚を繰り出して勝利したデビュー戦は、ターゲットマシンのデビュー戦と似て強いインパクトがありました。続く2戦目を勝ったあと『web競馬王』に書いた論評の一部を転載します。

「『ダンスインザダーク×プライヴェートアカウント』という組み合わせで、半兄にユノナゲット、ダノンブライアン(いずれもOP)がいる。母方に速いアメリカ血統を入れているためダンスインザダーク産駒にしては俊敏さがあり、前走の上がり33秒5は初出走馬であることを考えれば高い価値があった。ヘイロー≒サーアイヴァー3×4、ディナーパートナー≒バックパサー5×4は好感が持てる。今回は好スタートを決めた出た時点で勝負あったという雰囲気。ここは単なる通過点だろう。」

前走の調布特別(1000万下・芝2000m)は手合い違いという内容の楽勝でしたが、このメンバー相手に別定戦で勝ち負けになるとは驚きです。ここまで無理をせず大事に使われてきたことで、晩成の大器が花開こうとしているのかもしれません。前記の論評を書いたあと、同じく半兄のチョイワルグランパがシリウスS(G3)で3着となっています。母マチカネハツシマダは優秀な繁殖牝馬ですね。2代母 Yousefia は名種牡馬 Green Desert の全妹です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102929/

◎ダノンシャンティ(5番人気)は4着。ハイペースだったとはいえ、前が止まらない馬場コンディションの内回りコースで、最後方追走&大外回しはつらかったと思います。レコード決着のなか、1、2着馬よりも2キロ重い59キロを背負って上がり33秒6ですから、負けたとはいえ胸を張れる内容でしょう。今回はパドックからテンションが高く、引っ掛かるリスクを考えてあの位置取りになったのだと思います。

2011年4月 3日 (日)

日経賞はトゥザグローリー

少頭数のスローペースという興趣を削ぎがちな展開ではありましたが、直線の攻防は迫力満点、見応えがありました。やはりメンバーがそろった競馬は違います。2馬身半差で勝った◎トゥザグローリー(1番人気)の力が抜けていましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=wLAZz-ZWSLM

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は◎○▲で完全的中。ただ、上位3頭に人気が集中していたため馬単も3連単も激安でした。予想文を転載します。

「◎トゥザグローリーは『キングカメハメハ×サンデーサイレンス』という組み合わせ。母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯(G1)を2連覇したほか、ドバイワールドC(G1)でも2着となった名牝。スケールの大きさを感じさせる血統だ。有馬記念(G1)3着がフロックでないことは前走の京都記念(G2)快勝で証明した。現在の阪神芝は末脚のしっかりした馬が有利なので、終い確実に伸びるこの馬に向いているだろう。ローズキングダムよりも1キロ軽い58キロは有利。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1996107386/

昨年春の青葉賞(G2)ではペルーサに4馬身差をつけられたのですが、今回は逆に2馬身半差をつける完勝。立場が逆転しました。昨年12月の中日新聞杯の回顧で「過剰と思えるほど代々 Hyperion を入れてきた牝系なので、成長力に関しては太鼓判を押せます」と記したとおり、一戦ごとにパワーアップしています。やや頭が高いフットワークは優雅とはいえませんが、それでグングン伸びてくる迫力はなかなかのもの。宝塚記念でヴィクトワールピサとの対決が実現するなら楽しみです。

○ペルーサ(2番人気)は課題だった出遅れ癖が治まってきたのはいい傾向です。しかし、それと同時に、かつて持っていた規格外の迫力、破天荒なきらめきが薄らいできたような気がします。いまは飼い慣らされた猛獣のようであまり怖くありません。ちょっと残念な気もします。

▲ローズキングダム(3番人気)はトゥザグローリーを負かしにいき、突き放されたところでペルーサに差されました。トゥザ、ペルよりも1キロ重い59キロを背負っていたことを考えれば勝ち馬に次ぐ内容でした。ただ、世代ナンバーワンの評価は遠くなりましたね。

今回のメンバーで天皇賞・春(G1・芝3200m)の争覇圏にあるのはトゥザグローリーとマイネルキッツの2頭でしょうか。

2011年4月 2日 (土)

シンザン生誕50周年

2011年4月2日は、五冠馬シンザンが誕生してちょうど50年目にあたります。

シンザンの現役時代はわたしが生まれる前のことなので、書物やビデオで得た知識しかありません。
http://www.youtube.com/watch?v=t2WcWf4FJD4
http://www.youtube.com/watch?v=VIPeQb2R2lk
http://www.youtube.com/watch?v=5nhCFDEu-9I

競馬に関心を持ち始めたころはもちろん生存しており、産駒も現役で走っていました。ミナガワマンナは菊花賞を勝ち、ミホシンザンは皐月賞と菊花賞の二冠を制覇。皐月賞を5馬身差で圧勝したミホシンザンが骨折し、三冠の夢が絶たれてしまったときは、ちょうどレーヴディソールの骨折の報を聞いたときのような虚無感を覚えました。

内国産種牡馬が冷遇されていた時代、種牡馬ランキングの1位から20位までほとんど輸入種牡馬が占めていた70年代に、シンザンが成した功績は、現代のわれわれが考えるよりも大きかったと思います。内国産種牡馬への根強い偏見があるなか、シンザンを繋養した谷川牧場の谷川弘一郎氏が涙ぐましい努力をして繁殖牝馬を集めたことは有名です。シンザンが切り開いた道を、アローエクスプレスやトウショウボーイといった次の世代の内国産種牡馬が歩んでいったわけです。

父ヒンドスタンは60年代に計7回リーディングサイアーとなった名種牡馬。アガ・カーン三世殿下が生産所有した名血で、その牝系は Uganda にさかのぼる名門です。

Uganda(f.1921.Bridaine)仏オークス、ロワイヤルオーク賞
 Ukrania(f.1926.Ksar)仏オークス
 Udaipur(f.1929.Blandford)英オークス、コロネーションS
 │Clovelly(f.1938.Mahmoud)
 ││Pangani(f.1945.Fair Trial)
 ││ ソーダストリーム(f.1953.Airborne)
 ││ │アローエクスプレス(c.1967.スパニッシュイクスプレス)
 ││ │         朝日杯3歳S、京成杯、NHK杯
 ││ シザラ(f.1955.Marsyas)
 ││  バンブーシザラ(f.1969.テスコボーイ)
 ││   バンブーアトラス(c.1979.ジムフレンチ)
 ││                   日本ダービー
 │Sonibai(f.1939.Solario)
 │ ヒンドスタン(c.1946.Bois Roussel)愛ダービー
 Una(f.1930.Tetratema)
 │Palestine(c.1947.Fair Trial)英2000ギニー
 Umidwar(c.1931.Blandford)チャンピオンS

シンザンは Gainsborough 4×4を持っています。これは、同年にカナダで生まれた大種牡馬 Northern Dancer、ソ連の歴史的名馬 Anilin と同じ配合パターン。東洋の片隅で生まれた馬ではあっても、世界的な血統の潮流に取り残された配合ではありませんでした。
http://ahonoora.web.fc2.com/sinzan.html
http://www.pedigreequery.com/northern+dancer
http://www.pedigreequery.com/anilin

配合についてはもう少し補足しなければならないことがあるのですが、長くなってしまうので、エントリーを改めて来週あたりに書きたいと思います。

2011年4月 1日 (金)

ディープインパクト産駒の Barocci がフランスで勝利

Omnium II は19世紀末のフランスの名馬で、仏ダービーをはじめ大レースを勝ちまくり、引退後は仏リーディングサイアーにもなりました。Tourbillon の父として知られる Ksar(凱旋門賞2回、仏ダービー)は Omnium II 3×2です。
http://www.pedigreequery.com/ksar

この馬を記念したオムニウムII賞(芝1600m)は、リステッドレースではありますがそこそこ重要度の高いレースです。フランスの3歳牡馬のトップクラスは、シーズン最初のレースとして、4月半ばにロンシャンで行われるフォンテンブロー賞(G3・芝1600m)か、3月にサンクルーで行われるオムニウムII賞を使ってくることが多いですね。

日本で生まれ、フランスに輸出されたディープインパクト産駒の Barocci は、昨年10月のデビュー戦で2着。今回のオムニウムII賞は約半年ぶりのレースでした。結果は以下のとおり。

■オムニウムII賞(3/31・サンクルー・芝1600m・7頭・不良馬場)
1着 Barocci     1分48秒90
2着 Private Jet     短首
3着 Two for Two      2

見事勝利を飾りました。勝利騎手はクリストフ・スミヨン、調教師はエリー・ルルーシュです。芝1600mで1分48秒90という勝ちタイムですから、ペースが遅かったにしろ馬場は相当悪いですね。母の父 Giant's Causeway や Hypericum≒Aureole 6×6のパワーが活きたように思います。また、Round Table が入るディープインパクト産駒は走るなぁという印象です。
http://www.pedigreequery.com/barocci2

ディープインパクトの母方に潜む Lady Rebecca を刺激する配合は好みなのですが、Sir Gaylord≒Secretariat 6×5・6、Pocahontas 5×7を持つこの馬はまさにそのパターンです。

Giant's Causeway が入るので、あくまでも欧州仕様ながら、配合的には見どころがあります。今後は、仏2000ギニーに直接向かうのか、フォンテンブロー賞あたりを挟むのか、現段階では分かりませんが、いずれにしろ非常に楽しみです。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!