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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

展望

2011年10月23日 (日)

菊花賞の穴馬2011

単なる血統診断とは違い、予想は「格」と「適性」の見極めがテーマですから、そこがおもしろいところです。

「格」というのは総合能力と言い換えてもかまいません。先日死んだシンボリルドルフは現役時代2000m前後がベストの中距離馬で、能力がズバ抜けていたため菊花賞を勝って三冠を達成しました。出走馬のなかには高い長距離適性を秘めた馬もいましたが、中距離馬シンボリルドルフの総合能力の前に敗れ去りました。

3000mはどの馬も走ったことがない未知の距離です。しかし、人気は2000~2400mあたりの実績で形成されます。人気馬が格の高さでそのまま押し切ることもありますが、それまで注目されていなかった人気薄が突っ込んでくることも少なくありません。そうした馬はほぼ例外なく長距離レースに対する「適性」を持った馬です。

00年以降、7番人気以下で連対した馬が9頭います。うち4頭がダンスインザダーク産駒で、残り5頭はそれぞれリアルシャダイ、サッカーボーイ、Sadler's Wells、ペンタイア、バゴを持っていました。

それまでは平凡な成績で人気に推されることもなく、3000mという距離で変わり身を見せるわけですから、激走の原因は“高い長距離適性”以外に考えられません。

昨年の菊花賞直前のエントリーで、菊花賞の穴馬として挙げた5頭のなかから、1着ビッグウィーク(7番人気)、3着ビートブラック(13番人気)が出ました。それまでの競走実績を考えると買いづらい馬ではありましたが、菊花賞で穴を狙うときは成績面を極力無視し、血統だけで買うほうがいい結果を生む、というのがこれまでの経験則です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-fa2e.html

今年も、人気薄ながら長距離適性が高そうな馬を5頭挙げてみます。

2番ルイーザシアター(母が Kingmambo×Quest for Fame)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102824/
6番シゲルリジチョウ(母が Sadler's Wells×Darshaan)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103874/
7番ゴットマスタング(母の父 Sadler's Wells)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101715/
8番ダノンミル(父ジャングルポケット)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102875/
16番ダノンマックイン(2代母リアルシャダイ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103259/

ゴットマスタングなどは500万下を勝ったばかりですから、常識的に考えて苦しいとは思います。でも、ここに挙げた5頭のような、多少の無理筋を狙っていかないと大穴は取れません。とりあえずプライベートの馬券では目をつぶってこの5頭は押さえたいと思います。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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2011年10月15日 (土)

秋華賞で狙えるタイプ、狙えないタイプ

秋華賞は珍しいことに“良馬場以外で行われたことがないG1”です。創設された96年以降、すべて良馬場で開催されており、稍重すらありません。

関西地方では金曜日から雨が降り出し、予報によれば土曜日のお昼ごろにかけてかなりの雨量となるようです。ただ、昔と違って最近は馬場回復のスピードが速いので、なんだかんだで最終的には良馬場となるような気がします。とはいえ、パンパンの良馬場ではないでしょうし、前が残りやすいのか差しが決まりやすいのか、内伸びなのか外伸びなのかなど、直前までレースの傾向が把握できません。このあたりの見極めが今年は大変です。

京都芝2000mは内回りコースです。直線が短く、ゴチャゴチャした競馬になりやすいので、荒れるときは荒れます。加えて、秋華賞はフルゲート18頭ですから、乗っているジョッキーにとっても難易度が高いレースです。

00年以降のデータを見ると、京都芝2000mにおける逃げ馬の連対率は28.6%なので、外回りコースで行われる他のレース(外1400m、外1600m、1800、2200、2400m)に比べると好成績です。小回りコースだけに先に行った馬が有利、というわけです。

ただし、クラス別でみると話が違ってきます。OP特別と重賞に限ると、逃げ馬の連対率は17.3%に下がります。下級条件と違ってペースがキツくなるので、逃げ馬が残れなくなります。

秋華賞でもこの傾向は生きており、過去15回のなかで連対を果たした逃げ馬は00年のヤマカツスズラン(2着)のみ。このときは1000m通過が60秒8というレース史上2番目のスローペースでした。平均すると59秒1ぐらいのペースで展開するレースなので、差し馬が有利です。

今年は短距離戦で揉まれてきたメモリアルイヤーが行くので、少なくとも平均ペースでは流れるでしょう。大逃げという形になると2番手の出方がレースを作ることになるのですが、2番手候補のピュアブリーゼは切れ味勝負では分が悪いので、じっくり溜めていくということはなく、付かず離れずで追いかけるのではないかと思います。こうなるとやはり差し有利でしょうか。

小回りコースに実績があり、ハイペース耐性のある馬。こういうタイプが狙い目です。血統的には Roberto、ノーザンテースト、トニービン、Nijinsky、Deputy Minister あたりがいいですね。直線の長いコースでの実績を鵜呑みにするのは危険です。00年以降、10番人気以下で勝ったティコティコタックとブラックエンブレムは、ともに小回り巧者でした。前者はそれまでに挙げた3勝が中京、小倉、小倉。後者は春にフラワーC(G3・中山芝1800m)を勝っていました。穴を開けるのはこういうタイプです。

2011年10月 1日 (土)

シンガポールの快速王ロケットマン

ワールドサラブレッドランキングの最新版によれば、スプリント部門の世界トップはオーストラリアの快速牝馬 Black Caviar で、2位はロケットマン(Rocket Man)です。後者のレーティングは125ポンド。日曜日に行われる凱旋門賞(仏G1・芝2400m)の出走馬のなかで最も高く評価されているのが So You Think で126ポンド。ロケットマンはそれとほとんど変わらないわけですから実力のほどが窺えます。

どのカテゴリーであれ、125ポンドをもらった馬が来日するのは稀なことです。スプリンターズS(G1・芝1200m)では過去に例がありません。たとえば、1番人気で優勝を果たした05年のサイレントウィットネス Silent Witness(香港)、06年のテイクオーバーターゲット Takeover Target(オーストラリア)は、来日時それぞれ123、118ポンドでした。ロケットマンはそれらの上を行きます。先日行われたセントウルS(G2・芝1200m)の2着馬ラッキーナインは117ポンド、4位入線のグリーンバーディーは114ポンドです。

ワールドサラブレッドランキングの結果どおりにレースが決着したら誰も苦労はしないのですが、少なくとも基本能力についての有力な物差しにはなります。数値が120以上あり、状態面や馬場適性に問題がなければ好走はほぼ間違いないところです。

ロケットマンはオーストラリアで誕生し、シンガポールで競走馬となりました。オーストラリアは世界最高の芝短距離王国で、過去にスプリンターズSを制した海外調教馬3頭はいずれも同国で誕生しています。香港の短距離路線がきわめてハイレベルなのは、馬資源のほとんどをオーストラリアから輸入しているからです。ロケットマンが本拠とするシンガポールもオーストラリアやニュージーランドから馬を仕入れています。
http://www.pedigreequery.com/rocket+man

ロケットマンの半兄 Our Giant(父 Giant's Causeway)は南アフリカのホースチェスナットS(G1・芝1600m)の勝ち馬。母 Macrosa は97年のジャパンCで12着となったエボニーグローブ Ebony Grosve の半姉で、母の父マクギンティ McGinty は83年のジャパンC5着馬です。質の高いファミリーの出身で、なおかつ日本とも縁があります。
http://www.pedigreequery.com/our+giant
http://www.pedigreequery.com/ebony+grosve
http://www.pedigreequery.com/mcginty

父 Viscount は英ダービー馬 Quest for Fame の子。ただ、競走馬としてはスプリンター寄りのマイラーで、1600mのG1を2勝、1400mのG1を1勝しています。Octagonal、Kaapstad、Danewin、コマンズ、Don Eduardo など多くの名馬が現れている名牝系に属し、種牡馬としてはロケットマンのほかにオーストラリアで2頭のG1馬を送り出しています。ただ、全体的な種牡馬成績は平凡というべきもので、ここ3年の種牡馬ランキングは40位、37位、54位です。

ロケットマンは、兄弟にG1馬がいる良血に加え、相性のいい Sir Tristram と Sovereign Path を持っていることが強調材料として挙げられます。オーストラリア産の名スプリンターは、サイレントウィットネスやテイクオーバーターゲットにしてもそうですが、スプリンター血統ばかりを掻き集めて誕生しているわけではなく、スタミナ血統がやや多すぎるのではと思うくらいしっかり入っています。ロケットマンの場合でいえば、Quest for Fame、McGinty、Tamerlane、Ribot など。おそらくこれがスピードを持続させるスタミナとして作用しているのでしょう。

通算21戦17勝(2着4回)という成績は圧巻の一語。スタートは抜群に速いので出遅れて包まれる危険性はありません。遠征慣れしており、どんな環境・条件でも勝ち負けに持ち込む安定性は大きなセールスポイントです。金曜日、中山競馬場のダート(良)で上がり3ハロン35秒9(ラスト1ハロン11秒5)という時計を出しました。強烈としかいいようがありません。

唯一の死角は切れる脚を使えないこと。ワンペースでじりじりと伸びるタイプなので、スローペースで極端に上がりが速くなったときには不安があります。ただ、平年並みの速い流れになれば、バテることを知らない馬なのでスピードの持続力でねじ伏せてしまうでしょう。

2011年8月13日 (土)

兵庫のオオエライジンが大井の黒潮盃出走

8月16日(火)に大井競馬場で黒潮盃(SII・ダ1800m)が行われます。98年までは羽田盃トライアルとして4月に行われていましたが、翌年から8月に移動し、04年からは全国交流競走に生まれ変わりました。中央馬の出走権はなく、地方競馬のみの交流重賞です。

今年の注目馬は兵庫から遠征してくるオオエライジン(父キングヘイロー)。ここまで7戦全勝という成績です。2月26日のエントリー「ボールドスマッシュ2勝目」で一度取り上げたことがあります。当時は5戦全勝でしたが、その後、一般戦を勝ち、大一番の兵庫ダービーでは宿敵ホクセツサンデーに7馬身差をつけて悠々と逃げ切りを収めました。兵庫ダービーの前には右前肢の骨膜炎で3ヵ月のブランクがあったのですが、力の違いを見せつけました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/02/post-cfc1.html

前記のエントリーからオオエライジンの血統解説を転載します。

「2代母フシミラッキーは道営の北海優駿を制した名牝。父がキングヘイローで母方にブレイヴェストローマンを持つのでキクノアロー(ダイオライト記念)と似ている。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102256/

04年以降の7年間で、南関東以外の馬が勝ったのは07年のマルヨフェニックス(笠松)のみ。JRAにマルカフェニックスという馬がいますが、もちろん別馬です。マルヨはそれ以前に園田に遠征したり、黒潮盃の前には大井のジャパンダートダービーを使うなど遠征慣れしていました。

オオエライジンの場合、デビュー以来一度も園田から出たことがありません。長距離輸送も初めてなら、園田以外の競馬場に滞在した経験もなし。マルヨフェニックスと違うのはこの点です。

また、前走後順調さを欠いたことも気になります。7月13日のジャパンダートダービーを登録だけにとどめ、7月19日の地元戦に出走するはずだったのですが、熱発で除外となるアクシデント。それからまだ1ヵ月も経っていないので、ベストコンディションで臨めるかどうか微妙なところです。

逆にいえば、これだけの逆風を克服すれば、オオエライジンはかなりの大物ということになります。どんな走りを見せてくれるのか興味津々です。

迎え撃つ大井勢の1頭、ラカンパーナ(東京プリンセス-3着、東京2歳優駿牝馬-4着)は、先日のテイエム牧場門別育成場の火災で死亡したテイエムサンサンの半姉。ここは弔い合戦となります。

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2011年7月30日 (土)

九州産馬限定の新馬戦はロドリゴデトリアーノ産駒だらけ

夏の小倉開幕週には、恒例の九州産馬限定の新馬戦(芝1200m)が組まれています。

九州は馬産の規模が小さく、種牡馬の選択肢も少ないため、出走馬の父が極端に偏る傾向があります。90年代は出走馬の半分がシンウルフ産駒ということがありました。ここ数年はサイレントハンター産駒が目立っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1979106304/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993104485/

そして今年はロドリゴデトリアーノ産駒。土曜小倉5Rの新馬戦に出走する18頭のうち7頭が同産駒です。

日本軽種馬協会に所属する種牡馬は、国内にあるいくつかの種馬場を旅芸人のように渡っています。08年にロドリゴデトリアーノは九州種馬場で仕事に励みました。そのときの種付けで誕生した産駒が現2歳馬です。ロドリゴデトリアーノといえばエリモエクセル(オークスなど重賞4勝)やスーパーホーネット(毎日王冠など重賞4勝)の父。すでに高齢ですが配合さえ合えば一流馬を送り出せる種牡馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000d71/

ひとつのレースに同一種牡馬の子がこれだけ多いと、血統予想がしづらい面はたしかにあります。それ以前に、九州産馬は実力のバラつきが大きいので、稽古で好時計を出した馬が素直に走る傾向が見られます。今年もそのとおりに決まるかもしれません。しかし、それに流されてはいけないので、あくまでも配合にこだわった予想をしてみたいですね。

00年以降、九州産馬でJRAの平地重賞を制したのはテイエムチュラサン(アイビスサマーダッシュ)のみ。今年の2歳世代にはロドリゴデトリアーノという心強い援軍が来たので、大物が隠れている可能性もあると思います。

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2011年7月16日 (土)

サンデーの血が通用しないアイビスサマーダッシュ

JRA最短距離重賞であり、なおかつ直線コースで行われる唯一の重賞であるアイビスサマーダッシュ(G3・新潟芝1000m)。昨年までの過去10回、延べ20頭の連対馬のなかで、サンデーサイレンスの血を含んだ馬は1頭もいません。サイアーラインだけではなく母方に入った馬も皆無です。

わずか20年弱で日本血統を完全に塗り替えた感のあるサンデーサイレンスが、なぜこの重賞だけ攻略できないのかといえば、言うまでもなくレース条件が特殊だからです。

スタートから全力で突っ走る、というレースに求められるのは、ダッシュ力やスピードの持続力であり、溜めて切れるというサンデーの持ち味ではありません。

今回、サンデーの血が入っている馬は以下の6頭。

1番 バイラオーラ(母の父SS)
4番 アイアムマリリン(2代父SS)
5番 サアドウゾ(2代父SS)
8番 マヤノロシュニ(2代父SS)
9番 セブンシークィーン(母の父SS)
10番 ストロングポイント(母の父SS)

内枠の馬が多いので、まとめてバッサリ切ってしまうのもひとつのやり方でしょう。ただ、個人的にはそろそろ連絡みする馬が出てきてもいいころではないか、と考えています。

母の父にサンデーを持つバイラオーラ、セブンシークィーン、ストロングポイントは、いずれもフォーティナイナー系の父を持っています。やはりここに出走してくる馬は、直線1000mで好走するための特徴を備えた血統であることが分かります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102828/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101515/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102163/

サンデーサイレンスの父系から誕生した残りの3頭、アイアムマリリン、サアドウゾ、マヤノロシュニの父は、それぞれマンハッタンカフェ、ゴールドアリュール、マンハッタンカフェ。

2頭出しのマンハッタンカフェは、短距離に強いジョーカプチーノやアーバニティの父でもあります。フジキセキに似てサンデー系にしては短距離重賞で買えるタイプです。一方、ゴールドアリュールは周知のとおりダートに強いのですが、緩急や柔軟性よりもスピードの持続力が求められるこのレースは、一本調子のダート血統が案外頑張っているという傾向が見られます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103030/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101135/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104486/

以上の6頭はこのレースに向いた資質を備えています。サンデーの血を持つ馬は連対できない、という法則が破られるのは時間の問題であり、それが今年である可能性も十分あると思います。

2011年6月25日 (土)

女王陛下の Carlton House(後)

Carlton House の父 Street Cry は、ゴドルフィンの持ち馬としてドバイワールドC(首G1・ダート10f)を制しました。母は愛オークス馬 Helen Street、自身の全姉の子に Shamardal がいるという良血。種牡馬としても Zenyatta、Street Sense など多数の一流馬を送り出し、大成功を収めています。Mr.Prospector 系ではありますが、母方の影響でスタミナと底力が強化されています。

Carlton House 自身の配合的ポイントはふたつあります。ひとつは、Riverman≒Mill Reef 4×3。

     ┌ Never Bend
Riverman ┤   ┌ Princequillo
     │ ┌○┤ ┌ Count Fleet
     └○┘ └○┘

     ┌ Never Bend
Mill Reef ┤ ┌ Princequillo
     └○┤ ┌ Count Fleet
       └○┘

これは定番ですね。

もうひとつは、ヴィクトワールピサと配合構成が似ていること。
http://www.pedigreequery.com/carlton+house2
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/

             ┌ Machiavellian
           ┌○┤
           │ └○┐
Carlton House ――――┤   └○┐
           │     └ Boulevard
           │ ┌ Bustino
           └○┘

           ┌○┐
           │ └○┐
ヴィクトワールピサ ―┤   └○┐
           │     └ Boulevard
           │ ┌ Machiavellian
           └○┤ ┌ Bustino
             └○┘

ヴィクトワールピサは Boulevard≒Sans Le Sou 4×5ですが、配合的な骨格が似ている Carlton House は、同じクロスを4×4で持っています。Sans Le Sou は Busted の母です。
http://www.pedigreequery.com/boulevard
http://www.pedigreequery.com/sans+le+sou

           ┌ Fair Trial
         ┌○┘
       ┌○┤ ┌ Portlaw
Boulevard ――┤ └○┘
       │ ┌ Wild Risk
       └○┘

         ┌ Wild Risk
       ┌○┘ ┌ Fair Trial
Sans Le Sou ―┤ ┌○┘
       └○┤ ┌ Portlaw
         └○┘

Sans Le Sou は、母 Talented の血統構成において重要な役割を果たしています。High Top の母 Camenae がまったく同じ「ヴィミー×Court Martial」なので、Sans Le Sou≒Camenae 3×4という組み合わせのクロスを形成しています。

       ┌ ヴィミー
Sans Le Sou ―┤ ┌ Court Martial
       └○┘

       ┌ ヴィミー
Camenae ―――┤ ┌ Court Martial
       └○┘

このあたりは望田潤さんが少し前にブログで指摘されています。5月3日のエントリー「デインヒル丸出しで突進する Frankel」の後半部分をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/3c5467a2d494f1e743f89dd41debfe55

「組み合わせのクロス」については笠雄二郎さんの『血統論』に詳述されています。ビギナーの方にも分かりやすく配合パターンや血統用語などを解説した好著ですので、ぜひ1冊お手元に置かれることをお勧めいたします。
http://www.miesque.com/c00001.html

母 Talented において配合上のキーポイントとなっている Sans Le Sou を、父方の Boulevard によってさらに強化しているのですから、Carlton House は配合的によく出来ています。

ヴィクトワールピサと Carlton House は、使っている血も配合のポイントもよく似ています。ちなみに、ネオユニヴァース産駒のダービー馬ロジユニヴァースも、ヴィクトワールピサと同じく母方に Machiavellian と Busted(6代目)を持っています。配合のポイントは同じです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103140/

Carlton House とヴィクトワールピサは、両者このまま順調にいけば凱旋門賞で対決が実現するでしょう。もちろん、Carlton House は愛ダービーで負けているようでは凱旋門賞出走はおぼつかないので、ここはスッキリ勝ってほしいところです。

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2011年6月24日 (金)

女王陛下の Carlton House(前)

宝塚記念の当日夜、アイルランドのカラ競馬場では愛ダービー(G1・芝12f)が行われます。

1番人気に推されているのはエリザベス女王の所有馬 Carlton House(父 Street Cry)。ブックメーカー各社の単勝オッズは2.5倍前後です。周知のとおり、アイルランドとイギリスとの間には、長年にわたる政治的な問題が横たわっているのですが、先月、エリザベス女王はイギリスの君主として100年ぶりにアイルランドを訪問しました。その雪解けムードを加速させる遠征となりそうです。ただし、テロには十分気を付けてほしいものです。

前走の英ダービーは、直前になって左前肢に不安が出たことと、レース中の落鉄が響きました。個人的にはいちばん応援していた馬なので3着という結果は残念でした。
http://www.pedigreequery.com/carlton+house2

とにかく配合が綺麗ですね。母 Talented は「Bustino×Mill Reef」。これだけで惚れてしまいます。Busted(Bustino の父)と Mill Reef は、70~80年代にイギリスで繋養された最高クラスの種牡馬です。相性も悪くなかったため、この組み合わせはしばしば目にします。英ダービーを勝った Reference Point(84年生)と Shaamit(93年生)は、配合構成がきわめてよく似ているのですが、その中核を成しているのが Busted と Mill Reef です。
http://www.pedigreequery.com/reference+point
http://www.pedigreequery.com/shaamit

        ┌ Mill Reef
Reference Point ┤ ┌ Habitat
        └○┤ ┌ Busted
          └○┘

          ┌ Busted
        ┌○┘
Shaamit ――――┤ ┌ Habitat
        └○┤ ┌ Mill Reef
          └○┘

このほか、Talented と逆配合の「Mill Reef×Bustino」には、サンタラリ賞(仏G1)を勝ち凱旋門賞(G1)でも2着となった名牝 Behera がいます。同馬は昨年のパリ大賞典(仏G1)の勝ち馬 Behkabad の2代母となりました。(続く)
http://www.pedigreequery.com/behkabad

2011年6月18日 (土)

新馬戦開幕日は新種牡馬に注目

出馬投票が行われるのは毎週木曜日。その日の夕方4時台には「TARGET frontier JV」で出走馬を確認することができます。

3月半ばから3ヵ月間は新馬戦がないのですが、ようやく今週から新たなステージが始まります。木曜日の夜に新馬戦出走馬の配合をチェックする生活が戻ってくると、なんとなくホッとするというか、また楽しい1年が始まるという高揚感で身が引き締まります。栗山求の新馬戦予想は「ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト」で見ることができます。
http://www.blood-b.com/

例年に比べて今年は、物凄い調教タイムを叩き出した馬もなく、いつになく穏やかな滑り出しという印象ですね。新馬戦開幕日はなぜか新種牡馬の子が毎年活躍しています。新馬戦が3場同時開幕となった02年以降の9年間で、新種牡馬の子が勝てなかった年はわずか2回しかありません。昨年は3レース中2レースを新種牡馬の子が制しました(スニッツェルとスズカマンボ産駒)。

今年は以下の新種牡馬4頭が計5頭の産駒を開幕日に走らせます。

・ケイムホーム(2頭)
   サンレイホーム(函館5R)
   フランスギャル(中山5R)
・スタチューオブリバティ
   スリーリバティ(中山5R)
・フォーティナイナーズサン
   ハルピュイア(中山5R)
・アサクサデンエン
   ビゼンファイト(阪神5R)

函館5R(芝1000m)に出走するサンレイホームにはそこそこ印がついていますが、それ以外はほとんど真っ白です。これで勝ったら「新馬戦開幕日は新種牡馬の子が強い」というジンクスはかなり強力なものになります。

開幕週の注目レースといえば、毎年大物がデビューすることで知られる阪神の芝マイル戦。日曜日の第5Rに組まれています。ここには新種牡馬ダイワメジャーの子が2頭スタンバイ(エピセアローム、ダローネガ)。今年の新種牡馬戦線の大本命馬ですから、産駒がどんなレースを見せてくれるのか興味津々です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106383/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106109/

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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2011年6月14日 (火)

セントジェームズパレスS展望

同じ3歳のリアルインパクトが安田記念を制し、グランプリボスのイギリス遠征がいっそう盛り上がってきました。海外遠征、とくに欧米などの遠隔地で戦う場合は、馬場やレーススタイルが違う上に、対戦する馬との力量比較がつかず、体調維持も難しいわけですから、負けてもともとです。

今回出走するセントジェームズパレスS(英G1・芝8f)には Frankel という怪物が出走します。当ブログでは過去のエントリーでたびたび取り上げているのでご参照くさだい。

★Frankel 今季緒戦を快勝(4月17日)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/04/frankel-b005.html
★衝撃! Frankel が英2000ギニーを6馬身差圧勝(5月1日)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/05/frankel-0437.html
★活躍馬が続出する「Galileo×デインヒル」(5月26日)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/05/galileo-d5ba.html

死角は折り合いだけ。といっても前走の英2000ギニーは、ペースメーカーを追い越して暴走したにもかかわらず6馬身差圧勝です。今後のことを考えて今回はペースメーカー役の Rerouted を先に行かせ、なんとしても抑える競馬を試みるでしょう。折り合いがつけば敵はないと思います。もし仮に前走で暴走癖がついてしまい、アンコントローラブルとなった場合にのみ付け入る隙が出てきます。

それを衝く筆頭候補は Excelebration でしょう。現在ブックメーカー各社のオッズでは2番人気となっています。休み明けの前々走グリーナムS(英G3・芝7f)は Frankel から4馬身差の2着。着差は大きいのですが競馬にはなっています。3着以下はさらに6馬身離されています。
http://www.youtube.com/watch?v=1nptRQkCaYk

前走の独2000ギニー(G2・芝1600m)は7馬身差で圧勝。ゴール前の決め手は強烈です。走りっぷりを見るとグリーナムSより重心が下がり、首の使い方もよくなって、明らかにフットワークが変わっていました。相手が弱かったのは確かですが、ハマれば一発があっても不思議はないという気にさせられます。
http://www.youtube.com/watch?v=l0S2KwXTPiE

父 Exceed and Excel はオーストラリア産馬。現役時代にドバイレーシングクラブC(豪G1・芝1400m)、ニューマーケットH(豪G1・芝1200m)を含めて12戦7勝。オーストラリアの芝短距離のレベルは世界一なので、この実績は信頼できます。堅い馬場で決め手が活きる展開になればあるいは……といったところです。
http://www.pedigreequery.com/excelebration

ちなみに Exceed and Excel 産駒は、2歳世代に現時点で2頭登録があり、そのうちの1頭エクセルシオール(美浦・池上昌弘厩舎)は今週土曜日の中山新馬戦(芝1200m)でデビューします。モハメド殿下の所有馬で、母メイビーフォーエヴァーはサンジョルジュ賞(仏G3・芝1000m)の勝ち馬。それなりの血統背景を持っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102680/

グランプリボスにとって懸念材料は馬場状態。12日(日)にロンドンでは8ミリの雨が降りました。13日は天候が回復し、レース当日の14日もおおむね晴れるだろうという予報です。同じくロンドン近郊に位置するウインザー競馬場は、現時点(13日の第1レース)で稍良(Good)、ところにより稍重(Good to soft)という状態です。14日まで晴れ続けるとするなら、稍良か、うまくいけば良(Good to firm)まで回復するかもしれません。

もとより日本に比べてタフな馬場ですから、水を含んでスタミナが要求されるとさらにハードルが高くなります。なるべく乾いてほしいところです。冒頭に記したように負けてもともと。チャレンジャーですから失うものなどありません。現在、ブックメーカー各社のオッズは9頭中6番人気ぐらい。存分に暴れてきてほしいですね。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!