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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年2月 1日 (火)

ダンスファンタジアと配合構成が似ているフォーエバーマーク

先週は3歳の素質馬・注目馬がたくさん勝ち上がったので、サクサクと回顧していきたいと思います。正月の1開催目とは違い、勝ち馬のレベルがグンと上がったような気がしますね。弥生賞、チューリップ賞まであと1ヵ月。頂点を目指す馬はこのあたりで何とかしないと黄信号が灯ります。

■土曜京都3Rの未勝利戦(ダ1400m)はアイアムアクトレス(2番人気)が後続を8馬身ちぎりました。
http://www.youtube.com/watch?v=AZLSzi1imQs

アイアムカミノマゴ(阪神牝馬S)の全妹で、新馬戦でマルセリーナ(シンザン記念-3着)の2着ですから、芝適性も問題ないでしょう。

母アイアムザウィナーは、オーナーの堀紘一氏が故大川慶次郎氏と一緒にアメリカのセリへ行って買ってきた馬です。20年ほど前、堀氏がフジテレビの『平成教育委員会』に出演された際、控え室で番組収録を待っていると、大川氏から「馬を買ってみませんか」と誘われたそうです。これが競馬の世界に入るきっかけでした。その後、堀氏のご長男は吉田照哉氏のご長女と結婚されたので、結果的に見ると大川氏の働きかけは非常に大きなものでした。

大川氏と一緒に買ってきたアイアムザウィナーは、競走馬として重賞入着を果たし、繁殖牝馬としても重賞勝ち馬を送り出しました。非常に優秀です。「Danzig 系×Mr.Prospector」ですからコンスタントにスピードを伝える一方、やや一本調子なところがあるので、芝向きの瞬発力に秀でたアグネスタキオンとの配合でも、ダートでは抜群に強く、芝でも1400mあたりがベストになります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102746/

■土曜京都5Rの未勝利戦(芝1800m)はオンリーザブレイヴ(8番人気)が差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=197GfqNzpUk

ディープインパクト産駒で、Burghclere≒Height of Fashion 3×4という大胆な4分の3同血クロスを持ちます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102980/

          ┌ Busted
Burghclere ――――┤
          └ Highclere

            ┌ Busted
          ┌○┘
Hight of Fashion ―┤
          └ Highclere

新馬戦に出走したあとに当ブログでもちょっと触れました。そのときは鈍重そうな走りが印象に残り、前向きな評価はしづらかったのですが、3戦目でびっくりするような変わり身を見せました。上がり最速(34秒3)で突き抜けるシーンは当時のレースぶりからは想像できません。昇級して即通用するかどうかは微妙ですが、Burghclere≒Height of Fashion は晩成型の資質を伝えると思われるので、時間はかかっても着実に昇級していくタイプでしょう。

■土曜京都7Rの3歳500万下(芝1400m)はラトルスネーク(3番人気)が2勝目を挙げました。
http://www.youtube.com/watch?v=9B7HVvkVSv0

周知のとおりこの馬の課題は折り合い。今回はリスボリ騎手がガッチリと押さえ込み、外を回って道中の不利もなく直線で弾けました。スローペースだったので、最後の3ハロンは11秒4-11秒4-11秒2。上位3頭の力が抜けていました。ラトルスネークの配合については11月14日のエントリー「ラトルスネーク新馬戦圧勝」でじっくり解説しています。どうぞご覧くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/post-6a94.html

ディープインパクト産駒のダコール(2番人気)は出遅れも響いて3着。1月19日のエントリー「ディープインパクト産駒の買いどころは基本的にマイル以上」で述べたように、やはり1400mは忙しいですね。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/01/post-35da.html

さらには内回りも厳しかったと思います。ディープインパクト産駒は直線の長いコースが合っています。もっとも、この時期は番組の選択肢が少ないので、それを分かっていても使わざるを得ないのですが……。今回は不利な条件を克服して勝てるほど相手が弱くありませんでした。距離が延びればまた違った結果が出るでしょう。私は新馬戦でも東京スポーツ杯2歳S(G3)でも◎を打っており、この馬を高く買っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104798/

■土曜東京9RのクロッカスS(OP・芝1400m)はフォーエバーマークが逃げ切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=Yrg-Qy2hyOI

3歳世代のファルブラヴ産駒は豊作で、本馬のほかにフェアリーS(G3)を勝ったダンスファンタジアが出ています。この2頭は配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103048/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102910/

         ┌ファルブラヴ
フォーエバーマーク┤ ┌ダンスインザダーク(=ダンスインザムード)
         └○┘

         ┌ファルブラヴ
ダンスファンタジア┤
         └ダンスインザムード(=ダンスインザダーク)

フォーエバーマークの母の父ダンスインザダークと、ダンスファンタジアの母ダンスインザムードは全兄妹です。

ファルブラヴは Nijinsky と相性が良好。前記の2頭には Nijinsky が含まれています。ファルブラヴは Menow の全妹 Lithe を持ち、Nijinsky は Menow を抱えています。つまり、Nijinsky が母方に入るファルブラヴ産駒には、Lithe=Menow という全きょうだいクロスが生じます。これが好相性のひとつの鍵だと思われます。

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ダンスファンタジアと配合構成が似ているフォーエバーマークを参照しているブログ:

コメント

ルルーシュの勝った500万戦についても見解をお聞きしたかったです!

了解しました! 次の次のエントリーになるかと思います。先週は取り上げたい馬が目白押しで、3歳戦回顧は3回に分ける予定です。よろしくお願いします。

記事拝見しました!弥生賞がますます楽しみになりました。栗山さんのブログは説得力がすごく、競馬の楽しみ方が広がります!これからもぜひ読ませていただきます。

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