根岸Sはセイクリムズン
根岸S(G3・ダ1400m)は○セイクリムズン(2番人気)と◎ダノンカモン(3番人気)の一騎打ち。いい競馬でした。両者の能力はハイレベルで拮抗しており、レース前はどちらの実力が上なのか正直よく分かりませんでした。1キロ重いセイクリムズンがねじ伏せたことで、現時点での決着はつきました。
http://www.youtube.com/watch?v=Lk0ouelEU3o
予想は○◎で馬連640円を本線的中。本命に推したダノンカモンは流れに乗って最高の競馬ができたと思います。騎乗した三浦皇成騎手は土曜日から好プレーが目立っていましたね。馬券にならなかったレースでも人気薄を上位に持ってくるシーンが目に付きました。
勝ったセイクリムズンは重賞連勝。父エイシンサンディは「サンデーサイレンス×ノーザリー」という気性面に危うさを感じさせる血統。母の父サウスアトランティックも同様です。中長距離を我慢強く走れる血統ではないので、短距離が合っているのでしょう。半兄にOPクラスまで出世したマイネルナポレオン、半姉に重賞で入着したセイントリーフがいます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006100106/
話は横道にそれるのですが、かつて道営競馬にテツセンスーパー(87年生・父ラインゴールド)という名馬がいました。脚を痛めたため輝いた時期はほんのわずかだったのですが、北海道3才優駿を9馬身差で圧勝するなど素晴らしい能力を披露しました。ちなみに、このとき大差の3着に負かしたアウトランセイコーは翌年春、南関東で二冠(羽田盃、東京ダービー)を制しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1987103432/
テツセンスーパーの母トウフクテツセンと、セイクリムズンの3代母ヤマトテツセンは配合構成がよく似ています。
┌ ヒンドスタン
┌○┘
トウフクテツセン ―┤ ┌ ムーティエ
└○┤ ┌ ライジングフレーム
└○┘
┌ ムーティエ
ヤマトテツセン ――┤ ┌ ヒンドスタン
└○┤ ┌ ライジングフレーム
└○┘
このあたりから生じた高いダート適性は、セイクリムズンにも脈々と流れているような気がします。母スダリーフは、Nasrullah と Prince Rose から成る Mill Reef、Natashka、ムーティエを近い世代に持つので、本馬が持つムーティエのクロスによって、これらを継続する形になるのはいいと思います。もっとも、全体的にファッショナブルな血とはいえないので、泥臭い叩き上げのダート馬になってしまうのは致し方ありません。配合的には好きですが、POGで指名できるかと問われれば、う~ん、無理でしょう(笑)。