チャイナマネーと競馬(前)
1月4日に共同通信が配信したニュース記事に興味をそそられました。引用します。
…………………………………………………………
「マカオのカジノ収入過去最高 1兆9千億円」
【香港共同】マカオのカジノ監督当局は4日までに、2010年のマカオのカジノ総収入は前年比58%増で過去最高となる1883億パタカ(約1兆9300億円)となったと発表した。香港紙、蘋果日報は米ラスベガスのカジノ収入の約4倍だとしている。
マカオのカジノは政府税収の大半を占める主力産業。カジノ収入は06年にラスベガスを抜いて世界一となり、その後も毎年10~40%台の高成長が続いている。中国大陸からの富裕な観光客が収入の伸びに貢献しているとみられる。
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011010401000777.html
…………………………………………………………
ラスベガスの4倍という売り上げもさることながら、伸び率が凄まじいですね。2010年のJRAの総売り上げは2兆4275億円ですから、まだ勝ってはいるものの、マカオの売り上げ増加率とJRAの減少率から考えると、今年はおそらく逆転するでしょう。記事にもあるとおり、この原動力は中国大陸から流入する富裕層のパワーです。
現在の中国は、バブルのまっただなかにあり、表向きの華やかさとは裏腹に、中国政府が経済政策の舵取りに苦慮(苦悶?)していることが見て取れます。ほとんど綱渡りのような危うさといっていいと思います。したがって、この好況がいつまで続くかは分かりません。
ただ、そうした懸念はとりあえず脇に置き、現在の好況を享受する富裕層の存在に着目すれば、彼らが握るチャイナマネーを取り込むことはどのビジネスにとっても大きなチャンスです。
たとえば、銀座の松坂屋前は観光バスが停まるポイントでもあるのですが、最近は中国からの団体客が激増し、ここで降りた中国人観光客がそのまま松坂屋に吸い込まれていく光景を目にします。驚くべきは店員の語学力。どの売り場の店員も流暢に中国語を話すのです。中国人の富裕層を取り込むための企業努力がそこにあります。(続く)