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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年1月 9日 (日)

ターゲットマシン視界良好

土曜中山の寒竹賞(3歳500万下・芝2000m)はターゲットマシン(2番人気)が豪快に抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=V4ilqgrHIYo

鞍上の田中勝春騎手は、ゴールを駆け抜けたあと、こぼれる笑いを抑えきれないといった表情でしたね。たぶんクラシックの皮算用でもしていたのでしょう(笑)。大出遅れをものともせず差し切った初戦は、モノの違いを強烈に印象づけるものでした。今回は上手にゲートを出て好位でレースを進めるという常識にかかる内容。坂を上がってからの迫力ある伸びに一瞬父の姿がダブりました。

母ハンターズマークはキングカメハメハの半姉。母の父 Titus Livius は「Machiavellian×Be My Guest×Mill Reef」ですから、血統的には中距離を走ってもおかしくないのですが、現役時代はスプリンターとして活躍しました。ディープインパクト産駒は、母の父がスプリンターであっても無理なく消化してしまい、フットワークの鋭さに転化してしまうという懐の深さがあります。たとえばドナウブルーなどもそうです。スプリンターは往々にしてガッチリとした体型で筋力があり、回転の速いフットワークを伝えます。小柄でしなやかでトビが大きいディープインパクトに足りない要素です。スプリンターとの組み合わせは足りないものを補完できるのでしょう。ターゲットマシン自身は中距離タイプ。マンファスの牝系はやはり侮れない活力を伝えます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102935/

「栗山ノート」のディープインパクトの項では、トライマイベスト(=El Gran Senor)-ラストタイクーンのラインを持つ馬を3頭取ってみたのですが、ターゲットマシンは取り逃しました。Titus Livius がどうなのかという気持ちがありました。母方にラストタイクーンを持つ馬で最も期待を掛けていたレッドディアーナ(母ケイウーマン)は、どうやら肺の感染症で死んでしまったようです。馬体も配合も素晴らしく、間違いなく大物だったと思います。合掌。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105563/

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ターゲットマシン視界良好を参照しているブログ:

コメント

寒竹賞を勝ったターゲットマシンについては、栗山さんのブログ記事「ラストタイクーンと Mill Reef クロス」がたいへん参考になりました。
ローズキングダムとサンテミリオンの配合構成が似ているという指摘は、父親の系統が違うので全く気付かなかっただけに、目からウロコでした。
この記事の印象が強かったので、ディープの初年度産駒にキングカメハメハの妹と甥が顔を揃えた時、甥のターゲットマシンのほうに強く惹きつけられたのです。
つまり、サンテミリオンよりも、さらにローズキングダムに配合が近いのではないかと考えたわけです。
キングカメハメハとターゲットマシンの母ハンターズマークは、マンファス×ミスプロ系種牡馬(キングマンボとティトゥスリウィウス)の姉弟というだけでなく、キングマンボとティトゥスリウィウスのBMSも構成の近いヌレイエフとビーマイゲストです。
また、ディープとローズキングダムの母ローズバドには、サンデーとリファールが共通しています。ローズバドにはディープに無いミルリーフの血がありますが、そのぶんティトゥスリウィウスのほうにミルリーフがあるので、帳尻はあっています。
一方、ディープの持つヘイロー≒サーアイヴァーの相似クロスを継続している点は、ローズキングダムやサンテミリオンには無いターゲットマシンの特徴になります。
ヘイロー≒サーアイヴァーの継続の重要性は、栗山さんが繰り返し強調されてきましたが、初年度からダノンバラードやターゲットマシンが出て、これから更に注目されそうですね。
ちょっと気になったのは、「ラストタイクーンと Mill Reef クロス」の場合、ラトロワンヌの血が濃厚に入りますが、ダノンバラードにもやたらにラトロワンヌの血があることです。
ターゲットマシンがどこまでローズキングダムに近づけるかは分かりませんが、これからも注目していきたいと思います。

レッドディアーナは、肺炎が重症らしく心配していましたが、残念です。
母ケイウーマンというと、マチカネキララが思い出されます。POG本の馬体写真で一目ぼれしましたが、重賞には手が届きませんでした。
レッドディアーナには、1歳下の全弟がいますが、姉のぶんまで頑張ってほしいと思います。

追伸
キングカメハメハの妹マギストラのほうは、「栗山ノート」でも取り上げられ、各種POG本に掲載された馬体写真もほれぼれするような美しさですが、飼い葉喰いが悪く調教を積むと馬体重が減ってしまう体質の弱さで休養を余儀なくされています。これだけの血統ですから、このまま繁殖にあげることもありうるのでしょうが、本来はどのくらいの素質があったのか知りたい気もします。
マギストラほど重症ではありませんが、ハーツクライの近親のレッドセインツも、馬体重が減る体質に悩まされているようです。
ラジオNIKKEI杯では、馬体重を大きく減らして惨敗しましたが、勝ったダノンバラードとは京都2歳Sで接戦したように、能力的にそれほど大きな差は無いはずです。
レッドセインツの理想体重は、現状では430キロ台半ばくらいと推測されますが、しっかり調教を積んだ上でその馬体重が維持できれば、素質が開花してくるのではないでしょうか。
逆に、ラジオNIKKEI杯のような420キロかつかつの馬体重では、大きな飛躍は望めなさそうです。牝馬のマギストラと違って繁殖にあがる逃げ道はありませんので、なんとか体質強化をと期待しています。

toku 様はターゲットマシンをお持ちですか。お見事です。私の書いた記事というのはこれですね。

ラストタイクーンと Mill Reef クロス
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/03/mill-reef-bde6.html

読んでみてなかなかいいこと書いてるなぁ~と思いました(笑)。いや、もちろん冗談ですが、これを馬選びに応用してターゲットマシンを取れなかった自分が不甲斐ないです。Titus Livius 云々といった瑣末なところにこだわっている場合ではなかったですね。ローズキングダムとターゲットマシンの共通性はまさに toku 様のおっしゃるとおりで、やられたという感じです。ターゲットマシンをプッシュする気持ちが五割増しぐらいになりました^^

Halo≒Sir Ivor や La Troienne の効果については、引き続き競馬を見ながら考えていきたいところです。そういえばシンザン記念3着のマルセリーナにもラストタイクーンがありましたね。

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