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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年1月11日 (火)

フェアリーSはダンスファンタジア

暮れの阪神ジュベナイルフィリーズでは引っ掛かって惨敗した▲ダンスファンタジア(1番人気)が、前に馬を置いてしっかりと折り合い、直線で楽々と抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=hRvJZ4tZa6I

前走はレース前からテンションが高かったのですが、今回はそんなところを見せず落ち着いていました。5ハロン通過が57秒1というハイペースも良かったのでしょう。

昨年のフェアリーSは、5ハロン通過が56秒8とさらに速かったのですが、これはカホマックスが大逃げを打って記録したものなので、後続馬群はそれほどのハイペースではありませんでした。今年は後続馬群が付いてきていたので、どの馬にとっても厳しいラップだったと思います。その流れのなか、他馬とは1頭だけ違う手応えで完勝したのですから、地力の違いは歴然としていました。優れたハイペース耐性はクラシックの厳しい流れでも活きるでしょう。『赤本』のクロスレビューでは、「父の関係で一定の限界があるかもしれないが、配合は良好なのでG3ぐらいなら獲れるかも」と論評しました。今回のレースぶりを見るともう少し上を狙えそうですね。

この流れを作り出した◎イングリッド(3番人気)は、出負けしたあと引っ掛かり、途中で横山典弘騎手が抑えるのを諦めて行かせました。ちょうど、阪神ジュベナイルフィリーズのダンスファンタジアのようなレースでしたね。直線では勝負そのものを諦めて追うのを止めました。参考外のレースです。

シンザン記念で引っ掛かったドナウブルーと今回のイングリッドはいずれもディープインパクト産駒。牝の同産駒は気性的に難しいところが出やすいのでしょうか?

ダンスファンタジアの母ダンスインザムードは、桜花賞(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)などを勝った名牝で、繁殖牝馬としてもいきなりこれですから、かなりの器であるのは間違いないでしょう。現2歳はシンボリクリスエスの牡、現1歳はチチカステナンゴの牡。いずれの父もPOGでは指名しづらいのですが、それなりの評価は当然必要でしょうね。

勝ったダンスファンタジアも、2着△スピードリッパー(7番人気)も、「ファルブラヴ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。後者はポップロックの半妹ですから、1、2着馬ともにポテンシャルの高いファミリーから誕生しています。「ファルブラヴ×サンデーサイレンス」は中山適性が低い、という特徴があるため、積極的に買いたい気分にはなれなかったのですが、一般的な傾向に過ぎないデータを重視するあまり、個々の器を軽視してしまったのは失敗でした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102910/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103322/

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コメント

シンザン記念のドナウブルー、フェアリーSのイングリッドと、たて続けの暴走を見て少し驚きました。これまでのディープ産駒には、サンデーの狂気の側面を見せる産駒がほとんどいませんでしたから。
しかし、ここにきて牝馬のドナウブルーやイングリッドだけでなく、牡馬でもコティリオンのように気難しさを見せる例が出てきています。
ドナウブルー、イングリッド、コティリオンに共通するのは、新馬戦では非常にスムースなレース振りだったということです。
考えられるのは、サンデー産駒に較べて、ディープ産駒のほうがやや成長が遅めだということでしょうか。まだ子供っぽさの残るうちは調教師や騎手の言うことを素直にきいていますが、成長するにつれ自己主張が目覚めてくるのかもしれません。
ただ、個人的には、サンデーの狂気が伝わるのは、むしろ良いことだと思っています。サンデーの狂気は、サイレンススズカの例が代表的ですが、サンデー産駒の強さの源泉の1つだと思うからです。
それに、サンデー産駒の場合、年々暴走する馬が減っていったような印象があります。これは、気性の悪い馬が減ったわけではなく、育成や調教におけるサンデー産駒の気性対策が確立していったためでしょう。
ディープ産駒の場合も、いずれは仕上げ方のパターンなどが整えられていくのではないでしょうか。初年度産駒は手探り状態でしょうが、ダンスファンタジアの阪神JFでの暴走とフェアリーSでの復活を見ても、今のうちに粗相をしておけば、厩舎サイドも対策をうつ時間が充分あると思います。

周知のとおりディープインパクト自身はおとなしく、猛々しいところのまったくない馬でした。産駒もおとなしいものが多いという声が厩舎から聞こえてきます。それが先週、重賞で折り合いを欠いて有力馬2頭が敗れ去ったのですから意外でした。どこでスイッチが入るのかは個々の馬によると思いますが、テンションが上がるとこういうことになりやすい、という危険性が共有されれば、これからはそれを念頭に置いて各産駒の調整が行われ、今回のようなアクシデントは減るでしょう。休み明けとか、連戦時とか、大レースでギリギリ仕上げたときとか、このへんは今後も注意したほうがよさそうですね。ちなみに、松田国英調教師は各種牡馬ごとの特徴を把握するのが上手いような気がします。

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