ハーツクライ固め打ち
種牡馬に関する先週の話題といえばハーツクライの固め打ちでしょう。野路菊S(OP)のワン・ツー・フィニッシュを含めて〔3・3・0・3〕という成績でした。全盛期のイチローを思わせる猛打ぶりです。
サンデー系種牡馬が初年度にどのような成績を残したか、秋の中央開催2週目終了時点で比べてみます。サンプルが4頭だけなのは、これらがほかのサンデー系種牡馬と比べて別格といえる成績だからです。
勝率 連対率 複勝率(%)
サンデーサイレンス〔13・6・6・6〕 41.9 61.3 80.6
アグネスタキオン 〔13・8・6・24〕 25.5 41.2 52.9
ディープインパクト〔10・5・7・16〕 26.3 39.5 57.9
ハーツクライ 〔9・7・3・11〕 30.0 53.3 63.3
勝率、連対率、複勝率、いずれにおいてもサンデーサイレンスが圧勝しています。これは当然でしょう。サンデーサイレンスがデビューした当時、ライバルとなるサンデー系種牡馬はいなかったのですから。
ハーツクライは各部門でサンデーサイレンスに次ぐ第2位。サンデーを父に持つ種牡馬ではナンバーワン、ということになります。ただ、2歳のこの時期は週によって成績に波があるので、調子のいい週もあれば悪い週もあります。ハーツクライとディープインパクトについては、これから毎週上がったり下がったりするでしょう。この2頭はいずれリーディングサイアーを争う種牡馬になると思います。
ハーツクライはどう考えても早熟タイプではないので、この成績が一過性のものであるとは考えづらいところです。クラシック向きのスタミナ、底力も持ち合わせているでしょう。
どの距離でもまんべんなく走るところがセールスポイントなのですが、とくに芝1800mでは〔5・2・1・4〕で連対率58.3%。この距離では逆らえません。ウインバリアシオンが楽勝した野路菊S(芝1800m)を見ると、2400mではさらに強いのではないかというイメージが湧いてきます。
いまのところ“母に Northern Dancer の強いクロスを持つ馬”が目立ちます。ウインバリアシオンは2×4。マリアビスティーは2×4。メイショウナルトは3×4。そして、全体的にちょっと硬いかなと思うような血統のほうがいいですね。こうした特長はマンハッタンカフェとよく似ています。ウインバリアシオンの母は「Storm Bird×Time for a Change」ですから、ちょっと日本向きとはいえないような血統です。それをジャパナイズして走らせてしまう力業は非凡ですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103206/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103221/
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