中山芝2200mで買える血、買えない血
長年馬券を買っている方ならお分かりだと思いますが、中山芝2200mはスタミナが必要です。中山コースではマイラーが芝2000mをカバーできても、芝2200mとなると苦しいですね。ちょうど東京芝2400mと芝2500mのようなもので、距離はたいして違わないけれど必要とされるスタミナには明確な違いがあります。
私が最初に中山芝2200m向きの血統として意識したのは Herbager でした。これはフランスのステイヤー血統で、かの地でリーディングサイアーとなり、のちにアメリカへ渡ってからも成功しました。
日本には70年代にシーホーク、コインドシルバーといった種牡馬が輸入されました。とくにシーホークは優秀で、日本ダービーを勝ったウイナーズサークルとアイネスフウジンのほか、天皇賞・春を勝ったモンテプリンスとモンテファストの兄弟など、多くの活躍馬を送り出しました。
これらの子は中山芝2200mの重賞でよく活躍しました。
80年 セントライト記念① モンテプリンス(父シーホーク)
83年 オールカマー② ビンゴカンタ(父コインドシルバー)
86年 アメリカJCC① スダホーク(父シーホーク)
オールカマー① ジュサブロー(父シーホーク)
〃 ③ テツノカチドキ(父コインドシルバー)
セントライト記念② アサヒエンペラー(父コインドシルバー)
88年 アメリカJCC② キタノイチジョー(父シーホーク)
Herbager 系はスタミナ抜群です。その一方で瞬発力はイマイチ。もしモンテプリンスに切れ味があればダービーをはじめいくつもの大レースをモノにしていたでしょう。アサヒエンペラーなどもジリ脚でしたね。
中山芝2200mを得意とするのはこういう血です。切れ味よりも粘り合いのタフなレースに強いタイプです。
今年のセントライト記念に出走馬を送り込んだ父馬の、中山芝2200mの連対率を並べてみます。
Galileo 66.7%
キングカメハメハ 26.3%
マンハッタンカフェ 24.2%
シンボリクリスエス 25.0%
グラスワンダー 19.2%
サッカーボーイ 17.6%
ダンスインザダーク 14.6%
フレンチデピュティ 14.3%
アグネスタキオン 14.0%
ゼンノロブロイ 出走歴なし
トップの Galileo は出走歴が3回(2連対)しかないのでサンプル不足。ただ、得意としていることは確かでしょう。その下のキングカメハメハ、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエスは胸を張れる成績です。グラスワンダーとサッカーボーイはまずまず。ダンスインザダーク、フレンチデピュティ、アグネスタキオンはイマイチです。とくにアグネスタキオンは全体の連対率が高い種牡馬なので落ち込みが目立ちます。
中山のスタミナ戦では、Sadler's Wells、Roberto、Ribot 系といった血が頼りになるので、それらを持った馬を重く見たいところです。前述の Galileo も Sadler's Wells 系です。
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