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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年9月21日 (火)

ハーツクライ固め打ち

種牡馬に関する先週の話題といえばハーツクライの固め打ちでしょう。野路菊S(OP)のワン・ツー・フィニッシュを含めて〔3・3・0・3〕という成績でした。全盛期のイチローを思わせる猛打ぶりです。

サンデー系種牡馬が初年度にどのような成績を残したか、秋の中央開催2週目終了時点で比べてみます。サンプルが4頭だけなのは、これらがほかのサンデー系種牡馬と比べて別格といえる成績だからです。

                   勝率 連対率 複勝率(%)
サンデーサイレンス〔13・6・6・6〕 41.9  61.3  80.6
アグネスタキオン 〔13・8・6・24〕 25.5  41.2  52.9
ディープインパクト〔10・5・7・16〕 26.3  39.5  57.9
ハーツクライ   〔9・7・3・11〕 30.0  53.3  63.3

勝率、連対率、複勝率、いずれにおいてもサンデーサイレンスが圧勝しています。これは当然でしょう。サンデーサイレンスがデビューした当時、ライバルとなるサンデー系種牡馬はいなかったのですから。

ハーツクライは各部門でサンデーサイレンスに次ぐ第2位。サンデーを父に持つ種牡馬ではナンバーワン、ということになります。ただ、2歳のこの時期は週によって成績に波があるので、調子のいい週もあれば悪い週もあります。ハーツクライとディープインパクトについては、これから毎週上がったり下がったりするでしょう。この2頭はいずれリーディングサイアーを争う種牡馬になると思います。

ハーツクライはどう考えても早熟タイプではないので、この成績が一過性のものであるとは考えづらいところです。クラシック向きのスタミナ、底力も持ち合わせているでしょう。

どの距離でもまんべんなく走るところがセールスポイントなのですが、とくに芝1800mでは〔5・2・1・4〕で連対率58.3%。この距離では逆らえません。ウインバリアシオンが楽勝した野路菊S(芝1800m)を見ると、2400mではさらに強いのではないかというイメージが湧いてきます。

いまのところ“母に Northern Dancer の強いクロスを持つ馬”が目立ちます。ウインバリアシオンは2×4。マリアビスティーは2×4。メイショウナルトは3×4。そして、全体的にちょっと硬いかなと思うような血統のほうがいいですね。こうした特長はマンハッタンカフェとよく似ています。ウインバリアシオンの母は「Storm Bird×Time for a Change」ですから、ちょっと日本向きとはいえないような血統です。それをジャパナイズして走らせてしまう力業は非凡ですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103206/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103221/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101384/

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ハーツクライ固め打ちを参照しているブログ:

コメント

望田さんがNothirdchance≒Revokedについて直近書かれていますが、昨年末既に栗山さんもNothirdchance≒Revokedについて指摘されていたと記憶しております。Revokedという種牡馬はどんな馬だったのでしょうか?宜しくお願いいたします。

Revoked につきましては、昨年12月5日のエントリー(ミカエルビスティーと「Nothirdchance≒Revoked」)や、8月4日のエントリー(夏のローカルはサクラバクシンオーとジャングルポケット)のコメント欄をご参照くださいませ。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2009/12/nothirdchancere.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/08/post-8db1.html

Revoked はアメリカで9戦4勝。2歳時にワシントンパークフューチュリティという重賞を制しています。

Hail to Reason の母の父となった Blue Swords と並び、Blue Larkspur の後継種牡馬として活躍しました。ステークスウィナーの割合が6%ですから大成功というわけではないものの、Furl Sail(米3歳牝馬チャンピオン)、Rejected(サンタアニタH、ハリウッドGC、アメリカンH)といった代表産駒は高い能力を持っていました。
http://www.pedigreequery.com/revoked

Revoked と Blue Swords はいずれも Blue Larkspur を父に持ち、2代母の父が High Time。ちょっと似ていますね。
http://www.pedigreequery.com/blue+swords

ありがとうございました。「ハーツクライはアメリカンなスピードとの組み合わせが必要」との栗山さんの指摘通りの結果で改めてプロの眼の素晴らしさに驚いております。現状ではディープよりもスピード、斬れとも上回っている感じがします。素晴らしい種馬がまた1頭誕生してきて先が非常に楽しみです。

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