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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年6月

2010年6月20日 (日)

日曜阪神4R新馬戦、アヴェンチュラ圧勝

ディープインパクト産駒の一番星として期待を集めた◎シュプリームギフト。幅のないコンパクトな馬体に、スタートの出遅れ。父親そっくりで感慨深いものがあります。残念ながら3着と敗れましたが、初戦としてはまずまずでしょう。今週の阪神は芝足が長く、力のいる粘っこい馬場だったので、捌きが軽くやや非力な印象のあるシュプリームギフトにとって向いている馬場とはいえなかったような気がします。

ディープインパクトは小柄な馬だったので、馬体の逞しさ(≒パワー)を補うことは配合を考える上でひとつのポイントでしょう。総じてアメリカ血統はパワーがあり馬体を大きく出すため、掛け合わせる血として悪くないと思います。シュプリームギフトの場合、母方にアメリカ血統が色濃く流れているのですが、馬体の逞しさを増すという効果においてはイマイチだったようです。阪神よりは京都向きでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103205/

勝った○アヴェンチュラは、フサイチホウオー、トールポピーの全妹にあたるおなじみの血統。パドック映像では、シュプリームギフトとは対照的なその力強い馬体に目が釘付けになりました。育成時代からトップクラスの評価を得ていた馬で、ダイナミックなフットワークで外からマクリ切ったのですからここではモノが違いました。前述のような力のいる粘っこい馬場だったこともプラスに働いたように思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103078/

全兄フサイチホウオーは、06~07年の『赤本』で全体の1位に指名した思い出深い馬です。新種牡馬の子は基本的にあまり取らないようにしているのですが(父ジャングルポケットはこの年の新種牡馬でした)、フサイチホウオーはあまりにも配合が素晴らしかったので、禁を破って1位に指名しました。翌年にトールポピー、そして2年置いてアヴェンチュラが出たことは驚くにあたりません。それぐらいの名配合です。Hornbeam≒Sunset 4×5が底力の源泉です。
http://www.pedigreequery.com/hornbeam
http://www.pedigreequery.com/sunset3

      ┌ Hyperion
Hornbeam ―┤
      └○┐ ┌ Bois Roussel
        └○┤
          └ Point Duty

      ┌ Hyperion
Sunset ――┤ ┌ Bois Roussel
      └○┤
        └ Point Duty

2010年6月19日 (土)

スニッツェル産駒強し

いよいよ2歳シーズンが開幕しました。函館、福島、阪神で各1レースずつ新馬戦が組まれ、函館と福島で新種牡馬の産駒が快勝。

過去を振り返っても開幕初日はなぜか新種牡馬が強い傾向が見られ、過去5年間で4回勝っています。ただ、2頭勝ち上がったことはありませんでした。

函館……ルリニガナ(父スニッツェル)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104407/
福島……マルタカシクレノン(父スズカマンボ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101737/

函館で勝ったルリニガナ(2番人気)は、当ブログや『赤本』でプッシュしてきたスニッツェル産駒。産駒数は少ないながらも2歳戦で旋風巻き起こしてもおかしくない種牡馬でしょう。クラシック云々というタイプではありませんが、スピード、仕上がりの早さは抜群です。『web競馬王』の予想コメントを転載します。

「◎ルリニガナは『スニッツェル×キングマンボ』という組み合わせ。父スニッツェルは豪リーディングサイアーのリダウツチョイスの子で、デビュー戦をいきなりレコード勝ちして3連勝を飾り、芝1100mのG1を制したスピード馬。仕上がりは抜群に早いタイプだろう。すでにホッカイドウ競馬で産駒がデビューして勝ち上がっている。母はフラワーボウル≒マイホスト6×5で、本馬はヒズマジェスティ=グロースタークの全きょうだいクロス(その母はフラワーボウル)によってそれを継続発展させている。なかなかの好配合馬。仕上がりの早さとスピードで勝ち負けに持ち込めるだろう。」

予想は◎○で本線的中でした。これでスニッツェル産駒の2歳馬は、ホッカイドウ競馬も含めて2戦2勝です。

阪神の新馬戦を勝ち上がったマイネショコラーデ(父ロージズインメイ)は、6月16日のエントリー「水曜坂路の注目馬」で採り上げた馬です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/06/post-43c9.html

「◎マイネショコラーデは『ロージズインメイ×マイネルラヴ』という組み合わせ。母コスモヴァレンチは小倉2歳S(G3)の勝ち馬。父ロージズインメイは自己を主張するよりも母方の特徴を出すタイプなので、おそらく本馬も『マイネルラヴ×ブレイヴェストローマン』の母の特徴が強く表れているはず。2歳夏の芝1200m新馬戦はぴったりの条件だろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104913/

予想は◎▲△で3連単5540円的中でした。初日の予想は好調。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』では3場ともA評価の馬が勝ち上がりました。

2010年6月18日 (金)

Zenyatta、ヴァニティH(G1)を制して無傷の17連勝

今回はかなり危なかったですね。結果を知ってからレース映像を見たのですが、それでもヒヤヒヤしました。
http://www.youtube.com/watch?v=K-fJpTGaPH8

実況アナウンサーはゴール前で声が裏返り、「ゼニッ、ヤタァ、イエーーース!!!」と絶叫。中立性のかけらもありません(笑)。

ゴール直前まで粘っていた St Trinians はイギリス産馬で、アメリカ移籍後4連勝でサンタマリアH(G1・AW8.5f)を制した強豪。前走はサンタアニタH(G1・AW10f)で牡馬に挑戦したものの6着と敗れていました。父 Piccolo はナンソープS(英G1・芝5f)を勝ったスプリンターで、母の父 Classic Cliche はアスコットGC(英G1・芝20f)を勝ったステイヤー。こんな極端な配合はなかなかお目にかかれません。
http://www.pedigreequery.com/st+trinians3

今回は Zenyatta が St Trinians より9ポンド(約4キロ)重い斤量を背負い、4コーナーで外を回りすぎたこともあって思わぬ接戦となりました。これでヴァニティH(G1)は3連覇。
http://ahonoora.web.fc2.com/zenyatta.html

ただ勝つだけでなくドラマティックな演出をするあたり、さすが千両役者です。

2010年6月17日 (木)

関東オークスはシンメイフジ

http://www.chihoukeiba.jp/nar/meta/vod/21/2010/06/16/212010061610.asx
終わってみれば格の違いを見せました。「フジキセキ×ティンバーカントリー」という組み合わせですが、母レディミューズは芝で普通に走りましたし、シンメイフジ自身もティンバーカントリーが伝えるフットワークの重さは見られないので、本質的には芝向きだと思います。ダートは「苦にしない」といった程度ではないでしょうか。脚抜きのいい馬場(重馬場)になったのはプラス材料だったと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103593/

以前、安田隆行調教師は「素直な気性」とコメントしていたと思うのですが、レースぶりを見るかぎり乗りやすい馬とは思えません。主戦ジョッキーだった岩田騎手も苦労していたように思います。内田博幸騎手に乗り替わった今回は、好位でぴたりと折り合い、勝負どころで自然に進出するという優等生の競馬。鞍上の技術なのか、ダートでは落ち着いて走れるのか、そのあたりは分かりません。こんな競馬ができれば秋は楽しみです。

2着ハーミア(大井)は、5月最終週の東京戦(500万下・ダ1600m)で2着に突っ込み大穴を開けました。ブロケードの曾孫。サンシャイン牧場の生産馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105461/

2010年6月16日 (水)

水曜坂路の注目馬

今週から待ちに待った新馬戦が始まります。水曜朝の栗東坂路で注目の走りを見せたのは、2歳全体の一番時計を出したサミットストーン(牡2・父ロージズインメイ・森秀行厩舎)と、二番時計で上がりを12秒2でまとめたエイシンモンジュー(牡2・父 Montjeu・西園正都厩舎)でしょうか。

サミットストーンは、後藤繁樹氏(サニングデール、アーバンストリート、シルポートなどの馬主)の持ち馬で、Devil's Bag 3×2という強烈なクロスを持っています。母タイキアプローズはタイキシャトルと血統構成がほとんど同じです。

          ┌ Devil's Bag
タイキアプローズ ―┤   ┌ Nijinsky
          │ ┌○┘
          └○┤
            └ Muffitys

          ┌ Devil's Bag
タイキシャトル ――┤   ┌ Nijinsky
          │ ┌○┘
          └○┤
            └ Muffitys

 タイキアプローズの母の父は Niniski、タイキシャトルの母の父は Caerleon。この違いだけですね。いずれも Nijinsky の子ですから血統構成はほとんど同じです。

ロージズインメイは自己を主張するというよりは、母方の特徴を素直に出すタイプなので、タイキシャトル(≒タイキアプローズ)の子に近い特徴が出てくるのではないでしょうか。しかも、仕上がり早のスピード血統である Devil's Bag 3×2。2歳夏の短距離戦は向いているでしょう。調教のラスト1ハロンが13秒7とかかったのは、バテたのか抑えたのかよくわかりません。バテたとしても序盤から飛ばしていたので仕方がないところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101041/

サミットストーンは今週の新馬戦に登録がありませんでした。同じロージズインメイ産駒なら土曜阪神4R(芝1200m)に出走を予定しているマイネショコラーデ(牝2・吉田直弘厩舎)がおもしろそうです。母は小倉2歳S(G3)を勝ったコスモヴァレンチ。全兄ドリームバレンチノも新馬戦3着→未勝利戦1着と仕上がりの早いタイプでした。早期の1勝を確実に計算できる馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104913/

エイシンモンジューはについては、少し前に『競馬総合チャンネル』で触れたので転載します。

「昨年9月、米ケンタッキー州キーンランドのセールで平井豊光氏が21万ドルで落札した。母 Santa Catarina はハリウッドオークス(米G2・ダ8.5f)の勝ち馬で、ケンタッキーオークス(米G1・ダ9f)など3つのG1で2着となっている。これに Sadler's Wells 系の凱旋門賞馬 Montjeu を交配して誕生したのが本馬。父はスタミナと底力に関しては高いレベルにあるものの、軽快なスピードに欠けるので、日本にやってきた産駒は鈍重なタイプが目に付く。したがって、アメリカのスピード血統で構成された母は交配相手として悪くない。母方の血がややパワー方向に傾いているので、ダートで本領を発揮しそうだ。」

2歳の早い時季は短距離戦が多く、行って粘るという単調なレースぶりでも通用するので、本質的にダート向きでも芝をこなすことは珍しくありません。残念ながら今週の登録はなく、デビューは来週以降になりそうです。どこで下ろすにしても勝ち負けになりそうです。

エイシンフラッシュのダービー制覇で意気揚がるエイシン軍団は、開幕週にエイシンピンキー(牝2・父デビッドジュニア・野中賢二厩舎)とエイシンオスマン(牡2・父ロックオブジブラルタル・松永昌博厩舎)の2頭がデビュー予定です。前者は土曜阪神4R(芝1200m)、後者は日曜阪神4R(芝1600m)。どちらも稽古の動きが良かったようで重い印が付きそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101555/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103390/

2010年6月15日 (火)

悲劇の名牝 La Prevoyante

昨日のエントリーで紹介した Proud Citizen。その2代母 Danseuse Etoile は、カナダとアメリカの双方で殿堂入りを果たした名牝 La Prevoyante の全妹です。

La Prevoyante は1970年にカナダで誕生しました。父は Buckpasser、母は Northern Dancer の全妹 Arctic Dancer というとびきりの良血です。
http://www.pedigreequery.com/la+prevoyante

通算39戦25勝。活躍ぶりが著しかったのは2歳時で、セリマSを14馬身差、メイトロンSを7馬身半差で圧勝するなど12戦全勝の成績を残しました。殿堂入りが認められたのは2歳時の走りが評価されたからです。

4歳暮れの1974年12月28日、ミスフロリダHで11頭立ての8着に敗れたあと、肺破裂により死亡しました。

生きて繁殖入りしていたらどんなに素晴らしい産駒を残していただろう、と想像を巡らしてしまう名牝が何頭かいます。Ruffian、テスコガビー、Go for Wand、そして La Prevoyante もその1頭です。

La Prevoyante は、トラマイベスト=El Gran Senor の全兄弟に血統組成が似ています。こうした血とリンクしつつ、現代血統のなかで血を広げる余地は大きかったと思います。
http://www.pedigreequery.com/el+gran+senor

        ┌ Buckpasser
La Prevoyante ―┤ ┌ Northern Dancer
        └○┤
          └ Natalma

          ┌ Northern Dancer
        ┌○┤
El Gran Senor ―┤ └ Natalma
        │ ┌ Buckpasser
        └○┘

Proud Citizen の代表産駒の1頭 Freedom Rings(2歳時に米G2で2着)は、母の父が Compliance(トラマイベストと El Gran Senor の全兄弟)なので、Danseuse Etoile≒Compliance 3×2という相似な血のクロスを持っています。
http://www.pedigreequery.com/freedom+rings

La Prevoyante はわずか2年半の競走生活で39戦。明らかに衰えが見えてからも走り続けました。どうしてそこまで走らせたのか……と思わずにはいられません。

2010年6月14日 (月)

ロイヤルランドウィック競馬場

きのうのベッティングの結果は以下のとおり。

★アルジェリアVSスロベニア →→ ○
★セルビアVSガーナ →→→→→→ ×
★ドイツVSオーストラリア →→→ ×

オーストラリアはドイツにボコボコにされたわけですが(0対4)、0対2で前半を終えたあと、ハーフタイムにオーストラリアのスタジオにカメラが切り替わると、痛ましいぐらいのお通夜状態。後半が終わってもう一度カメラが戻ってくると、「退場者も出ちゃったし仕方ないね。今日のところはノーカウントってことで」みたいなノリでした。

そういえば、オーストラリアに帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のニュースもやっていました。ちゃんと「ジャパニーズスペースクラフト」と紹介されていたのでよかったです。

午前中にTABで払い戻しを受けてからロイヤルランドウィック競馬場へ。書き忘れていましたが滞在場所はシドニーです。セントラルステーションから出ている競馬場行きのバスは乗り場が分かりにくいので、もし行く場合はタクシーを利用したほうがいいですね。距離にして5キロ、料金はだいたい15ドル(約1100円)です。

ロイヤルランドウィック競馬場はAJCダービーなどオーストラリアの主要競走が行われます。スタンドはそれほど大きくなく、平日ということもあり場内は閑散としていました。年金生活のお爺ちゃんがメインの客層です。場内には「The Octagonal Bar」など、過去の名馬の名を冠した施設がいくつかありました。

昼の12時が第1R。天気は晴天。海外で馬券を買うときは単勝が多いのですが、今回は日本にいるときと同じく連勝複式(クィネラ Quinella)で勝負。これがなかなか好調で、第6Rまで利益を積み上げました。

最終の第8Rまでいると帰り道が混んでしまうので、第7Rで切り上げて競馬場を後にすることは当初から決めていました。オーラスの有り金勝負というクイズダービー方式です。

競馬場の片隅でノートパソコンを開き、「Thoroughbred Horse Pedigree Query」でカタカタと出走馬の血統を調べる怪しげな東洋人。1頭いい馬がいました。Proud Citizen 産駒の Patricians Glory という4歳牡馬です。Arctic Dancer=Northern Dancer 4×3という全きょうだいクロスを持ち、母は Dixieland Band×Vaguely Noble というパワー兼備のスタミナタイプ。第7Rはこの日のレースの最長距離(1800m)、しかも馬場が渋っていたのでいかにも合いそうです。
http://www.pedigreequery.com/patricians+glory2

レースは、目論見どおり Patricians Glory が突き抜けて圧勝。しかし、喜びもつかの間、ヒモがまったく来ず、馬券は惨敗。10頭立てで1頭軸から5頭に流しながら引っかからないとは……。

これでシドニーの旅は終わりです。競馬場は市街中心部から近く、馬券も買いやすいので、なかなか満足度が高かったですね。このトシになると“最寄りの駅から歩いて30分、タクシーもなし”といった競馬場はもういいや、という感じです。いま空港でこれを書いています。これから帰りの飛行機に乗るので日本VSカメルーンは見られません。

2010年6月13日 (日)

月曜11時30分から『馬券師倶楽部』再放送

『馬券師倶楽部』の「半笑いVS栗山求(後編)」です。CS放送の“MONDO21”で観ることができます。よろしかったらどうぞ。

TABでワールドカップを

現在、事情によりオーストラリアへ来ています。日本とは季節が逆なので寒風が吹いています。

道行く人はコートやオーバーといういでたちですが、なかにはTシャツ姿の大男もちらほら。幼少時からオージービーフを食べ続けるとこうなりますよという堂々たる体躯。こういう人たちを相手に日本人がスポーツで勝つのはどんなジャンルであれ大変だろうなぁ……と思います。

それはともかく、オーストラリアへ来たらまずはTAB。政府公認のブックメーカーです。競馬、ドッグレース、ラグビー、サッカー、オージーフットボール、クリケット、なんでも賭けの対象となります。残念ながら日本の競馬は扱っていません。ホテルのテレビをつけると、ラグビーとオージーフットボールが盛んに放送されていて、オーストラリアの人気スポーツであることが分かります。

TABの店内に入ると、競馬とドッグレースの中継がだらだらと放映されるなか、やはりラグビーとオージーフットボールの賭けは人気のようです。しかし、日本人的にはやはりワールドカップ。

今夜はドイツVSオーストラリア戦があります。おそらくオーストラリア人の多くは“オーストラリア勝ち”に賭けるでしょうから、“ドイツ勝ち”のオッズがかなり美味しくなるのではないか? 勝負するならこれしかない! と、意気込んでオッズを見たところ、“ドイツ勝ち”のオッズは1.5倍。メチャメチャ辛いです。オーストラリアの国民感情をこれっぽっちも考慮していません。イギリスのスポーツブックの最大手ウイリアムヒルと同じオッズなので、あるいは提携しているか何かで、オーストラリア独自のオッズというものはないのかもしれません。

そんなわけで、今夜の3試合を賭けてきました。

★アルジェリアVSスロベニア
   →→→スロベニア勝ち(オッズ2.25倍)
★セルビアVSガーナ
   →→→引き分け(オッズ3.25倍)
★ドイツVSオーストラリア
   →→→引き分け(オッズ4倍)

さて、どうなるか???

2010年6月12日 (土)

強い牝馬クロス+Ribot 系

6月8日のエントリー「仏ダービー、英ダービー」で、Machiavellian について触れました。それについて読者の方からご質問があったので、お答えしたいと思います。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/06/post-f907.html

Machiavellian は、現役時代は3戦全勝で仏2歳チャンピオンとなり、3歳時の英2000ギニー(G1・芝8f)はラチ沿いに押し込まれる不利があり2着。スムーズな競馬ができていれば勝っていたかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=9e08GlaJuzo

この馬の成功は、母 Coup de Folie の配合パターンに負うところが大きいでしょう。偉大な繁殖牝馬 Almahmoud を3×3というクロスの形で持っています。
http://www.pedigreequery.com/coup+de+folie

Coup de Folie はオマール賞(仏G3・芝1600m)の勝ち馬で、繁殖牝馬としては歴史的な成功を収めました。前出の Machiavellian のほかに、Exit to Nowhere(ジャックルマロワ賞-仏G1、イスパーン賞-仏G1)、Coup de Genie(モルニ賞-仏G1、サラマンドル賞-仏G1)、ハイドロカリド(アスタルテ賞-仏G2)、Ocean of Wisdom(ラロシェット賞-仏G3)といった優駿を送り出しています。

Coup de Folie の配合は、ある大種牡馬の構成と非常によく似ています。子孫が世界的に大繁栄しているデインヒルです。
http://www.pedigreequery.com/danehill

Coup de Folie は、Almahmoud 3×3で、母の父は Ribot 系の Hoist the Flag。一方、デインヒルは、Almahmoud の娘 Natalma の3×3で、母の父は Ribot 系の His Majesty です。

要するに、いずれも名牝の強いクロスを持ち(しかも双方がクロスさせた馬は親子の関係にあります)、底力に秀でた Ribot 系を母の父に持ちます。Coup de Folie もデインヒルも、サラブレッド生産界の歴史のなかで巨人といえる存在です。2頭が似たような配合パターンから誕生したことは偶然とは思えません。優れた能力をコンスタントに伝える何ものかがこの配合に秘められているのでしょう。ここから学べるものは少なくないと思います。

須田鷹雄さんが主宰する光文社POGの07-08年の大会で、私はダービー馬ディープスカイ(父アグネスタキオン)を指名して幸運にも優勝することができました。

ディープスカイの母アビは、Coup de Folie とデインヒルを連想させる配合パターンです。Miss Carmie 4×3という牝馬クロスを持ち、母の父は Ribot 系の Key to the Mint。“強い牝馬クロス+Ribot 系”という、まさに公式どおりの配合です。
http://www.pedigreequery.com/abi2

名牝の強いクロスを母方に持つ、というパターンは、名種牡馬によく見られます。Seattle Slew、その息子 A.P.Indy、古くは Hyperion などもそうですね(Seattle Slew は全きょうだいクロス)。
http://www.pedigreequery.com/seattle+slew
http://www.pedigreequery.com/ap+indy
http://www.pedigreequery.com/hyperion

ディープスカイは現在、日高町のダーレージャパンスタリオンコンプレックスに繋養されています。きっと成功するでしょう。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!