水曜坂路の注目馬
今週から待ちに待った新馬戦が始まります。水曜朝の栗東坂路で注目の走りを見せたのは、2歳全体の一番時計を出したサミットストーン(牡2・父ロージズインメイ・森秀行厩舎)と、二番時計で上がりを12秒2でまとめたエイシンモンジュー(牡2・父 Montjeu・西園正都厩舎)でしょうか。
サミットストーンは、後藤繁樹氏(サニングデール、アーバンストリート、シルポートなどの馬主)の持ち馬で、Devil's Bag 3×2という強烈なクロスを持っています。母タイキアプローズはタイキシャトルと血統構成がほとんど同じです。
┌ Devil's Bag
タイキアプローズ ―┤ ┌ Nijinsky
│ ┌○┘
└○┤
└ Muffitys
┌ Devil's Bag
タイキシャトル ――┤ ┌ Nijinsky
│ ┌○┘
└○┤
└ Muffitys
タイキアプローズの母の父は Niniski、タイキシャトルの母の父は Caerleon。この違いだけですね。いずれも Nijinsky の子ですから血統構成はほとんど同じです。
ロージズインメイは自己を主張するというよりは、母方の特徴を素直に出すタイプなので、タイキシャトル(≒タイキアプローズ)の子に近い特徴が出てくるのではないでしょうか。しかも、仕上がり早のスピード血統である Devil's Bag 3×2。2歳夏の短距離戦は向いているでしょう。調教のラスト1ハロンが13秒7とかかったのは、バテたのか抑えたのかよくわかりません。バテたとしても序盤から飛ばしていたので仕方がないところです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101041/
サミットストーンは今週の新馬戦に登録がありませんでした。同じロージズインメイ産駒なら土曜阪神4R(芝1200m)に出走を予定しているマイネショコラーデ(牝2・吉田直弘厩舎)がおもしろそうです。母は小倉2歳S(G3)を勝ったコスモヴァレンチ。全兄ドリームバレンチノも新馬戦3着→未勝利戦1着と仕上がりの早いタイプでした。早期の1勝を確実に計算できる馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104913/
エイシンモンジューはについては、少し前に『競馬総合チャンネル』で触れたので転載します。
「昨年9月、米ケンタッキー州キーンランドのセールで平井豊光氏が21万ドルで落札した。母 Santa Catarina はハリウッドオークス(米G2・ダ8.5f)の勝ち馬で、ケンタッキーオークス(米G1・ダ9f)など3つのG1で2着となっている。これに Sadler's Wells 系の凱旋門賞馬 Montjeu を交配して誕生したのが本馬。父はスタミナと底力に関しては高いレベルにあるものの、軽快なスピードに欠けるので、日本にやってきた産駒は鈍重なタイプが目に付く。したがって、アメリカのスピード血統で構成された母は交配相手として悪くない。母方の血がややパワー方向に傾いているので、ダートで本領を発揮しそうだ。」
2歳の早い時季は短距離戦が多く、行って粘るという単調なレースぶりでも通用するので、本質的にダート向きでも芝をこなすことは珍しくありません。残念ながら今週の登録はなく、デビューは来週以降になりそうです。どこで下ろすにしても勝ち負けになりそうです。
エイシンフラッシュのダービー制覇で意気揚がるエイシン軍団は、開幕週にエイシンピンキー(牝2・父デビッドジュニア・野中賢二厩舎)とエイシンオスマン(牡2・父ロックオブジブラルタル・松永昌博厩舎)の2頭がデビュー予定です。前者は土曜阪神4R(芝1200m)、後者は日曜阪神4R(芝1600m)。どちらも稽古の動きが良かったようで重い印が付きそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101555/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103390/
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