武豊騎手復帰
金曜日の夜、市川海老蔵・小林麻央の結婚披露宴をテレビでチラッと観たら、ちょうど武豊・佐野量子夫妻が映っていました。あれっ、今週から復帰なのに調整ルームに入らなくていいの? と思ったら、騎乗は日曜日からでした。
日曜小倉6R・3歳未勝利 コードゼット
日曜小倉10R・小倉記念 スマートギア
さすがに乗り数をセーブしたようです。
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金曜日の夜、市川海老蔵・小林麻央の結婚披露宴をテレビでチラッと観たら、ちょうど武豊・佐野量子夫妻が映っていました。あれっ、今週から復帰なのに調整ルームに入らなくていいの? と思ったら、騎乗は日曜日からでした。
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さすがに乗り数をセーブしたようです。
『馬券師倶楽部』の「半笑いVS栗山求(後編)」です。CS放送の“MONDO21”で観ることができます。よろしかったらどうぞ。
重賞サンタアニタトロフィー(7月28日・大井競馬場・ダ1600m)の同日、第5Rに組まれた特選2歳(ダ1200m)は、パワフルローマン(父アジュディケーティング)が好位から抜け出して5馬身差で勝ち、通算成績を2戦2勝としました。典型的なアメリカンタイプの巨漢馬で、馬体重はすでに520キロあります。叔父にニュージーランドT(G2)を勝ったキタサンチャンネル、叔母にファンタジーS(G3)を勝ったキタサンヒボタン、伯父に全日本3歳優駿を勝ったキタサンテイオーがいる良血です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103966/
母の父カコイーシーズが「Alydar+Tom Fool」ですから、同じアジュディケーティング産駒で七夕賞(G3)を勝ったミデオンビット(母ピアグレイスが Alydar+Tom Fool)に似ていなくもありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1997105367/
そして、もうひとつ指摘しておきたいのは「Resolver≒ボールドラッド2×5」。
http://www.pedigreequery.com/resolver
http://www.pedigreequery.com/bold+lad
┌ Bold Ruler
┌○┘
Resolver ―――┤
└○┐
└ Misty Morn
┌ Bold Ruler
ボールドラッド ┤
└ Misty Morn
アジュディケーティングの代表産駒アジュディミツオー(帝王賞、東京大賞典2回、川崎記念、かしわ記念)は、Resolver≒What a Pleasure 2×5なので、パワフルローマンと配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001104554/
┌ Bold Ruler
┌○┘
Resolver ―――┤
└○┐
└○┐
└ Grey Flight
┌ Bold Ruler
What a Pleasure ┤
└ Grey Flight
フィップス家の家宝ともいえる名牝 Grey Flight は、9頭のステークスウィナーを送り出した希代の名牝で、そのファミリーの活力は目を瞠るものがあります。
とくにこの牝系に Bold Ruler を掛け合わせて誕生した活躍馬は多く、それらを組み合わせたクロスも前述のように成功しています。
母の父にアジュディケーティングを持つ馬で最も成功したロングプライド(父サクラローレル)は、ユニコーンS(G3)の勝ち馬で、やはりボールドラッド≒Resolver 4×3があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004105013/
海外では Sovereign Dancer が有名です。Grey Flight の孫にあたるこの種牡馬は、ファミリーの血をクロスさせることで立て続けに名馬を生み出しました。
米三冠のひとつプリークネスS(米G1)を勝った Louis Quatorze は、Bold Princess≒ボールドラッド2×3。また、ジャックルマロワ賞(仏G1)とムーランドロンシャン賞(仏G1)を制した Priolo は、Bold Princess=Pleasant Flight 2×3です。
http://www.pedigreequery.com/louis+quatorze
http://www.pedigreequery.com/priolo2
冒頭に記したパワフルローマンは、じきに重賞戦線に顔を出してくるでしょう。2戦2勝といっても弱敵相手のものなので即通用するかどうかはなんともいえません。ただ、配合的にはいいものを持っているので注目してみたいところです。
「栗山ノート」のキングカメハメハ産駒の項で、今年はトウショウレイザー(美浦・大久保洋吉厩舎)に高い評価を与えました。トウショウウェイヴ、トウショウシロッコの半弟です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100659/
7月2日から坂路で乗り込み、本日、ラスト3ハロンだけ追って「12秒8-11秒8-12秒1」という時計をマーク(全体は55秒3)。美浦の坂路は、速い時計が出たからといって飛びつけないところがあるのですが、悪くないと思います。「栗山ノート」には以下のように記しました。
「半兄にトウショウシロッコ、トウショウウェイヴがいる。母系にリヴァーマンが入る配合はニックスで、フィフスペトル、コスモセンサーと同じ。1600~2000mで強い。」
母の父ニッポーテイオーは、天皇賞・秋(G1)、安田記念(G1)、マイルチャンピオンシップ(G1)など7つの重賞を制した名馬。父キングカメハメハと相性のいい Tourbillon~My Babu のラインを豊富に持ちます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1983102584/
兄2頭がどう頑張っても重賞入着まで、ということから、あるいはスケール面の限界があるかもしれません。ただ、配合的にはちょっと期待してみたい馬です。いかにも東京・新潟で強そうですね。
ちょっと前に「BCターフ参戦も」という記事を見たと記憶しているのですが、このほどBCフィリー&メアターフ(米G1・芝11f)に出走することが決定したようです。確実に勝ちに行くということでしょう。
9月15日に出国し、まず東海岸のニューヨークに飛んでフラワーボウル招待H(10月2日・米G1・芝10f)を使い、ケンタッキーに移動して11月5日の本番に臨む、というスケジュールです。このふたつのレースはアメリカにおける芝牝馬の王道路線です。
このカテゴリーで現在強敵といえるのは、5月のゲイムリーS(米G1・芝9f)で1、2着した Tuscan Evening と Forever Together あたりでしょうか。ただ、前者は11ハロンがやや長く、後者は6歳を迎えてこれ以上の上がり目があるのか疑問なので、レッドディザイアのほうが上だろうと思います。
http://www.pedigreequery.com/tuscan+evening
http://www.pedigreequery.com/forever+together
やはり怖いのはヨーロッパからの遠征組。現段階では何が出走するのか分かりません。昨年の覇者 Midday は順調なら2連覇を目指すのではないかと思います。
http://www.pedigreequery.com/midday8
ここに挙げた3頭のうち、Tuscan Evening と Midday は Oasis Dream 産駒。Oasis Dream 自身はカルティエ賞最優秀スプリンターに選ばれた快速馬だったので、放っておけばいくらでも速い産駒が産まれますし、スタミナを入れれば2000mぐらいまでは対応できる素晴らしい種牡馬です。2月10日のエントリー「なぜか日本に入らない Green Desert 系」で触れておりますのでご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/02/green-desert-e2.html
先週末でまとまった原稿仕事が終わり、ちょっと時間ができたので、映画『トイ・ストーリー3』を観てきました。
これは掛け値なしの傑作です。
ピクサー制作陣のクリエイティビティに打たれました。名作と誉れ高い前2作を軽く超えてしまっているような……。もちろん子供にも受けるでしょうが、どちらかといえば大人の映画でしょう。
人生にとって最も大切と思える瞬間が描かれていると感じました。
言語表現能力に乏しいせいか、本当にいい映画を観たあとは陳腐な言葉しか出てこなくなるので困ります。いい配合を見たあとと一緒です。
11馬身差のレコード圧勝、という勝ちっぷりにもビックリしましたが、タイムフォームが暫定レーティングで「142」という評価を与えたのにはもっとビックリしました。この数値が妥当かどうかは正直わかりません。タイムフォームのスタッフたちもおそらく当惑しており、どんな数値を付けるべきか迷っているのだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=mo7pEsp2WKc
ここ30年ぐらいのヨーロッパの主要G1で、10馬身以上の着差がついたレースは思いつくかぎり以下の4つです。
15馬身差 Turtle Island(94年愛2000ギニー)
12馬身差 St.Jovite(92年愛ダービー)
10馬身差 Troy(81年英ダービー)
10馬身差 Jet Ski Lady(91年英オークス)
おそらく他にもあるはずですが、手元に資料がないのですぐには調べがつきません。先日の英ダービーにおける Workforce の7馬身差レコード勝ちというパフォーマンスも、同馬がこのキングジョージで5着に敗れたこともあってすっかり霞んでしまいました。
4歳になって急激に力をつけてきたという点で、Harbinger は Busted に近いイメージがあります。おそらく順調なら秋は凱旋門賞に駒を進めてくるでしょう。こんな年にチャレンジするヴィクトワールピサとナカヤマフェスタはツイていません。もちろん、キングジョージが一世一代の大駆けで、あとは下り坂という可能性もないわけではないので、まだまだ希望は十分あると思います。
Harbinger の父 Dansili は、06年の凱旋門賞馬 Rail Link の父でもあります。この年の凱旋門賞には日本からディープインパクトが挑戦し、3位入線のあと失格となっています。Dansili については2月26日のエントリー「もう1頭のスーパー牝馬 Hasili」で触れておりますのでご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/02/hasili-2836.html
Rail Link は、父 Dansili の配合的骨格である Hyperion を主軸とした分かりやすい配合でした。
http://www.pedigreequery.com/rail+link
Harbinger は、その母 Penang Pearl が「Bering×Shareef Dancer」なので、フランスとアメリカの活力を取り入れており、Rail Link とはタイプが異なります。ちなみに、Harbinger の牝系に代々付けられた血は、ダービーで好走した馬ばかりです。4代母の父 Crepello は英ダービー馬。3代母の父 Connaught は英ダービー2着馬。2代母の父 Shareef Dancer は愛ダービー馬。母の父 Bering は仏ダービー馬。スタミナと底力に関しては申し分ありません。
http://www.pedigreequery.com/harbinger11
母方に Shareef Dancer が入り、その母 Sweet Alliance が持つ Attica≒Tom Fool 2×2を、父方に入る Buckpasser(その父 Tom Fool)によって継続するというパターンは、Dubai Millennium(ドバイワールドC、クイーンエリザベス2世Sなど4つのG1を制覇)を彷彿させます。
http://www.pedigreequery.com/dubai+millennium
スタミナと底力のベースに、アメリカ血統の小技を利かせて活性化に成功したのが Harbinger ではないかと思います。
函館記念は“勝ちタイムが1分58秒台”というどうでもいい予想は当たったものの、◎は何を血迷ったかスズカサンバ(9番人気)に打ってしまい玉砕。ちょっと買いかぶりすぎました。このメンバーに入ると高速馬場でも53キロでも足りません。
△マイネルスターリー(2番人気)は3馬身半差の完勝。もちろん実力的に勝って不思議のない馬ですが、終わってみればジョッキーの上手さが印象に残りました。手綱をとったダグラス・ホワイト騎手には来週から騎乗依頼が殺到するでしょう。しっかり乗れるジョッキーは見ていて気持ちがいいものです。
マイネルスターリーは「スターオブコジーン×サンデーサイレンス」という組み合わせ。スターオブコジーン産駒だけにローカル向きに出てしまうのが玉に瑕ですが、この配合は大成功しています。JRAでデビューしたわずか4頭の産駒のうち、マイネルスターリーは重賞を勝ち、ウイントリガーとアルバレストは準OPまで出世しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005103510/
この配合の鍵はスターオブコジーンの母の父「Pia Star」だと思います。同馬の2代目には Heliopolis と Mahmoud が並んでいます。
http://www.pedigreequery.com/pia+star
┌ Heliopolis
┌○┘
Pia Star ┤ ┌ Mahmoud
└○┘
前者はサンデーサイレンスが内包する Gulf Stream と4分の3同血の関係にあり、サンデーにとって最も有名なニックス血脈でもあります。一方、後者はサンデーの父 Halo とニックスの関係にあります。どこからどう見てもサンデーと相性抜群です。
http://www.pedigreequery.com/heliopolis
http://www.pedigreequery.com/gulf+stream
┌ Hyperion
Heliopolis ┤
└ Drift
┌ Hyperion
Gulf Stream ┤
└○┐
└ Drift
サンデーサイレンスはその生涯に膨大な数の繁殖牝馬と交配しました。しかし、そのなかで Pia Star を持つ繁殖牝馬はたった1頭しかいませんでした。その牝馬の名はローミンレイチェル。年度代表馬ゼンノロブロイ(父サンデーサイレンス)の母です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2000101517/
サンデーサイレンスと Pia Star の関係は特別なものである、といっていいと思います。
土曜日の函館芝コースは時計の速い決着となっていますね。8Rのラベンダー賞(2歳OP・芝1200m)は1分09秒5のレコード。12Rの500万平場(芝1800m)は1分47秒1。これは函館競馬場の500万クラスでは過去最速のタイムです。
となると、日曜日の函館記念(G3・芝2000m)も当然速い決着となるでしょう。だいたい1分58秒台ぐらいでしょうか。ペース次第では野芝時代に作られたサッカーボーイのレコード(1分57秒8)を22年ぶりに更新するかもしれません。
周知のとおり函館記念は、パワー型のエリモハリアーが3連覇したように、洋芝適性が大きな比重を占めるレースです。しかし、今年はやや傾向が異なります。スピードや瞬発力を備えた馬を選び、重厚さが前面に出たようなタイプは避けたほうがいいかもしれません。
『馬券師倶楽部』の「半笑いVS栗山求(前編)」です。CS放送の“MONDO21”で観ることができます。よろしかったらどうぞ。
「元大嶽親方『負けは総額5億円かな』」という見出しに惹かれ、写真週刊誌『FLASH』(光文社)を買って読んでみたところ、これが最高に面白い内容でした。
角界を追放された元大嶽親方(現役時代は貴闘力)がギャンブル好きであることは以前から伝え聞いていました。かなり以前のことですが大井競馬場で見かけたことがありますし、たしか大相撲ロンドン公演を扱ったテレビ番組で、着流し姿で競馬場に繰り出して馬券を楽しむ姿を見た記憶があります。
「本格的にハマりはじめたのは、十両に昇進したとき。十両に上がると化粧回しや回しを作るから、支度金が300万円くらいかかる。それは自分で用意するんですよ。(中略)全財産で10万円しかなかった。『これを300万円にしなきゃいかん』と札束を握って、一人で大井競馬場に行ったんですよ。そしたら、400万円儲けたんですよ。そのお金で化粧回しを作った。これが初めての競馬だった。
それまでは1日15時間くらい稽古していたのに、それ以来、競馬にハマっていったね」
「競馬だったら、1点買いで800万円ぐらい賭けたことがある。負けたけどね。馬の名前なんて、覚えてないよ。だって、1週間前の昼メシなんだった? というのと同じ感覚だから。1億円勝つところを、鼻差で負けたこともあったね。もう血が出るほど叫んだよ。
シドニーに巡業に行ったとき、カジノで負けまくって、5万円しかなくなったことがあった。でも、そこから最終的に4800万円にしたこともありましたよ。海外巡業はいつも楽しみだったな。カジノに行けるから」
「(「人生におけるギャンブルの収支は?」との問いに)そりゃ、5億円ぐらい負けてるでしょ。だって、年間2、3千万つぎ込んで、20年くらいずっと負けつづけるわけだから。やめられないから、病気なんでしょ。(解雇の)記者会見の最後に『ギャンブルやめますか?』と聞かれて、何も言わなかったけど、心のなかでは『やめません』って言ってたね。そりゃ野球賭博はもうやらないでしょうけど、競馬・競輪はやるでしょ。アホだから」
ギャンブルだけに話題を絞って元大嶽親方が1冊語り下ろしたら売れませんかね? 私なら喜んで買いますが。
2日目(21日)は今年生まれたばかりの当歳馬のせり。先週行われたセレクトセールは、国際基準に合わせる形で当歳馬から1歳馬に重心を移し始めています。国内トップの動きは当セールを含めた周辺にも波及しているようで、今年の上場頭数は昨年(162頭)より40%近く減って102頭でした。
1500万円以上で落札された馬は3頭(税別)。以下のリストをご参照ください。
■347番 ┌ ネオユニヴァース
牡馬 └ リンデンシラユリ(父ダンシングブレーヴ)
落札価格:1700万円
落札者:深見富朗
http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/match.pl?fdata=130353&mdata=39747
■394番 ┌ アドマイヤムーン
牡馬 └ サンタママ(父 Lear Fan)
落札価格:1740万円
落札者:(有)ユニオンオーナーズクラブ
http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/match.pl?fdata=187082&mdata=68641
■395番 ┌ ゼンノロブロイ
牡馬 └ サンターナズソング(父サクラバクシンオー)
落札価格:2220万円
落札者:グローブエクワインマネージメント(有)
http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/match.pl?fdata=133312&mdata=116685
上場頭数が少なく、主取りも多かったのでイマイチ盛り上がりに欠けましたね。395番の落札者は多田信尊氏が代表を務めるエージェント会社。どなたかの代理で落札されたのだと思います。“母の父サクラバクシンオー”は、硬めのアメリカ血統を含んだ父との組み合わせで好結果を残しており、サンデー系ではダート向きのゴールドアリュールとの組み合わせでトップカミング(日経新春杯-2着)、メモリアルイヤー(先週の九州産新馬戦を大差圧勝)が出ています。395番の父ゼンノロブロイは母方にそうした血を抱えているので悪くないでしょう。
セレクトセールが終わればセレクションセール。7月20日(火)が1歳馬、21日(水)が当歳馬のせりです。
1日目に行われた1歳馬のせりでは、2000万円以上で落札された馬が8頭出ました(税別)。以下をご参照ください。
■33番 ┌ ブライアンズタイム
牡馬 └ ナイストレビアン(父ノーザンテースト)
落札価格:2300万円
落札者:ノーザンファーム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104836/
■84番 ┌ フジキセキ
牡馬 └ ホクトペンダント(父パークリージェント)
落札価格:2700万円
落札者:(有)ローズヒル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100449/
■99番 ┌ アグネスタキオン
牡馬 └ ミスカースティー(父 Miswaki)
落札価格:2500万円
落札者:加藤守
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009100713/
■119番 ┌ シンボリクリスエス
牡馬 └ ラモレイエ(父 Theatrical)
落札価格:2050万円
落札者:杉山美恵
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009109162/
■149番 ┌ キングカメハメハ
牡馬 └ アタラマ(父 Sadler's Wells)
落札価格:2050万円
落札者:高岡秀行
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104880/
■178番 ┌ キングカメハメハ
牡馬 └ オールマイティ(父フジキセキ)
落札価格:2300万円
落札者:(有)ビッグレッドファーム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102116/
■181番 ┌ ネオユニヴァース
牡馬 └ ガティーク(父 Gulch)
落札価格:2250万円
落札者:山岸桂市
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101633/
■220番 ┌ ダイワメジャー
牡馬 └ シックファイター(父ヘクタープロテクター)
落札価格:2050万円
落札者:山元哲二
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009103015/
149番の母アタラマ(父キングカメハメハ)を落札したのは、シンガポールで厩舎を開業している高岡秀行調教師。あちらで走らせるのでしょうか。Nureyev≒Sadler's Wells 4×2という力強い4分の3同血クロスがあります。聞くところによるとシンガポールの芝はここ1、2年でやや速くなっているそうですが、それでも日本のような高速馬場ではありません。そうした粘っこい芝に合いそうな配合です。
“ブダペストの弾丸”の異名をとるハンガリー調教馬 Overdose。昨年4月以来戦列を離れていたのですが、7月18日にスロバキアのリステッドレース(芝1000m)で15ヵ月ぶりの復帰戦に臨み、これを勝利で飾りました。デビュー以来の連勝記録は「13」に伸びています。
http://www.pedigreequery.com/overdose3
レベルの低い東欧のみで連勝を伸ばしているわけではなく、ドイツに遠征してG2とG3を、イタリアに遠征してG3を制しています。2008年にはフランスのアベイドロンシャン賞(G1・芝1000m)に出走し、見事1位で入線したものの、出走馬1頭のゲートが開かなかったため不成立となり競走のやり直しが決定。再レースに Overdose は出走しませんでした。したがって競走成績にこのレースは含まれていません。
YouTube には多くの映像があります。どれもこれも強烈ですね。全13戦の平均着差は約8馬身。着差がつきにくい短距離戦でこの数字ですからスピードの次元が違います。ただ、ここ2年は脚部不安で思うように競馬に使えず、以前のようなスーパーホースぶりを再度示せるかどうかは微妙なところでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=158UOynZhbQ
父 Starborough はセントジェームズパレスS(英G1・芝8f)とジャンプラ賞(仏G1・芝1600m)を勝った Nureyev 系のマイラー。その母 Flamenco Wave は本邦輸入牝馬アンブロジン(ノーリーズンやグレイトジャーニーの母)と配合構成がよく似ています。
Overdose 自身はイギリス産馬で、やや一本調子で確かに速そうな配合ではあります。微妙にウエスタンヒートっぽいですね。1歳時の11月、ニューマーケットのセールで現馬主に落札された際は、わずか2100ポンド(当時のレートで約32万円)の安値だったそうです。
アイビスサマーダッシュの予想は、長時間頭をひねった末に◎エーシンエフダンズ(11番人気)としたのですが、結果は17着。勝ったケイティラブ(8番人気)は無印でした。ここまで外れると悔しさもありません。
7月16日のエントリー「サンデー、トニービンの血を持つ馬は消し?」で挙げた4頭、ウエスタンビーナス、メリッサ、キルシュブリューテ、アスドゥクールは、いずれも掲示板外に敗れ去りました。1番人気に推されたメリッサはしんがり負け。このレースは適性が重要であるとあらためて感じます。このデータ(ジンクス)は来年も使えそうです。
ケイティラブ(父スキャン)は6歳にして重賞初挑戦・初制覇。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004103689/
母ウイニングリバーは本馬のほかにきさらぎ賞(G3)を勝ったマイネルブルック(父スターオブコジーン)を出しています。このレベルの種牡馬(といっては大変失礼ですが)と交配して複数の重賞勝ち馬を送り出すのですからたいしたものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1993107154/
母の父ムーンマッドネスはシェリフズスター(二冠馬セイウンスカイの父)の半兄で、スピードと決め手に欠けるスタミナ血統。ただ、ケイティラブの父スキャンは、こうした鈍重な血を取り込むことで大物感のある産駒を出すことがひとつのセオリーとなっているので、配合自体は悪くありません。母系の奥にも Be My Guest、Reliance、Ribot といった重厚な血が並んでいます。
“スプリンター×スプリンター”という配合は大物感が出にくく、速いけれど条件クラス止まり、というタイプになりがちです。たとえば今回、残念ながら予後不良となってしまったカノヤザクラは、「サクラバクシンオー×Woodman」という組み合わせで、一見速いだけの配合ですが、2代母は「Sadler's Wells×Caracol×Ragusa」というウルトラ級のステイヤー血統。ここで帳尻を合わせています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004106028/
スプリンターはたいてい速い血を集めています。ここで大きな差はつきません。器を見極める際に重要なポイントは、内包するスタミナ血統にあります。これを上手に取り込んだ馬は底力が増し、クラスが上がっても勝ち抜いていけます。
それにしてもカノヤザクラの予後不良は残念。サンアディユ、アストンマーチャンにしてもそうですが、ハイクラスな快速牝馬が次代に血を遺せないのはわが国の馬産にとって大きな損失です。
日曜新潟6R・新馬戦(芝1600m)。レッドセインツ(1番人気)は馬群のなかでじっと我慢し、シャープな脚で突き抜けました。ディープインパクト産駒は落ち着いていて賢いという評判ですが、この馬も精神年齢が高そうですね。
その配合には以前から注目しており、『赤本』でも『競馬王のPOG本』でも公開ドラフトでも指名するなど、個人的に高く評価していました。もちろん予想は◎。馬単5890円、3連単58110円を的中させることができました。『web競馬王』の予想を再録します。
「◎レッドセインツは『ディープインパクト×セルカーク』という組み合わせ。母サセッティの半姉ウィノナ(父アルザオ)は愛オークス馬。アルザオはディープインパクトの母の父なので、本馬とウィノナは構成要素が似ている。父系と牝系が同じハーツクライとも若干似ている。母の父セルカークはマイラー。おそらく本馬もマイル前後で活躍するタイプだろう。ポカホンタス≒リヴァーレディ5×5、母系の奥のアメリカ血統も効果的と思われる。馬体は小柄ながら高い素質を感じさせる。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103154/
文中に出てくる Winona は、98年の愛オークス(G1・芝12f)を7馬身差で圧勝した名牝です。
http://www.pedigreequery.com/winona3
レッドセインツの配合には、Winona の父 Alzao、母 My Potters が含まれています。マイラーと評価したのは母の父 Selkirk の適性を考えてのこと。ただ、実際の走りを見ると折り合いがついてゆったり走るので、もう少し長い距離もこなせそうです。パドックで見たかぎりまだ子供っぽい馬体なので成長の余地はあるでしょう。
日曜日はディープインパクト産駒がもう1頭デビューしました。函館4Rの新馬戦(芝1200m)で2着となったマギストラ(1番人気)。こちらにも◎を打ちました。新潟で勝ったレッドセインツと同じく「栗山ノート」に記載した馬です。予想は○◎で的中。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103343/
予想文にも書いたとおり1200mは忙しいですね。新馬戦の予想において適性というファクターは重要ですが、器の見極めもまた大事。得意条件から外れていても器が大きければ勝ち負けになるのが新馬戦です。小回りコースの芝1200mは明らかに向いていません。能力で2着を確保しました。
ディープインパクト産駒は総じてダッシュがイマイチで終いの脚で勝負するタイプが目に付くので、マイル以上の芝、直線の長いコースなら信頼できます。レッドセインツはまさにこの条件でした。こうしたレースが増える秋の中央開催でディープインパクト産駒がどれだけ活躍するのか楽しみです。
土曜小倉5R・新馬戦(芝1200m)はブラウンワイルド(9番人気)が直線で後続を6馬身突き放し、1分07秒9のレコード勝ち。ラスト2ハロンは11秒8-11秒5とラップを上げているので強かったですね。稽古内容が冴えなかったので印を打てませんでした。
「ワイルドラッシュ×ヤマニンゼファー」という組み合わせを見て、ダートのほうがいいかも……と反射的に結論付けてしまったのは失敗でした。よく見ると味な配合構成をしています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104610/
5代血統表を見ると、Sir Gaylord 5×5、Missy Baba 5×5というクロスがあります。母の父ヤマニンゼファーは Sir Gaylord 系なので、6代目まで含めると Sir Gaylord 5×5・6です。5月12日のエントリー「Sir Gaylord の瞬発力」でも述べたように、この血は芝向きの非凡な瞬発力を伝えます。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/05/sir-gaylord-ce0.html
また、“Missy Baba 5×5”のほかに、“Clovelly 5×7”という名牝のクロスを持ちます。Missy Baba の母の父 Umidwar と、Clovelly の母 Udaipur は全きょうだい。また、Missy Baba の父方に含まれる Badruddin と、Clovelly の父 Mahmoud は相似な血です。つまり、Missy Baba と Clovelly は血統構成がきわめてよく似ており、ほとんど同じような血といっていいでしょう。しかも、アガ・カーン血脈をベースとしているので、質の高い柔軟なスピードを伝えます。
http://www.pedigreequery.com/missy+baba
http://www.pedigreequery.com/clovelly3
最近ではサンライズプリンスとランザローテがこの2つの血を持っていました。いずれも「アグネスタキオン×Wild Again」という組み合わせから誕生しているのですが、アグネスタキオンと Wild Again を結びつける鍵は Missy Baba と Clovelly の関係ではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105566/
ブラウンワイルドは「Missy Baba≒Clovelly 5・5×5・7」です。前述の「Sir Gaylord 5×5・6」と併せて、芝向きのスピードと瞬発力を引き出す配合パターンといえるでしょう。ダートに強いワイルドラッシュ産駒ながら、芝で圧巻のパフォーマンスを披露したのは、このあたりに理由を求めることができそうです。ワイルドラッシュ産駒だけに上限はありそうですが、2歳戦では楽しめそうな馬です。
直線コースで行われる唯一の重賞アイビスサマーダッシュは、過去9回、サンデーの血が入った馬が一度も連に絡んだことがありません。トニービンの血が入った馬も同様です。今年のメンバーのなかでサンデーまたはトニービンの血を持つ馬は以下のとおり。
4番ウエスタンビーナス
7番メリッサ
14番キルシュブリューテ
18番アスドゥクール
この血統データ(ジンクス)が通用するなら、上記4頭は無条件に切ることができます。
たとえば、イギリスのジュライC(芝6f)やナンソープS(芝5f)の勝ち馬と、エプソムダービー(芝12f10yds)の勝ち馬とでは、構成する血統内容がぜんぜん違います。同じサラブレッドの血統ではありますが、共通点がわずかしかありません。
短距離戦を得意とする馬は、速筋腺維の割合が高く、無酸素性エネルギーの産出能力に優れています。つまり、爆発的に筋肉を収縮させる運動を60~70秒持続させる能力に秀でています。香港から遠征してくる豪州産馬がそうであるように、この種の馬たちはたいてい筋肉量が豊富で馬格がガッチリしています。
一方、サンデーサイレンスやトニービンは、芝中距離でしなやかに瞬発力を繰り出して勝つのが持ち味であり、直線1000m戦でスタートからガツガツ行くようなキャラクターでありません。求められる能力がまったく違うのですから、このカテゴリーに食い込めないのも仕方のないところでしょう。
その点、アイビスサマーダッシュにおける Northern Dancer と Mr.Prospector の強さはさすがです。Northern Dancer の諸系統のなかでは、Nijinsky、Nureyev、Danzig、Storm Bird、ノーザンテーストが頑張っています。これらの血が入っている馬は要注意です。
あとはテスコボーイ、Never Bend、Blushing Groom あたり。血統ではありませんが外枠、牝馬といった定番の条件を重視し、体調を加味すれば、自ずと狙い馬が絞れてきそうです。
栄光と悲劇のジェットコースター、それが George Washington(父デインヒル)です。生涯の軌跡を簡単にたどると以下のようになります。
G1を3勝した Grandera の半弟として誕生
↓
英2000ギニーなどG1を4勝
↓
種牡馬入り
↓
受胎率が悪く現役復帰
↓
レース中に骨折安楽死
4歳時にいったん種牡馬入りした際、数十頭の繁殖牝馬と交配し、受胎したのはたった1頭でした。そのときにできた Date With Destiny という牝駒が忘れ形見となりました。
この Date With Destiny はデキがよかったようで、先日、イギリスのニューベリー競馬場で見事デビュー戦を飾りました。血統的にはジェルミナル(フェアリーS)の叔母にあたります。George Washington は軽快なスピードタイプなので、重厚な Rainbow Quest が母の父に入るのは好感が持てます。
http://www.pedigreequery.com/date+with+destiny5
生涯に産駒をたった1頭しか残せなかった種牡馬というのは記憶にありません。2頭ならスズカシンプウがいます。同馬は父シーホーク、母ヒガシジョオー(67年の東京大賞典で南関東三冠馬ヒカルタカイを破って優勝)という良血で、現役時代に日経新春杯と小倉記念を制覇。種牡馬となったあと早世したため、たった2頭しか産駒がいませんでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1975102738/
しかし、そのうちの1頭カツノコバンは北関東公営で重賞を勝ちまくり、89年春に中央へ移籍。緒戦の阪神大賞典(G2)では11頭中10番人気ながら2着。次走の天皇賞・春(G1)は5番人気に推され有力馬の1頭と見なされたものの、道中で骨折して予後不良となりました。勝ったのは同じ公営出身のイナリワン。武豊騎手が騎乗して5馬身差の圧勝でした。このレースではカツノコバンの馬券を買っていたのでよく覚えています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984104143/
父スズカシンプウに騎乗したのも、息子のカツノコバンを管理したのも松田博資調教師。いつか師にインタビューする機会があれば、この親子について聞いてみたいものです。
2日目の目玉はヒップナンバー355、「アコースティクスの2010」。ダービー馬ロジユニヴァースの全弟です。
立ち歩いてセリの戦況を見つめる“トーセン”の島川隆哉氏。その近くに取材場所を移動しました。彼が参戦することは誰の目にも明らかでした。5000万円からのスタートで、階段を上がるように値が上がっていきます。島川氏は自身のスタッフとおぼしき方々と談笑つつ、序盤は静観。
「8800ま~ん♪ 8800ま~ん♪」というオークショニアの声が響いた瞬間、柔和な笑顔のなかで鋭く眼が光り、島川氏の右手が小さく動きました。初ビッド。ここからは一歩も引かぬ構えで攻め続け、ライバルたちを圧倒しました。落札価格は1億1200万円。
ダービー馬ロジユニヴァースは休養後の成績がイマイチなので評価を落としていますが、ヴィクトワールピサと似た配合構成でもあり、その全弟にこの値段がつくのは当然です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103140/
この日は2頭のミリオンホースが誕生しました。もう1頭はグローブエクワインマネージメント(有)が1億500万円で落札した「フェスタデルドンナの2010」。先々週のラジオNIKKEI賞(G3)で2着となったクォークスター(父アグネスタキオン)の半弟で、父はゼンノロブロイ。「ゼンノロブロイ×ヘクタープロテクター×ノーザンテースト」という組み合わせはアグネスワルツ(オークス3着)と同じです。
http://keiva.jp/haigo_kekka.php?id=01434&id2=034816
1頭ずつ有力馬を紹介しているといくら紙幅があっても足りないので、ブログで触れるのはこのあたりにしておきます。詳しくは『競馬王』や『競馬総合チャンネル』でどうぞ。
2日間を通して数字的には低調でした。ただ、世界経済が混迷の色を深めている状況で、金融危機以前と同じように資金を投入できる馬主はわずかでしょう。これは日本だけでなくヨーロッパやアメリカなどでも同じことがいえます。また、サンデーサイレンスというスーパーサイアーが存在した時代も二度と戻ってくることはありません。ミリオンホースがどんどん誕生していた数年前までがバブルであり、当時を基準に現在の状況をとらえるのはあまり意味がないと思います。今後数年、前年割れの数字が出るのは仕方のないことであり、現状維持なら御の字でしょう。
日曜日の昼に東京を発って札幌に入りました。投宿先のホテルでメイレースをテレビ観戦したあと、ケイアイガーベラに関するブログ記事を書き上げ、午後6時、すすきのの某海鮮居酒屋に札幌在住の望田潤さん、馬産地在住の kuwa さん、不肖わたくしの3人が集まり同窓会を開きました。何度かブログで触れているように競馬通信社の元同僚です。望田さんとは年1~2回は飲む仲ですが、kuwa さんとはなんと17年ぶり(!)。正確にいえば93年秋以来です。
友達とはいいもので、数語交わしただけで17年の時空を飛び越えることができます。まるできのう別れたばかりのような打ち解けた雰囲気で旧交を温めました。楽しいの一語でしたね。ほかのお客さんがすべて帰ってしまった後もしゃべり続けていました。
翌朝早く、ワールドカップの決勝戦を観ようとテレビをつけたところ、チャンネル操作部分が壊れていてHBC北海道放送しか映らず、結局、観ることができませんでした。無念。
月曜日は雨。近くのホテルに泊まった kuwa さんが「セレクトセール会場まで車で送って行ってあげるよ」といってくれたので、お言葉に甘えることにしました。札幌からノーザンホースパークまでの1時間半、ずーっと血統の話。気がつくと Tamerett や Buchan について、お互い血統表も見ずに配合構成やその意義について語り合っており、客観的にみてかなり気持ち悪いなと思いました(笑)。
セリ1日目はやや盛り上がりに欠けました。会場でお会いした村本浩平さんは「きょうは目玉がいないですね」と語っておられました。たとえばビワハイジ、スカーレットブーケ、エアグルーヴ級の繁殖牝馬の子が1頭でもいれば、それを契機にセリが活気づくのですが、ネームバリューに乏しい繁殖の子ではそうはいきません。ただ、インフレ的な値段の上昇がないので「本当に買いたい馬がいる人にとってはいいセリじゃないですか」とも。たしかに、こんないい配合の馬がこんなに安くていいの? という例がいくつかありました。
気が滅入るような強い雨が降っていたのも購買意欲に水を差した部分があったかもしれません。雨の影響なのか途中で停電となり、オークショニアのマイク音声が入らずセリがストップするアクシデントもありました。換気扇まで止まってしまい、野外の出店で調理している焼き肉の、ほんのりと香ばしい煙が会場内に漂ってきて、お昼どきだったものでそれが妙に食欲をそそるという一幕もありました。
その夜は亀谷敬正さんとすすきので会食。彼はテレビそのままの明朗な人柄です。去年は2日目の夜に飲んだのですが、“ジンギスカン→ジンギスカン”というハシゴでした。これは配合的に濃すぎるというので、今年はバランスに気を遣って“寿司→ジンギスカン”という流れ。“軽×重”は配合の王道なので正解でした。ダービーの“ローズキングダム本命”の内幕などを楽しく聞かせてもらい、日付が替わるころホテルに戻りました。
プロキオンS(G3・ダ1400m)は牝馬のケイアイガーベラ(4番人気)がレコードで逃げ切り勝ち。ここまで強いとは……という感じです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104463/
その父 Smarty Jones は米二冠馬(ケンタッキーダービー、プリークネスS)で、その父 Elusive Quality は現役時代に芝8ハロン=1分31秒6の世界レコード(当時)を樹立。種牡馬としても成功し、04年には北米リーディングサイアーに輝いています。
http://www.pedigreequery.com/elusive+quality
今年の米古馬戦線の雄 Quality Road(牡4歳)は Elusive Quality 産駒。いまや Zenyatta とて負かすのは楽ではない、と思わせる強豪に成長しました。
http://www.pedigreequery.com/quality+road
昨春、フロリダダービー(G1)を勝ってすでにG1ウィナーの仲間入りを果たしているものの、本格化したのは今年に入ってから。ハルズホープS(G3・ダ8f)→ドンH(G1・ダ9f)→メトロポリタンH(G1・ダ8f)と3連勝中です。とくにドンHは2着以下を12・3/4馬身ちぎり、1分47秒49というトラックレコードを樹立しました。
http://www.youtube.com/watch?v=pxfpmHO2_Hc
Elusive Quality は、数少ないサンデーサイレンス牝馬との交配から、2頭の活躍馬を送り出しています。その2頭、Devotee と Raihana は、いずれもUAEオークスを勝っています。ちなみに、前者が勝ったUAEオークスはナドアルシバ競馬場のダ1800m、後者が勝ったのはメイダン競馬場のAW1900m。同じレースですが行われた条件は異なります。両馬は「Elusive Quality×サンデーサイレンス」だけでなく、母系の奥に Danzig が入るところまで似ています。
http://www.pedigreequery.com/devotee9
http://www.pedigreequery.com/raihana
┌ Elusive Quality
Devotee ―┤ ┌ サンデーサイレンス
└○┤ ┌ Danzig
└○┘
┌ Elusive Quality
Raihana ―┤ ┌ サンデーサイレンス
└○┤ ┌ Danzig
│ ┌○┘
└○┘
Elusive Quality とサンデーサイレンスを結びつけているのは、おそらく“Sir Ivor と Halo”でしょう。
http://www.pedigreequery.com/sir+ivor
http://www.pedigreequery.com/halo
┌ Turn-to
┌○┘ ┌ Mahmoud
Sir Ivor ┤ ┌○┘
└○┤ ┌ Pharamond
└○┘
┌ Turn-to
┌○┘ ┌ Pharamond
Halo ――┤ ┌○┘
└○┤ ┌ Mahmoud
└○┘
この2頭は血統構成が似ており、ニックスの関係にあります。有名なところではグッバイヘイローとジョリーズヘイローがふたつの血の組み合わせから誕生しました。ディープインパクトもこの組み合わせ(2×4)を持っています。
http://www.pedigreequery.com/goodbye+halo
http://www.pedigreequery.com/jolies+halo
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/
プロキオンSをレコード勝ちしたケイアイガーベラは、Elusive Quality 系で、母の父は Danzig。前出の Devotee と Raihana に配合構成がよく似ています。これにサンデーサイレンスが加われば完璧です。わが国の生産界には同系の優秀な種牡馬がよりどりみどりですから、繁殖牝馬としての将来も明るいと思います。
土曜福島11Rの松島特別(1000万下・芝2000m)は、7番人気のアサヒバロン(父テンビー)が差し切って勝ちました。同馬はアサヒライジング(クイーンS、アメリカンオークス-2着、秋華賞-2着、ヴィクトリアマイル-2着)の半弟です。
その母アサヒマーキュリーはあまりにも美しい反時代的配合なので惚れずにはいられません。父ミナガワマンナはシンザン産駒の菊花賞馬。母の父ボンモーはフランス産のウルトラステイヤー血統。これほど徹底した異系配合はきわめて珍しいですね。全兄アサヒジュピターはアルゼンチン共和国杯(G2)の3着馬でした。
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/1991101226/
では、血脈の物珍しさだけで惚れたのかと問われれば、答えは「NO」です。この馬が属するジェッタ牝系は、ヒンドスタンと抜群の相性を示しています。
まず、“父ヒンドスタン、母ジェッタ”という直接交配から皐月賞馬ワイルドモアが誕生しました。そして、ジェッタの娘とヒンドスタンの息子(シンザン)との交配からアサヒダイオー(カブトヤマ記念)とアサヒテイオー(日経賞)の兄弟が生まれました。これらの姪にあたるのがアサヒマーキュリーで、その父ミナガワマンナはヒンドスタンの孫です。
ジェッタ(f.1960.Nearula)
ワイルドモア(c.1966.ヒンドスタン)
アサヒタマナー(f.1968.タマナー)
アサヒダイオー(c.1975.シンザン)
タニワーデン(f.1978.ボンモー)
│ アサヒジュピター(c.1990.ミナガワマンナ)
│ アサヒマーキュリー(f.1991.ミナガワマンナ)
│ アサヒライジング(f.2003.ロイヤルタッチ)
│ アサヒバロン(c.2004.テンビー)
アサヒテイオー(c.1979.シンザン)
アサヒエンペラー(c.1983.コインドシルバー)
ジェッタの牝系には、代々、ヒンドスタン→シンザン→ミナガワマンナという親子孫が交配され、それぞれ一流馬を送り出しています。ジェッタとヒンドスタンの相性のよさは、おそらくジェッタの母 Jet Plane と、ヒンドスタンの母 Sonibai がよく似た血統構成だからでしょう。
http://www.pedigreequery.com/sonibai
http://www.pedigreequery.com/jet+plane
┌ Solario
Sonibai ―――┤ ┌ Blandford
└○┤
└ Uganda
┌ Blandford
┌○┤
Jet Plane ――┤ └ Uganda
└○┐ ┌ Solario
└○┘
代が下っても効果が維持されたのですから、両者の結びつきは強固です。一流馬がつねに一流血統から生まれるわけではありません。たとえ主流とは無縁の血統であっても、意匠を凝らした配合には、しばしば勝利の女神が微笑むのです。この一族の活躍ぶりはそれを証明しています。
非主流血脈を極限まで蓄えた上で、Sonibai≒Jet Plane という相似な血のクロスを施し、そこへ「サンデーサイレンス系×Northern Dancer 系」という主流血脈(ロイヤルタッチ)をぶつけて誕生したのがアサヒライジングです。昨今、非主流のドイツ血統が欧米の主流血統と掛け合わされて次々とハイクラスな馬を誕生させていますが、基本的にはそれと同じパターンと考えていいでしょう。
『栗山求 Official Website』(http://www.miesque.com/)の「Works」に作品を追加しました。例によって血統専門誌『週刊競馬通信』に連載したコラム「血統SQUARE」の復刻掲載です。
今回は「スタミナ・インデックス」(初出は1996年9月~10月)。血統表を解釈するときに必要なのは過去の血の特徴を把握すること。なかでも距離適性は最も基本的なファクターなので重要です。この連載では、過去の血の距離適性に光を当てています。どんな血が入れば速くなり、あるいはスタミナが増すのか。血統表を見ながら思わず考えに耽ってしまいます。よろしければご一読くださいませ。
■母が Northern Dancer を複数持つ(4代以内)
Northern Dancer は依然として世界のメインストリームを形成する血です。したがって、「母が4代以内に Northern Dancer を複数持つ」ということは、“マンハッタンカフェは主流血統と相性がいい”という前回までの説明とリンクします。
レッドディザイア、ジョーカプチーノ、ゲシュタルト、ガルボ、ヒルノダムール、ココナッツパンチがこのパターンにあてはまります。レッドディザイアは母が Northern Dancer 3×3です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
Northern Dancer 系は世界のあらゆる馬場に適応しています。芝でもダートでもオールウェザーでもお構いなし。この系統の美点はたくさんありますが、なかでも“筋力の強さ”はその最大のものではないでしょうか。これがベースとなってさまざまな系統が発展しています。
現役時代のマンハッタンカフェはヨーロッパの香り漂うステイヤーでした。体の線が綺麗で動きが柔らかく、切れ味勝負に強い反面、非力なところが見られました。こうした特徴は産駒にも伝わっているように思います。母方の Northern Dancer クロスによって筋肉を増強することは、産駒のパワー不足を補う上で有効です。マンハッタンカフェが基本的にアメリカ血統と好相性を示しているのは、こうした部分にも理由があるような気がします。アメリカ馬は一般的に、ガッチリとした馬格、豊富な筋肉を備えておりパワーがあります。
ヒルノダムールとガルボは配合構成がよく似ています。ヒルノダムールは、母シェアエレガンスが Nijinsky≒The Minstrel 2×3。ガルボは、母ヤマトダマシイが Nijinsky≒Far North 3×3。Far North と The Minstrel は全きょうだいなので構造はよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007101163/
両者ともこのような硬質な4分の3同血クロスを持つ上に、前者の母の父はラムタラ、後者の母の父はジェネラスと、これまた柔軟性に欠ける硬い血です。
マンハッタンカフェは、自身が柔らかすぎるので、交配相手の牝馬がこれぐらい硬くても問題ありません。むしろ、そのほうがいいような気がします。硬めのアメリカ血統が入らない産駒は、フニャフニャで頼りなく、大物感がありません。
■Northern Dancer(Nijinsky 以外)+Mr.Prospector
昨日のエントリーにこう記しました。
「“非主流血脈で構成されていること”はマンハッタンカフェの大きなアドバンテージです。傍流の血だけですでに高い能力を獲得しているわけですから、そこに主流血脈の活力を新たに上積みできるのは有利です。」
マンハッタンカフェ産駒は、“主流血脈を入れる”というごく単純な配合でもある程度うまくいきます。欧米豪で最も活発に枝葉を延ばしているサイアーラインは Northern Dancer と Mr.Prospector の両系。このふたつの血を同時に入れるのは効果的です。
Northern Dancer 系のなかでは Nijinsky との相性が良好。これは昨日「Nijinsky+Mr.Prospector」の項でご説明したとおりです。もちろん、それ以外の血がダメというわけではなく、ゲシュタルト、ハンソデバンド、メイショウクオリア、アントニオバローズ、ダイワバーバリアンといった馬たちは、非 Nijinsky の Northern Dancer と Mr.Prospector の組み合わせから誕生しています。
ゲシュタルト、ハンソデバンドは昨年の「栗山ノート」で推した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007104975/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102537/
アントニオバローズ、ダイワバーバリアンはいずれも母の父が Kingmambo。この血は「Mr.Prospector×Nureyev(その父 Northern Dancer)」なのでセオリーに合致しており、しかも母は名牝 Miesque。こういうベタな良血は合います。「マンハッタンカフェ×Kingmambo」は今後も要チェックでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104938/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100562/
■Sadler's Wells
レッドディザイア、ジョーカプチーノ、ゲシュタルトが当てはまります。G1馬が2頭に、G2馬が1頭ですから、他のパターンよりも大物感があるといえるでしょう。Sadler's Wells の底力が影響しているのだと思います。
マンハッタンカフェの2代母 Santa Luciana はドイツ血統です。ドイツ血統と Sadler's Wells の相性の良さについては、4月30日のエントリー「ドイツ血統と Sadler's Wells」で指摘しておりますのでご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/sadlers-wells-a.html
ただ、Sadler's Wells は軽快なタイプではないので、この血が大きな顔で主張している配合は褒めづらいですね。レッドディザイアとジョーカプチーノは Caerleon を併せ持ち、後者にはさらにトウショウボーイとフォルティノが入ります。ゲシュタルトは Mr.Prospector 系のエンドスウィープを持ちます。素軽い血を主役に立てて、Sadler's Wells がサポートする……といった構造が理想です。この3頭のなかで Sadler's Wells を母の父に直接持つものは1頭もいません。いずれも3~4代目です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006100529/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007104975/
続きは明日。
マンハッタンカフェの母サトルチェンジは、現役時代にイギリスとアイルランドで走り、3歳春にオークストライアルS(英LR・11f106yds)で3着となりました。芝向きの中距離タイプです。
ビワハイジの叔母に当たる良血で、世界的にひとつの潮流を成しているドイツ牝系に属しています。父は Ribot 系の Law Society。Northern Dancer や Mr.Prospector といった主流血脈は含まれていません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000334/
“非主流血脈で構成されていること”はマンハッタンカフェの大きなアドバンテージです。傍流の血だけですでに高い能力を獲得しているわけですから、そこに主流血脈の活力を新たに上積みできるのは有利です。
■Caerleon
前出のビワハイジは、現役時代に阪神3歳牝馬S(G1)など3つの重賞を制した名牝で、繁殖牝馬としてもブエナビスタ、アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラといった活躍馬を送り出しています。
ビワハイジはマンハッタンカフェの“いとこ”にあたります。この偉大な名牝が Caerleon を父に持つことは記憶に留めておくべきでしょう。マンハッタンカフェが Caerleon と抜群の相性を示していることは偶然とは思えません。
たとえば、ブエナビスタとレッドディザイアは配合構成がそっくりです。3代以内にサンデーサイレンス、Caerleon、Santa Luciana が共通しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103319/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
┌ サンデーサイレンス
┌○┘
ブエナビスタ ―――┤ ┌ Caerleon
└○┤
└○┐
└ Santa Luciana
┌ サンデーサイレンス
┌○┤
レッドディザイア ―┤ └○┐
│ └ Santa Luciana
│ ┌ Caerleon
└○┘
ジョーカプチーノ、ガルボ、マッハヴェロシティ、レッドアゲートなどがこのパターンに当てはまります。レッドアゲートは母の父がスキャンで、その母が Caerleon の全妹です。
■Nijinsky+Mr.Prospector
マンハッタンカフェと Nijinsky は基本的に相性が良好です。ただ、母方に Nijinsky があれば無条件に走るわけではなく、2つのパターンに分類できます。
A)Caerleon(その父 Nijinsky)を持つもの
B)Mr.Prospector を併せ持つもの
Aパターンについては上で説明したとおりです。Bパターンからは、イコピコ、サンディエゴシチー、マンハッタンスカイ、レッドアゲート、メイショウレガーロなどが出ています(レッドアゲートはAB両パターンに該当)。重賞ではまだ連対がありませんがエーシンモアオバーなどもそうです。
欲をいえばヨーロッパのスタミナ血統を同時に入れたいところです。Mr.Prospector と Nijinsky を直接組み合わせると、ジェイドロバリーやスキャンといった軽いスピードタイプが出来上がります。要するにこういう血を母方に入れるわけですから重みが足りません。イコピコはトニービン、マンハッタンスカイは Ribot 系の Go for Gin、レッドアゲートはシーホーク、メイショウレガーロは Ribot 系の Hoist the Flag を5×5で持っています。重厚な血をワンポイントでも入れておかないと重賞クラスまでなかなか上がってこれません。
続きは明日。
JBISのサイトに掲載されているサイアーランキングが7月4日(日)分までの更新されました。それを見ると、マンハッタンカフェは5位から4位に上昇。先週の固め打ちが功を奏しました。3位クロフネは寒冷期型の種牡馬(ダートが主戦場)なので、夏はそれほど伸びません。これから差が縮まってくるでしょう。
http://www.jbis.or.jp/ranking/result/?rid=1&y1=2010&kei=1&kbn=1&tord=1&hirasyou=1&rank=100&item=20
■Blushing Groom
最も初期に発見されたニックスです。ココナッツパンチ(目黒記念2着、弥生賞2着)とメイショウレガーロ(京成杯2着)がともに Blushing Groom を持っていたことをヒントに、札幌2歳Sの予想でオリエンタルロックを本命にして的中した記憶があります。07年のことですからすでに3年経っています。その間、安定して活躍馬を送り出し、いまや定番のニックスとなっています。
昨年の「栗山ノート」で推したサンディエゴシチー(札幌2歳S)もこのパターンでした。メイショウクオリア(京都新聞杯)とほとんど配合構成が同じというか、そのまんまですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007106723/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005106283/
┌ マンハッタンカフェ
サンディエゴシチー ―┤ ┌ Rahy(その父 Blushing Groom)
└○┤ ┌ Mr.Prospector
└○┘
┌ マンハッタンカフェ
メイショウクオリア ―┤ ┌ Rahy(その父 Blushing Groom)
└○┤ ┌ Mr.Prospector
└○┘
マンハッタンカフェ産駒を取るコツはあまりひねらずにベタに選ぶこと。そういう馬が素直に走るのがマンハッタンカフェのいいところです。主要種牡馬のなかではいちばん分かりやすいタイプでしょう。
「マンハッタンカフェ+Blushing Groom」で重賞に連対した7頭のうち、Mr.Prospector を持つものが4頭、Nijinsky を持つものが3頭。後で説明しますが、Mr.Prospector も Nijinsky もマンハッタンカフェと相性抜群です。こうした血が入るとさらに効果的だと思います。
全体的にみると、やや成長力に欠ける馬が多いような印象も受けます。アメリカ血統が素軽さを保証する反面、早熟なところが出てしまうという副作用もあるのでしょう。ただ、ヒルノダムールのように重厚感のある血で構成された馬はちょっと違います。3歳秋以降も期待できるのではないでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/
続きは明日。
先週はマンハッタンカフェ産駒が大活躍。アロマカフェのラジオNIKKEI賞、マイネルキーロフの五稜郭Sを含めて5勝しました。リーディングサイアーに輝いた昨年に比べて、今年前半はもうひとつ活気がなく、6月末時点で第5位。ランキング首位のキングカメハメハに6億円近い差をつけられています。あと半年でこれを逆転するのは難しいでしょう。ただ、2位以下は団子状態なので、この争いには勝てそうな雰囲気が出てきました。
マンハッタンカフェがどのような血を持つ繁殖牝馬と好結果を残しているのか、セレクトセールも間近に迫っているので、あらめて整理整頓したいと思います。
対象は重賞連対馬です。複数のパターンに合致する馬は名前が重複しています。
■Blushing Groom
ベストメンバー
メイショウクオリア
ヒルノダムール
サンディエゴシチー
オリエンタルロック
ココナッツパンチ
メイショウレガーロ
■Caerleon
レッドディザイア
ジョーカプチーノ
ガルボ
マッハヴェロシティ
レッドアゲート(Caerleon の全妹の血を持つ)
■Nijinsky+Mr.Prospector
イコピコ
サンディエゴシチー
マンハッタンスカイ
レッドアゲート
メイショウレガーロ
■Northern Dancer(Nijinsky 以外)+Mr.Prospector
ゲシュタルト
ハンソデバンド
メイショウクオリア
アントニオバローズ
ダイワバーバリアン
■Sadler's Wells
レッドディザイア
ジョーカプチーノ
ゲシュタルト
■母が Northern Dancer を複数持つ(4代以内)
レッドディザイア
ジョーカプチーノ
ゲシュタルト
ガルボ
ヒルノダムール
ココナッツパンチ
■その他
アーバニティ
セラフィックロンプ
ヒカルオオゾラ
アロマカフェ
表を作ったら思ったよりも長大になってしまったので、個々の説明は明日以降のエントリーに回したいと思います。
自分とオグリキャップの個人的な関係を語れば、3歳時は“幻のダービー馬”と呼ばれていることに不快感を持っていました。本物のダービー馬サクラチヨノオーのファンだったからです。4歳以降はすでに競馬業界で働き始めていたので、日々の仕事に忙殺され競馬を楽しむどころではありませんでした。
オグリキャップに思い入れを持つ機会を失ったまま、あの時代をやり過ごしてしまったことがよかったのか悪かったのかわかりません。同世代の競馬好きはオグリキャップをきっかけに競馬にのめり込んだ方が多く、彼らが熱く“オグリキャップ体験”を語り合っている横で、自分はイマイチ話に乗りきれず、あの時代にとんでもない忘れ物をしてしまったのではないかと、その話題が出るたびに思ったものです。
ただ、オグリキャップの強さはもちろん認めていました。4歳秋のマイルCS→ジャパンCの連闘も凄いと思いましたが、いま振り返って最も強く印象に残っているのは5歳春の安田記念。休み明けをものともせず1分32秒4のレコードで楽勝したレースです。
http://www.youtube.com/watch?v=3CAKpRFNxH4
4歳秋の時点でオグリキャップの偶像化はほぼ完成しており、ハイセイコー以来ひさびさに1頭のサラブレッドが競馬の枠を超えてひとり歩きを始めていました。安田記念が自分のなかに強い印象をもたらしたのは、どんどん肥大化していく“オグリキャップ”という虚像に、実像がググッと近づいて一致するという、そのダイナミズムに心を動かされたからだろうと思います。「やっぱり強いなぁ……」と心底感心しました。
初年度産駒がデビューしたのはサンデーサイレンスと同じ94年。新聞や雑誌で日米種牡馬対決を煽る企画などもあったように記憶しています。片や歴史的大成功を収め、片や歴史的大失敗となりました。1600mを1分32秒4、2400mを2分22秒2で走破する能力の持ち主が、自身の資質をまったくといっていいほど伝えられなかったのは神秘的な印象すら受けます。
当時のレースを YouTube で見ると、映像の向こう側にある“熱度”に圧倒されます。それは言い換えれば“ピープルズホースが存在する時代の幸福感”であるような気がします。
ワールドカップの準々決勝、ウルグアイVSガーナ戦は凄い試合でしたね。1対1で迎えた延長後半ロスタイム、ガーナの決勝ゴールが決まりそうになった瞬間、ウルグアイのスアレス選手が退場覚悟のハンドでボールをはじき出しノーゴール。与えられたペナルティーキックをガーナが決めれば勝ちだったのですが、なんと外してしまいタイムアップ。PK戦に突入し、ウルグアイが勝ちました。
すぐに消されるかもしれませんが以下の動画で見ることができます(10秒ぐらいから)。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=t9Xj49ehjFU
今回のプレーはスアレス選手が発明したわけではなく、昔からあります。レッドカードが出なかった時代はそれこそ“やり得”といった感があり、ときどき目にすることがありました。いまから32年前、78年ワールドカップのアルゼンチンVSポーランド戦で、アルゼンチンのディフェンダーが同じようにハンドでブロックしたことがありました。以下の動画の2分10秒ぐらいから見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=Q_izD7XjfYg
サッカーは国ごとに個性があります。それは文化の反映です。こういうプレーを賞賛するか、許容するか、否定するか、とらえ方はさまざまでしょう。国や地域によって基盤となる文化が違うからです。そうした差異を垣間見られることは、ワールドカップを見ていておもしろいなぁと思うことのひとつです。私自身は、今回のスアレス選手のプレーはまったくOKだと思いますし、その勝利への執念に感心しました。
ここにきて世界経済の雲行きが怪しくなってきて、現在ユーロ円は109円ぐらい。凱旋門賞の1着賞金を円換算すると2億5000万円ぐらいです。去年の秋は3億円ぐらいだったのでずいぶん目減りしてしまいました。ひょっとすると10月ぐらいにはユーロ円が100円割れしているかもしれません。
しかし、それでも日本馬が遠征を取りやめることはないでしょう。今年参戦を表明したヴィクトワールピサとナカヤマフェスタは、「行きたい」ではなく「行く」という陣営の強い意志が感じられます。
ヴィクトワールピサの角居勝彦調教師は、シーザリオ、デルタブルース、ハットトリックで海外G1制覇の経験があり、ウオッカでは3年連続ドバイに遠征しました。ナカヤマフェスタの二ノ宮敬宇調教師は、エルコンドルパサーでサンクルー大賞典を勝ち、凱旋門賞でも2着となりました。両陣営とも海外遠征に関して豊富なノウハウを持っています。
凱旋門賞は「3歳馬有利」といわれます。3歳と古馬に3.5キロの斤量差があるのはたしかに大きいですね。日本の場合、秋のG1は2キロ差です。もし仮にヴィクトワールピサがダービーを勝っていたら、三冠か凱旋門賞か――という難しい決断を迫られたことでしょう。負けたことですんなりと遠征一本に進路が定まり、早い時期から準備を整えることができるわけですから、怪我の功名といえるかもしれません。
5月10日のエントリーで「ヴィクトワールピサ、ペルーサ、ダノンシャンティの3頭は世界のどこへ出てもトップを争える逸材でしょう。」と書きました。この考えは変えていません。下手な競馬はしないのではないかと思います。
ナカヤマフェスタは、気性面に弱点があるので、環境の変化に対応できるかどうかですね。この点さえクリアできれば楽しめそうです。
今年はなんとなく観に行ったほうがいいような気がするので、たぶん行くことになると思います。
6月27日にフランスで行われたサンクルー大賞典(G1・芝2400m)は、4歳牝馬の Plumania(父 Anabaa)が早めに抜け出して後続の追撃をギリギリ抑えました。2着は善戦マン Youmzain。
http://www.youtube.com/watch?v=qn0kVDGd_Z8
かつて同僚だった Kuwa さんのブログ(5月24日のエントリーでも紹介しました)のコメント欄に、2週間ほど前、女傑 Goldikova(父 Anabaa)の配合についてちょっとだけ書き込みをしました。
http://blog.goo.ne.jp/boldirish/e/e478311715efc0fd0e5e4351d5a7f0af#comment-list
Goldikova はフランスの5歳牝馬で、ブリーダーズCマイル(米G1)2連覇、現在G1を3連勝中(計9勝)という世界最強マイラーです。書き込みの一部を抜き出してみます。
「Anabaa 産駒は、Rouvres(ジャンプラ賞-仏G1)とか Marshall(ギシュ賞-仏G3)とか、母の父にグルームダンサーを持つ配合がわりと成功しているのですが、Born Gold(注:Goldikova の母)はグルームダンサーと同じ「Blushing Groom×Lyphard」という組み合わせ」
つまり、Anabaa 産駒は、母の父にグルームダンサーを持つ配合が成功しており、Goldikova の母はグルームダンサーと同じ「Blushing Groom×Lyphard」ということです。
Rouvres(ジャンプラ賞-仏G1)
http://www.pedigreequery.com/rouvres
Marshall(ギシュ賞-仏G3)
http://www.pedigreequery.com/marshall3
Goldikova(世界最強マイラー)
http://www.pedigreequery.com/goldikova
┌ Anabaa
Rouvres ――┤ ┌ Blushing Groom
│ ┌○┤ ┌ Lyphard
└○┘ └○┘
┌ Anabaa
Marshall ―┤ ┌ Blushing Groom
│ ┌○┤ ┌ Lyphard
└○┘ └○┘
┌ Anabaa
Goldikova ―┤ ┌ Blushing Groom
└○┤ ┌ Lyphard
└○┘
このように「Anabaa+Blushing Groom+Lyphard」のトライアングルは大成功しています。
そして、今年のサンクルー大賞典を勝った Plumania は、またしてもこれらとよく似た配合パターン。母 Featherquest はグルームダンサーと4分の3同血であり、Blushing Groom と Lyphard を併せ持っています。
http://www.pedigreequery.com/plumania
┌ Anabaa
Plumania ―┤ ┌ Blushing Groom
│ ┌○┘
└○┤ ┌ Lyphard
└○┘
http://www.pedigreequery.com/groom+dancer
http://www.pedigreequery.com/featherquest
┌ Blushing Groom
グルームダンサー ┤
└ Featherhill
┌ Blushing Groom
┌○┘
Featherquest ――┤
└ Featherhill
牝馬がサンクルー大賞典を勝ったのは06年の Pride 以来4年ぶり。過去20年間で3頭目です(もう1頭は User Friendly)。
Pride は、ディープインパクトが出走した凱旋門賞(G1)で2着となった強豪で、ほかに英チャンピオンS(G1)、香港C(G1)などを勝っています。User Friendly は、英・愛オークス(いずれもG1)に英セントレジャー(G1)を勝ち、凱旋門賞(G1)でも2着となっています。つまり、サンクルー大賞典を勝つ牝馬は、凱旋門賞で勝ち負けになるレベルにあるといえます。
Plumania はまだそこまでの器とは思えませんが、凱旋門賞へ向けてのレースぶりはチェックしたいところです。
