2024年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« スニッツェル産駒強し | メイン | サンデーの曾孫世代で初の重賞制覇――ブライティアパルス »

2010年6月20日 (日)

日曜阪神4R新馬戦、アヴェンチュラ圧勝

ディープインパクト産駒の一番星として期待を集めた◎シュプリームギフト。幅のないコンパクトな馬体に、スタートの出遅れ。父親そっくりで感慨深いものがあります。残念ながら3着と敗れましたが、初戦としてはまずまずでしょう。今週の阪神は芝足が長く、力のいる粘っこい馬場だったので、捌きが軽くやや非力な印象のあるシュプリームギフトにとって向いている馬場とはいえなかったような気がします。

ディープインパクトは小柄な馬だったので、馬体の逞しさ(≒パワー)を補うことは配合を考える上でひとつのポイントでしょう。総じてアメリカ血統はパワーがあり馬体を大きく出すため、掛け合わせる血として悪くないと思います。シュプリームギフトの場合、母方にアメリカ血統が色濃く流れているのですが、馬体の逞しさを増すという効果においてはイマイチだったようです。阪神よりは京都向きでしょうか。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103205/

勝った○アヴェンチュラは、フサイチホウオー、トールポピーの全妹にあたるおなじみの血統。パドック映像では、シュプリームギフトとは対照的なその力強い馬体に目が釘付けになりました。育成時代からトップクラスの評価を得ていた馬で、ダイナミックなフットワークで外からマクリ切ったのですからここではモノが違いました。前述のような力のいる粘っこい馬場だったこともプラスに働いたように思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103078/

全兄フサイチホウオーは、06~07年の『赤本』で全体の1位に指名した思い出深い馬です。新種牡馬の子は基本的にあまり取らないようにしているのですが(父ジャングルポケットはこの年の新種牡馬でした)、フサイチホウオーはあまりにも配合が素晴らしかったので、禁を破って1位に指名しました。翌年にトールポピー、そして2年置いてアヴェンチュラが出たことは驚くにあたりません。それぐらいの名配合です。Hornbeam≒Sunset 4×5が底力の源泉です。
http://www.pedigreequery.com/hornbeam
http://www.pedigreequery.com/sunset3

      ┌ Hyperion
Hornbeam ―┤
      └○┐ ┌ Bois Roussel
        └○┤
          └ Point Duty

      ┌ Hyperion
Sunset ――┤ ┌ Bois Roussel
      └○┤
        └ Point Duty

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/24489669

日曜阪神4R新馬戦、アヴェンチュラ圧勝を参照しているブログ:

コメント

Hornbeamと言うと望田さんがパロクサイドとのクロスでナタの切れ味と言っているのが頭に残るのですがあの場合Hyperion,Nasrullahが揃っているからなのでしょうか?Sunsetの場合はどうなのかなぁと思いましてお伺いしたいです。それとフサイチホウオー、トールポピーというと重賞馬、オークス馬に失礼ですが、早熟というイメージが付きまとうのですがその点はどうでしょうか?

パロクサイドは Hornbeam と似ていますが、Hornbeam の息子インターメゾともよく似ています。インターメゾといえばじわじわ伸びるステイヤーで、グリーングラスの父、サクラスターオーやスーパークリークの母の父ですから、ナタの切れ味という雰囲気はありますね。パロクサイド、Hornbeam-インターメゾは、少なくともスパッと切れるイメージはありません。

「ジャングルポケット×アドマイヤサンデー」は Caro が効いていると思います。Nasrullah-Grey Sovereign に由来する切れ味と柔軟性です。これがなかったらダート馬になってもおかしくない配合だと思います。Hornbeam にあって Sunset にないものは Nasrullah ですが、これを Caro からしっかり補っているので隙がありません。

フサイチホウオーとトールポピーの兄妹が突然走らなくなったのは、月並みな見解ではありますが肉体面よりも精神面が原因ではないかという気がします。バレークイーンの一族にもたまに見られる特徴ですね。早期にバーンアウトしてしまう資質をどこかで伝えているのかもしれません。そのような傾向をアヴェンチュラが受け継いでいるのか、あるいはそうでないのか、これからウォッチしていきたいと思います。

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!