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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

配合

2011年10月 2日 (日)

スプリンターズSはカレンチャン

いろいろあったスプリンターズS(G1・芝1200m)ですが、△カレンチャン(3番人気)の完勝ぶりは文句のつけようがなく、能力が一枚上という競馬でした。ここまで強くなっているとは……という感想です。
http://www.youtube.com/watch?v=VqCvGFc-MS0

5連勝でG1戴冠、という歩みは同じクロフネ牝馬のスリープレスナイトと同じ。着差がつきづらいスプリント戦における“1・3/4馬身差”はかなり大きなもので、2000年以降、良~稍重で行われたスプリンターズSでは、06年のテイクオーバーターゲット(2・1/2馬身差)に次ぐものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102807/

4コーナーから直線にかけて◎ロケットマン(1番人気)の外側に被せるように進出し、同馬をポケットに閉じ込めた池添騎手のプレーが見事でした。「(ロケットマンを)ずっと見ながら競馬ができたらいいかなぁと思っていました」と、レース後に語っていたので、最大のライバルと見越した上で蓋をしたのでしょう。池添騎手はこれでホエールキャプチャ、オルフェーヴルに続き3週連続重賞制覇。今年に入って重賞11勝目で、うちG1は4勝目となります。大レースで冷静沈着に仕事ができるという点では現役ナンバーワンではないでしょうか。

カレンチャンの配合については、4月10日のエントリー「阪神牝馬Sはカレンチャン」をご覧ください。準OPからノンストップで頂点を極めたわけですが、馬はまだ強くなる可能性があります。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/04/post-c728.html

1番人気で敗れたロケットマンは4着。先頭に並びかけることすらできませんでした。蓋をされてロスがあったのは事実ですが、それ以前に道中の手応えがもうひとつでしたね。

個人的には、火曜日と金曜日に強いところを追って、なおかつ馬体重が増えていたところに敗因があるような気がします。シンガポールから日本への輸送を見越して、出発前に少し太めに作りすぎていたのではないでしょうか。あるいは、9月17日に来日してから何か誤算があったか。

今年に入ってから、本拠地シンガポールのレースでは481、479、479、479キロと安定しています。ドバイでは計測がありません。昨年末、香港に遠征(2戦)した際は、475、473キロ。シンガポールでレースをしているときよりも減っています。そして今回は486キロ。香港遠征のときのように減っているならともかく、逆に増えています。レース当週の異例の2回追いは、太目を解消するための苦肉の策だったとも考えられます。

もしこれが敗因なら、ベストの体調ではなかったことになるので、できることなら来年もう一度チャレンジしてほしいですね。セン馬なので7歳になっても衰えはないでしょう。

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札幌2歳Sはグランデッツァ

■札幌2歳S(G3・芝1800m)は好位追走の◎グランデッツァが好位追走から難なく抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=YeSx5gvfE4Q

予想は◎△△で馬単410円、3連単2430円的中。『netkeiba.com』の「No.1予想」に提供した予想文を転載します。

「◎グランデッツァは『アグネスタキオン×マージュ』という組み合わせ。半姉マルセリーナは桜花賞馬で、母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1)など3つのマイル重賞を制した名牝。母方はヨーロッパ血統で構成されており、馬場が少々湿ったぐらいではへこたれない。ほんの少し気合いをつけた程度で後続を8馬身ちぎった前走の勝ちっぷりは圧巻。まだまだ未完成でレースぶりも荒削りだが、外からすんなり好位をキープできればこのメンバー相手に連を外すことはなさそう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105989/

1200mの2歳重賞と違い、札幌2歳Sは来年のクラシックを思い描きながら予想することができるので、毎年検討するのが楽しみなレースです。今年は素直にグランデッツァが抜けていると評価して◎。外からすんなり好位をキープできた時点で半分レースは決まったようなものでした。

配合については9月21日のエントリー「グランデッツァ8馬身差圧勝」をご覧ください。Alcide 周辺の重厚な部分を強化した配合なので、雨の心配はしていませんでした。これで賞金は足りたのでゆったりとしたローテーションを組むことができます。次走は暮れの阪神でしょうか? 直線の長いコースでどんな脚が使えるのか楽しみです。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/09/post-43d5.html

2着△ゴールドシップ(2番人気)の走りを見ていると母の父メジロマックイーンの姿がダブります。身のこなしがそっくりですね。直線でエンジンが掛かったときに思わず「おっ」と身を乗り出しました。鋭く追い込んで届かなかった馬はつねに強く見えるもので、現時点で過大視は禁物ですが、先々かなりいい形で完成しそうな予感があります。早熟型ではないのでこれからどんどん成長するでしょう。

■阪神11RのシリウスS(G3・ダ2000m)は、勝ったヤマニンキングリー(5番人気)を無印に落として大失敗。2年も勝ち星から遠ざかった6歳馬が初挑戦のダートで蘇り、しかもそれが重賞だったという例はきわめて稀です。
http://www.youtube.com/watch?v=zPgDoB4FU-0

武豊騎手は「初めてのダート戦なので砂を被らないポジションでレースをしようと思っていました」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っています。ファインプレーですね。

2代母ティファニーラスはケンタッキーオークス(米G1・ダ9f)の勝ち馬で、その父 Bold Forbes、母の父 Graustark というパワー型の血統ですから、ダートをこなす下地はありました。父アグネスデジタルと同じく芝とダート双方で重賞を勝ったことになります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005105360/

前日に雨が降り、良馬場とはいえ軽い馬場コンディションだったことも幸いしたはずです。必ずしも状態面が良好というわけではなかったと思うので、調子が上がってくればさらに上のパフォーマンスが期待できます。もともと寒い時季のほうがいいタイプ。武豊騎手のお手馬であるスマートファルコンの座を脅かし、“男版ホクトベガ”といった存在になればおもしろいですね。

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2011年10月 1日 (土)

シンガポールの快速王ロケットマン

ワールドサラブレッドランキングの最新版によれば、スプリント部門の世界トップはオーストラリアの快速牝馬 Black Caviar で、2位はロケットマン(Rocket Man)です。後者のレーティングは125ポンド。日曜日に行われる凱旋門賞(仏G1・芝2400m)の出走馬のなかで最も高く評価されているのが So You Think で126ポンド。ロケットマンはそれとほとんど変わらないわけですから実力のほどが窺えます。

どのカテゴリーであれ、125ポンドをもらった馬が来日するのは稀なことです。スプリンターズS(G1・芝1200m)では過去に例がありません。たとえば、1番人気で優勝を果たした05年のサイレントウィットネス Silent Witness(香港)、06年のテイクオーバーターゲット Takeover Target(オーストラリア)は、来日時それぞれ123、118ポンドでした。ロケットマンはそれらの上を行きます。先日行われたセントウルS(G2・芝1200m)の2着馬ラッキーナインは117ポンド、4位入線のグリーンバーディーは114ポンドです。

ワールドサラブレッドランキングの結果どおりにレースが決着したら誰も苦労はしないのですが、少なくとも基本能力についての有力な物差しにはなります。数値が120以上あり、状態面や馬場適性に問題がなければ好走はほぼ間違いないところです。

ロケットマンはオーストラリアで誕生し、シンガポールで競走馬となりました。オーストラリアは世界最高の芝短距離王国で、過去にスプリンターズSを制した海外調教馬3頭はいずれも同国で誕生しています。香港の短距離路線がきわめてハイレベルなのは、馬資源のほとんどをオーストラリアから輸入しているからです。ロケットマンが本拠とするシンガポールもオーストラリアやニュージーランドから馬を仕入れています。
http://www.pedigreequery.com/rocket+man

ロケットマンの半兄 Our Giant(父 Giant's Causeway)は南アフリカのホースチェスナットS(G1・芝1600m)の勝ち馬。母 Macrosa は97年のジャパンCで12着となったエボニーグローブ Ebony Grosve の半姉で、母の父マクギンティ McGinty は83年のジャパンC5着馬です。質の高いファミリーの出身で、なおかつ日本とも縁があります。
http://www.pedigreequery.com/our+giant
http://www.pedigreequery.com/ebony+grosve
http://www.pedigreequery.com/mcginty

父 Viscount は英ダービー馬 Quest for Fame の子。ただ、競走馬としてはスプリンター寄りのマイラーで、1600mのG1を2勝、1400mのG1を1勝しています。Octagonal、Kaapstad、Danewin、コマンズ、Don Eduardo など多くの名馬が現れている名牝系に属し、種牡馬としてはロケットマンのほかにオーストラリアで2頭のG1馬を送り出しています。ただ、全体的な種牡馬成績は平凡というべきもので、ここ3年の種牡馬ランキングは40位、37位、54位です。

ロケットマンは、兄弟にG1馬がいる良血に加え、相性のいい Sir Tristram と Sovereign Path を持っていることが強調材料として挙げられます。オーストラリア産の名スプリンターは、サイレントウィットネスやテイクオーバーターゲットにしてもそうですが、スプリンター血統ばかりを掻き集めて誕生しているわけではなく、スタミナ血統がやや多すぎるのではと思うくらいしっかり入っています。ロケットマンの場合でいえば、Quest for Fame、McGinty、Tamerlane、Ribot など。おそらくこれがスピードを持続させるスタミナとして作用しているのでしょう。

通算21戦17勝(2着4回)という成績は圧巻の一語。スタートは抜群に速いので出遅れて包まれる危険性はありません。遠征慣れしており、どんな環境・条件でも勝ち負けに持ち込む安定性は大きなセールスポイントです。金曜日、中山競馬場のダート(良)で上がり3ハロン35秒9(ラスト1ハロン11秒5)という時計を出しました。強烈としかいいようがありません。

唯一の死角は切れる脚を使えないこと。ワンペースでじりじりと伸びるタイプなので、スローペースで極端に上がりが速くなったときには不安があります。ただ、平年並みの速い流れになれば、バテることを知らない馬なのでスピードの持続力でねじ伏せてしまうでしょう。

2011年9月30日 (金)

新馬戦で信頼できる「タニノギムレット×サンデーサイレンス」

■日曜阪神4Rの新馬戦(芝1200m)は、◎ディザイラブル(1番人気)が好位から伸び、先に抜け出した★パーティブロッサム(4番人気)をハナ差とらえました。
http://www.youtube.com/watch?v=wpg0RjAHBDs

予想は◎★△で馬単2600円、3連単18470円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ディザイラブルは『タニノギムレット×サンデーサイレンス』という組み合わせ。母アンドレルノートルは1勝馬だが、その全兄にグレイトジャーニー(シンザン記念、ダービー卿チャレンジT)、全姉にロスマリヌス(2戦2勝)、半兄にノーリーズン(皐月賞)がいる良血。繁殖牝馬として大きな期待がかけられる。父タニノギムレットはサンデーサイレンス牝馬と相性がよく、過去にこの組み合わせからスマイルジャック、アブソリュート、クレスコグランド、スズジュピター、ライムキャンディといった活躍馬が出ている。スピード豊かなファミリーなので1200mにも対応できるだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105005/

予想文に記したロスマリヌス、ノーリーズン(母アンドレルノートルの兄姉)はPOG指名馬でした。ロスマリヌスは、2戦目の白菊賞(500万下)でダイタクリーヴァ(重賞5勝)に完勝したものの、脚部不安を発症して引退しました。通算2戦2勝。欲目かもしれませんが、無事に現役生活をまっとうしていれば大きなタイトルを取れたのではないかと思います。その全妹の娘が本馬ですから注目したいですね。

「タニノギムレット×サンデーサイレンス」は、連対率20.7%、1走あたりの獲得賞金額は215万円。一方、母の父がサンデーサイレンスではないタニノギムレット産駒は、連対率14.5%、1走あたり145万円。数字に歴然とした違いが表れています。つまり、タニノギムレットはサンデー牝馬のプレミアムが効きやすい種牡馬といえます。

芝新馬戦に限ると、この組み合わせの連対率は30.4%。たとえば、芝新馬戦の強さに定評があるアグネスタキオン産駒は連対率31.2%ですから、それに匹敵する数字であり、いかに優れたものであるかお分かりいただけると思います。

「サンデーサイレンス×タニノギムレット」は阪神より京都、中山よりも東京を得意としています。今回のレースは内容的に特筆するようなものはありませんでしたが、次走、京都で走るようなら昇級戦でも注意したいところです。

■日曜阪神5Rの新馬戦(芝1600m)は、ヒシワイルド(9番人気)が上がり33秒8で差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=SWuQb-LFmUA

稽古時計がごく平凡でまったく人気がなく、予想でもノーマークでした。父ゴールドアリュールは、スマートファルコン、エスポワールシチー、オーロマイスター、シルクフォーチュンなどダート向きの大物を出す種牡馬ですが、母の父にトニービンが入った場合、芝向きに出るという傾向があります。トニービンに豊富に含まれるヨーロッパ血統が産駒のキャラクターに影響を与えるのでしょう。本馬は Nureyev≒Fairy King 3×3。これがちょっと重たい気がしたので印を打てませんでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104879/

調べてみて分かったのですが、「ゴールドアリュール×トニービン」は新馬戦の連対率37.5%(16戦6連対)で、芝に限れば50%(8戦4連対)。初戦駆けする配合ですね。

ヒシワイルドはいい決め手を持っているので、新馬戦だけでなく昇級しても楽しみな存在です。

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2011年9月29日 (木)

アサクサスケールの牝系に待望の良駒

■土曜中山5Rの新馬戦(芝1200m)は、抑え切れない手応えで2番手を追走した△アポロアリーナ(5番人気)が直線で力強く抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=H61JFbE7N0Y

先々週、骨折明けながら初風特別(1000万下・中山芝1200m)を圧勝し、通算成績を〔3・2・0・0〕としたアポロフィオリーナ(父スニッツェル)の半妹にあたります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101765/

本馬の父アポロキングダムは現役時代11戦2勝の下級条件馬。現2歳世代が初年度産駒で、JRAでは出走4頭目にして初の勝ち馬となります。Kingmambo、Seattle Slew、Storm Cat と、材料としている血は一流なので、配合が合えばそこそこの産駒は出しそうですね。

アポロフィオリーナ、アポロアリーナの姉妹が受け継いだスピードは、母の父ウォーニングが支えている部分が大きいと思います。ウォーニングは、本邦輸入種牡馬コマンダーインチーフ(英ダービー)の半兄ながら抜群のスピードを伝え、日本でもカルストンライトオ(スプリンターズS)、サニングデール(高松宮記念)と2頭の短距離G1馬を送り出しました。最近でも“ブダペストの弾丸”の異名をとる Overdose の母の父、スプリントG1を4勝している Dream Ahead の2代父など、スピード馬の血統表に頻繁に現れます。
http://www.pedigreequery.com/overdose3
http://www.pedigreequery.com/dream+ahead

しかし、血統表のなかで真っ先に目が行くのは、3代母アサクサスケールですね。5馬身差で圧勝した85年のクイーンS(G3)を含めて通算6戦5勝という名牝で、唯一の敗戦は2着に敗れたエリザベス女王杯(G1)。このときは4コーナー先頭で誰もが勝ったと思った瞬間、大外を強襲したリワードウイングにゴール直前で差されました。まさか負けるとは思っていなかったので唖然としたのを覚えています。結果論ですがやや仕掛けが早かったですね。翌年、メジロラモーヌが牝馬三冠を達成しましたが、能力では決して負けていなかったといまでも思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1982101161/

2代母が有馬記念や天皇賞を勝った女傑ガーネットで、自身には Avena=プリメロ4×4という美しい全きょうだいクロスが施されています。大好きな馬でしたね。繁殖牝馬として必ず成功するだろうと期待していたのですが、残念ながら活躍馬を出すことはできませんでした。なお、全きょうだいクロスについては、笠雄二郎さんの『サラブレッド配合史』『血統論』に詳述されております。ご参考いただければと思います。
http://www.miesque.com/c00001.html

アサクサスケールの半妹ウイルプリンセスは、メイショウサムソン(日本ダービー、皐月賞、天皇賞・春、天皇賞・秋)の2代母となりました。それに比べ、アサクサスケールの直牝系からは草木も生えないという状況が長く続いていたのですが、ようやくモノになりそうな馬が連続して現れました。これは嬉しいですね。

■日曜中山5Rの新馬戦(芝1600m)は、中団追走の◎アルフレード(1番人気)が差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=wTwdRrQiu3g

予想は◎△△で馬単1950円、3連単6470円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎アルフレードは『シンボリクリスエス×サンデーサイレンス』という組み合わせ。2代母ラトラヴィアータはサクラバクシンオーの全妹で、母の4分の3妹は府中牝馬S4着のリビアーモ、という活力あるファミリー。素軽さと仕上がりの早さが感じられるので新馬戦に向いたタイプだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106321/

レース序盤は行きたがって騎手がなだめるのに苦労していました。「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」は芝向きの大物がほとんどなく、この馬も530キロの超大型馬だけに、いずれダート路線に転じるのでは、という予感もなくはないですが、ゴール前の迫力はなかなかのものでした。

新馬戦に限ると、シンボリクリスエス産駒は芝・ダートともに連対率が20%を超えます。1200mでは安心して切れるので、それ以外の距離で相手関係に注意して買えばまずまず信頼性は高く、今回のように馬券になる種牡馬です。芝のマイル戦なら東京コースの実績が抜群ですが、叔母のリビアーモは中山も得意でしたね。

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2011年9月28日 (水)

Drone≒Sir Ivor と相性がいいダイワメジャー

■土曜札幌5Rの新馬戦(芝1500m)は、好スタートからハナに立った△ニケ(5番人気)がギリギリ逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=P9XevRfpOZs

ダイワメジャー産駒は先週2勝。今シーズンの勝利数を「12」として2歳勝利数ランキングの単独トップに立ちました。2着がある未勝利馬は12頭。これらの大半もいずれ勝ち上がるでしょう。順調なら年末までに25~30ぐらいまで数字を伸ばしてくるのではないでしょうか。ガシッとした体つきの健康優良児が多く、稼動頭数が多いのが強みですね。

ニケの稽古内容はとりたてて強調すべき点がなく、したがって人気もありませんでした。スローペースに落として逃げられたことが勝因でしょう。4コーナーでは外の馬群に飲み込まれそうになりましたが、そこから粘りに粘ってとうとう抜かせませんでした。父親そっくりで思わず苦笑してしまいました。

瞬発力よりも粘りを身上とする種牡馬だけに、どうしても取りこぼしが多くなります。とくに新馬戦では頭から買うには信用できないタイプで、意外にもこれが3つめの勝ち星です(新馬戦では〔3-10-2-38〕という成績)。

2代母 Messenger Miss は名種牡馬 Green Desert の4分の3同血にあたる良血で、ニケ自身は、サンデーサイレンスとエンドスウィープ、Halo と Drone のニックスを併せ持ち、Your Hostess≒Flower Bowl 6×6が底力の隠し味となっています。ちなみに「栗山ノート」で推奨した馬でもあります。

母方にダンシングブレーヴを持つダイワメジャー産駒は、これまでに3頭が出走し、すべて勝ちあがっています(ダローネガ、オメガホームラン、トーセンベニザクラ)。ダンシングブレーヴに含まれる Drone はサンデーサイレンスの父 Halo と相似な血の関係にあり、これが好相性の秘密でしょう。ニケが持つ Sir Ivor も、Halo と相似な血の関係にあります。まだサンプルが少ないとはいえ、母方に Drone または Sir Ivor を持つ馬は4頭出走してすべて勝ち上がっているので、現時点でこれはニックスといえると思います。

今回は相手と展開に恵まれた感があり、直線の短いコースや洋芝にも向いていました。昇級してすぐ通用するかというと微妙でしょう。ただ、配合的には優れており、いずれ頭角を現してくるのではないかと思います。

■土曜阪神5Rの新馬戦(ダ1800m)は、○ヴィットリオドーロ(2番人気)が2番手追走から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=sKSPIvT6e5Q

浦和記念(G2)をはじめダート重賞を8勝したプリエミネンスは、現役最後のレースとしてアメリカのサンタマリアH(G1・ダ8.5f)に出走し6頭立ての5着。そのまま同国で繁殖生活に入りました。本馬はそこで誕生した馬です。アメリカ生まれですが純粋なマル外というわけではありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110009/

馬主はドバイのモハメド殿下、生産者はグランド牧場の場長である伊藤佳幸氏(美浦の伊藤圭三調教師の実兄)です。プリエミネンスはすでに帰国しています。先週はグランド牧場の生産馬が大活躍し、プレシャスジェムズ(ながつきS)とハヤブサソング(新馬戦)の姉妹や、ジャングルハヤテ(九十九里特別)、オリエンタルジェイ(千歳特別)など6頭が勝利を挙げました。

父 Medaglia d'Oro は年度代表馬 Rachel Alexandra をはじめ多数の一流馬を送り出して成功しています。日本での出世頭はダート路線で活躍中のメダリアビート。

母プリエミネンスにはアフリートと Nijinsky のニックスがあり、その核心は Tom Fool と Flaming Page の関係(いずれも近い世代に Menow と Bull Dog)にあると思われるので、これを継続して Tom Fool≒Flaming Page 5×5・5・6となる本馬の配合は悪くないですね。全きょうだいはイマイチでしたが本馬は馬のデキが違うようです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110009/

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2011年9月27日 (火)

オールカマーはアーネストリー

3番手追走の◎アーネストリー(1番人気)が直線に入って先頭に立ち、悠々と押し切りました。59キロを背負ってこの勝ちっぷりですから横綱相撲です。
http://www.youtube.com/watch?v=jOzGk330w4U

単勝払戻金は140円。力の違いがはっきりしている3歳戦ならともかく、古馬重賞でこれほど被るのはそうあることではなく、今年に入ってからでは中山記念のヴィクトワールピサ(140円)のみです。それ以前となると08年のオールカマーのマツリダゴッホ(140円)までさかのぼります。

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は◎△▲で馬単1650円、3連単6120円的中。『ウマニティ』は買い目を絞りすぎて不的中でした。予想文を転載します。

「◎アーネストリーは『グラスワンダー×トニービン』という組み合わせ。一昨年秋から本格化し、今年さらにもう一段グレードアップして宝塚記念を制した。このあたりの成長力は母方が抱える豊富なハイペリオン血脈の賜物だろう。小回り向きの機動力を持つグラスワンダー産駒は、京都よりも阪神、東京よりも中山を得意としている。過去に一度だけ中山で走った際(日経賞=芝2500m)は4着に敗れているが、本格化する前のことなので参考にはならない。今回は宝塚記念と同じ芝2200mなので問題なく実力を発揮できるだろう。59キロを背負っているので早めの競馬を心がけると思われるが、そうしたレーススタイルはこのコースに向く。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005105410/

血統解説は6月27日のエントリー「宝塚記念はアーネストリー」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/06/post-257c.html

アーネストリーに対する大方の見方と同じく、佐藤哲三騎手も小回りコースに向いたタイプであると考えているようです。ただ、その理由はグラスワンダー産駒の適性(中山>東京)ではなく、「直線が長いと飽きる」から。そんな理由があるんだと感心しました。次走の天皇賞・秋(G1・芝2000m)は、周知のとおり直線の長いコースで行われるわけですが、昨年3着だったレースでもあり、当時よりもパワーアップしたいまなら善戦以上が期待できるでしょう。

そして、さらに楽しみなのが中山競馬場で行われる有馬記念(G1・芝2500m)ですね。今回と同じく好位につけて早めに抜け出す競馬ができるなら、ライバルたちにとって相当厄介な相手となります。有馬記念で大勝負をもくろんでいる馬券ファンは、東京では適度に負けて人気を下げてほしい……と願っていることでしょう。

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2011年9月26日 (月)

神戸新聞杯はオルフェーヴル

「手合い違い」という言葉がふさわしい楽勝でした。負けるとすれば、大逃げに攪乱されたときか、超スローペースで折り合いを欠いたときだろうと考えていましたが、どちらも杞憂に終わりました。
http://www.youtube.com/watch?v=x1X5UOYyczg

予想は◎〇△で馬単380円、3連単1430円的中。『netkeiba.com』の「No.1予想」に提供した予想文を転載します。

「◎オルフェーヴルは『ステイゴールド×メジロマックイーン』という有名なニックス配合で、ドリームジャーニー(有馬記念、宝塚記念、朝日杯フューチュリティS)の全弟にあたる良血。デビューからしばらくの間はステイゴールド産駒にありがちな気性面の難しさから安定感を欠いていたが、春先からそのあたりに成長が見られ、折り合いがスムーズになってきた。皐月賞と日本ダービーで披露したパフォーマンスは圧倒的。ひと夏越したとはいえ、同世代のライバルたちがこの差を埋めるのは容易なことではない。悪くても2着は確保するだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102636/

オルフェーヴルの馬体は春よりも一段成長していました。16キロ増とはいえさほど太め感はなく、筋肉量が目に見えて増えていましたね。全兄のドリームジャーニーとはだいぶ馬体の印象が違ってきました。父ステイゴールドや母の父メジロマックイーンとも雰囲気が異なります。

思い当たるとすれば4×3でクロスさせているノーザンテーストでしょうか。同馬は筋肉質の小柄な馬体で、父 Northern Dancer の面影を濃厚に感じさせる馬でした。

サンデーサイレンスの系統は総じてスマートで気品があり、細身の馬体から繰り出す瞬発力が最大の武器です。オルフェーヴルもその特長を受け継いで素晴らしい切れ味を誇ります。ただ、その一方で、道悪のダービーを断然のパワーで駆け抜けた図太さも備えています。このあたりは Northern Dancer 的な資質が表現されたものではないかと思います。

要するに、オルフェーヴルはサンデーサイレンスと Northern Dancer のいいとこ取りをしているのではないか、ということです。

ひと夏を越して盛り上がった筋肉を見ていると、イギリスのマイル戦線を制圧している Frankel の姿がオーバーラップします。この馬は Northern Dancer 3×4で、全身が逞しい筋肉で覆われています。Frankel もオルフェーヴルも2008年に誕生したサラブレッドのなかでは傑作といえる存在です。Frankel はオルフェーヴルにないものを持っていますが、オルフェーヴルも Franekl にないものを持っています。そのひとつが中距離向きの瞬発力です。両者の血統的価値は互角でしょう。
http://www.pedigreequery.com/frankel3

テンションが上がりがちな休み明けでも、折り合いを欠くことなく超スローペースに対応していました。菊花賞の不安材料はひとつ消えました。3000mの距離に関しても、まず心配いらないと思います。筋肉質の馬体は長距離向きのイメージとはズレますが、父ステイゴールドも母の父メジロマックイーンもスタミナに関しては不安がありません。前者は現役時代に天皇賞・春(G1・芝3200m)で2着、後者は同レースを二度制したほか、菊花賞(G1・芝3000m)も勝ちました。全兄ドリームジャーニーは有馬記念(G1・芝2500m)の優勝馬です。折り合いさえつけばパタッと止まる心配はありません。

重箱の隅を突けば、ステイゴールド産駒は阪神コースに比べて京都コースがイマイチという傾向が出ており、オルフェーヴル自身、京都コースでは2回走って勝っていません。

展開面の死角があるとすれば、大逃げを打った馬の残り目ですね。具体的にいえば当レースで4着に敗れた▲スマートロビン(5番人気)です。今回は明らかにペースを落としすぎました。大逃げというのは、ラップの出入りを小さくし、スタートからゴールまでなるべく平均した速度で逃げるということです。今回のように中盤で12秒9-13秒4-13秒7-12秒9というゆっくりしたラップを刻んだり、33秒6という上がりになるようではまずいですね。瞬発力のある馬の餌食になってしまいます。

04年の天皇賞・春を逃げ切った際のイングランディーレは、上がり3ハロンが36秒1でした。道中13秒台のラップが1回しかなく、精密機械のように12秒台のラップを刻みました。もし仮にこんな競馬ができるようなら、スマートロビンが王者に一泡吹かすシーンもないとはいえないでしょう。2代母 Key Dancer はダンシングキイ(長距離に強いダンスインザダークの母)の全姉で、スタミナに関してはいいものを持っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100685/

2着〇ウインバリアシオン(2番人気)は世代ナンバー2の実力を示しました。しかし、トップとの差は大きいですね。

3着△フレールジャック(3番人気)は思ったよりも頑張ったという印象です。この馬の弱点は折り合いですから、スローペースが予想される2400m戦では引っ掛かる危険性が高いのではないかと思いました。じっさい、道中は力んで行きたがり、後方のインで折り合いに専念するしかありませんでした。それでも最後は3着まで押し上げるのですから能力は高いと思います。

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2011年9月24日 (土)

日本テレビ盃(G2・船橋ダ1800m)はスマートファルコン

スマートファルコンとフリオーソの一騎打ちと見られていましたが、レース当日にフリオーソが脚部不安で出走取り消し。単勝1.0倍のスマートファルコンが4馬身差で逃げ切りました。通算30戦20勝、重賞はなんと16勝目(日本記録更新中)です。
http://www.youtube.com/watch?v=51I7CW7FJh0

着差は4馬身とこの馬にしては小さく、持ったままというわけでもなかったので、「あれっ?」という気がしたのも事実です。G2を4馬身差で勝ちながらこんな感想を抱かせる馬もスマートファルコンぐらいでしょう。休み明けで体にも若干余裕があったので、次走、11月3日のJBCクラシック(G1・大井ダ2000m)ではキッチリ仕上がるのではないでしょうか。2着にフリソ(3番人気)が入り、ゴールドアリュール産駒のワンツーフィニッシュとなりました。

フリオーソは、5月にかしわ記念(G1)を勝ったあと、脚部不安により帝王賞(G1)を見送り、秋緒戦のこのレースにも出られませんでした。もう若くないですから無理はできません。この秋は厳しいかもしれませんね。

JBCクラシック(今年は11月3日に大井競馬場で開催予定)では、ドバイ帰りのトランセンド、復活を期すエスポワールシチーとの対決になります。まだ確定はしていませんが、この2頭はおそらく10月10日の南部杯(G1・東京ダ1600m)を経由して臨むことになると思います。

スマートファルコンは、Vaguely Noble 5×3という珍しいクロスを持ちます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005100097/

Vaguely Noble は現役時代、Sir Ivor を破って凱旋門賞を制した名馬で、種牡馬としてもスタミナ、底力、成長力を伝えて成功しました。70年代を代表する女傑 Dahlia、G1を11勝した Exceller などが代表産駒です。Northern Dancer と相性が良く、80年代には「Northern Dancer 系×Vaguely Noble」というパターンから、Golden Fleece、L'Emigrant、ダハール、Indian Skimmer と立て続けに名馬を送り出し、ニックスとも言われました。
http://www.pedigreequery.com/dahlia
http://www.pedigreequery.com/golden+fleece

Vaguely Noble は Aureole の孫です。Aureole 系は気性的にやや危ないところを伝えます。「新聞を読む馬」と言われたカブトシロー、「気まぐれジョージ」と言われたエリモジョージは、いずれも Aureole の孫です。有馬記念を15番人気で、宝塚記念を9番人気で逃げ切ったメジロパーマーは Aureole 4×5。かなり昔、POGの準備のためにデビュー前の2歳馬リストを眺めていたところ、「メジロパーマー×エリモジョージ」という配合の馬がいたので、どんな競走馬になるんだろうと興味本位で指名したところ、長じて京都ハイジャンプ(J・G2)を勝ちました。メジロライデンという馬です。早い段階で去勢されたので気性は激しかったのではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000a66/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000c1d/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1987105372/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1996107043/

Vaguley Noble 自身は臆病な性格だったといわれています。牡の代表産駒の1頭で英ダービーを勝ったエンペリーは、気性の悪さで有名でした。潜在的にはそうした要素を伝えている可能性があるように思います。

スマートファルコンを操る武豊騎手が上手いと思うのは、ただハナに立たせるだけでなく、下手に抑えず馬まかせにビュンビュン行かせているところですね。ハイペースで飛ばすリスクよりも、気分よく走らせるメリットのほうが大きいという読みではないでしょうか。Vaguely Noble 5×3の騎乗法としてはベストだと思います。

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2011年9月23日 (金)

世界レベルの良血ゲンテン

■月曜札幌5Rの新馬戦(芝1500m)は、◎ゲンテン(1番人気)が抜群のスタートから先頭に立ち、そのまま逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=gxujW6HsAQA

予想は◎〇▲で馬単610円、3連単3550円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。

「◎ゲンテンは『バーナーディニ×ニューメラス』という組み合わせの外国産馬。父バーナーディニは現役時代にプリークネスSなどG1を3勝した名馬で、種牡馬としても初年度産駒から主要G1勝ち馬を送り出して成功している。母ミステリブルはアルゼンチンの大レースを勝ちまくった名牝で、亜1000ギニー、エストレージャス大賞ジュベナイルフィリーズなどG1を7連勝し、同国の2歳・3歳牝馬チャンピオンに選出された。本馬はキラルー≒デムア≒トゥーハーバーズ5・4×4というユニークなクロスを持つのでおもしろい。本質的にはパワー型かもしれないが、そうしたタイプでも頑張れる札幌芝1500mなら排気量の違いで押し切れるとみる。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110063/

父 Bernardini は現在アメリカで最も勢いのある A.P.Indy 系のなかでも次代のエース格と目される若手注目株。現役時代に米最優秀3歳牡馬に選ばれた名競走馬です。種牡馬としても初年度産駒の現3歳世代から3頭のG1ホースを誕生させ、好スタートを切っています。いずれは種牡馬ランキングの上位に食い込んでくるでしょう。

母 Miss Terrible はG1を7連勝したアルゼンチンの名牝。ジェイドロバリーの全弟 Numerous を父に持ち、Gold Digger≒Good Manners 3×3、Trevisa=La Dogana 5×4が配合上のキーポイントです。
http://www.pedigreequery.com/miss+terrible

ゲンテンは名種牡馬と名牝の間に誕生したので血統的な価値が高いですね。今年のファシグティプトンフロリダセールでノーザンファームの吉田勝己氏が47万ドルで落札しました。現在の馬主はノーザンリバーやヘニーハウンドなどをお持ちの林正道氏です。

予想文にも記したとおり、ゲンテンには Killaloe≒Demure≒Two Harbors 5・4×4というトリプルの4分の3同血クロスがあります。
http://www.pedigreequery.com/killaloe
http://www.pedigreequery.com/demure
http://www.pedigreequery.com/two+harbors

        ┌ Dr.Fager
Killaloe ―――┤
        └〇┐
          └ Cequillo

        ┌ Dr.Fager
Demure ――――┤
        └〇┐
          └ Cequillo

        ┌ Dr.Fager
Two Harbors ――┤
        └ Cequillo

狙ったものなのか偶然なのかは分かりませんが鮮やかです。

いかにもアメ車的な雰囲気を漂わせる馬で、瞬発力で勝負するタイプではありませんが、馬力あふれる先行力を武器に自分のレースができたときは強いでしょう。ハマれば重賞でも好勝負になるはずです。適距離は1400~1800mではないかと思います。

■月曜阪神5Rの新馬戦(芝1800m)は、〇エタンダール(1番人気)が外から伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=sfNR2rs7aUg

レースが発走する前に強い雨が降り出し、パンパンの良馬場ではなくなりました。母ミスペンバリーは「Montjeu×ハイエステイト」というヨーロッパ型の重い配合で、これにディープインパクトを掛けて誕生したのがエタンダール。雨はプラスに働いたはずです。

忙しい競馬には向かず、距離は延びれば延びるほどいいので、2000m以上で時計が掛かりそうなときに買いたい馬です。高速馬場でヨーイドンの競馬になるとつらいでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104372/

◎モンテエクリプス(2番人気)は3着。素軽い血で構成され、馬体が小型なので(馬体重426キロ)、こちらはスピードの出る軽い馬場のほうがいいでしょう。イメージとしては京都芝1600mが合いそうです。

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競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!