2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« 伝説の95年阪神3歳牝馬S | メイン | 鋭く抜けたニンジャ »

2011年6月27日 (月)

宝塚記念はアーネストリー

レースが終わった瞬間「Roberto だなぁ」と思いました。切れはないけれど粘り強く、スピードの持続力に優れ、ハマれば無類の底力を発揮する。これが Roberto の特徴です。今回の△アーネストリー(6番人気)はまさに Roberto 的なレースをしました。
http://www.youtube.com/watch?v=WvU1yGqvHZQ

6歳のG1未勝利馬に◎は打ちづらかったのですが、佐藤哲三騎手は「まだ本格化に入ってやっと初期の段階」と語っており、伸びシロは十分あるようです。ここまでの器だとは思いませんでした。カンパニーのような晩成型でしょうか。

宝塚記念は切れ味勝負にはなりづらく、過去10年(重・不良を除く)の上がり3ハロンの平均は36秒0。同じドリームレースの有馬記念も似たような傾向があり、持続力に秀でたしぶといタイプがしばしば台頭します。ですから、両レースとも Roberto、Ribot、Sadler's Wells といった血を持つ馬がよく好走しています。

アーネストリーの父は99年の宝塚記念を制したグラスワンダー。その2代父が Roberto です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005105410/

グラスワンダーが小回りや内回りコースで見せた冴えは、それは見事なものでした。Roberto 系に、これまた持続型の Danzig と Ribot が入っているので、前述の Roberto 的な特徴が強化されています。

今回は最初の5ハロン通過が58秒7というよどみない流れ。これを2番手で追走し、早め先頭に立つという競馬。後続になし崩しに脚を使わせる展開なので、とくに瞬発力タイプの馬にとってはキツくなります。同じく佐藤哲三騎手が騎乗して優勝(04年)したタップダンスシチーも、レース途中で先頭を奪うという競馬でした。アーネストリーは「Roberto 系×トニービン」で、これは皐月賞馬ヴィクトリーと同じ。ヴィクトリーが勝った皐月賞も似たような競馬でした。アーネストリーは切れ味勝負に強いサンデーサイレンスの血を持っていません。サンデー系に属すライバルたちの持ち味を消すには、タフな持続力競馬に持ち込むのが近道です。

グラスワンダーが勝った宝塚記念の2着馬はスペシャルウィーク。今回の2着馬ブエナビスタはスペシャルウィークの娘なので、グラスワンダーとアーネストリーは宝塚記念を親子2代で制覇すると同時に、スペシャルウィークとブエナビスタの親子をこの舞台で2代にわたって破ったことになります。

○ブエナビスタ(1番人気)はこれでドリームレース(宝塚記念、有馬記念)で4戦連続2着。長い直線を必要とする瞬発力型なので、持続型が台頭しやすい小回りコースや内回りコースで詰めを欠く、というのはある種の必然でしょう。今回は一度叩いたにしては良化度がイマイチ。前走比+12キロの馬体重も微妙でした。そんな状況で、強引にマクリを打って2着を確保したのはさすがとしか言いようがありません。

◎ルーラーシップ(2番人気)はブエナビスタと似たような競馬をして5着なので、言い訳のできない敗戦です。目に見えない前走の疲れが残っていたかもしれませんが、このあたりは分かりません。G1でも好勝負できるほどの力を付けていると判断したのですが、そうではありませんでした。横山典弘騎手によれば「良化途上」とのことですから、秋になればもっと成長しているでしょう。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/26692858

宝塚記念はアーネストリーを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!