土曜日のレースあれこれ
■小倉2Rの2歳未勝利戦(芝1800m)はメイショウナルト(父ハーツクライ)が5馬身差の圧勝。直線半ばでは流していました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101384/
ハーツクライ産駒はこのレースに2頭出走して1着-3着。これぐらいの距離が合っていますね。短めの距離でもそれなりに実績を挙げているのは能力の高さゆえでしょう。短距離戦で取りこぼしたあと距離延長で勝つ、というパターンはこの先ちょくちょく見られるのではないかと思います。日曜日の札幌1R(芝1500m)に出走予定のシンワハーツクライは、デビュー2戦がいずれも1200m戦(3、2着)で、今回は300mの距離延長。期待できそうです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103826/
メイショウナルトはデビュー戦で◎を打った馬でした。ハーツクライとマルゼンスキーは間違いなく合うでしょうし、母の父カーネギーに含まれる Bold Reason、Riverman などもいいと思います。カーネギーを見ると反射的に「青葉賞」という三文字が脳裏に浮かび上がってくるのですが、たしかにそういうレースに強そうな配合です。
■札幌4Rの新馬戦(芝1500m)はアドマイヤセプター(父キングカメハメハ)がタイレコードで7馬身差の圧勝。牝馬限定戦であることを考慮してもハイレベルなパフォーマンスです。現時点における牝馬のフロントランナー、アヴェンチュラやホーマンフリップあたりと比べてもまったく見劣りません。コーナーを逆手前で回るなど若さを覗かせていましたが、とくに気性的に難しいという印象は受けませんでした。他馬との素質の違いは歴然としています。
叔父のルーラーシップ(日本ダービー-5着)とは4分の3同血の関係となります。アドマイヤセプターにサンデーサイレンスが入り、ルーラーシップには入らない、という違いです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103077/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103143/
┌ キングカメハメハ
アドマイヤセプター ―┤ ┌ サンデーサイレンス
└○┤
└ エアグルーヴ
┌ キングカメハメハ
ルーラーシップ ―――┤
└ エアグルーヴ
ルーラーシップがプリンシパルSを勝ったあと、手綱を取った横山典弘騎手は「フットワークが現状無駄に大きい」と評しました。慣用表現で“弾むようなフットワーク”という言い方がありますが、ルーラーシップの場合は“弾みすぎ”です。サンデーが入ったアドマイヤセプターにそうした面は見られません。無駄のないシャープなフットワークをしています。サンデーの血は、現実に即した形に馬をチューニングする力に長けています。走りやすい仕様に馬を最適化してしまうわけです。
「キンカメ×サンデー×トニービン」はミッキードリーム(毎日杯-2着)と同じ。アヴェンチュラとアドマヤセプターは10月2日の札幌2歳S(G3)で激突します。いまから楽しみです(凱旋門賞の取材に行くのでリアルタイムでは見られないのですが……)。
kuwa さんのブログ(http://blog.goo.ne.jp/boldirish)では以前からこの馬を非常に熱心にプッシュしていました。負けたら坊主、とも。望田潤さんもPOGで持っているようです。さすがですね~。私も一応、「栗山ノート」で指名しています。もちろん、3人が事前に打ち合わせをしたわけではありません。配合から馬を判断する人間であれば褒めざるをえないと思います。
■昨日のエントリーでご紹介したワイズミューラー(父ジャングルポケット)は、札幌12Rの500万下(芝2600m)を見事快勝しました。いずれ中長距離路線で出世しそうです。菊花賞に出るにはあともうひとがんばりする必要があります。今回の勝ちっぷりなら楽しみですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102779/