フェニックス賞はシゲルキョクチョウ
今年の「シゲル」は役職シリーズ。役職の重みと期待度が比例するものなのか前々から気になっているのですが、どうなのでしょう? 「局長」ならそれなりに上位でしょうか。
新馬戦でフライング気味のロケットスタートを決めた△シゲルキョクチョウ(3番人気)が今回も好スタートでハナに立ち、後続を寄せ付けずに逃げ切りました。人気の◎ブラウンワイルド(1番人気)は2着。
父オンファイアはディープインパクトの全弟で、現役時代は3戦1勝。東京スポーツ杯2歳S(G3)で3着のあと屈腱炎のため引退しました。今シーズンが始まる前に兄よりも早くOP勝ち馬を送り出すと予想していた方は少ないでしょう。私もまったく想定外でした。ディープインパクトの種付料は1200万円。オンファイアは30万円。じつに40倍です。兄と比べて馬格があるのがセールスポイント(現役時500キロ)でしょうか。息子のシゲルキョクチョウは452キロです。
「オンファイア×ラストタイクーン」という組み合わせ。母方に Raja Baba、Raise a Native といった2歳戦に強いスピード血統を持ち、3代母 Gold Mine は Mr.Prospector の全妹。これらが短距離向きのダッシュ力とスピードを補っています。昨年の2歳戦線で活躍したダノンパッションと配合構成がよく似ています。下図には書ききれませんでしたが、ほかに La Troienne 血脈がキーポイントとなる“Sex Appeal≒プレイメイト”の関係もあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008106468/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100999/
┌ サンデーサイレンス
┌○┤
シゲルキョクチョウ ┤ └ ウインドインハーヘア
└○┐ ┌ Raja Baba
└○┤ ┌ Raise a Native
└○┤
└ Gold Digger
┌ サンデーサイレンス
│ ┌ Raja Baba
┌○┤ ┌○┘
ダノンパッション ―┤ └○┘ ┌ Raise a Native
│ ┌○┤
│ ┌○┘ └ Gold Digger
└○┤
└ ウインドインハーヘア
「オンファイア×ラストタイクーン」なので、「ディープインパクト×ラストタイクーン」のマギストラ(キングカメハメハの半妹/2戦0勝)、レッドディアーナ(モンテクリスエスの半妹/未出走)、エミクーシ(ジュエルオブナイルの半妹/未出走)などと配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103343/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105563/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103061/
逃げ馬にしては余裕のあるフットワークをしているので、初戦も今回も、最後の直線でもう一度脚を使うことができます。新馬戦では◎を打っていい思いをしたのですが、見習い騎手が乗ったことによる3キロ減の恩恵が大きかったのも事実なので、今回は狙いを下げてしまいました。シゲルキョクチョウもダノンパッションも“軽さ”という点では共通しています。ただ、その一方で底力の担保となる血がないので、このあたりの影響で先々どうかという懸念はあります。
2着ブラウンワイルドは初戦をレコードで走った反動があったのかもしれませんね。パドックでは思ったほど良く見えませんでした。馬体重が8キロ増えていた原因は分かりませんが、この先の小倉2歳S(G3)を見据えて多少楽をさせていた可能性もあると思います。
コメント