ロングスパートの桜花賞
スロー必至でサンデーサイレンスの瞬発力がモノをいうだろう、との見立てで予想をしたのですが、1~3着馬はサンデーと無縁の馬でした。サンデーの血を持つ馬が3着以内に入れなかったのは98年(1着ファレノプシス、2着ロンドンブリッジ、3着エアデジャヴー)以来12年ぶり。勝ったアパパネは△だったので予想は完敗でした。
直前に行われた古馬1000万条件(芝1800m)で1分44秒8が出たようにかなりの高速馬場。桜花賞の前半4ハロン47秒5は、馬場改修以後の桜花賞では最も遅く、ペースは明らかにスロー。ただし、切れ味勝負だったかといえばそうではなく、ラスト4ハロンが11秒4-11秒1-11秒1-12秒2ですからロングスパート型のラップでした。前半があまりにもスローだったためこうなったわけです。内伸びの馬場でもあったので、前につけた粘り強いタイプが好走しやすいレースでしたね。
勝ったアパパネについては、これまで一瞬の脚が武器という認識だったので、今回のレースでマイラーとしての高い総合能力を示したと思います。オークスよりもNHKマイルCに進んでほしいですね。2着オウケンサクラ、3着エーシンリターンズは粘り強さを活かしました。キングカメハメハ産駒が1、3、4着と上位を占めたのは、「前につけた粘り強いタイプが好走しやすい」という流れと無関係ではないと思います。
◎アプリコットフィズは、クイーンCからの直行、初の長距離輸送、それを意識した軽めの調整など、必ずしも万全とはいえない臨戦過程。それでもこのメンバーのなかでは上だと思ったのですが及びませんでした。今回は11秒1-11秒1の地点でなし崩しに脚を使わされた印象で、この馬としてはラストにピリッとした脚を使うような展開のほうが向いていたような気がします。
スムーズさを欠きながら4着に食い込んだショウリュウムーン、外を回されながら6着のシンメイフジは強い競馬をしたと思います。キングカメハメハ産駒でただ1頭掲示板を外したレディアルバローザは、デビュー戦以来7戦連続で馬体重が466キロ。こういう例はちょっと記憶にありません。