隠れた名種牡馬ショウナンカンプ
今年の桜花賞出走馬は、父に微妙に偏りが生じているように思います。キングカメハメハ4頭、ゼンノロブロイ3頭、スペシャルウィーク3頭。これだけで出走馬の過半数を占めます。
異彩を放っているのがショウナンカンプ。3枠5番モトヒメの父です。現役時代は美浦の大久保洋吉厩舎に所属し19戦8勝。高松宮記念(G1)、スワンS(G2)、阪急杯(G3)などを勝ちました。テスコボーイ系の末裔でもあります(テスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオー→ショウナンカンプ)。
種牡馬成績は素晴らしいの一語。JRAでデビューした産駒はわずか20頭ながら、ショウナンカザン(シルクロードS2着)、ショウナンカッサイ(阪神ジュベナイルフィリーズ4着)、そしてこのモトヒメ(フィリーズレビュー6着)が出ています。産駒の連対率23.6%は、リーディングのトップクラスをも凌ぐ優秀な数字。単勝回収率191%、複勝回収率127%は、馬券的にも妙味があることを示しています。
しかし、欠点もあります。「受胎率の低さ」です。初年度に59頭の種付けをして産駒が17頭。この印象がよくなかったようで、徐々に数が減っていき、08年の種付け頭数はわずか6頭でした。ただ、ショウナンカッサイ効果があった09年は一挙に31頭に増加しています。
初年度の受胎率は29%でしたが、2年目以降は65%と大きく持ち直しているので、これから少しずつ種付け頭数は増えていくのではないかと思います。ちなみに、レックススタッドが公示した2010年の種付料は30万円(出産条件)。前年から10万円アップという強気の設定です。ショウナンカンプの高い潜在能力を考えれば、依然として割安ではないかという気がします。
ショウナンカザン、ショウナンカッサイ、モトヒメの配合は、いずれも一度見たら忘れられません。
ショウナンカザンはサクラバクシンオー≒ダイナマイトダディ2×2。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005101404/
ショウナンカッサイはヤセイコーソ≒メジロフィーシャー3×3。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101051/
モトヒメは母ケイシュウプライムが Sir Ivor=ロードリージ3×3。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100092/
主流から外れた地味な構成の内国産種牡馬は、多重クロス、全きょうだいクロス、組み合わせのクロスといった派手な配合で成功するケースが多いように思います。そうした種牡馬は、全体が薄味で影響力に乏しいため、良血部分を思い切って強調(クロス)するような配合でなければ成功がおぼつかないのかもしれません。
コメント