2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« 2010年2月 | メイン | 2010年4月 »

2010年3月

2010年3月31日 (水)

アラン・ポーターの「世界の最新血統」

アラン・ポーターはイギリス生まれの血統評論家で、十数年前、私が当時関わっていた『週刊競馬通信』という血統専門誌に連載を持っていました(『Patterns of Greatness』『Patterns of Greatness II』の翻訳)。この人の配合研究の深さは一目置くところであり、昨年から『週刊競馬ブック』誌に不定期ながら新たな連載を持ったのは喜ばしいかぎりです。

ただ、素晴らしい連載だけに、残念なところもあります。文章の見せ方です。ページの制約があるのは分かるのですが、さかのぼった代の細かな血統を論じているのに、4代血統表が1つ掲げられているだけでは、おそらく一読して誰も内容を理解できないでしょう。「Throughbred Horse Pedigree Query」などの海外血統検索サイトを利用して、研究したい人は研究してください、ということなのかもしれませんが、文中の馬名がすべてカタカナ表記なので、初心者の方はそれをアルファベットに置き換えるのも一苦労だと思います。アルファベットがなければ血統表検索ができません。

補足の血統表を増やす、アルファベットを併記する、という改善がなければ、いいことが書いてあるのにほとんど読む人がいないという、じつにもったいない連載になってしまうと思います。

今週号の文中に登場する「スリーパーツ・シスター」という用語もどうでしょうか。一読してこの意味を理解できる人は少ないと思います。「4分の3同血」という血統用語が日本にあるのですから、それを使ったほうがいいのではないでしょうか。

厳しいことを書き連ねてしまいましたが、この素晴らしい連載を多くの人に読んでほしいという気持ちから出たものなのでお許しを。

2010年3月30日 (火)

ディープインパクトの牝系をクロスさせてみると

3月26日のエントリーの続きです。

ディープインパクトの牝系は、もともとイギリス王室が所有していました。5代母の Hypericum は、当時の国王ジョージ六世の愛馬として英1000ギニーを快勝。現女王が所有した3代母の Highclere は、英1000ギニーと仏オークスを勝ったあと、キングジョージ六世&クイーンエリザベスSで屈強な古馬を相手に2着と健闘しました。イギリスが誇る最高級の名血です。

ディープインパクトの2代母 Burghclere は、Nashwan(英二冠馬)の母 Height of Fashion と4分の3同血の関係にあります。この牝系の活力はいまだに衰えていません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/
http://www.pedigreequery.com/nashwan

ディープインパクトの血統表を見て、この牝系を強化したらおもしろいのではないか、と考えるのはごく自然な発想です。ディープインパクトを特別な存在たらしめた配合上のキーポイントは何かと考えたとき、この牝系をひとつの候補として見るのは当然でしょう。

「トラップファミリーの2008」はエルコンドルパサーを作った渡辺隆氏の配合馬です。詳しい説明は抜きでとにかく血統表を見ていただきたいと思います。また今年も『競馬王のPOG本』の取材でうかがう予定なので、この馬についてじっくりお話を聞いてこようと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105119/

「プラウドビューティーの2008」は山本英俊氏が所有し、角居勝彦厩舎に入るとのことです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102980/

「ペトラの2008」はミッキーペトラ(弥生賞2着)の半妹で、池江泰郎厩舎に入るとのことです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101017/

こうした配合は、たしかに冒険ではありますが、やってみる価値はあると思います。ただ、牝系のクロスは作ろうと思ってもそう簡単に作れないという難点があります。もう少し汎用性の高い配合パターンはないかと問われれば、「母系に Aureole を持つ配合」をお勧めします。Aureole は英愛リーディングサイアーに2回輝いた名種牡馬で、セントクレスピンや St.Paddy の父、Vaguely Noble の2代父です。そして、ディープインパクトの5代母 Hypericum と4分の3同血の関係にあります。代は遠くなりますがこの関係は悪くないと思います。

     ┌ Hyperion
Aureole ―┤
     └○┐
       └ Feola

     ┌ Hyperion
Hypericum ┤
     └ Feola

2010年3月29日 (月)

お疲れさまアルティマトゥーレ

高松宮記念の本命はプレミアムボックスだったのですが、とうとう最後まで外伸びの馬場にならず、しかもスタートで大きく出遅れてしまい、その時点で万事休す。個人的には盛り上がる場面の少ないG1でした……。

スタートで躓いたアルティマトゥーレが勝ち負けに加わってきたのには驚きました。これで引退とのことですが繁殖牝馬としても期待大です。3代母 Ski Goggle は、社台ファームの総帥であった故吉田善哉氏が配合を考えた馬です。
http://www.pedigreequery.com/ski+goggle

若いファンのなかには「社台グループ=大量生産方式」というイメージから吉田善哉という人物を誤解されている方がいらっしゃるかもしれません。

彼が生産界の巨人となりえた理由はいくつも挙げられます。忘れてならないのは並々ならぬ血統知識があったこと。その水準は当時の生産界にあって群を抜いていました。欧米における父系・牝系の最新トレンドに精通し、どの血がどんな特徴を持っているのか細かなところまで把握していました。社台グループを発展させた「事業家としての吉田善哉」ばかりがクローズアップされ、「血統家としての吉田善哉」が過小評価されている気がするのは残念なことです。

Ski Goggle (父ロイヤルスキー)は、「名牝 Uvira 4×5」という、ピンポイントで狙ったとしか思えないクロスを持っています。この牝系に特別な力が備わったのはここからです。同馬は現役時代にNY牝馬三冠のひとつエイコーンS(米G1)を制し、繁殖牝馬としても大成功しました。娘のスキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1)を制覇。そして孫のエアトゥーレは阪神牝馬S(G2)を勝ったほか、フランスに遠征してモーリスドゲスト賞(仏G1)で2着となりました。この馬がアルティマトゥーレの母です。4代連続で走っているわけですから素晴らしい名牝系です。

ちなみに、アルティマトゥーレの半弟で皐月賞を制覇したキャプテントゥーレ(父アグネスタキオン)は、ロイヤルスキー3×4というクロスを持っています。ロイヤルスキーはその生涯に2頭のG1馬を出しました。1頭は Ski Goggle、もう1頭はアグネスフローラ(桜花賞)です。ロイヤルスキー産駒は「素軽いけれど底力に乏しく、ローカルが得意なマイラー」といったイメージでしたが、Ski Goggle とアグネスフローラは違いました。アグネスフローラはアグネスタキオンの母なので、キャプテントゥーレはこの2頭の血を引いています。ロイヤルスキーのクロスはあまりいいイメージが湧かないのですが、キャプテントゥーレの場合、この2頭を経由したクロスだからこそG1を勝てたのだと思います。血統表を見るたびにささやかな感動を覚えます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102216/

アルティマトゥーレの子は、順調にいけば2013年にデビューします。初年度に何を付けるのか楽しみです。

2010年3月28日 (日)

ドバイ国際競走

長時間の中継でしたが楽しめました。日本は“島国”という地理的な制約があるため、諸外国と交わる機会は多くないのですが、決して孤立しているわけではなく、日々行われている競馬は確実に世界と繋がっているんだなと実感しました。日本のホースマンを勇気づける結果だったのではないでしょうか。

ドバイワールドCで馬群に沈んだレッドディザイアは、松永幹夫調教師によればハミを噛んで力んで走っていたとのこと。これも経験でしょう。勝った Gloria de Campeao はブラジル産馬で、Gioconda≒Farnesio 3×3という4分の3同血クロスを持ちます。鮮やかな配合です。
http://www.pedigreequery.com/gloria+de+campeao

ドバイシーマクラシック2着のブエナビスタは、やはり並の馬ではないですね。スローペースとはいえ2分31秒84の勝ちタイムですから力のいる芝でした。ヨーロッパやブリーダーズCでも十分やれるレベルにあるのは明らかです。ペリエ騎手が規定重量で乗っていれば勝っていたのでは?

タペタは芝馬向きという定説でしたが、ゴドルフィンマイルでグロリアスノアが4着ですから、一概にそうとも言い切れなくなりました。それなりに時計がかかる馬場なので、切れ味を必要としない展開になれば日本のダート馬でも通用するのかもしれませんね。

毎日杯のザタイキの事故を見たばかりなので、全馬無事でホッとしました。

月曜18時30分から『馬券師倶楽部2』再放送

以前放送された『馬券師倶楽部』は出演者2人による対決形式でしたが、今回の『馬券師倶楽部2』は栗山求の単独出演です(進行役は赤見千尋さん)。収録日は2008年5月24日。CS放送の“MONDO21”で観ることができます。

2010年3月27日 (土)

毎日杯はダノンシャンティ

まったくの横綱相撲でした。終始外を回り、上がり3ハロン33秒4、ゴール前では抑える余裕がありました。『web競馬王』の予想は◎△▲で3連単16440円的中。予想文を転載します。

「◎ダノンシャンティは『フジキセキ×マークオブエスティーム』という組み合わせ。母シャンソネットはシングスピールやラーイの半妹にあたる良血。2代母グローリアスソングはカナダ年度代表馬、米最優秀古馬牝馬。「ヘイロー3×3」だけが目立つ単純な配合に見えがちだが、じつはそうではなく、アンガール≒エルバジェ4×4、ミランミル5×6など、重厚な血が全体をしっかり支えている。それ以外にもダンスインザダークなどに見られるブルースウォーズ=ブルーヘイズの全兄妹クロスを持つなど、底力を感じさせる緻密な配合構成で見どころがある。母の父マークオブエスティームから受け継いだ切れ味は非凡で、前走の共同通信杯2着は展開のアヤ。外回りコースなら持ち前の末脚を存分に活かせるだろう。」

母の父マークオブエスティームは、英2000ギニー(英G1・芝8f)、クイーンエリザベス2世S(英G1・芝8f)などの勝ち馬。ゴール前の爆発力が印象的な小気味好いマイラーでした。ダノンシャンティはそのイメージが重なります。『競馬王』ではNHKマイルCの本命馬と発言してきたので、これで一歩近づいたかなと思います。

○ルーラーシップは5着。出遅れてリズムが悪くなってしまいました。追い出されてからフワフワしていたので、順調さを欠きながら強行軍できたツケも多少あるのかなという気がしました。こんな馬ではないでしょう。

落馬した武豊騎手は、「左肩骨折疑い、右手関節亀裂骨折、頭部打撲傷、腰部打撲傷」とのこと。桜花賞のアプリコットフィズ、皐月賞のヴィクトワールピサの騎乗は難しそうです。アプリコットは横山典弘騎手、ヴィクトワールは四位洋文騎手でしょうか。

2010年3月26日 (金)

ディープインパクト産駒の成功する配合パターンとは?

怪物クラスの競走馬が必ずしも種牡馬として成功するわけではないことは歴史が証明するところです。しかし、その一方で、年度代表馬クラスのサンデーサイレンス産駒はたいてい種牡馬としても成功しているので、ディープインパクト産駒は走るのではないかと思っています。

新種牡馬産駒の配合評価ほど難しいものはありません。素軽さのレベルが分からないので、スピードとスタミナの配分をどの程度にすればよいのか、血統から類推して判断するしかないからです。ディープインパクトにもこれはいえます。

母系に Lyphard を持つサンデー系種牡馬は、バブルガムフェロー、メイショウオウドウ、ロサードなどの名前が挙がります。どれも種牡馬としてはスピードが足りません。ディープインパクトもこの配合パターンなので、大づかみの配合方針として、スピード面をしっかり強化することが必要だと思います。 Mr.Prospector などのアメリカ血統は合うと思います。

逆に、Lyphard はあまりいじらないほうがいいでしょう。クロスさせて実績のある血でもありません。ただ、成功するかどうかは別として、ダンシングブレーヴを母系に持つ配合には興味があります。ディープインパクトの母の父 Alzao とダンシングブレーヴはきわめて血統構成が似ているからです。スイープトウショウの半妹にあたるタバサトウショウの2008は Alzao≒ダンシングブレーヴ3×2です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100662/

個人的には、Alzao の母 Lady Rebecca あたりが配合の急所なのかなという気がします。Lady Rebecca は「Sir Ivor×Roman」という組み合わせで、母は名牝 Pocahontas です。ディープインパクトは、「Halo≒Sir Ivor(2×4)」と「Admiral Drake≒Roman(6×5)」を持つので、この血を最大限に活かしています。血統構成の急所を強化することは配合のセオリーです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/

「Halo≒Sir Ivor」は、グッバイヘイローやジョリーズヘイローを出しています。
http://www.pedigreequery.com/halo
http://www.pedigreequery.com/sir+ivor

       ┌ Turn-to
     ┌○┘ ┌ Pharamond
Halo ――┤ ┌○┘
     └○┤ ┌ Mahmoud
       └○┘

       ┌ Turn-to
     ┌○┘ ┌ Mahmoud
Sir Ivor ┤ ┌○┘
     └○┤ ┌ Pharamond
       └○┘

「Admiral Drake≒Roman」は、ディープインパクト、ゼンノロブロイ、ブライアンズタイムなどを出しています。
http://www.pedigreequery.com/admiral+drake
http://www.pedigreequery.com/roman

         ┌ Sunstar
       ┌○┤
Admiral Drake ┤ └ Maid of the Mist
       └ Plucky Liege

       ┌○┐
Roman ――――┤ └ Plucky Liege
       │   ┌ Sunstar
       │ ┌○┤
       └○┘ └○┐
             └ Maid of the Mist

Halo、Sir Ivor を継続したり、これらとよく似た構成の Drone を母系に入れた配合は好ましいですね。Sir Ivor の2代母 Athenia と4分の3同血の関係にある Menow とも相性がいいでしょう。

代は遠くなりますが、Roman と Admiral Drake の継続は地味ながら効果があると思います。また、Roman の娘 Pocahontas と、その母 How を強化した配合にも注目です。Tom Rolfe や Chieftain を母系に入れれば Pocahontas のクロスができますし、Ack Ack や Sham を入れれば How の全きょうだいクロスができます。

くどくどと細かい話を書きましたが、これはあくまでもオプションの話であり、この配合でなければ走らないというわけではありません。基本的な方針としてはワンポイントでもいいのでアメリカのスピード血統をしっかり入れる、ということです。兄弟や近親に活躍馬がいることも重要なポイントです。

ディープインパクトは柔らかい馬だったので、多少硬い血を入れても大丈夫でしょう。リルダヴァルとダノンパッション(ともに父アグネスタキオン、2代母ウインドインハーヘア)は、母の父がそれぞれサンダーガルチ、Woodman でした。いずれも Mr.Prospecotor 系の硬めの血です。このあたりはディープインパクト産駒の配合を考える上で大きなヒントになるような気がします。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103142/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100999/

2010年3月25日 (木)

POG準備作業まっただなかです

ゴールデンウィークが明けてしばらくするとPOG本が店頭に並び始めます。本を作る作業は早くも始まっています。私は配合担当なので、この時季に馬産地に行くことはありません。ひたすら2歳馬の配合を眺めるだけです。

サンデーサイレンスが生きていたころは、サンデー産駒を調べれば作業の約八割は完了でした。しかし、現在はそういうわけにはいきません。少なくとも主要種牡馬20頭ぐらいはみっちり調べなければなりません。1頭あたりの産駒が多いので(約100~200頭)、これは結構な作業です。

毎年やることは決まっています。「TARGET frontier JV」の産駒検索で2歳馬リストを表示し、父馬ごとに1頭ずつ5代血統表を吟味していきます。注目の配合馬がいればチェックし、種牡馬ごとに産駒の序列を決めます。たとえばアグネスタキオン産駒に10頭の注目配合があれば、それに1位から10位まで順位をつけます。

こうして種牡馬ごとの産駒順位作成が終わったら、こんどはオールスター戦に出場するメンバーを、各種牡馬の上位産駒から抽出します。このオールスターメンバーがその年のドラフト指名馬です。

今年はディープインパクト産駒から調べ始めました。新種牡馬から着手することは過去一度もなかったのですが、そのたぐいまれな存在感に敬意を表しました。最初に思ったのは繁殖牝馬のレベルが尋常ではないということ。いろんなタイプの配合が試されているので、これで失敗したら言い訳できないと思います。自身に似て比較的馬体が小型に出ているとのことなので、非力な産駒が多い場合、ダート適性が問題となってきます。しかし、芝で走るぶんには大きな問題はないでしょう。月並みな結論ですが、まともなら成功するのではないかと思います。

2010年3月24日 (水)

ベネズエラの女傑 Bambera が故障

命に別状がないのは不幸中の幸いです。3月17日と2月16日のエントリーで採り上げたベネズエラの女傑 Bambera が、アメリカ移籍初戦のランパートS(3月21日・米G2・ダ9f)のレース中に故障を発症。8頭立てのしんがりに敗れました。スタートで躓いて体勢を崩した際、肢の腱にダメージを負ったようです。レース映像は以下のURLで見ることができます。最内枠の青い勝負服が Bambera です。
http://www.youtube.com/watch?v=Pd97T1lrz7g

YouTube のコメント欄にスペイン語の書き込みがたくさんあります。ベネズエラだけでなくカリブ海沿岸諸国の期待を背負っての挑戦だっただけに、この結果は残念でならないでしょう。これで4月9日のアップルブラッサム招待Hは Zenyatta の独壇場。難なく16連勝を達成しそうです。

2010年3月23日 (火)

真性ステイヤーのジャミール2着

阪神大賞典は古豪△トウカイトリックが勝ち、◎ジャミールが2着。現在のこの路線のレベルが高くないことに加え、実績上位馬がそれぞれ死角を抱えていたので、準OPを勝ったばかりのジャミールにも十分チャンスがありました。5番人気と4番人気の組み合わせで馬連1820円。上位人気が割れていたので意外につきませんでした。『web競馬王』に掲載した予想文を再録します。

「◎ジャミールは『ステイゴールド×サドラーズウェルズ』という組み合わせ。これだけでもスタミナ万全だが、2代母の父レヴモスがウルトラ級のステイヤーで、自身が凱旋門賞(芝2400m)、アスコットゴールドC(芝20f)、カドラン賞(芝4000m)を制しただけでなく、種牡馬としてもアスコットゴールドC(G1・芝20f)を2連覇したアードロスを出した。前走の迎春S(準OP・芝2500m)は、前が残る流れを大外マクリの強い競馬でねじ伏せた。距離が延びてレースぶりが良くなっているので、3000mならさらなる変わり身が見込める。このメンバー構成なら通用する。」

レース前に、担当の調教助手が「前に出ると本気で走らない」とコメントしていたとおり、実戦でも「直線で並んできた馬には競り勝ったが、抜けて一回遊んだところを内の馬に交わされてしまった」(安藤勝己騎手/週刊競馬ブック)とのことです。

フォゲッタブルとトウカイトリックは勝負付けが済んでいるので、ひょっとしたら本番でジャミールが3番人気ぐらいに推されるかもしれませんね。気性面の弱点が矯正されないかぎり勝つのは難しいかもしれませんが、3200mならG1でも勝負になると思います。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!