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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年4月

2010年4月21日 (水)

マカニビスティー敗れる

南関東のクラシック第一冠・羽田盃(大井競馬場・ダ1800m)は、単勝1.2倍の断然人気に推されたマカニビスティーが2着に敗れました。着差はハナ。

中団追走から3~4コーナーで大外をマクり、4コーナーでは早くも先頭。この勢いで直線は独走するかに見えたのですが、直線半ばで脚いろが鈍り、外から猛追したシーズザゴールド(2番人気)にハナ差先着を許しました。

どう乗っても勝てるという慢心があったのでしょうか、ちょっといただけない騎乗でしたね。ラジオNIKKEIの「競馬実況web」に掲載された戸崎騎手のコメントは以下のとおり。

「馬の調子は良かったんです。ただ仕掛けが早かったし、2コーナーから長くいい脚を使って3~4コーナーかなり外を回ってますから。今日の敗因は騎手が平常心で乗れなかったことでしょう。」
http://keiba.radionikkei.jp/keiba/news/entry-183339.html

自ら騎乗ミスと認めているようです。マカニビスティーはもう1勝しないことには中央に戻れないので、東京ダービーでは頑張ってほしいものです。

勝ったシーズザゴールドはこれが重賞初制覇。トライアルの京浜盃は2着でした。「スキャターザゴールド×Manila」という血統です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100003/

2代母ピュアオブハートが凄い配合で、ほとんどエルコンドルパサーですね。自身に競走歴はなく、子は走らなかったのですが、孫の代で花開きました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0065ae/

2010年4月20日 (火)

Busted の影響が強いヴィクトワールピサ

先日、『競馬王』の企画で亀谷敬正氏と対談したときに、彼がおもしろいことを発言していました。5月号から引用します。

「ヴィクトワールピサは僕の知人がオーナーに購入を奨めたんですが、その人がヴィクトワールピサはバステッドとそっくりだと言ってましたよ」

じつは昨年夏、セレクトセールの取材に行った際、亀谷氏と一緒にその方と食事をする機会に恵まれました。この世界では引く手あまたの目利きで、数語交わしただけで本物と感じさせる見識をお持ちの方でした。

その方が「ヴィクトワールピサはバステッドとそっくり」と言ったと聞いて、帰宅してから Busted の立ち姿とヴィクトワールピサの馬体を見比べてみたところ、たしかに瓜二つでした。Busted のほうがやや腰高で顔が大きいのですが、脚が長くいかにもステイヤーらしい体型は薄気味悪いほど似ています。半兄のアサクサデンエン、スウィフトカレントとは明らかに違います。

ヴィクトワールピサの血統表を見ると、Busted の父 Crepello(英ダービー、英2000ギニー)をクロスで持っています(6×5)。また、Busted の母 Sans Le Sou は、ネオユニヴァースの3代母 Boulevard と血統構成がよく似ているので、Boulevard≒Sans Le Sou 4×5と表現できます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/
http://www.pedigreequery.com/boulevard
http://www.pedigreequery.com/sans+le+sou

          ┌ Fair Trial
        ┌○┘
      ┌○┤ ┌ Portlaw
Boulevard ―┤ └○┘
      │ ┌ Wild Risk
      └○┘

        ┌ Wild Risk
      ┌○┘ ┌ Fair Trial
Sans Le Sou ┤ ┌○┘
      └○┤ ┌ Portlaw
        └○┘

つまりヴィクトワールピサは、Busted の父母(Crepello と Sans Le Sou)をしっかり強化した配合だからこそ、馬体にその特徴がよく表れているのではないかという気がします。

そして、それぞれの対応する血(父方の Crepello と Boulevard)がいずれもネオユニヴァースの母ポインテッドパスに含まれているので、同じサンデー系であっても兄スウィフトカレントとは性質が異なるのでしょう。

Busted は、2~3歳時はごく平凡な競走馬に過ぎなかったのですが、4歳を迎えて本格化し、コロネーションS(芝10f)、エクリプスS(芝10f)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝12f)、アンリフォワ賞(芝2200m)と4連勝。英年度代表馬に選ばれました。Bustino、Mtoto、Erins Isle などを送り出した近年のイギリスを代表するステイヤー血統で、日本ではホクトボーイ(天皇賞)の母の父、ディープインパクトの2代母の父にこの血を見ることができます。

ヴィクトワールピサは Busted を強化しているので、2400mに距離が延びることについては心配いらないでしょう。

2010年4月19日 (月)

皐月賞はヴィクトワールピサ

ヴィクトワールピサが通ったコースは、セイウンワンダーの朝日杯フューチュリティSとほぼ同じでした。ためらいなくあそこを突けるのは岩田騎手だけでしょう。皐月賞の歴史をひもとけばハードバージ(77年)のコース取りにもちょっと似ています。同馬の手綱を取っていたのは福永洋一騎手。天才的な閃きと抜群の制御能力を併せ持っていなければあの芸当は無理です。

馬の力はワンランク上でした。心技体すべて揃った“強さ”を感じます。このタイプは容易に崩れません。予想は◎○で本線的中。『web競馬王』に掲載した予想を転載します。

「◎ヴィクトワールピサは『ネオユニヴァース×マキアヴェリアン』という組み合わせで、スウィフトカレント(小倉記念、天皇賞・秋-2着)の4分の3弟、アサクサデンエン(安田記念)の半弟にあたる。母ホワイトウォーターアフェアは、ロジユニヴァース(日本ダービーなど重賞4勝)の母アコースティクスと同じく『マキアヴェリアンとロレンザッチオ』を併せ持っている。したがって、同じネオユニヴァースを父に持つヴィクトワールピサとロジユニヴァースは配合構成がよく似ている。日曜日の馬場状態が読みづらいところだが、稍重ぐらいと想定すれば能力発揮の妨げとはならない。前走の弥生賞は、窮屈なインで泥をかぶりながらじっと我慢するという強い精神力を証明するレースでもあった。ゴチャつきやすい多頭数のクラシックにおいてこれは大きな武器となる。軸馬として最も信頼性が高い。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/

デビュー前からその配合に惚れ込んでいたので、『POGの達人(赤本)』の「オススメ10頭」でも指名していました。はっきりした集計は出ていませんが、09-10シーズンの栗山求はおそらく第2位だと思います。皐月賞を含めて重賞を3勝した馬を持ちながらトップを取れなかったのは、優勝した競馬総合チャンネル編集部がローズキングダム、リルダヴァル、リディル、テイラーバートン、ステラリード、ヴィクトリーマーチといった馬を擁していたからです。

聞くところによると、競馬総合チャンネル編集部は配合を重視した馬選びをしているとのこと。つまり、09-10シーズンは“配合派”のワンツーフィニッシュでした。『netkeiba』の「ワタシのオススメ10頭」では、私と望田潤さんの2人だけがヴィクトワールピサを指名していました。配合派の勝利は気分がいいですね。

2010年4月18日 (日)

Hyperion 生誕80周年

20世紀のイギリスを代表する名種牡馬の1頭 Hyperion は、1930年4月18日に誕生しました。本日はちょうど生誕80周年目にあたります。スタミナ、底力といったクラシック向きの資質を伝え、その血は世界中のサラブレッドに広く行き渡っています。
http://www.pedigreequery.com/hyperion

今年の皐月賞出走馬のなかで Hyperion を持たない馬は1頭もいません。詳しく調べてはいないのですが、年度代表馬クラスで Hyperion を持たない馬は Mineshaft(1999年生)が最後だったと記憶しています。
http://www.pedigreequery.com/mineshaft

ちなみに、Nasrullah は今年の3月2日が生誕70周年だったのですが、ブログに書くのを忘れていました。来年は Northern Dancer、Raise a Native、シンザン、Anilin が生誕50周年を迎えます。

2010年4月17日 (土)

マイラーズCはリーチザクラウン

昨年2月のきさらぎ賞以来の勝ち星です。2000m未満の芝を走ったのはそれ以来のこと。結果的にずいぶん遠回りをしてしまいました。予想は◎△△で3連単46440円的中。『web競馬王』に掲載した予想を転載します。

「◎リーチザクラウンは『スペシャルウィーク×シアトルスルー』という組み合わせ。セクレタリアト、ミスタープロスペクター、シアトルスルーと、アメリカの名血を代々重ねているため、一本調子ながらパワー十分で、力のいる馬場もこなす。直線の長い外回りコースなら小細工不要で伸び伸びと走れるのでレースはしやすい。ここは久々のチャンス。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102923/

折り合いに難のある馬なので速い流れが合ってますね。リラックスして走れる大外枠も良かったと思います。長い距離のレースではどことなく浮いた感じが否めなかったのですが、今回はぴったり嵌っていました。このメンバーに入れば地力も上だったように感じます。2400mをこなす肉体的能力を持った馬ではありますが、精神的なベストディスタンスは1600~1800mあたりでしょう。

2010年4月16日 (金)

大外枠の逃げ馬

皐月賞の枠順が決まり、スプリングSを逃げ切ったアリゼオが大外枠となりました。逃げ馬が大外、というのは通常不利だと思います。ただ、中山芝2000mは最初の直線が長いので不利にはなりません。

以前、大西直宏騎手を取材したとき、おもしろいお話をうかがいました。サニーブライアンで逃げ切った97年の皐月賞は、枠順が発表される前、大外枠が当たることを念じていたというのです。

サニーブライアンはスタートが速くなく、二の脚もそれほどではないため、内枠に入ると外から被されてしまう危険性があります。遅い馬でも確実に先頭に立つには、外枠から出て思い切り手綱をしごいて加速し、内側に切れ込んでいって馬群に蓋をするしかない、と考えていたそうです。大西騎手は念願叶って大外枠を引き当て、組み立てたプランどおりの騎乗をして単勝5180円の大穴をあけました。
http://www.youtube.com/watch?v=yxeTEfaAGeI

アリゼオの横山典弘騎手は、今回の大外枠をとくに不利とは考えていないと思います。おそらくハナに立てるでしょう。いちばん警戒しているのは勝負どころで外からマクられることです。そうなってしまえばレースは終了してしまうので、おそらく早めのタイミングでロングスパートに入るはずです。

好位勢がアリゼオを追いかけてとらえられるかどうか。とらえたとしてゴールまで脚がもつかどうか。坂で脚いろが鈍った場合には後方待機組が大外一気、という展開も考えられます。今年は、長くいい脚をつかえるタイプが良さそうな気がします。

レースを左右する大きなポイントは馬場コンディションです。前が残りやすい馬場なのか、差しが届く馬場なのか、土曜日の競馬を見て判断したいですね。

2010年4月15日 (木)

皐月賞とリーディングサイアー

皐月賞出走予定馬を父別に分類、カウントすると以下のようになります。

マンハッタンカフェ……5頭
ネオユニヴァース………2頭
アグネスタキオン………1頭
アドマイヤドン………… 〃
キングカメハメハ……… 〃
ジャングルポケット…… 〃
シンボリクリスエス…… 〃
スペシャルウィーク…… 〃
ニューイングランド…… 〃
ブライアンズタイム…… 〃
メイショウドトウ……… 〃
Giant's Causeway……… 〃
King's Best …………… 〃

とりあえず牡馬クラシック戦線はマンハッタンカフェの圧勝です(だからといってタイトルを獲れるとは限りませんが)。5頭の内訳は、ゲシュタルト、ヒルノダムール、ハンソデバンド、サンディエゴシチー、ガルボ。

このうちゲシュタルト、ハンソデバンド、サンディエゴシチーの3頭は、『競馬王のPOG本 2009~2010』の「栗山ノート」で、“マンハッタンカフェのA級配合馬”としてピックアップした5頭(131頭から選抜)に含まれます。5月発売予定の『競馬王のPOG本 2010~2011』では再び「栗山ノート」をやる予定です。

マンハッタンカフェは、昨年の皐月賞でも最も多くの産駒をスターティングゲートに送り込みました(3頭)。一昨年のトップはアグネスタキオンでした(3頭)。

サンデーサイレンスが13年間維持してきたリーディングサイアーの座を明け渡した08年以降、数頭の種牡馬が覇権を争う乱世となっていますが、08、09年と連続して、皐月賞に最も多くの産駒を送り込んだ種牡馬がリーディングサイアーとなっています(08年アグネスタキオン、09年マンハッタンカフェ)。その種牡馬の勢いをダイレクトに反映するのが“皐月賞出走頭数”なのでしょう。

現時点のリーディングサイアーはキングカメハメハ。先週の桜花賞をアパパネが制し、独走状態となっています。皐月賞前に収得賞金が10億円を突破しているのですから往年のサンデーサイレンス級です。マンハッタンカフェは第6位。古馬戦線にレッドディザイアが復帰するので、これからどう巻き返していくのか注目したいと思います。

2010年4月14日 (水)

マルゼンスキーと Storm Cat

先週土曜日のひめさゆり賞(3歳500万下・福島芝1800m)を勝ったバイタルスタイルは、またしても「母系に Storm Cat を持つスペシャルウィーク産駒」でした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007101001/

昨春刊行の『負けないPOG入門』(競馬王新書)では、「POG向きのスペシャルウィーク産駒の配合としてまず挙げたいのは、母系にストームキャットを持つもの。」(44頁)と記しました。それぐらい明らかなニックスです。

現3歳世代のスペシャルウィーク産駒をみると、収得賞金900万円以上(2勝、または1勝+重賞2着)の9頭のうち、半数以上の5頭(ラナンキュラス、タガノエリザベート、モズ、ガンマーバースト、バイタルスマイル)がこの配合から誕生しています。「母系に Storm Cat を持つスペシャルウィーク産駒」と、「Storm Cat を持たないスペシャルウィーク産駒」を1走あたりの賞金で比較すると、前者が359万円、後者は139万円。じつに約2.6倍の差があります。どちらの配合パターンを選べば効率よく賞金を稼げるか一目瞭然です

なぜこの配合が走るのかというと、おそらく父に含まれるマルゼンスキーと、母系に入る Storm Cat がよく似た配合構成だからでしょう。スペシャルウィークと Storm Cat のニックスは、要するに「マルゼンスキーと Storm Cat のニックス」と言い換えることができます。

まず、両者の父 Nijinsky と Storm Bird は相似な血です。
http://www.pedigreequery.com/nijinsky2
http://www.pedigreequery.com/storm+bird

      ┌ Northern Dancer
Nijinsky ―┤ ┌ Bull Page
      └○┤        ┌ Gallant Fox
        └○┐ ┌ Omaha ┤
          └○┘    └ Flambino

      ┌ Northern Dancer
Storm Bird ┤   ┌ Bull Page  ┌ Gallant Fox
      │ ┌○┘ ┌ Flares ―┤
      └○┤ ┌○┘     └ Flambino
        └○┘

いずれも Northern Dancer を父に持ち、母の父が Bull Page 系で、母系の奥に Omaha=Flares という全きょうだいの血が入ります。

Nijinsky も Storm Bird も、カナダの大生産者E.P.テイラーが作りました。同じ牧場(ウインドフィールズファーム)で誕生した馬ですから血統が似ているのも当然でしょう。

ちなみに、この2頭に加えて、The Minstrel もほとんど似たような血統構成なので、Nijinsky、Storm Bird、The Minstrel の3頭は、血脈としてトライアングルを形成しています。例えが適当か分かりませんがアンライバルドとボーンキングとリンカーンのような関係です。血統表にこれらが複数ある場合は注意したほうがいいでしょう。
http://www.pedigreequery.com/the+minstrel

次に、マルゼンスキーの母シルと、Storm Cat の母 Terlingua の血統構成も似ています。
http://www.pedigreequery.com/shill
http://www.pedigreequery.com/terlingua

シルの父 Buckpasser と、Terlingua の2代母 Bolero Rose が相似な血(Tom Fool≒First Rose、War Admiral≒Eight Thirty)で、シルの母 Quill と、Terlingua の父 Secretariat がいずれも Princequillo を持っている、という関係です。表を作って逐一解説を始めると膨大な分量になってしまうので、今回は申し訳ありませんが細かな説明は省略させていただきます。興味のある方は以下のURLをご参照ください。
http://www.pedigreequery.com/tom+fool
http://www.pedigreequery.com/first+rose
http://www.pedigreequery.com/war+admiral
http://www.pedigreequery.com/eight+thirty

「マルゼンスキーと Storm Cat」が特別な関係であることを示すのは、スペシャルウィーク産駒だけではありません。

たとえば、Storm Cat 系の名種牡馬ヘネシー(Johannesburg などの父)は、シャトル種牡馬として2001年に1シーズンだけ日本で供用されました。その際、母系にマルゼンスキーを持つ馬はたった1頭しか誕生しませんでしたが、その馬、オースミヘネシーはシリウスS(G3)5着などの成績を残しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002102661/

母の父にマルゼンスキーを持つダービー馬ウイニングチケットは、JRAで1頭だけ重賞勝ち馬を送り出しました。その馬、ベルグチケットは母の父が Storm Cat です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1997102163/

ウイニングチケットの末弟サイボーグは、ダート短距離路線でOPまで出世しました。その父は種牡馬成績が芳しくなかったタバスコキャット。いうまでもなく Storm Cat の息子です。サイボーグはタバスコキャットの全産駒のなかで収得賞金第2位です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002105269/

スペシャルウィークの今年の2歳世代にも、母系に Storm Cat を持つ馬は何頭かいます。ただ、昨年よりは少ない印象です。おもしろそうだと思ったのはピンクガーターの2008。一昨年のセレクトセールで800万円の値がつきました。お買い得だったような気がします。仕上がり早のスピードタイプで、2歳戦でガンガン走りそうな雰囲気があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103280/

2010年4月13日 (火)

『競馬王』5月号

先週発売になりました。さすがクラシックシーズンということで力の入りようが違います。今号は、巻頭の亀谷敬正氏との対談を始めいろいろな企画に出させていただきました。「POG羅針盤」では、配合からみたゼンノロブロイ産駒の選び方のコツを明らかにしています。ぜひ1冊お手元にどうぞ。

2010年4月12日 (月)

Zenyatta 16連勝、そして Personal Ensign の死

4月9日にオークローンパークで行われたアップルブラッサム招待H(G1・ダ9f)は、デビュー以来15戦全勝の Zenyatta が断然人気に応えました。強敵が次々と回避してどう考えても負けないだろうというメンバー構成。いつものように最後方追走から楽々とマクリを決めました。これで16戦全勝(G1は10勝目)。
http://www.youtube.com/watch?v=1I9_Tx9t7z0

その前日、80年代を代表する名牝 Personal Ensign がクレイボーンファームで死亡しました。26歳。キャリアの途中、骨折による約1年の休養(ボルトを5本埋め込む手術により治癒)を余儀なくされたものの、それを乗り越えて13戦全勝という大記録を達成した不屈の名牝です。

引退レースとなった88年のブリーダーズCディスタフ(G1)は、逃げ込みを図る Winning Colors(ケンタッキーダービー馬)、2番手で食い下がるグッバイヘイロー(キングヘイローの母)を大外からまとめて交わし、有終の美を飾りました。痺れるような名勝負でした。
http://www.youtube.com/watch?v=oILJ6IYoZso

Personal Ensign は、Personal Flag(G1を2勝し種牡馬としても成功)の全妹にあたる良血で、アルゼンチン牝系の出身という際だった血統的特徴があります。
http://www.pedigreequery.com/personal+ensign

2代母 Dorine はアルゼンチンの大レースを勝ちまくった名牝。「Aristophanes×Advocate」の組み合わせは同国の歴史的名馬 Forli(Nureyev の母の父、Sadler's Wells の2代母の父)と同じで、Riot≒Fair Trial 3×3がキーポイントのニックスです。
http://www.pedigreequery.com/dorine
http://www.pedigreequery.com/forli

        ┌ Phalaris
      ┌○┤ ┌ Chaucer
Riot ―――┤ └○┘
      └ Lady Juror

        ┌ Phalaris
      ┌○┤ ┌ Chaucer
Fair Trial ┤ └○┘
      └ Lady Juror

繁殖成績も傑出しており、My Flag(ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ-米G1)、Our Emblem(ウォーエンブレムの父)、Miner's Mark(ジョッキークラブGC-米G1)、Traditionally(オークローンH-米G1)などを出しました。

My Flag は繁殖牝馬としてブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(G1)の勝ち馬 Storm Flag Flying を出しています。直牝系で3代連続ブリーダーズC優勝馬が現れるというのは空前絶後でしょう。
http://www.pedigreequery.com/storm+flag+flying

   Personal Ensign(f.1984.Private Account)
     My Flag(f.1993.Easy Goer)
       Storm Flag Flying(f.2000.Storm Cat)

Zenyatta は、将来、繁殖牝馬として Personal Ensign のような存在になれるでしょうか。おもしろいのは、この2頭は非常によく似た血統組成を抱えていることです。Personal Ensign の母 Grecian Banner と、Zenyatta の2代母 For the Flag は瓜二つです。
http://www.pedigreequery.com/zenyatta

        ┌ Hoist the Flag
Grecian Banner ┤ ┌ Aristophanes
        └○┤ ┌ Advocate
          └○┘

          ┌ Aristophanes
        ┌○┤ ┌ Advocate
For the Flag ―┤ └○┘
        │ ┌ Hoist the Flag
        └○┘

Zenyatta には、Personal Ensign の血を含んだ種牡馬をつけるとおもしろいかもしれません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!