注目の新馬、ヴィクトリーマーチ
今週の新馬戦で注目したいのは、日曜京都6R(芝1600m)に出走予定のヴィクトリーマーチ。父アグネスタキオン、母ヴィクトリークライ、母の父 Caerleon という血統です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102649/
母ヴィクトリークライはヴィシー大賞典(仏G3・芝2000m)の勝ち馬で、その全妹に Volga(EPテイラーS-加G1)、半妹に Vallee Enchantee(香港ヴァーズ-香港G1)と2頭のG1馬がいます。これらを産んだ Verveine はオペラ賞(仏G2・芝1850m)の勝ち馬です。
Verveine は個人的に思い出深い馬で、血統表を見ていただければ分かるように、Lt.Stevens=Thong 3×4という全兄妹クロスを持っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010382/
Verveine が走った90年代初頭は、Nureyev がすでに大種牡馬の地位を確立し、その4分の3同血の Sadler's Wells が日の出の勢いで駆け上ってきてヨーロッパを支配下に置いた時期です。両馬を生み出した Rough Shod の牝系は注目され、これをクロスさせる試みが実を結び始めていました。その端緒が Verveine であり、その翌年に登場した Fatherland(愛ナショナルS-愛G1)でした。Rough Shod 牝系の多重クロス馬として名高いエルコンドルパサーは、この流れの先に出現した名馬といえるでしょう。
Verveine の配合に惚れ、その動向をチェックしていたのですが、G1ではやや足りず(仏オークス3着、サンタラリ賞3着など)、結局、勝った重賞はオペラ賞(G2)とカルヴァドス賞(G3)だけでした。しかし、繁殖牝馬としては大成功し、前述のとおり Vallee Enchantee、Volga、ヴィクトリークライの母となりました。
日曜日の新馬戦に出走するヴィクトリーマーチは Verveine の孫です。おそらく孫世代にもその活力は伝わっていることでしょう。「アグネスタキオン×Caerleon」ですからアドマイヤオーラのような芝中距離で切れるタイプだと思います。やや薄いながら Cosmic Bomb≒Blinking Owl 5×6を持つのも好感が持てます。もちろん、『競馬王のPOG本』の「栗山ノート」でも推奨しています。初陣を飾ってほしいものです。