マンハッタンカフェの栗山法則
シンザン記念を勝ったガルボは、デビューから6戦、すべて違う騎手が跨っています。ちょっと珍しいですね。前半4ハロン47秒3は、昨年の47秒2とほぼ同じ。前が残ったのも昨年と同じで、勝ち馬の父がマンハッタンカフェなのも昨年と同じです。勝ちタイムの1分34秒3はレースレコード。馬場コンディションがいいとはいえ、昨年より1秒速いわけですから、ガルボの走りは評価できると思います。逃げ馬の直後につけ、11秒5-11秒5で上がられては後ろの馬は手も足も出ません。
ガルボの母系には Nijinsky があります。マンハッタンカフェと Nijinsky は相性がよく、この組み合わせからレッドディザイア、ジョーカプチーノ、マンハッタンスカイ、イコピコ、サンディエゴシチー、レッドアゲート、メイショウレガーロ、マッハヴェロシティなどが出ています。
ただ、母系に Nijinsky があれば何でもいいというわけではなく、(a)Nijinsky と Mr.Prospector を併せ持つもの。(b)Caerleon を持つもの。このふたつのパターンに分類できます。
(a)のパターンは、マンハッタンスカイ、イコピコ、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、レッドアゲートなど。
(b)のパターンは、レッドディザイア、ジョーカプチーノ、レッドアゲート(Caerleon の全妹 Video を持つ)、マッハヴェロシティなど。
つまり、Nijinsky が母系にある場合、基本的には Mr.Prospector を併せ持たなければならず、もし Mr.Prospector がない場合、Nijinsky は Caerleon を経由したものでなければならない、というわけです。これを「マンハッタンカフェの栗山法則」と名付けることにします(笑)。現在までのところ、マンハッタンカフェ産駒の重賞連対馬はすべてこの法則に当てはまっています。
ガルボは母の父がジェネラスで、その父が Caerleon。法則どおりです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007101163/
母ヤマトダマシイは、Nijinsky≒Far North 3×3という4分の3同血クロスを持っています。ちなみに、昨年暮れのラジオNIKKEI杯2歳Sで4着となったヒルノダムール(父マンハッタンカフェ)は、その母シェアエレガンスが Nijinsky≒The Minstrel 2×3。Far North は The Minstrel の全兄なので、ガルボとヒルノダムールの配合構成はきわめてよく似ています。ガルボが重賞を勝ったとなれば、ヒルノダムールも怖いですね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/
ヒルノダムールは母系に Blushing Groom を持ちます。マンハッタンカフェと Blushing Groom の関係は明確なニックスなのですが、これについては別の機会に触れることもあるでしょう。