サクラバクシンオー×サンデーサイレンス
先週は京都の未勝利戦で「サクラバクシンオー×サンデーサイレンス」の組み合わせが2頭勝ち上がりました。土曜1R(ダ1200m)のメイショウナナボシと、月曜4R(芝1600m)のタバルナです。
昨年12月19日、中山芝1600mの新馬戦を「バクシンオー×サンデー」のボンジュールメロンが勝ち上がったとき、『web競馬王』に以下の文章を掲載しました。
「『バクシンオー×サンデー』は、バクシンオー産駒全体の成績に比べて、芝の連対率が大幅に上昇する(19.1%→26.6%)。ダートは大きな変化はない。今年は10月あたりからこの配合がまるで目覚めたように大活躍している。10月以降の芝連対率は45.0%と素晴らしい」
勢いはその後も継続しています。昨年10月から先週までの間、芝連対率は44.8%、ダート連対率は40.0%です。右を見ても左を見ても「バクシンオー×サンデー」が走りまくっています。理由はよくわかりません。現時点の数字を整理しておきます。
■バクシンオー産駒全体
全連対率 18.2%
芝連対率 19.1%
ダ連対率 17.1%
■バクシンオー×サンデー
全連対率 24.9%
芝連対率 27.2%
ダ連対率 18.3%
■バクシンオー×サンデー(昨年10月以降)
全連対率 43.6%
芝連対率 44.8%
ダ連対率 40.0%
母系にサンデーが入ると、芝連対率がグンと上昇します(19.1%→27.2%)。しかし、意外なことに「バクシンオー×サンデー」は過去1頭も重賞勝ち馬を送り出したことがないのです。素軽さは増すものの大物感は増しません。
バクシンオーは、Nijinsky またはチャイナロックとニックスの関係にあります。馬体に図太い芯を注入するような、重厚かつ硬質な血とフィットします。なぜかというとバクシンオーにそうした要素が希薄だからです。サンデーは図抜けて優秀な血ですが、「重厚かつ硬質な血」ではありません。「柔軟で瞬発力を与える血」です。このあたりが“連対率は高いものの大物が出ない”原因ではないでしょうか。
1月9日(土)の京都1R(ダ1200m)を勝ったメイショウナナボシは、バクシンオー産駒のニックス血脈として挙げた Nijinsky とチャイナロックを母系に併せ持っています。この組み合わせを持つバクシンオー産駒は、過去JRAでわずか十数頭しか出走していないにもかかわらず、ショウナンカンプ(高松宮記念など重賞3勝)、シーイズトウショウ(CBC賞など重賞5勝)、サンダルフォン(北九州記念)、ラッシュライフ(ファンタジーS-2着)、トウショウブリッツ(準OP)、リッカバクシンオ(準OP)といったそうそうたる活躍馬を出しています。メイショウナナボシはラッシュライフと血統構成の4分の3が同一です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103037/
1月11日(土)の京都4R(芝1600m)を勝ったタバルナは、母がヘヴンリーロマンス(天皇賞・秋、札幌記念、阪神牝馬S)の全妹で、2代母は「Sadler's Wells×Ribot」という重厚な血統です。これもサクラバクシンオーの弱点を補っているといえるでしょう。まだまだ頼りないところはありますが、マイル戦で長くいい脚を使ったところは見どころ十分です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007104787/
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