『馬券師倶楽部2』再放送決定!
栗山求(前編)
09/14 (水) 10:30 ~ 11:00
09/14 (水) 16:00 ~ 16:30
09/14 (水) 24:30 ~ 25:00
栗山求(後編)
09/15 (木) 10:30 ~ 11:00
09/15 (木) 16:00 ~ 16:30
09/15 (木) 24:30 ~ 25:00
CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。
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栗山求(前編)
09/14 (水) 10:30 ~ 11:00
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栗山求(後編)
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今年は前半3ハロン通過が34秒1。遅かったですね。00年以降の12年間でこれより遅かったレースは1回しかありません。前有利の流れですんなり2番手につけられたエーシンヴァーゴウ(2番人気)が、ゴール前の叩き合いでグイッと抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=LlOevllCKeI
スローペースの助けも確かにあったと思いますが、今夏の充実ぶりは目覚ましいですね。予想は完敗。直線1000mコースがベストでは……という疑念があり、相手強化、坂コースという不安要素を過大視し、無印にしてしまいました。
配合については7月18日のエントリー「アイビスサマーダッシュはエーシンヴァーゴウ」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/07/post-bbcc.html
香港勢の▲ラッキーナイン(5番人気)が2着に入りました。最後に力強く伸びてきましたが、やはりこの距離では少々忙しい印象です。ただ、これで速い流れに慣れれば次走は怖いですね。
もう1頭、◎グリーンバーディー(9番人気)は4位入線も14着降着。昨年はこのレースで仕上げすぎて本番ではオツリがありませんでした。その失敗を踏まえて、今年は本番を見据えた作りにしたのだと思いますが、まさか29キロ増とは……。明らかに太く、発汗も目立っていました。これで4位まで押し上げてくるのですから能力は確かです。ここを使って順当に良化してくれば本番では勝ち負けまであるでしょう。陣営の視線は日本馬ではなくシンガポールのロケットマンに注がれているものと思われます。
〇ダッシャーゴーゴー(1番人気)は3着。外枠で壁を作れず、久々ということもありやや力んでいたようにも映りました。大外を回される距離ロスが大きかったので、この結果は評価を下げるものではないと思います。やはり本番では同厩のカレンチャンとともに日本馬の大将格でしょう。
古馬によって争われた凱旋門賞の前哨戦・フォワ賞(仏G2・芝2400m)は、日本から参戦したヒルノダムールが2着と健闘しました。勝った Sarafina とは短首差。
http://www.youtube.com/watch?v=LXuaVG_Fayc
アウェイの不利を跳ね返し、地元フランスのトップクラスと互角の勝負に持ち込むのですから、日本の芝2400m路線はヨーロッパ列強と比べても遜色ありません。ヒルノダムールは“本当にロンシャンで走るのは初めてなのか?”と疑いたくなるくらい、スムーズに駆けていましたね。久々でこれだけのレースができれば本番でも期待できます。ナカヤマフェスタは最下位の4着とはいえ期待以上の走りでした。本番に間に合ったようです。
勝った Sarafina(1番人気)の瞬発力は惚れ惚れします。テンションが高く折り合いに苦労しながら、最後はズバッと決めました。同じくアガ・カーン四世殿下がかつて所有した Zarkava を思わせる切れ味です。
http://www.pedigreequery.com/sarafina5
同日に行われた3歳馬によるニエル賞(仏G2・芝2400m)は、仏ダービー馬 Reliable Man(2番人気)が2馬身差で完勝しました。日本から遠征したナカヤマナイトは6頭立ての最下位です。
http://www.youtube.com/watch?v=G2GpSm4ioeM
勝った Reliable Man は、パリ大賞典で3着と敗れた以外はすべて勝っています(通算5戦4勝)。今回、同レースで負かされた Meandre に2馬身差をつけたので、3歳牡馬ナンバーワンとして本番に臨みます。配合については6月8日のエントリー「仏ダービーは Reliable Man」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/06/reliable-man-dc6e.html
さらに同日に行われた3歳以上の牝馬によるヴェルメイユ賞(仏G1・芝2400m)は、中団追走の3歳馬 Galikova(1番人気)が差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=zMjRHGLCTGg
Galikova はG1を14勝している名マイラー Goldikova の半妹。6月の仏オークス(G1・芝2100m)では人気に推されながらも、同じ Galileo 産駒の Golden Lilac の2着に敗れました。これといって強敵が見当たらないここは順当勝ちでした。
http://www.pedigreequery.com/galikova
凱旋門賞は斤量が鍵を握ります。古馬は牡牝を問わずフォワ賞の斤量から1.5キロ増し、3歳牡馬はニエル賞の斤量から2キロ減。今回のフォワ賞とニエル賞は、いずれも2分32秒台でほとんど差がありませんでした。時計の比較にあまり意味がないとはいえ、レース内容がほぼ同じと仮定すれば、本番は3歳馬が有利と考えられます。
英ブックメーカーの凱旋門賞前売りオッズを見ると、現時点の1番人気は Sarafina で、単勝オッズは3.5~4倍ぐらい。以下、So You Think、Workforce、Nathaniel の3頭が団子で続き、そのあとに Reliable Man が8~9倍、Galikova が10~11倍といった感じですね。ヒルノダムールは13~21倍ぐらい。ナカヤマフェスタは26~34倍ぐらいです。これから本番に向けてオッズは変動していきます。
フォワ賞を勝った Sarafina、ニエル賞を勝った Reliable Man は、いずれも2代目に Sadler's Wells と Darshaan が並びます。前日の英セントレジャー(G1・芝14f132yds)を勝った Masked Marvel、1週間前の愛チャンピオンS(G1・芝10f)を勝った So You Think の父 High Chaparral、今年の英ダービー馬 Pour Moi、愛ダービー馬 Treasure Beach など、中長距離の大レースでは Sadler's Wells と Darshaan の組み合わせが目立ちます。
http://www.pedigreequery.com/reliable+man
http://www.pedigreequery.com/masked+marvel3
http://www.pedigreequery.com/so+you+think
http://www.pedigreequery.com/pour+moi4
http://www.pedigreequery.com/treasure+beach3
一方で、Galileo とデインヒルのニックスも猛威を振るっており、3歳世代の Frankel や Golden Lilac だけでなく、2歳世代からも5戦全勝の牝馬 Maybe(愛G1モイグレアスタッドSなど重賞3勝)が誕生しています。
最近のヨーロッパのトップホースたちは、ごく限られた数種類の血の組み合わせで誕生している感があります。以前に比べて血の幅が狭くなっているような気がしますね。こうした傾向が続けば続くほど、新たな活力の供給源としてサンデー系が入り込みやすくなっていくでしょう。
もう1頭の香港馬ラッキーナイン(Lucky Nine)は、アイルランドでデビューし、〔1・1・1・0〕という成績を残したあと香港に移籍しました。
香港の馬場は日本よりも若干重いのですが、アイルランドよりは軽く、一流馬であれば芝1200mで1分08秒台、芝1600mで1分33秒台の時計が出ます。ラッキーナインはそうした馬場に適性があり、重賞戦線で順調に出世を重ね、日本に遠征するまでになりました。
「Dubawi×Green Desert」という組み合わせは、昨年の英2000ギニー(G1・芝8f)とジャックルマロワ賞(仏G1・芝1600m)を勝った Makfi と同じ。父 Dubawi はヨーロッパで最も注目を集める若手種牡馬の1頭で、昨年の全欧種牡馬ランキングでは産駒が2世代しかデビューしていないにもかかわらず第4位に食い込みました。基本的にはスピードを活かすタイプが多いのですが、独ダービー(G1・芝2400m)を勝った Waldpark のような馬も出しています。
http://www.pedigreequery.com/lucky+nine
ラッキーナインの半妹レディオブパーシャ(父 Shamardal)、サドンストーム(父ストーミングホーム)はいずれも日本で走り、それぞれ1勝を挙げています。日本の馬場に難なく対応しているので、ラッキーナイン自身も問題なく走れると思います。
以下の映像は今年1月の香港クラシックマイル(G1・芝1600m)を勝ったときのもの。決して優美な走りではないのですが、鍛え上げられた筋肉から繰り出すフットワークは豪快で、いかにも香港馬らしい走りという印象です。
http://www.youtube.com/watch?v=3E_06AB9_R4
何の先入観もなくラッキーナインの配合を見れば、ベストディスタンスは1400~1600mでしょう。もともと1200m路線でクラスを上げてきたのですが、トップクラスの壁を突破できず、距離を延ばして活路を見出したという経緯があります。香港の1200m路線はレベルが高いので、ここで天下を獲れなかったといっても、日本なら通用する可能性があります。初の59キロ、海外遠征という不安点を差し引いても、勝ち負けに加わる可能性はあると思います。
10月2日のスプリンターズS(G1・芝1200m)に出走を予定している外国馬は、グリーンバーディー(Green Birdie/香港)、ラッキーナイン(Lucky Nine/香港)、ロケットマン(Rocket Man/シンガポール)の3頭。このうち、ロケットマンは前哨戦を使わずに本番に直行する予定です。香港勢の2頭は日曜日のセントウルS(G2・芝1200m)に出走します。
グリーンバーディーは昨年の2着馬。体調七分で59キロを背負い、インに押し込められて追い出しが遅れながら、勝ったダッシャーゴーゴーとクビ差の勝負ですから能力水準が一枚違います。
チッピングノートンS(豪G1・芝1600m)をはじめ3つの重賞を制した Casino Prince とは、母同士が全きょうだいで父がデインヒルの子、という共通点があります。
http://www.pedigreequery.com/green+birdie
http://www.pedigreequery.com/casino+prince3
┌ デインヒル
┌○┘
グリーンバーディー ―┤
└ Mrs.Squillonaire(=Lady Capel)
┌ デインヒル
┌○┘
Casino Prince ――――┤
└ Lady Capel(=Mrs.Squillonaire)
2代父デインヒルと母の父ラストタイクーンは、いずれもシャトル種牡馬の草創期にオーストラリアで成功を収め、同国のリーディングサイアーとなりました。ラストタイクーンの父トライマイベストとデインヒルは、いずれも Northern Dancer、Buckpasser、Alibhai を持っているので、血統構成がちょっと似ています。
デインヒルはオーストラリア競馬と相性抜群で、多くの名馬・名種牡馬の父となっています。グリーンバーディーの父 Catbird は、オーストラリアの2歳最強馬決定戦であるゴールデンスリッパーS(G1・芝1200m)の勝ち馬。種牡馬としては03/04年のファーストシーズンサイアーチャンピオン(勝ち星部門)となり、07年、蹄葉炎により11歳の若さで死亡しました。その代表産駒がグリーンバーディーです。
昨年の2着馬ですから、いまさら適性について云々しても始まらないでしょう。臨戦過程を見ると、昨年ほどの勢いは感じられませんが、アジア圏における最高峰のレースでそれなりの成績を残しているので、日本馬との比較で格下という扱いはできません。キッチリ仕上げられていれば十分勝ち負けになるでしょう。(続く)
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血 統 屋 http://www.miesque.com/
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■日曜新潟5Rの新馬戦(芝1800m)は、〇オメガハートランド(1番人気)がゴール直前で差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=8Iehn64xRMg
「アグネスタキオン×エルコンドルパサー」という組み合わせ。母オメガアイランドは未勝利馬ですが、ハーツクライの半妹にあたる良血です。サンデー系のアグネスタキオンを父に持つ本馬は、ハーツクライの構成要素の50%を持っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105758/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103038/
┌ サンデーサイレンス
┌○┘
オメガハートランド ―┤
└○┐
└ アイリッシュダンス
┌ サンデーサイレンス
ハーツクライ ――――┤
└ アイリッシュダンス
ハーツクライの配合構成の核は Northirdchance≒Revoked 4×5。本馬は1代遠ざかることになりますが、とりあえずその要素を含んでいます。
母の父エルコンドルパサーはやや不器用というか、エンジンの掛かりが遅いところがあります。そのため、どちらかといえば外回りコースのほうがいいタイプ。今回もゴール前でやっと届きました。東京芝2400mのオークスは合うと思います。
■日曜新潟1Rの未勝利戦(芝1400m)は、コスモアンドロメダ(2番人気)が2番手追走から3馬身抜け出しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104656/
「ロージズインメイ×トニービン」はニックスで、コスモラピュタ(阪神大賞典-4着、菊花賞-5着)を筆頭にミヤビファルネーゼ、マイネルグートなどが出ています。とくに芝の成績は優秀で、連対率は27.5%、1走あたりの獲得賞金額は194万円。母の父にトニービンを持たないロージズインメイ産駒は13.0%、85万円という成績ですから差は歴然です。父ロージズインメイはアメリカ血統が強いので、重厚なヨーロッパ血脈であるトニービンがフィットするのでしょう。
本馬の全姉マイネアロマは1勝馬ながら重賞に3回出走しているまずまずの活躍馬。牝系は以下のようにさかのぼります。俗に“華麗なる一族”と呼ばれる名牝系です。
母ダイイチビビット(3勝)
↓
2代母ダイイチルビー(安田記念、スプリンターズS)
↓
3代母ハギノトップレディ(桜花賞、エリザベス女王杯)
↓
4代母イットー(高松宮杯、スワンS)
最近はやや元気がないので、そろそろ一発を期待したいところです。
■日曜小倉5Rの新馬戦(芝1800m)は、◎キリシマトリオ(3番人気)が逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=e1gvmXAMHeY
予想は◎〇△で馬単2400円、3連単19080円的中。『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想文を転載します。
「◎キリシマトリオは『ウインラディウス×ブライアンズタイム』という組み合わせ。一見地味に思える血統だが、マルゼンスキー≒クイルメーカー3×3という派手な仕掛けがある。稽古では動いているので、この大胆なクロスが吉と出ている可能性がある。ブライアンズタイム、ロイヤルスキーといった血が入り、ローカルの芝1800m戦は合っているだろう。」
予想文に書いた「マルゼンスキー≒クイルメーカー3×3」とは以下のとおり。
┌ Northern Dancer(=ノーザンネイティヴ)
┌〇┘
マルゼンスキー ┤
└ シル
┌ ノーザンネイティヴ(=Northern Dancer)
クイルメーカー ┤
└ シル
土曜日の札幌新馬戦を勝ったジャーエスペランサは凄い配合でしたが、こちらもなかなか凝っています。父ウインラディウスは京王杯スプリングC(G2・芝1400m)をレコード勝するなど3つの重賞を制したサンデー系の活躍馬。ただし、トップクラスとは大きな差がありました。現2歳馬が3年目の産駒です。
統計を取ったわけではない単なる経験則なのですが、メジャーとはいえない種牡馬は、このような大胆な配合で自身の持つ名血を積極的に強化したほうが成功するような気がします。
キリシマトリオは上記のクロスに加えてブライアンズタイムを母の父に持ち、力のいる馬場には向いていました。昨年のHBAサマーセールでわずか210万円で落札された馬です。
■日曜札幌5Rの新馬戦(芝1800m)は、△アドマイヤトライ(2番人気)が好位からしぶとく伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=dy3mRELbQeA
母アドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴ、曾祖母ダイナカール、というラインは、我が国でもっとも有名な牝系のひとつでしょう。半姉にアドマイヤテンバ(3勝)、アドマイヤセプター(札幌2歳S-3着、フェアリーS-3着)がいます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106062/
現2歳世代のシンボリクリスエス産駒は、「母の父サンデーサイレンス」が83頭もいます。シンボリクリスエス、キングカメハメハ、クロフネ、タニノギムレット、ジャングルポケットといった非サンデー系種牡馬は、サンデーの良血牝馬をいかに集められるかが勝負といっても過言ではありません。
この世代は、トップクラスのサンデー牝馬が軒並みシンボリクリスエスのもとに集まりました。本馬の母アドマイヤグルーヴ以外にも、トゥザヴィクトリー、ローズバド、ダンスインザムード、ダンスパートナー、ダイヤモンドビコー、フサイチパンドラ、マイケイティーズ、クルーピアスターなどなど。
当ブログで何度か記したように、「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」は、期待の大きさに比べると成績はもうひとつです。これだけ大量のサンプルがあるにもかかわらず、中央の平地重賞を勝ったのはサクセスブロッケンのみ。しかもこの馬はダートホースです。芝では平地重賞の勝ち馬がいないどころかOP特別を勝った馬すらいません。
したがって、芝のレースではなるべく本命を打たないようにしているのですが、この馬はキッチリ勝ち上がりました。名牝アドマイヤグルーヴの息子、という点が最大の勝因です。そして、雨で馬場が渋り、決め手いらずのレースとなったこともよかったのではないかと思います。シンボリクリスエス産駒は総じて芝向きの瞬発力に弱点を抱えているので、洋芝の湿った馬場は合っていたのでしょう。
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血 統 屋 http://www.miesque.com/
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■土曜新潟7Rの新馬戦(芝1400m)は、好位追走の△キズマ(2番人気)が直線で抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=ZF5zNDg-_TA
ドバイのハヤ王女の所有馬で、父 Discreet Cat は夫君のモハメド殿下が主宰するゴドルフィンの服色で走り、シガーマイル(米G1・ダ8f)、UAEダービー(首G2・ダ1800m)などを制覇しました。シガーマイルでは1分32秒46という驚異的なタイムを叩き出しています。現在はアメリカに繋養されており、今年の2歳世代が初年度産駒となります。アメリカではすでに10頭近い勝ち馬が生まれていますが、まだ成功/失敗を判断する段階ではありません。
キズマは「Discreet Cat×ジェイドロバリー」という組み合わせで、母ハンドオブフェイトは Nijinsky 3×2、Raise a Native 3×4という父母相似配合です。父は Raise a Native-Mr.Prospector と無縁なので、これをしっかり取り込んでいるのはいいでしょう。Storm Bird≒Nijinsky 4×3・4は力強いですね。牝系は Green Desert、ヤマニンパラダイス、アンブロジン、Arch、トワイニングなど多数の名馬を送り出している名門です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102659/
ダート向きではないかと考えて評価を下げてしまいましたが、今回のレースで少なくとも2歳戦の短距離なら芝をこなせることが分かったので、日本でもこれから人気が出るかもしれません。走りっぷりを見ると、父と同じく前肢をたぐっているので、本質的にはダートのほうがいいかもしれません。仮に芝で頭打ちになってもダートに転じればそれなりに稼げそうです。
■土曜札幌5Rの新馬戦(芝1200m)は、2番手追走の★ジャーエスペランサ(7番人気)が直線で抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=Con8dx7NYSQ
稽古は平凡、人気はありませんでしたが、配合がおもしろいので★を打ちました。早い話が Kingmambo≒Candarli 2×2です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106773/
┌ Mr.Prospector
Kingmambo ┤
└ Miesque(=Bravemie)
┌ Mr.Prospector
┌〇┘
Candarli ┤
└ Bravemie(=Miesque)
雨で渋った洋芝コースはパワー必須。レースは1分12秒1という遅い決着となりました。これが良かったのでしょう。
6月1日のエントリー「Nureyev≒Sadler's Wells は道悪で花開く」に、この配合を持つキングカメハメハ産駒は道悪が上手い、ということを書きました。本馬の「Kingmambo≒Candarli 2×2」はその延長線上にあるので、道悪適性が高かったものと思われます。Thong=Ridan 6×4・6・6はエルコンドルパサーを彷彿させます。エルコンドルパサーは不良馬場の凱旋門賞で2着となりました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/06/nureyevsadlers--cfdc.html
ジャーエスペランサの今後の課題は、良馬場のスピード競馬に対応できるかどうかでしょう。
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血 統 屋 http://www.miesque.com/
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01年から昨年まで、小倉2歳S(G3)は10年連続良馬場で行われてきて、前半3ハロンの平均通過タイムは33秒3でした。今年は台風の影響で馬場発表は稍重。にもかかわらず、33秒4で通過しているのですからハイペースでした。
先に行った馬はペースがきつかったことに加え、外差しの馬場になっていたこともあり踏ん張りきれず。中団から後方に待機していた馬たちが差し込んで上位を占めました。
http://www.youtube.com/watch?v=h3loU7w-dcY
△エピセアローム(2番人気)の勝因は、展開だの馬場だのといった次元ではなく、見てのとおり1頭だけ図抜けていた能力です。前走の未勝利戦(芝1600m)は尋常ではない強さでした。今回は2ハロンの距離短縮、控える競馬など、越えるべきいくつかのハードルがありましたが、コーナーで若さを覗かせながらもねじ伏せました。現時点における2歳牝馬ナンバーワンです。浜中騎手はここ4年間で3勝ですからゲンのいいレースですね。
未勝利戦を圧勝した直後、7月26日のエントリーに以下の文章を記しました。
「エピセアロームはラターシュとエクセルサスの半妹。父ダイワメジャーは血統構成にやや硬いところが見られるので、母の父 Cozzene のような柔軟な血が入るのはいいでしょう。Cozzene は気難しいところがあり、産駒は逃げたり追い込んだりといった極端なレースで結果を残しています。今回の逃げ戦法は、馬が気分よく走れたという意味でもよかったと思います。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106383/
中距離血統なので1200m向きではなく、気難しい Cozzene を持つだけに、雨で緩くなった芝のキックバックを浴びたり、馬群に揉まれたり……といった際の不安があり、評価を下げてしまいましたが、ほかの馬とは地力が違っていました。脱帽です。
父ダイワメジャーは現役時代も種牡馬としても、サンデー系らしいスパッと切れるタイプではありません。現時点で〔7・16・3・52〕という成績が示すとおり詰めの甘さが目につきます。
ダイワメジャーのようなタイプの競走馬は、切れる馬の餌食となって大レースでは脇役に回るケースが多いのですが、そうはならずに数々のG1をものにしたのは、エンジンの性能がずば抜けていたからです。要するに心肺機能の強さですね。半妹ダイワスカーレットにしても苦しいと思われる場面から二枚腰、三枚腰の粘りを見せました。この血統の最大の長所でしょう。
今回のエピセアロームは勝負どころで大外を回り、距離ロスは大きかったはずですが、最後に垂れるどころかグンと突き抜けました。この頑張り、すなわち心肺機能の強さは、主に父ダイワメジャーから受け継いだものではないかと思います。
ダイワメジャー産駒に瞬発力が加われば怖いものなしです。したがって、Caro-Cozzene のようなスパッと切れる血を掛け合わせるのは好感が持てます。Halo≒Drone クロスが生じるダンシングブレーヴと相性がいいのも、父の硬さを解きほぐして瞬発力を引き出すという、配合的に望ましいベクトルに沿う部分が多いからでしょう。中距離血統なので距離が延びたほうがスムーズなレースができるはずです。
◎アイラブリリ(3番人気)は8着。ハイペースに巻き込まれたのと、騎手の談によると緩い馬場を気にしたとのことです。こんな馬場こそ得意だろうと考えたのですが、実際はそうではありませんでした。
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血 統 屋 http://www.miesque.com/
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半笑いVS栗山求(前編)
09/06 (火) 10:30 ~ 11:00
09/06 (火) 16:00 ~ 16:30
半笑いVS栗山求(後編)
09/07 (水) 10:30 ~ 11:00
09/07 (水) 16:00 ~ 16:30
CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。