セントウルSの外国馬(後)
もう1頭の香港馬ラッキーナイン(Lucky Nine)は、アイルランドでデビューし、〔1・1・1・0〕という成績を残したあと香港に移籍しました。
香港の馬場は日本よりも若干重いのですが、アイルランドよりは軽く、一流馬であれば芝1200mで1分08秒台、芝1600mで1分33秒台の時計が出ます。ラッキーナインはそうした馬場に適性があり、重賞戦線で順調に出世を重ね、日本に遠征するまでになりました。
「Dubawi×Green Desert」という組み合わせは、昨年の英2000ギニー(G1・芝8f)とジャックルマロワ賞(仏G1・芝1600m)を勝った Makfi と同じ。父 Dubawi はヨーロッパで最も注目を集める若手種牡馬の1頭で、昨年の全欧種牡馬ランキングでは産駒が2世代しかデビューしていないにもかかわらず第4位に食い込みました。基本的にはスピードを活かすタイプが多いのですが、独ダービー(G1・芝2400m)を勝った Waldpark のような馬も出しています。
http://www.pedigreequery.com/lucky+nine
ラッキーナインの半妹レディオブパーシャ(父 Shamardal)、サドンストーム(父ストーミングホーム)はいずれも日本で走り、それぞれ1勝を挙げています。日本の馬場に難なく対応しているので、ラッキーナイン自身も問題なく走れると思います。
以下の映像は今年1月の香港クラシックマイル(G1・芝1600m)を勝ったときのもの。決して優美な走りではないのですが、鍛え上げられた筋肉から繰り出すフットワークは豪快で、いかにも香港馬らしい走りという印象です。
http://www.youtube.com/watch?v=3E_06AB9_R4
何の先入観もなくラッキーナインの配合を見れば、ベストディスタンスは1400~1600mでしょう。もともと1200m路線でクラスを上げてきたのですが、トップクラスの壁を突破できず、距離を延ばして活路を見出したという経緯があります。香港の1200m路線はレベルが高いので、ここで天下を獲れなかったといっても、日本なら通用する可能性があります。初の59キロ、海外遠征という不安点を差し引いても、勝ち負けに加わる可能性はあると思います。
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