トウショウボーイの再来? アドマイヤムーン
■日曜阪神5Rの新馬戦(芝1400m)は、人気薄のトミーバローズ(10番人気)が好位から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=sWkaE7RXzgo
稽古内容が平凡だったため予想では手が回りませんでした。アドマイヤムーン産駒の素軽さは分かっているつもりでしたが、こういう馬まで新馬戦を勝ってしまうというのは感心するしかありません。これで芝新馬戦の連対率は36.8%(19戦7連対)、芝1200~1500mに限れば54.5%(11戦6連対)です。このレンジでは要注意です。
「アドマイヤムーン×ブライアンズタイム」は本馬を含めて2頭がデビューし、いずれも勝利を挙げています。母モンテドーターは未勝利馬ですが、その半兄にサニングデール(高松宮記念など重賞5勝)がいます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009103708/
アドマイヤムーン産駒は幅広い配合パターンから勝ち馬を送り出しています。函館2歳S(G3)を勝ったファインチョイスは、母が「タイキシャトル×Capote」というスピード血統。こうしたタイプから2歳戦の活躍馬が出ることに関しては意外性はありません。
しかし、アドマイヤムーンの非凡な点は、Roberto、Graustark、Sadler's Wells、チャイナロックなど、重厚な血を抱えたやや鈍重とも思える牝馬からポンポンと勝ち馬を送り出していること。抜群の素軽さですね。社台系と比べると見劣りが否めない日高の牝馬が中心となってこの成績ですから立派です。もしこの先、何頭かのG1ホースを送り出すようならトウショウボーイの再来でしょう。
■日曜阪神2Rの未勝利戦(芝1800m)は、好位追走のミルドリーム(1番人気)が着実に伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=tVwrnzhP92c
2歳世代のシンボリクリスエス産駒は、母馬の質が過去最高レベルなので、シーズン開始前から相当いい結果が出るのではないかと予測されていました。現在、9勝を挙げ、トップのダイワメジャーとフジキセキ(いずれも10勝)を1勝差で追いかけています。やはり今年はひと味違います。
ダームドゥラックが2勝を挙げているので、勝ち上がった馬は8頭。そのうち6頭が「シンボリクリスエス×サンデーサイレンス」です。繁殖牝馬のレベルアップは、サンデーサイレンスを父に持つ良血牝馬が大量に集まったことに起因しているので、この結果は妥当なものでしょう。6頭の母馬には、アドマイヤグルーヴ、ダンスインザムード、スティンガー、エアウイングスが含まれています。これだけ見ても圧倒的です。
ミルドリームの母ミルフィオリは名種牡馬フジキセキの全妹。その母ミルレーサーは、息子のフジキセキだけでなく、娘たちがいずれも繁殖牝馬として優れた成績を残しているので、名牝系として発展しそうな雰囲気があります。母馬としてのミルフィオリは前途洋洋でしょう。初子のミルドリームがしっかり走ったので、今後の動向が注目されます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106003/
ミルドリームのデビュー戦はエネアドの2着。このレースは、3着トランドネージュを含む上位3頭が4着以下を8馬身ちぎりました。2着ミルドリーム、3着トランドネージュは2戦目に勝ち上がり、6着だったタニセンヴォイスが2着ですから、レースレベルはかなり高かったと推察されます。勝ったエネアドの強さを間接的に証明したといえるでしょう。
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