Grey Flight 牝系+Bold Ruler の活力
重賞サンタアニタトロフィー(7月28日・大井競馬場・ダ1600m)の同日、第5Rに組まれた特選2歳(ダ1200m)は、パワフルローマン(父アジュディケーティング)が好位から抜け出して5馬身差で勝ち、通算成績を2戦2勝としました。典型的なアメリカンタイプの巨漢馬で、馬体重はすでに520キロあります。叔父にニュージーランドT(G2)を勝ったキタサンチャンネル、叔母にファンタジーS(G3)を勝ったキタサンヒボタン、伯父に全日本3歳優駿を勝ったキタサンテイオーがいる良血です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103966/
母の父カコイーシーズが「Alydar+Tom Fool」ですから、同じアジュディケーティング産駒で七夕賞(G3)を勝ったミデオンビット(母ピアグレイスが Alydar+Tom Fool)に似ていなくもありません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1997105367/
そして、もうひとつ指摘しておきたいのは「Resolver≒ボールドラッド2×5」。
http://www.pedigreequery.com/resolver
http://www.pedigreequery.com/bold+lad
┌ Bold Ruler
┌○┘
Resolver ―――┤
└○┐
└ Misty Morn
┌ Bold Ruler
ボールドラッド ┤
└ Misty Morn
アジュディケーティングの代表産駒アジュディミツオー(帝王賞、東京大賞典2回、川崎記念、かしわ記念)は、Resolver≒What a Pleasure 2×5なので、パワフルローマンと配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001104554/
┌ Bold Ruler
┌○┘
Resolver ―――┤
└○┐
└○┐
└ Grey Flight
┌ Bold Ruler
What a Pleasure ┤
└ Grey Flight
フィップス家の家宝ともいえる名牝 Grey Flight は、9頭のステークスウィナーを送り出した希代の名牝で、そのファミリーの活力は目を瞠るものがあります。
とくにこの牝系に Bold Ruler を掛け合わせて誕生した活躍馬は多く、それらを組み合わせたクロスも前述のように成功しています。
母の父にアジュディケーティングを持つ馬で最も成功したロングプライド(父サクラローレル)は、ユニコーンS(G3)の勝ち馬で、やはりボールドラッド≒Resolver 4×3があります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2004105013/
海外では Sovereign Dancer が有名です。Grey Flight の孫にあたるこの種牡馬は、ファミリーの血をクロスさせることで立て続けに名馬を生み出しました。
米三冠のひとつプリークネスS(米G1)を勝った Louis Quatorze は、Bold Princess≒ボールドラッド2×3。また、ジャックルマロワ賞(仏G1)とムーランドロンシャン賞(仏G1)を制した Priolo は、Bold Princess=Pleasant Flight 2×3です。
http://www.pedigreequery.com/louis+quatorze
http://www.pedigreequery.com/priolo2
冒頭に記したパワフルローマンは、じきに重賞戦線に顔を出してくるでしょう。2戦2勝といっても弱敵相手のものなので即通用するかどうかはなんともいえません。ただ、配合的にはいいものを持っているので注目してみたいところです。
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