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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年5月

2011年5月 7日 (土)

東京芝1600mに強い種牡馬

ダノンシャンティが勝った昨年のNHKマイルC(G1・芝1600m)は1分31秒4のレコードでした。道中のラップは以下のとおり。

12.1-10.4-10.9-11.4-11.5-11.5-11.6-12.0

ペースに緩みがなく、またラストまでほとんど落ちることなく、ハイペースのままゴールになだれ込みました。馬に負荷が掛かりづらい高速馬場なので、少々ハイペースで行ってもバテないのでしょう。

マイル戦では瞬発力が大事、とは昔から聞き慣れた文句です。しかし、馬場コンディションが良くなると、必然的に道中の平均ラップが上がり、短距離戦のような緩みのない競馬になっていきます。その究極のレースが昨年のNHKマイルCです。起伏の少ない高速ラップが平均的に刻まれるわけですから、ここで問われるのは瞬発力ではなくスピードの持続力です。馬場が改修された03年以降、東京芝1600mで30走以上した種牡馬を連対率順に並べると、以下のようになります。

1位 シンボリクリスエス   30.8%
2位 キングカメハメハ    28.3%
3位 サンデーサイレンス   22.2%
4位 フジキセキ       22.0%
5位 ゴールドアリュール   21.9%

スーパーサイアーのサンデーサイレンスは別として、残りの4頭はいずれもダートにも高い適性を見せている種牡馬です。1位シンボリクリスエスはサクセスブロッケンの父で、「Roberto 系×Seattle Slew 系」という典型的な持続力タイプの種牡馬。2位キングカメハメハも芝・ダート兼用タイプです。4位フジキセキは連対率ベースで見ると芝よりもダートが上回っており、ダート王カネヒキリの父としても知られています。5位ゴールドアリュールはエスポワールシチー、スマートファルコン、オーロマイスターの父で、最近はダート種牡馬のイメージしかありません。

高速化しているのにダートOKの種牡馬が台頭しているのは矛盾するじゃないか、と思われるかもしれませんが、前述のとおり高速化したマイル戦は速いラップが平均的に刻まれ、瞬発力よりも持続力がモノをいいます。芝・ダート兼用型の種牡馬は総じて持続力に秀でています。高速馬場のマイル戦でシンボリクリスエスやキングカメハメハの子が強いのはこうした理由です。

ディープインパクトは完全に芝向きの種牡馬です。サンデー系らしい伸びやかな瞬発力が持ち味なので、長い直線は歓迎ではあるものの、高速ラップが平均的に刻まれるマイル戦は向いていないような気もします。対応するには母方の血のサポートが必要ですね。本質的にはもう少し長い距離で緩急のある競馬が合っているでしょう。

2011年5月 6日 (金)

今週土曜も東京競馬場でイベント

5月7日(土)11時15分から、東京競馬場のセンターコートで行われる「オープン型レーシングセミナー」に出演します。また、14時30分ごろから16時30分ごろまで、同所で「リアルタイム情報ステーション」に出演します。先週に続いての出演です。情報ステーションの共演は細江純子さん、古谷剛彦さんです。

アカンサスはミルレーサー≒Gana Facil 2×4

■土曜東京7Rの3歳500万下(芝1600m)は、ミヤビファルネーゼ(1番人気)が直線で豪快に突き抜け、2着以下に3馬身半差をつけました。
http://www.youtube.com/watch?v=ep7vw3B5LJo

ロージズインメイ産駒はトニービン牝馬とニックスの関係にあります。コスモラピュタ(菊花賞5着、阪神大賞典4着)やマイネルグート(準OP)などがこのパターンに当てはまります。1走あたりの獲得賞金額は196万円。一方、母の父にトニービンを持たない同産駒は1走あたり91万円。前者の半分にも達していません。

ロージズインメイの血統は、あまりポピュラーとはいえないタイプのアメリカ血統が主体となっているので、自己を主張するよりも母方の特徴を出すタイプです。重厚なヨーロッパ血脈は自己に足りないものを補います。トニービンがフィットし、なおかつ芝向きに出ているのはこうした理由によるものでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102118/

■日曜東京11RのスイートピーS(3歳OP・芝1800m)は、出負けした◎アカンサス(1番人気)が上がり33秒6の脚を繰り出して差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=Ccic9iuf8bU

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は◎▲で的中。予想文を転載します。

「◎アカンサスは『フジキセキ×アンブライドルズソング』という組み合わせ。ミルレーサー≒ガナファシル2×4はユニークな配合パターンなので注目してみたい。前走は先行有利の中山芝1800mで前残りのペースにもかかわらず、出遅れて後方から6着まで追い上げた。今回も出遅れる可能性はあるが、直線の長い東京コースなら中山ほどの不利はない。ここは素質の高さに賭けてみたい。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102889/

ミルレーサー≒Gana Facil 2×4とは、以下のような組み合わせのクロスです。

        ┌ Le Fabuleux
ミルレーサー ―┤ ┌ In Reality
        └○┘

        ┌ Le Fabuleux
Gana Facil ――┤ ┌ In Reality
        └○┘

フジキセキの母ミルレーサーは、Unbridled の母 Gana Facil と同じ「Le Fabuleux×In Reality」。アカンサスの父フジキセキに含まれる In Reality は、母方の Unbridled が持つ Fappiano と In Reality のニックスを継続するものでもあるのでいいですね。高い素質を感じさせるので前途洋々でしょう。

2011年5月 5日 (木)

かしわ記念はフリオーソ

◎エスポワールシチー(1番人気)は痛恨の出遅れ。一昨年のレースでは同じように中団追走からカネヒキリを破ったのですが、好調時のフォームを取り戻していない現状では厳しかったようです。4コーナーで○フリオーソ(2番人気)の直後まで押し上げたものの、そこで脚が上がってしまいました。逃げた▲ラヴェリータ(3番人気)にも後れを取り3着。国内のダート戦で連対を外したのは09年2月のフェブラリーS(4着)以来2年3ヵ月ぶりです。
http://www.youtube.com/watch?v=CF4dbpM6vkA

勝ったフリオーソはエスポワールシチーの3連覇を阻止するとともに、初めて同馬に先着を果たしました。昨年のかしわ記念では4コーナーで先頭に立ったものの、直後に迫ったエスポワールシチーに残り100mで差し切られました。今年はフリオーソの充実ぶりが著しく、逆にエスポワールシチーはブリーダーズC挑戦の反動が残っている状態。4コーナーの差は逆に開きました。

もしこのままエスポワールシチーの調子が上がってこないとなると、国内ダートの戦力図は、フリオーソ、トランセンド、スマートファルコンの三強体制となります。

ここから再スタート、シュプリームギフト

■土曜京都3Rの3歳未勝利戦(芝1600m)は、1番人気のシュプリームギフトが差し切りました。

例年好メンバーが集まることで知られる新馬戦開幕週の阪神芝1600m戦。昨年6月のこのレースに、シュプリームギフトは1番人気で出走し、3着と敗れました。ちなみにそのレースを勝ったのは札幌2歳S(G3)で2着となるアヴェンチュラ、2着はニュージーランドT(G2)を勝つことになるエイシンオスマン。きわめてハイレベルな新馬戦でした。3着は優秀な成績です。

このときのパドックはいまだに覚えているのですが、逞しく体が出来上がったアヴェンチュラに比べ、シュプリームギフトは華奢で頼りなく、いたいけな感じさえしました。

その後、10ヵ月間戦列を離れたのは、初戦に無理をした反動でしょう。体が出来上がっていない段階で大きめの負荷を掛けると、ディープインパクト産駒は反動が出るケースが多いような気がします。

昨年のPOGで指名したほどなので配合的には高く評価している馬です。Mr.Prospector をはじめ豊富なアメリカ血統を抱え、Pocahontas 5×6、Attica≒Dunce 6×6など、父に含まれる Lady Rebecca を刺激しています。この部分が配合的なキーポイントのひとつである、ということは以前から主張してきました。まだまだ荒削りですが、それだけに伸びシロはあると思うので、今後のさらなる成長に期待です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103205/

■土曜東京5Rの3歳未勝利戦(芝2000m)は、ここがデビュー戦のウィンチェスター(1番人気)が経験馬相手に差し切りました。タイムは2分00秒1。初出走馬にしては優秀です。

「スペシャルウィーク×Zilzal」は、本馬のほかにメイショウエジソンのみがデビューし、現在準OPに在籍しています。また、同じスペシャルウィーク産駒で、母の父に Zilzal とよく似た構成(Nureyev×Le Fabuleux+Bold Ruler)から成るステートリードンを持つステイトリーデイズは、通算3勝を挙げました。このパターンは地味ながら確実に走っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103287/

2回東京の未勝利戦(芝2000m)を勝った堀宣行厩舎の初出走馬、というと昨年のダークシャドウを思い出します。あらためて説明するまでもなく先日の大阪杯で2着と健闘した強豪です(1着ヒルノダムール、3着エイシンフラッシュ)。

2011年5月 4日 (水)

青葉賞はウインバリアシオン

ここのところ大きなニュースが多く、中央、地方、海外もオンシーズンなのでレース回顧が間に合いません。

土曜東京11Rの青葉賞(G2・芝2400m)は、△ウインバリアシオン(6番人気)が上がり33秒6で突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=0iMAg9G-C2s

昨年暮れから4、4、7着と結果が出ていなかったのは、実力的なものだけでなく体調的なものもあったのでしょう。弥生賞で7着と敗れたあと皐月賞を諦めて放牧に出し、立て直したことが功を奏しました。

昨年秋の野路菊S(OP)では、ラスト2ハロン10秒5-11秒6というラップで大外一閃。ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)のように上がりが掛かる競馬では持ち味が出ないものの、一瞬の脚を活かせる展開では強いタイプですね。今回はスローペースの上がり勝負となったことがよかったのでしょう。本番のダービーは今回のようなスローにはならないと思うので(去年はそうでしたが)、このあたりをどう克服するかが鍵です。

母方に Storm Bird を持つ配合はスプリングS(G2)3着馬ステラロッサと同じ。先日の橘S(OP)を勝ったツルマルレオンは Lyphard 4×5でしたが、本馬は Lyphard≒Dancing Count 4×4です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103206/

先週の安藤勝己騎手は土日東京で騎乗し、8戦5勝という凄まじい成績でした。今年に入ってから勝率21.3%、連対率39.3%。とても51歳の騎手の成績とは思えません。

◎トーセンレーヴ(1番人気)はスタート直後に隣の馬と接触して位置取りが後ろになり、直線入り口では前を閉められました。本当は2着○ショウナンパルフェ(4番人気)のポジションで競馬がしたかったはずです。もっとも、この程度の不利はどのレースでもあるものなので、ここを勝ちきるだけの力が現状ではなかったということだと思います。

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は△○◎で3連複6720円的中。『netkeiba.com』リニューアル版に提供した予想(http://prev.www.netkeiba.com/ から「No.1予想」に進む)は3連単マルチの買い目を設定していたので74960円的中です。

2011年5月 3日 (火)

栗山求のかしわ記念特集ページ

5月5日のこどもの日、船橋競馬場でかしわ記念(Jpn1・ダ1600m)が行われます。3連覇を狙うエスポワールシチーと南関東の大将フリオーソの一騎打ちムードです。『netkeiba.com』リニューアル版の「南関競馬研究所」に、栗山求の予想その他の特集記事を掲載していただきました。よろしかったらご覧くださいませ。
http://netkeiba-nankanlab.com/

サクラバクシンオー死亡

バブル期を境に日本に輸入される馬の質がグンと上がり、それまで栄えていた血統は劣勢に立たされるようになりました。サンデーサイレンス、ブライアンズタイム、トニービンといった種牡馬が縦横無尽に暴れまわり、明治、大正、昭和初期に輸入された繁殖牝馬の子孫は大レースを勝つ機会を減らしました。要するに血統がどんどん更新されていったわけです。

テスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオー

この系統はそんな厳しい時代状況のなかで、「スピード」という一芸に賭けて生き延びてきました。凄い、という一言に尽きます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1989108341/

現役時代のサクラバクシンオーは1400m以下で12戦11勝。スプリンターズS(G1・芝1200m)を2連覇したほか、日本史上初めて芝1400mで1分20秒の壁を破りました(1分19秒9=94年スワンS)。父サクラユタカオーは距離の壁こそあったもものの天皇賞・秋を制覇。母サクラハゴロモは天皇賞・春や有馬記念を制したアンバーシャダイの全妹ですから、デビュー前はごく普通に“ダービーを狙えるんじゃないか?”と思っていました。スプリンターが出てくるとはまったく想像していませんでした。中距離馬を思わせる優雅なフットワークは、ガチャガチャした走りのスプリンターの集団に入ると、まさに群鶏の一鶴といった趣でした。
http://www.youtube.com/watch?v=nL2EBCVTb3A

わたしはこの馬に強い思い入れがありました。POGで指名した馬だったからです。母サクラハゴロモもかつて指名していました。競馬場では単勝馬券を握って応援し、ときには関西にも遠征しました。2回制したスプリンターズSのうち、2回目はどう乗っても勝つだろうという安心感がありましたが、1回目はヤマニンゼファー、ニシノフラワーという強敵がそろって三つ巴でした。サクラバクシンオーはOP特別を勝っての挑戦で2番人気。キャリア全戦を振り返ったとき、個人的にいちばん印象に残っているのはこのレースでしょうか。冬の暗い曇り空を背景にピンクの勝負服が先頭でゴールに飛び込むシーンをいまでもありありと思い出せます。

周知のとおり、種牡馬としてのサクラバクシンオーは短距離向きの種牡馬として大成功し、ショウナンカンプ、グランプリボス、シーイズトウショウをはじめ多くの活躍馬を送り出しました。産駒がデビューして4年目に初めて種牡馬ランキングの9位に入ると、昨年までの10年間、一度もベスト10から落ちることなく頑張ってきました。産駒のJRA通算勝利数は歴代9位。父が内国産種牡馬である馬に限定すると1位です。サンデーサイレンスの孫種牡馬がこの記録を破るのは遠い先のことでしょう。

2代父テスコボーイは21歳時、父サクラユタカオーは16歳時の種付けがラストクロップでした。以後、授精能力を喪失してしまい、産駒が誕生しませんでした。生殖機能に関しては早老なところがある系統といえるでしょう。サクラバクシンオーに関しては、21歳だった昨シーズンまでそうした話はなかったので安心していました。まさか心不全で突然命を落とすとは……。合掌。

2011年5月 2日 (月)

天皇賞・春はヒルノダムール

道中これだけスタンドが沸いた競馬は久しぶりです。先頭が入れ替わるたびに「ワーッ!!」「ウォーッ!!」と大喚声。見ていて単純におもしろかったですね。道中のペースにどんどん異議を唱え、各馬が勝つために自力で動いていったので“レースが生きている”という感じがしました。いつも以上に騎手たちの戦う姿勢が見えましたね。こういうアクティヴなレースが増えれば長距離レース不要論も出なくなると思います。

ただ、皮肉なことに、連に絡んだ2頭は先行勢の動きに惑わされず中団でじっと我慢していた馬でした。勝ったヒルノダムール(7番人気)、2着△エイシンフラッシュ(3番人気)は、藤田伸二騎手、内田博幸騎手が上手に乗ったと思います。ドイツ血統を持つ馬のワン・ツー・フィニッシュでもありました。
http://www.youtube.com/watch?v=6JtVRFhgnc8

ヒルノダムールの父はマンハッタンカフェ。天皇賞・春、菊花賞、有馬記念といった長距離の大レースを制した名馬ですが、スタミナ勝負ではなく切れ味勝負で勝ってきた印象が強く、本質的には中距離馬だったと思います。じっさい、長距離における産駒成績は芳しくなく、このレースの前までに3000m以上のレースでは28戦し、2着がわずか1回(連対率3.6%)という惨憺たる成績。

長距離ではマンハッタンカフェ産駒を割り引いて考えるというのがわたしのやり方で、ヒルノダムールについても母の父が重厚なラムタラながら、2000m前後で持ち味が活きるタイプと考えていたので、こういう結果になってしまっては手も足も出ません。完敗でした。配合については昨年1月23日のエントリー「若駒Sはヒルノダムール快勝」をご覧ください。3200mでは印を打てませんでしたが、配合自体は早い段階から高く評価してきた馬です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/01/post-39a6.html
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/

マンハッタンカフェ産駒は先週土日の京都競馬でヒルノダムールを含めて6頭が勝つという爆発ぶり。わずか1週で賞金を2億円以上稼いで首位キングカメハメハを急追しています。今年は素晴らしいですね。

2着エイシンフラッシュの父 King's Best は Kingmambo 系で、英2000ギニー(G1・芝8f)の勝ち馬。Workforce(凱旋門賞、英ダービー)やコスモメドウ(ダイヤモンドS)のイメージからスタミナタイプと見られがちですが、この2頭は母の父に Sadler's Wells を持っています。全体の産駒成績を見ると、安定性に欠けるマイラー型種牡馬、という評価が妥当ではないかと思います。母ムーンレディは独セントレジャー(G2・芝2800m)の勝ち馬。エイシンフラッシュはこれまで中距離向きの瞬発力ばかりが目立ち、スタミナに関してはこれといったものを見せたことがなかったのですが、今回のレースでそうした面を初めて披露しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102951/

◎マイネルキッツ(6番人気)は結果的に乱ペースに巻き込まれて消耗してしまいましたが、勝つためには自分で動くしかない馬なので、致し方ありません。○トゥザグローリー(1番人気)、▲ローズキングダム(2番人気)は引っ掛かりましたね。長距離戦では致命的でした。

結局、1、2着は大阪杯組で、3、4、5着は阪神大賞典組。人気を集めた日経賞組はダメでした。1、2番人気の4歳馬が惨敗しても、1、2着はやはり4歳馬ですから、この世代の層の厚さは驚異的です。

帰途、淀駅のホームでも京阪の車内でも、友達同士で楽しそうにレースを振り返る光景をあちこちで目にしました。レースがおもしろければ見ている側としても爽快ですし、馬券を取った取らないにかかわらずファンの表情が違います。スローペースの折り合い合戦で逃げ馬がそのまま残る、などというレースになろうものなら車内の空気が暗く淀んで、ああこれはファンが減るなぁ~と感じたりもします。せっかくの休日にお金を失ってストレスも溜まるようでは競馬が嫌になります。既存ファンをつなぎとめ、新規ファンを開拓するには、なによりもいいメンバーによるいいレースを地道に続けていくことが大切ではないでしょうか。

2011年5月 1日 (日)

衝撃! Frankel が英2000ギニーを6馬身差圧勝

青葉賞の回顧を書こうと思ったのですが後回しにします。ロイヤルウェディングから一夜明けた4月30日、英ニューマーケット競馬場で行われた2000ギニー(G1・芝8f)は、断然人気の Frankel が6馬身差で逃げ切りました。好スタートからスピードに乗って後続をぐんぐん引き離し、道中は実況アナウンサーが「15馬身リード!」と叫んだほど。昨年秋のアンティポスト(ブックメーカーの前売りオッズ)ですでに2倍を切る1番人気だったのですが、やはりモノが違ったようです。これで6戦全勝。
http://www.youtube.com/watch?v=ghUY0k4YX1k

Dream Ahead と Wootton Bassett が出てこなかったのでメンバーは軽かったのですが、2000ギニーでこのような勝ち方は記憶にありません。まるで Overdose です。この走りっぷりを見ると12ハロンはまず無理でしょう。気性で行ってしまうのでペースの加減は難しいと思います。先日死亡した Sadler's Wells のサイアーラインに属しますが、小柄でゴムマリのような馬体は、母方にある Northern Dancer-Danzig のラインの影響を感じさせます。
http://www.pedigreequery.com/frankel3

『RACING POST.com』では Frankel の進路についての読者アンケートをとっており、現時点で「ダービーに行ったほうがいい」が56%で、「行かないほうがいい」の44%を上回っています。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!