サクラバクシンオー死亡
バブル期を境に日本に輸入される馬の質がグンと上がり、それまで栄えていた血統は劣勢に立たされるようになりました。サンデーサイレンス、ブライアンズタイム、トニービンといった種牡馬が縦横無尽に暴れまわり、明治、大正、昭和初期に輸入された繁殖牝馬の子孫は大レースを勝つ機会を減らしました。要するに血統がどんどん更新されていったわけです。
テスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオー
この系統はそんな厳しい時代状況のなかで、「スピード」という一芸に賭けて生き延びてきました。凄い、という一言に尽きます。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1989108341/
現役時代のサクラバクシンオーは1400m以下で12戦11勝。スプリンターズS(G1・芝1200m)を2連覇したほか、日本史上初めて芝1400mで1分20秒の壁を破りました(1分19秒9=94年スワンS)。父サクラユタカオーは距離の壁こそあったもものの天皇賞・秋を制覇。母サクラハゴロモは天皇賞・春や有馬記念を制したアンバーシャダイの全妹ですから、デビュー前はごく普通に“ダービーを狙えるんじゃないか?”と思っていました。スプリンターが出てくるとはまったく想像していませんでした。中距離馬を思わせる優雅なフットワークは、ガチャガチャした走りのスプリンターの集団に入ると、まさに群鶏の一鶴といった趣でした。
http://www.youtube.com/watch?v=nL2EBCVTb3A
わたしはこの馬に強い思い入れがありました。POGで指名した馬だったからです。母サクラハゴロモもかつて指名していました。競馬場では単勝馬券を握って応援し、ときには関西にも遠征しました。2回制したスプリンターズSのうち、2回目はどう乗っても勝つだろうという安心感がありましたが、1回目はヤマニンゼファー、ニシノフラワーという強敵がそろって三つ巴でした。サクラバクシンオーはOP特別を勝っての挑戦で2番人気。キャリア全戦を振り返ったとき、個人的にいちばん印象に残っているのはこのレースでしょうか。冬の暗い曇り空を背景にピンクの勝負服が先頭でゴールに飛び込むシーンをいまでもありありと思い出せます。
周知のとおり、種牡馬としてのサクラバクシンオーは短距離向きの種牡馬として大成功し、ショウナンカンプ、グランプリボス、シーイズトウショウをはじめ多くの活躍馬を送り出しました。産駒がデビューして4年目に初めて種牡馬ランキングの9位に入ると、昨年までの10年間、一度もベスト10から落ちることなく頑張ってきました。産駒のJRA通算勝利数は歴代9位。父が内国産種牡馬である馬に限定すると1位です。サンデーサイレンスの孫種牡馬がこの記録を破るのは遠い先のことでしょう。
2代父テスコボーイは21歳時、父サクラユタカオーは16歳時の種付けがラストクロップでした。以後、授精能力を喪失してしまい、産駒が誕生しませんでした。生殖機能に関しては早老なところがある系統といえるでしょう。サクラバクシンオーに関しては、21歳だった昨シーズンまでそうした話はなかったので安心していました。まさか心不全で突然命を落とすとは……。合掌。
バクシンオーと言えば引退レースのスプリンターズSが圧巻でよく覚えてます。
次元の違う走りでした。
母父としての活躍に期待したいですね。
配合次第では中距離走れると思いますし、色々な系統の種馬を付けられそうなのもいいですよね。
投稿: キスラー | 2011年5月 3日 (火) 14:23
サクラバクシンオーのエントリーにすみません。
プニプニヨークン、勝ちました!!!
これでA2昇格です!!!
…いやぁ、こんなのも競馬の醍醐味です!
仕事、早じまいでよかったぁ。思わず
政ぁぁ~~~っ!!
直線で叫んでしまいました(^O^)v
投稿: ダンディ“ゲッツ”さっさん | 2011年5月 3日 (火) 16:21
>キスラー様
「母の父サクラバクシンオー」で成功しているのはゴールドアリュール産駒です。これまでに誕生したわずか3頭からトップカミングとメモリアルイヤーが出ています。ゴールドアリュールの母方は Hyperion 色が強く、また Nijinsky が含まれています。どちらもサクラバクシンオーと相性がいいパターンですね。
投稿: 栗山求 | 2011年5月 3日 (火) 17:08
>ダンディ“ゲッツ”さっさん様
今回は単勝が160円だったので、前走の大敗は度外視できるアクシデントだったんでしょう。あと3~4戦したら重賞挑戦でしょうか。いやはや、ここまで来るというのは大したものですね~。
投稿: 栗山求 | 2011年5月 3日 (火) 18:46