若駒Sはヒルノダムール快勝
若駒Sは毎年のように切れ味勝負となるのですが、ラスト2ハロンの11秒1-11秒0は歴代でみてもズバ抜けて速いラップです。ここで馬群から抜け出した1、2着馬は完全に力が上でした。2分02秒0の勝ちタイムは05年の2分00秒8(ディープインパクト)、91年の2分01秒4(トウカイテイオー)に次ぐレース史上3番目の好時計です。
『web競馬王』に出した予想は、◎ヒルノダムール、○ルーラーシップ、▲エクセルサスで完全的中。予想文を転載します。
「◎ヒルノダムールは『マンハッタンカフェ×ラムタラ』という組み合わせ。母系にブラッシンググルームを持つマンハッタンカフェ産駒は成功しており、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、メイショウクオリア、ココナッツパンチ、オリエンタルロック、ベストメンバーなど多数の活躍馬が出ている。母が持つニジンスキー≒ザミンストレル2×3という4分の3同血クロスは、これらの血がブラッシンググルームとニックスの関係にあるので、マンハッタンカフェとブラッシンググルームの関係を強化するものとして好感が持てる。母の父ラムタラは、ノーザンダンサー2×4、フレーミングページ≒スプリングラン2×4など、現代の主流血統が色濃く流れているので、父マンハッタンカフェが母系に抱える異系の血とフィットするだろう。配合レベルは高い。ちなみに、先日のシンザン記念(G3)を勝ったガルボ(父マンハッタンカフェ)は、母系にニジンスキー≒ファーノース(ザミンストレルの全兄)3×3を持っているので、ヒルノダムールと血統構成の骨格がきわめてよく似ている。こうした点からもヒルノダムールの配合レベルの高さは裏付けられる。前走のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)は、ハイレベルなメンバー構成のなかで差しづらい展開を差して4着。新馬戦を勝ったばかりの馬よりも信頼できる。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/
ヒルノダムールとガルボの配合の共通性については、1月11日のエントリーで触れたとおりです。今回はスタートでミスをしなかったこと、少頭数で馬群がさばきやすかったことが勝因です。皐月賞トライアルや本番では今回のような少頭数は望めません。後ろから行く以上、展開頼みになるのは避けられませんし、外を回せばラジオNIKKEI杯2歳Sのようなレースになる危険性があります。そこをどうやって切り抜けるか、藤田騎手の腕が問われるところです。能力自体は世代トップと遜色ないレベルだと思います。
ルーラーシップは直線で進路を立て直す不利が痛かったですね。ただ、それ以前に馬に力みがあり、勝負どころでモタつくシーンもありました。一言でいえば経験不足です。負けるべくして負けたといえるでしょう。こうした点はキャリアを重ねるうちに解消してくるはずです。追い出されてからの豪快なフットワークはさすがといえるもので、やはり並の馬ではありません。馬が完成したときの到達点は高いと思います。コーナーの加速がイマイチなので、広くて直線の長いコースが合っているのではないでしょうか。問題は今後のローテーションです。まだ1勝馬だけにしっかり賞金を積み重ねていかないと皐月賞挑戦に黄信号が灯ります。
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