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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年5月 2日 (月)

天皇賞・春はヒルノダムール

道中これだけスタンドが沸いた競馬は久しぶりです。先頭が入れ替わるたびに「ワーッ!!」「ウォーッ!!」と大喚声。見ていて単純におもしろかったですね。道中のペースにどんどん異議を唱え、各馬が勝つために自力で動いていったので“レースが生きている”という感じがしました。いつも以上に騎手たちの戦う姿勢が見えましたね。こういうアクティヴなレースが増えれば長距離レース不要論も出なくなると思います。

ただ、皮肉なことに、連に絡んだ2頭は先行勢の動きに惑わされず中団でじっと我慢していた馬でした。勝ったヒルノダムール(7番人気)、2着△エイシンフラッシュ(3番人気)は、藤田伸二騎手、内田博幸騎手が上手に乗ったと思います。ドイツ血統を持つ馬のワン・ツー・フィニッシュでもありました。
http://www.youtube.com/watch?v=6JtVRFhgnc8

ヒルノダムールの父はマンハッタンカフェ。天皇賞・春、菊花賞、有馬記念といった長距離の大レースを制した名馬ですが、スタミナ勝負ではなく切れ味勝負で勝ってきた印象が強く、本質的には中距離馬だったと思います。じっさい、長距離における産駒成績は芳しくなく、このレースの前までに3000m以上のレースでは28戦し、2着がわずか1回(連対率3.6%)という惨憺たる成績。

長距離ではマンハッタンカフェ産駒を割り引いて考えるというのがわたしのやり方で、ヒルノダムールについても母の父が重厚なラムタラながら、2000m前後で持ち味が活きるタイプと考えていたので、こういう結果になってしまっては手も足も出ません。完敗でした。配合については昨年1月23日のエントリー「若駒Sはヒルノダムール快勝」をご覧ください。3200mでは印を打てませんでしたが、配合自体は早い段階から高く評価してきた馬です。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/01/post-39a6.html
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/

マンハッタンカフェ産駒は先週土日の京都競馬でヒルノダムールを含めて6頭が勝つという爆発ぶり。わずか1週で賞金を2億円以上稼いで首位キングカメハメハを急追しています。今年は素晴らしいですね。

2着エイシンフラッシュの父 King's Best は Kingmambo 系で、英2000ギニー(G1・芝8f)の勝ち馬。Workforce(凱旋門賞、英ダービー)やコスモメドウ(ダイヤモンドS)のイメージからスタミナタイプと見られがちですが、この2頭は母の父に Sadler's Wells を持っています。全体の産駒成績を見ると、安定性に欠けるマイラー型種牡馬、という評価が妥当ではないかと思います。母ムーンレディは独セントレジャー(G2・芝2800m)の勝ち馬。エイシンフラッシュはこれまで中距離向きの瞬発力ばかりが目立ち、スタミナに関してはこれといったものを見せたことがなかったのですが、今回のレースでそうした面を初めて披露しました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102951/

◎マイネルキッツ(6番人気)は結果的に乱ペースに巻き込まれて消耗してしまいましたが、勝つためには自分で動くしかない馬なので、致し方ありません。○トゥザグローリー(1番人気)、▲ローズキングダム(2番人気)は引っ掛かりましたね。長距離戦では致命的でした。

結局、1、2着は大阪杯組で、3、4、5着は阪神大賞典組。人気を集めた日経賞組はダメでした。1、2番人気の4歳馬が惨敗しても、1、2着はやはり4歳馬ですから、この世代の層の厚さは驚異的です。

帰途、淀駅のホームでも京阪の車内でも、友達同士で楽しそうにレースを振り返る光景をあちこちで目にしました。レースがおもしろければ見ている側としても爽快ですし、馬券を取った取らないにかかわらずファンの表情が違います。スローペースの折り合い合戦で逃げ馬がそのまま残る、などというレースになろうものなら車内の空気が暗く淀んで、ああこれはファンが減るなぁ~と感じたりもします。せっかくの休日にお金を失ってストレスも溜まるようでは競馬が嫌になります。既存ファンをつなぎとめ、新規ファンを開拓するには、なによりもいいメンバーによるいいレースを地道に続けていくことが大切ではないでしょうか。

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天皇賞・春はヒルノダムールを参照しているブログ:

コメント

私も◎マイネルキッツでした(;´д`)

○ナムラクレセントとのワイドが一番の
勝負馬券だったので直線は大興奮でしたヾ(・∀・。)ノ

結果は残念でしたが仰るとおり
見てて面白いレースだったので
外れても大満足です( ̄▽ ̄)b

ヒルノダムールが大阪杯を機に覚醒したように、
他の騎手たちもこのレースを見て
スローペース症候群から脱皮してくれると
嬉しいのですが( ̄ー ̄;

一番大好きなGⅠなのに、何年かぶりに生観戦が叶いませんでした。行けてれば栗山さんにお会いできて、日頃の感謝をお伝えできたかも知れないのに。

でレースはテレビで見てましたが、道中でトゥザグローリーがハナに立った時とナムラクレセントが捲っていった時の大歓声は、私も鳥肌が立ちました。

レースがぐちゃぐちゃになったと吐き捨てた騎手もいたそうですが、ファンとしては、騎手の勝つ気があふれるレースはすがすがしいです。いつもこんなレースなら、きっと競馬にもファンが戻ってきます。

WIN5も少し売上が伸びたようですし、春の東京GⅠ5連戦も血沸き肉躍るレースを期待します。

>馬方歳三様

直線に入ってナムラクレセント-マイネルキッツの態勢になったときは、わたしも興奮して心拍数が倍ぐらいになりました。まぁ時間にすればわずか10秒ぐらいでしたが^^ いい夢を見させてもらいました。ヒルノダムールはここにきて成長していますね。今朝のスポーツ新聞によると秋は凱旋門賞へ挑戦するプランもあるとか。

>ダンディ“ゲッツ”さっさん様

お疲れ様です。わたしのブログは仕事ではなく単なる趣味ですから、見に来ていただいている方々に、わたしのほうが感謝しなければいけないと思います。

昨日のレースは道中で13秒9などというラップがあり、そうした場面では明らかに落としすぎですから、ほかの馬が行くというのはごく自然な流れでしょう。逆にそうした場面で何もしないほうがおかしいと思います。ライスシャワーの二度目の天皇賞・春とか、もっとさかのぼればニホンピロムーテーの菊花賞とか、地方競馬でもテツノカチドキの二度目の東京大賞典とか、長距離戦で道中動いて勝負をするというのは昔はごく普通にあったと思います。

ラップなどの小難しい話は抜きにして、レースが動いていているほうが見ている側としては単純に楽しいですからね(笑)。もっとも、これが日常化して、あんまり派手にやりすぎると逆の見方も出てくるでしょう。昨日のレースはお客さんも満足度が高かったように見えたので成功だったのではないでしょうか。

天皇賞の展開は面白かったですね。観戦したファンの反応が良かったのは嬉しいです。面白い競馬をこれからも見たいですね。
マンハッタンカフェの種牡馬成績は素晴らしいですね。ステイゴールドと同じで、生産者に過小評価されている種牡馬だと思います。二頭共に繁殖牝馬の質を考慮するとEIが2・0近くあるのは非常に優秀な成績だと思います。マンハッタンカフェは牝系が成功の要因ですかね。マンハッタンフィズも良い繁殖牝馬ですし優秀な血です。しかし、国内外問わずドイツ血統は勢いありますね。個人的な予想ですがブエナビスタは素晴らしい繁殖牝馬になるような気がします。素晴らしい能力に勢いのあるドイツ牝系。まだ引退していませんが、同じドイツ血統のアーバンシーのような存在になって欲しいですね。

ありがとうございます!
私なんぞ素人が何を言っても、競馬人気にどうなる訳でもないのですが。

やはり競馬に関わっている以上、競馬人気が上がってほしいし、様々なファクターで誰でも予想出来て楽しめる競馬の魅力を感じてほしい。そう思っています。
MJさんのブログをきっかけに、栗山さん、Kuwaさんのブログにお邪魔するようになり、私自身の競馬観が広がった気がします。

クラシック戦線の難しさ、過酷さ。そんなことも学べたと思います。

ただただ感謝です。

回りに仲間がいないので(笑)、POGはかやの外ですが、クラシック戦線を3~4年追いかけていれば古馬戦線も百戦危うからず、ということが今やっと分かって来ました。これも『競馬通信3銃士』のおかげです。

これからも研鑽を積んでいきたいと思います。
また勉強させて下さい!

>ユウ様

ステイゴールドの現3歳世代は、それまでと比べて繁殖牝馬の質・量が大幅にアップしていて、かなりの成績が期待できると、これは昨年発売の赤本にも記しました。マンハッタンカフェは10年生まれがこれに当たります。つまり今年の1歳ですね。受胎率が低下してきているのが気になるところではありますが。

もし将来、ブエナビスタが世界のサラブレッドに影響を与えるような大繁殖牝馬になったら……と考えると胸がわくわくします。期待したいです。

>ダンディ“ゲッツ”さっさん様

血統というのは競馬にある数あるファクターのひとつであり、それを気にせずとも競馬は楽しめますが、気にすればもっと楽しめるものだと思うので、ブログを続けることによってそうした方がおひとりでも増えるならそれ以上の喜びはありません。これは望田さんや Kuwa さんも同じ気持ちではないでしょうか。

学生時代は同じ趣味の仲間がすぐ集まるのでPOGのメンバー集めは簡単です。ただ、社会人になるとなかなか難しいですよね。POG難民の方々は雑誌やネット主催のものに流れているようです。

POGに参加されずとも、好きな配合の馬を追いかけるという作業は楽しいものです。もうすぐまた新しい1年が始まります。

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