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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年1月26日 (水)

サクラプレジデントと「サクラユタカオー×ノーザンテースト」

土曜京都6R・新馬戦(芝1600m)は△サクラシオン(3番人気)が差し切り勝ち。直線で前が開かず、進路を立て直す不利があったのですが、ゴール前でスパッと切れました。
http://www.youtube.com/watch?v=fjApoz3QUQ0

父サクラプレジデントは、父サンデーサイレンス、母セダンフォーエヴァー(ダービー馬サクラチヨノオーの全妹)という良血で、G1は獲れなかったものの重賞3勝と、競走成績もまずまずでした。

種牡馬成績はイマイチで、新馬戦に強いタイプでもないのですが、なぜか先週は芝1600mの新馬戦で2勝(サクラシオン、サクラフローレス)と大活躍。もう1頭のサクラフローレスは、日曜中山6Rの新馬戦(芝1600m)を3馬身差で完勝しました。

2頭は血統構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101034/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100731/

          ┌ サクラプレジデント
サクラシオンー ――┤
          └○┐ ┌ サクラユタカオー
            └○┤ ┌ ノーザンテースト
              └○┘

          ┌ サクラプレジデント
サクラフローレス ―┤   ┌ サクラユタカオー
          │ ┌○┤ ┌ ノーザンテースト
          └○┘ └○┘

サクラシオンの2代母サクラキャンドルは「サクラユタカオー×ノーザンテースト」。サクラフローレスの母の父サクラバクシンオーも「サクラユタカオー×ノーザンテースト」です。

サクラプレジデントの成功する配合パターンは Nijinsky クロス。これに加え、「サクラユタカオー×ノーザンテースト」を母方に入れるパターンも浮上してきました。

現3歳でクローバー賞(OP)を勝ったサクラベルは、サクラフローレスと同じく「サクラプレジデント×サクラバクシンオー」ですから、このパターンに当てはまります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100408/

現5歳のサクラローズマリー(スイートピーS-2着)は、母サクラヒーローが「サクラユタカオー×ノーザンテースト」です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101383/

これに、先週新馬戦を勝ち上がったサクラシオン、サクラフローレスが加わるわけですから、単なる偶然とは思えません。

「サクラユタカオー×ノーザンテースト」は有名なニックスで、サクラバクシンオー、サクラキャンドル、ダイナマイトダディ、トゥナンテ、システィーナ、エアジハード(2代母の父がノーザンテースト)といった活躍馬が続々と誕生しました。特別な何かがあるのでしょう。これは昨年11月26日のエントリー「サクラユタカオー死亡(後)」ですでに取り上げています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/post-8ef1.html

サクラプレジデントにはサクラ系の繁殖牝馬がたくさん付けられています。サクラユタカオーとサクラバクシンオーの父子、ローラローラとサクラローレルの母子、クレアーブリッジの牝系など、血統構成の材料は似通っているので、走った産駒は互いにどこかしら似た部分があります。サクラシオン、サクラフローレス、サクラベル、サクラローズマリー、サクラエルドールの5頭は、どれを組み合わせても血統構成が似ています。こうした配合からもし仮に優れた種牡馬が現れて、またそれをこれらの牝馬群に交配していくと、昔のドイツ血統やブサック血統のようなことになります。

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コメント

最近さくらの名前をよく聞きますね。
活躍している馬の配合をみると、殆どが現役時代を知っているさくらブランドの馬が多いですね~。僕が競馬を始めた頃はさくらイコール良血でしたが、その時代とは違う地道な方法で少しずつ結果を出せるようになってきたのかな。
これからちょっとだけ(笑)さくらの勝負服に注目してみます。

たしかに最近、サクラの馬が目立つようになった気がします。80年代あたりはサクラ=ピカピカの良血というイメージでしたよね~。POGでもサクラの馬が大人気で、それがちゃんと走るものですから、私も何度かいい思いをさせてもらいました。出し惜しみせず超一流の血を買っていたからこそ、時を経ても良血の威力で馬が走っているということでしょうか。

いつも参考にさせていただいています。
(古い記事へのコメントで申し訳ありません。)

サクラの馬たちが、一方はサクラの血を大事に、もう一方でディープインパクトなどの新しい血も積極的に取り入れて、競馬をにぎわせてくれていますよね。

古いファンとしては、血統表を見るだけで高揚するので、とても有難い存在です。

特に最近はサクラプレジデントの産駒に視線を奪われることが多く、このサクラシオンにも桜花賞に出てほしかったのですが。。。

今後も、ユタカオーニックスを母系に持つ馬に注目していきたいと思います。

昔活躍した馬が、血を繋いで血統表に残っていくというのはいいものです。それらの現役時代の姿を回想しつつ、いま走っている馬との共通点、相違点を考えていくというのは、競馬でしか味わえない贅沢な楽しみですね。

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