ラジオNIKKEI杯2歳Sはダノンバラード
2010年の競馬をあと1日残してディープインパクト産駒は40勝に到達しました。その40勝目がラジオNIKKEI杯2歳S(G3・芝2000m)の△ダノンバラード(4番人気)。ディープインパクトと同じ池江泰郎厩舎、武豊騎手のコンビで父に初めての重賞タイトルをもたらしました。上がり34秒7は出走馬中最速です。
http://www.youtube.com/watch?v=Mur54ujyUzk
配合については10月28日のエントリー「ディープインパクト産駒、土日で4勝(3)」をご覧くださいませ。ダノンシャンティ(NHKマイルC)と配合構成がよく似ています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-add6.html
秋競馬でデビューしたディープインパクト産駒が1、3、5着と上位に食い込みました。先週の朝日杯フューチュリティSの2、3着馬も同様です。秋の中央開催でデビューする馬がハイレベルなのは毎年のこと。今年は秋デビューのディープインパクト産駒が破竹の勢いで勝ちまくっていたので、同産駒のレベルは高いといえるでしょう。
ひと足早くデビューし、新馬戦-萩S(OP)を連勝して高い評価を得ていた○ショウナンマイティ(1番人気)は、次々と勝ち上がるディープインパクト産駒に無言のプレッシャーを与える怖い存在でした。しかし、道中引っ掛かったこともあり8着と大敗。この結果を見ると、これからは秋デビューのディープ産駒に予想の軸足を移したほうがいいのかもしれないなぁと思いました。
今回、鮮やかに勝ったダノンバラードは、前走の京都2歳S(OP)では3着に敗れています。これは、新馬戦を勝ったディープインパクト産駒によく見られる2走目の反動だったのかもしれません。
11月30日のエントリー「ディープインパクト産駒の格上がり戦」で以下のように述べました。
「ディープインパクト産駒がデビュー戦に強いのは、能力の高さはもちろんですが、気のいいタイプが多く、競走に対して前向きであることが大きいと思います。それに加えて、デビューさせる各厩舎も、ディープインパクト産駒ということで多少意識が違うのか、新馬戦からキッチリ仕上げてきます。どれも高馬だけに“下手な仕上げでは出せない”という気持ちがあるのかもしれません。トーセンレーヴが万全を期してデビューを再三延期しているのはその典型でしょう。
新馬戦向きのディープインパクト産駒が、いきなり目一杯に仕上げられれば、それは強いと思います。ただ、上がり目は乏しく、馬によっては反動もあるでしょう。2戦目にもうひとつパフォーマンスが伸びないのはこのあたりに原因があるのではないかと考えています。」
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/post-9e63.html
また、京都2歳Sは、道中のペースがめまぐるしく変化する出入りの激しい競馬でもありました。トビが大きく緩急がきかない傾向があるディープ産駒にとっては得意とはいえない競馬で、このあたりも影響したのかもしれません。
2着△コティリオン(5番人気)は潜在能力ではピカイチだと思っていましたが、前走の引っ掛かり方を見ると重い印は打てません。今回も序盤に引っ掛かり、3コーナーでは挟まれて下がり、直線では最内から外へ持ち出すというロスの大きな競馬。それでも3着に追い込んでくるのですから強いの一語です。気性面の成長がなければこのポジションのままでしょうが、それさえクリアできれば大化けの可能性を秘めています。
ディープインパクト産駒は、日曜日に6頭が出走を予定しており、とくに阪神7R・500万下(芝1600m)のサトノオー、中山7R・ホープフルS(OP・芝2000m)のディープサウンドは注目です。
ラジオNIKKEI杯2歳Sの結果によって、ディープインパクト産駒のJRAにおける収得賞金はついに5億円の大台を突破。これは2歳戦において歴代4位に相当する優秀な数字です。1~3位はすべてサンデーサイレンス。あのサンデーでさえ3回しか記録していない2歳戦の5億超えを、初年度にあっさり達成してしまったのですから価値があります。
勝ったダノンバラードを5番手評価にしかできず、しんがり負けを喫したレッドセインツ(11番人気)に◎を打っているのですから予想は完敗。顔を洗って出直してきます。
ディープ産駒の初重賞が、武豊騎手と定年を目前に控えた池江泰朗調教師のコンビというのは、なにか運命的なものを感じますね。
以前、ディープ産駒の2戦目問題については自分も投稿させてもらったことがありますが、ラジオNIKKEI杯や先週の朝日杯の上位組であるダノンバラード、コティリオン、リアルインパクト、リベルタスは、いずれも2戦目に負けている馬たちです。
この点については、勢司調教師が、ディープ産駒はデビュー戦で頑張りすぎて、2戦目で反動がくるケースが多いのではないかという指摘をされていました。
勢司師の指摘は、格上がり戦についてではなく、新馬で惜敗したディープ産駒が、次走の未勝利戦でグリグリ人気になりながら取りこぼしてしまうことについてのコメントでしたが、格上がり戦でも同じことなのかもしれません。
それにしても、朝日杯やラジオNIKKEI杯の掲示板が、ディープ産駒で埋めつくされるとは、ちょっと予想できませんでした。
前哨戦で取りこぼしても本番に強いという特徴は、サンデーサイレンス譲りと思わざるをえません。
ダノンバラードは、栗山さんが以前から推奨されていた、ディープ×ミスプロ系牝馬の配合ですが、この組み合わせは現時点で8頭が勝ち上がっています。
父親のサンデーの場合、サンデー×ミスプロ系牝馬は、バックパサー(あるいはウォーアドミラル×ラトロワンヌ)と相性が良いといわれますが、ディープにも当てはまるのか調べてみました。
その結果、勝ち上がった8頭のうち6頭にバックパサーがあり、残り2頭のうちの1頭にはウォーアドミラル×ラトロワンヌがありました。
まだサンプル数も少ないですし、アンブライドルドの場合は自身にバックパサーがあるので自動的にこの配合になるわけですが、それでも全8頭中7頭というのはまずまずの高確率なので、父サンデーの相性パターンはディープにも応用が利きそうですね。
その他では、8頭中3頭にヘイローのクロス、2頭にヘイルトゥリーズンのクロス、1頭にサーゲイロードのクロスがあり、あわせて8頭中6頭にターントゥ系のクロスがあるのも気になりました(ロイヤルチャージャーまで遡れば更にもう1頭)。
投稿: toku | 2010年12月26日 (日) 06:12
産駒が出ていない段階で成功パターンを推測するのは、それはそれで腕試しとして楽しいのですが、やはり初年度産駒が出てみて、その結果を吟味した上で成功パターンを探すのが本番ですね。秘められた法則性を見つけ出す作業は楽しいものです。
ディープインパクト産駒についてもそろそろやらなければいけないのですが、年末はどうしようもなく忙しいため何もしていません(笑)。勝ち馬が40頭近くいると、つい気後れしてしまいます。ですので、血脈から分類していただいたものを読むのは勉強になります。
上のクラスで通用するもの、しないものを配合から色分けしていくには、もう少しサンプルが必要です。以前話題にのぼった「ディープ×トニービン」はやっぱりいいですね~。
投稿: 栗山求 | 2010年12月27日 (月) 05:00