ブラウンワイルド、新馬戦レコード勝ち
土曜小倉5R・新馬戦(芝1200m)はブラウンワイルド(9番人気)が直線で後続を6馬身突き放し、1分07秒9のレコード勝ち。ラスト2ハロンは11秒8-11秒5とラップを上げているので強かったですね。稽古内容が冴えなかったので印を打てませんでした。
「ワイルドラッシュ×ヤマニンゼファー」という組み合わせを見て、ダートのほうがいいかも……と反射的に結論付けてしまったのは失敗でした。よく見ると味な配合構成をしています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104610/
5代血統表を見ると、Sir Gaylord 5×5、Missy Baba 5×5というクロスがあります。母の父ヤマニンゼファーは Sir Gaylord 系なので、6代目まで含めると Sir Gaylord 5×5・6です。5月12日のエントリー「Sir Gaylord の瞬発力」でも述べたように、この血は芝向きの非凡な瞬発力を伝えます。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/05/sir-gaylord-ce0.html
また、“Missy Baba 5×5”のほかに、“Clovelly 5×7”という名牝のクロスを持ちます。Missy Baba の母の父 Umidwar と、Clovelly の母 Udaipur は全きょうだい。また、Missy Baba の父方に含まれる Badruddin と、Clovelly の父 Mahmoud は相似な血です。つまり、Missy Baba と Clovelly は血統構成がきわめてよく似ており、ほとんど同じような血といっていいでしょう。しかも、アガ・カーン血脈をベースとしているので、質の高い柔軟なスピードを伝えます。
http://www.pedigreequery.com/missy+baba
http://www.pedigreequery.com/clovelly3
最近ではサンライズプリンスとランザローテがこの2つの血を持っていました。いずれも「アグネスタキオン×Wild Again」という組み合わせから誕生しているのですが、アグネスタキオンと Wild Again を結びつける鍵は Missy Baba と Clovelly の関係ではないかと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105566/
ブラウンワイルドは「Missy Baba≒Clovelly 5・5×5・7」です。前述の「Sir Gaylord 5×5・6」と併せて、芝向きのスピードと瞬発力を引き出す配合パターンといえるでしょう。ダートに強いワイルドラッシュ産駒ながら、芝で圧巻のパフォーマンスを披露したのは、このあたりに理由を求めることができそうです。ワイルドラッシュ産駒だけに上限はありそうですが、2歳戦では楽しめそうな馬です。
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