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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年10月12日 (水)

レコードで快勝ショウナンラムジ

土曜京都2Rの未勝利戦(芝1600m)は、中団追走のショウナンラムジ(3番人気)が勝負どころで進出し、直線で豪快に抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=k6qFdecrDYc

勝ちタイムの1分33秒4はレコード。2年前にアグネスワルツが記録した1分33秒7を0秒3更新しました。この日は準メインの大原S(1600万下・芝2000m)で1分56秒8というコースレコード(日本歴代2位タイ)が出ているので、馬場コンディションのアシストが何より大きかったと思います。ただ、それでも強い勝ちっぷりには違いなく、昨年10月に同じコースで未勝利戦を勝ち上がったサダムパテックぐらいのインパクトはありました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106523/

母フォーカルスターの半弟フォーカルポイントは、キングカメハメハを破って京成杯(G3・芝2000m)をレースレコード(1分59秒2)で制しています。高速決着を得意とする一族なのかもしれません。

父ダンスインザダークは、自身が抱える Nijinsky と相似な血の関係にある Storm Bird や、4分の3同血の The Minstrel を母方に入れた配合がうまく行っています。本馬には Storm Bird が入ります。

そしてもうひとつ、サンデー系と相性抜群のホワイトマズルが母の父に入るところが強調ポイントです。当ブログで繰り返し説明しているとおり、そこに含まれる Drone はサンデーサイレンスの父 Halo とニックスの関係にあります。

「サンデー系×ホワイトマズル」のなかでも、とくに父がアグネスタキオンの場合は優秀で、この配合でデビューを果たした3頭(エミーズスマイル、シュガーヴァイン、ハッピーダイアリー)はすべて準OP以上に出世しています。好相性の理由については10年1月24日のエントリー「アグネスタキオン×ホワイトマズル」に記しました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/01/post-33fe-1.html

理由のひとつに挙げた「Autocratic(ホワイトマズルの2代母)とロイヤルスキー」の組み合わせを、母フォーカルスターは持っています。

          ┌ Bold Ruler
        ┌○┤ ┌ My Babu
Autocratic―――┤ └○┘
        └○┐
          └○┐
            └ Lea Lark

          ┌ Bold Ruler
        ┌○┤ ┌ My Babu
ロイヤルスキー―┤ └○┘
        │ ┌○┐
        └○┘ └○┐
              └ Lea Lark

本馬は近い世代にサンデーサイレンス、ホワイトマズル、ロイヤルスキーを持つため、「アグネスタキオン×ホワイトマズル」のニックス配合にきわめて近い組成を持つことになります。

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┘
ショウナンラムジ ―┤ ┌ ホワイトマズル
          └○┤
            └○┐ ┌ ロイヤルスキー
              └○┘

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤ ┌ ロイヤルスキー
タキオン×マズル ―┤ └○┘
          │ ┌ ホワイトマズル
          └○┘

3代母ダイナフォーカスが Raja Baba≒ステューペンダス2×2で、ロイヤルスキーの構成要素を強調している点も、ロイヤルスキーがキーポイントとなっている配合のなかではプラス材料でしょう。全体的によくできた配合だと思います。2000m前後がベストで、2400mも守備範囲でしょう。

ダンスインザダーク産駒は先週、ダークシャドウが毎日王冠を勝ちました。今週はクラレント(ショウナンラムジと同じく母方にダンシングブレーヴが入ります)がデイリー杯2歳S(G2)で人気を集めそうです。ダンスインザダーク産駒の月別の重賞勝ち数を調べると10月が「10勝」で突出しています(2位が12月の6勝)。昨年はダノンヨーヨー(富士S)とマルカフェニックス(スワンS)が、一昨年はムードインディゴ(府中牝馬S)とスリーロールス(菊花賞)がいずれも2週連続重賞制覇を果たしました。クラレントがデイリー杯2歳Sを勝てば3年連続となります。この時期のダンスインザダーク産駒は要注意です。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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レコードで快勝ショウナンラムジを参照しているブログ:

コメント

栗山先生こんばんわ。ショウナンラムジ…強かったですねー(^-^)

この馬の一つ上(スペシャルウイーク)を、友人が持っていたのですが、
出資の際に相談され…血統的に相性が良いのが並ぶので、
価格も安いので、勧めたのですが…
デビュー前に、好時計を出したのですが…どうも。気性にムラがあったようで途中で走るのを辞めたり…と、能力を出せなかったようで、
早くに引退してしまいました。


先週…血統構成がよく似たショウナンラムジ頑張ってくれたので、
やっぱり、配合的には良かったのだと、昨日…友人が言ってくれました。


ダンスインザダーク産は、一口馬主やPOGでは中々推奨しづらい
ですが…アフロディーテのデビュー戦で戦った…キトゥンブルーなんかは、Backpasserがありますので、非常に好感が持てる配合だと思います。


丁度全弟が、募集されているのですが…恐らく人気がなさそうですので、ユックリ育成を見守りながら、様子をみるつもりです。

おはようございます。スペシャルウィークはダンスインザダークと同じサンデーと Nijinsky を持つ種牡馬ですから、走ってもおかしくないのですが、気性面を含めた微妙な配合の相性があるのかもしれませんね。

ダンスインザダーク産駒の Buckpasser が入るパターンは、Mr.Prospector や、Sir Ivor または Drone を併せて、スピードや切れ味を強化するのがコツです。

栗山先生おはようございます。

コメントありがとうございます(^-^)

ダンスインザダークに、バックパサーというパターンは、
ヘイルトーンリーズンの母父である、NorthirdChanceも、
似たような血統構成なので、ココも…効果をUPさせてる要因の1つ
なんでしょうか?


ショウナンラムジは、ダンスインザダークに変わってこそ、
DinnerPartnnerの血が生きてきたのだと、先生のブログを再度…
読み直して…改めて…感じました。


そういえば…ダンスにミスプロ、バックパサーは…
タッチミーノットなんかが、そうですね。


色々とありがとうございました。
やはり、SirIvor、Drone、ミスプロが欲しい所ですね(^-^;)

おはようございます。ダンスインザダークに限らず、サンデー系全般が Tom Fool-Buckpasser と相性がいいのは、そうした部分の影響もあるのかもしれませんね。サンデーサイレンスは比較的マイナーな血で構成されているものの、伝統的なアメリカ血統をベースとしているので、わりと相似な血ができやすい種牡馬だと思います。そういう意味では Danzig にやや似ています。ダークシャドウでいえば Edelweiss≒Swaps などもありますが、サンデー系に Swaps を入れた馬が特別走っているということもないので、このへんはスルーしています^^

Mr.Prospector×Buckpasser の Miswaki は、ダンスインザダークと相性がいいですね。ザッツザプレンティ、マルカフェニックスなどがそうです。ダンスインザダークはPOGで人気が出ないのはしょうがないとは思いますが、一口では選び甲斐のある種牡馬ではないでしょうか。モノになりそうな後継種牡馬が出てほしいものです。

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