アグネスタキオン×ホワイトマズル
1月21日のエントリーで採り上げたヴィクトリーマーチは、日曜京都6Rの新馬戦(芝1600m)を勝ち上がりました。着差はクビ。もう少し弾けても……という感じでしたが、池添騎手は「余裕を持ちすぎて内から来た馬に一瞬ヒヤッとしましたが、すぐに伸びてくれました」(ラジオNIKKEI)と語っており、まだ余力を残していたようです。
同じアグネスタキオン産駒で配合的に注目したいのは、日曜中山6Rの新馬戦(ダ1200m)を勝ち上がったハッピーダイアリーです。「アグネスタキオン×ホワイトマズル」は配合的におもしろいところがあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102864/
まず、Halo≒Drone 3×5という定番のニックスが生じます。サンデー系とダンシングブレーヴ系の相性のよさはここに秘密があります。
http://www.pedigreequery.com/halo
http://www.pedigreequery.com/drone
ホワイトマズルは、父がダンシングブレーヴで、母の父 Ela-Mana-Mou はピットカーンの息子。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1990109700/
これは、リトルアマポーラ(エリザベス女王杯)の母リトルハーモニーとよく似ています。リトルハーモニーの父はダンシングブレーヴの息子コマンダーインチーフ、母の父はピットカーンの全弟ヴァリィフォージュです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995101613/
両者の血統を簡略化すると以下のようになります。構成がよく似ています。
┌ダンシングブレーヴ ┌ Petingo
ホワイトマズル―┤ ┌ピットカーン┤
│ ┌○┘ └ Border Bounty
└○┘
┌ダンシングブレーヴ
┌○┘ ┌ Petingo
リトルハーモニー┤ ┌ヴァリィフォージュ┤
└○┘ └ Border Bounty
アグネスタキオンとリトルハーモニーの間にリトルアマポーラが誕生したのなら、リトルハーモニーとよく似た血統構成のホワイトマズルもアグネスタキオンと好相性を示すのでは? と想像することができます。
アグネスタキオンとリトルハーモニーの組み合わせが成功した理由のひとつは、前者に含まれるリマンドと、後者に含まれるヴァリィフォージュの関係にあるのではないかと思います。両者とも3代以内に Alycidon、Fair Trial、Chanteur を持っており、血統的にきわめて近い関係にあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0002ae/ リマンド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0004e5/ ヴァリィフォージュ
┌ Alycidon
┌○┘
リマンド―――――┤ ┌ Fair Trial
│ ┌○┘
└○┤ ┌ Chanteur
└○┘
┌ Fair Trial
┌○┘
┌○┤ ┌ Alycidon
ヴァリィフォージュ┤ └○┘
(=ピットカーン)└○┐ ┌ Chanteur
└○┘
前述のとおり、ホワイトマズルにはヴァリィフォージュの全兄ピットカーンが含まれています。したがって、リマンドとヴァリィフォージュの組み合わせでリトルアマポーラが誕生したように、リマンドとピットカーンの組み合わせが生じる「アグネスタキオン×ホワイトマズル」にも期待できるわけです。
もうひとつ、アグネスタキオンの母の父ロイヤルスキーと、ホワイトマズルの2代母 Autocratic が似ていることも見逃せません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0003c6/ ロイヤルスキー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a00977d/ Autocratic
┌ Bold Ruler
┌○┤ ┌ My Babu
ロイヤルスキー―┤ └○┘
│ ┌○┐
└○┘ └○┐
└ Lea Lark
┌ Bold Ruler
┌○┤ ┌ My Babu
Autocratic―――┤ └○┘
└○┐
└○┐
└ Lea Lark
つまり、「アグネスタキオン×ホワイトマズル」の組み合わせには、Halo≒Drone 3×5、リマンド≒ピットカーン4×5、ロイヤルスキー≒Autocratic 3×4という鍵が潜んでいるわけです。過去にこの配合馬は2頭しかデビューしていません。そのうちの1頭、エミーズスマイルはアネモネS(OP)を勝ちました。もう1頭、シュガーヴァインはフィリーズレビュー(G2)6着、クイーンC(G3)6着という成績を残したほか、準OPまで出世しました。ニックスと呼んでも違和感のない成績ではないでしょうか。
今回、新馬戦を勝ち上がったハッピーダイアリーは、「アグネスタキオン×ホワイトマズル」の組み合わせから誕生した3頭目の競走馬です。血統的にはダート短距離馬という雰囲気はありませんが、「フットワークが硬い」(横山典弘騎手)とのことでダートにも適性があるようです。『web競馬王』に出した予想ではもちろん◎を打ちました。◎▲で馬単8970円的中です。
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