ケンタッキーダービーは Animal Kingdom(後)
Animal Kingdom の母ダリシアはドイツ産馬。4歳時に芝2000mの独G3を勝っています。父 Acatenango は3年連続で西独年度代表馬に輝き、独リーディングサイアーの座を5回獲得した名馬。日本ではジャパンCを勝ったランドの父として有名です。先週京都で初勝利を挙げたペルレンケッテや、今年のPOGで人気を集めるであろうワールドエース(父ディープインパクト、母マンデラ)の母の父でもあります。ちなみにこの2頭はノーザンファームの生産馬。
http://www.pedigreequery.com/dalicia2
社台グループの生産馬には最近、ドイツ血統が目に見えて増えています。じつは母ダリシアは、昨年、社台ファームが輸入しており、日本で繁殖生活を送っています。この慧眼には感服するしかありません。いい買い物となりました。Animal Kingdom は初子で、ダリシア自身はまだ10歳と若いので、まだまだ活躍馬を送り出せるでしょう。今年生まれたのはネオユニヴァースの牡馬。来年は順調ならハーツクライの子が誕生する予定です。ダンシングブレーヴが入っているのでサンデー系との相性はバッチリでしょう。
牝系はドイツを経てハンガリーにさかのぼる異色のファミリー。現代の主流血統にはほとんど含まれていないハンガリー、オーストリアなどの東欧血統が流れています。8代母から代々頭文字を「D」で統一してきたのですが、現馬主は「Animal Kingdom」と名付けました(父 Leroidesanimaux=百獣の王、からの連想)。ヨーロッパの気の利いた馬主になると、ドイツ人でなくとも空気を読んで牝系の頭文字を踏襲することがありますが、それ以外ではたいてい無視されますね^^ 前出のペルレンケッテは「P」を踏襲してさすがと思いました。一方、ワールドエースは「M」ラインとは無縁の命名です。
Animal Kingdom の配合は Lyphard 4×4こそあるものの、父母同士に関連する血がきわめて少ないアウトクロス的な配合です。したがって配合は読みづらいですね。交配した時点でどんな子が生まれてくるのか予想がしづらい配合です。どう見てもダート向きとは思えないのですが、レース映像を見ると前肢の掻き込みが強く、ダートホースそのものというフットワーク。不思議な馬です。Raise a Native、Bold Ruler、Tom Fool、Damascus を一切持たないケンタッキーダービー馬は94年の Go for Gin 以来となります。
http://www.pedigreequery.com/go+for+gin
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