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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年2月16日 (水)

菊花賞で買いたいダノンシャーク

■土曜京都9Rのつばき賞(3歳500万下・芝1800m)はダノンシャーク(1番人気)が完勝しました。
http://www.youtube.com/watch?v=L98ncrqr6Gk

父はディープインパクトで、兄弟にターキー、ワキノパワー、スティルゴールドと3頭の準OP馬がいます。コンスタントに走るものの重賞クラスには届かない、というファミリーです。その原因は決め手の無さにあると思います。

以前、この兄弟のレッズフィールド(父アグネスタキオン)という馬を指名していたのですが、瞬発力に定評のあるアグネスタキオン産駒でありながら、どうにもこうにも終いの甘い馬で、全成績は〔1・7・3・8〕でした。ダノンシャークがデビュー戦から3戦連続で2着となったときは、ああやっぱり、と思ったものですが、今回の競馬を見るかぎり馬が目覚めてきましたね。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105554/

ダノンシャークは Montjeu の近親です。Montjeu は現役時代にヨーロッパでG1を6勝し、仏リーディングサイアーにも輝いた名馬ですが、決め手に優れたタイプではありません。このあたりが影響している可能性があります。母カーラパワーは、Montjeu の代表産駒の1頭 Fame and Glory と血統構成が似ています。
http://www.pedigreequery.com/carla+power
http://www.pedigreequery.com/fame+and+glory

            ┌ Northern Dancer
          ┌○┘
        ┌○┘
カーラパワー ―┤ ┌ Shirley Heights
        └○┤
          └ Toute Cy

            ┌ Northern Dancer
          ┌○┘
        ┌○┤
        │ └○┐
Fame and Glory ┤   └ Toute Cy
        │ ┌ Shirley Heights
        └○┘

ヨーロッパのクラシックディスタンスを得意とする名馬と似ているわけですから、底力やスタミナに関しては申し分ありません。問題は日本向きの軽い切れ味。今回のレースではその面でだいぶ改善が見られたので春に期待を繋いだといえるでしょう。トップクラスとは時計面でまだ差があるものの、成長力の期待できる血統なので、着実に差を詰めていくはずです。今年の菊花賞はディープインパクト産駒のどれかが勝つだろうと考えているのですが、本馬はその有力候補の1頭ではないかと思います。

■土曜東京6Rの新馬戦(芝1600m)はリッチフロー(4番人気)が差し切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=Bks0UxF9JoA

2月13日のエントリーでも少し触れたのですが、Hold Your Peace≒Yes Dear 3×5という4分の3同血クロスを持ちます。この2つの血の母 Blue Moon を刺激することは、フレンチデピュティ系の成功パターンです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103007/

           ┌ Prince John
         ┌○┘
Hold Your Peace ―┤
         └ Blue Moon

         ┌ Prince John
Yes Dear ――――┤
         └ Blue Moon

リッチフローの叔父で、本馬と4分の3同血の関係にあるフレンドシップは、ジャパンダートダービー(G1・ダ2000m)の勝ち馬です。フレンドシップは Hold Your Peace≒Yes Dear 3×4。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102636/

基本的にこの血統はパワー型で、リッチフローも前肢を掻き込む走法です。今回は雨の影響で力の要る馬場になったことが功を奏しました。勝ちタイムは1分37秒5とかかっています。

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菊花賞で買いたいダノンシャークを参照しているブログ:

コメント

ダノンシャークは福永騎手がかなり自信があったようでした。完勝でしたね。
勝ったり負けたりの今年の3歳牡馬クラシック戦線なら春もチャンスありかもですね。
菊花賞といえば、血統とは関係ないですが、放馬(馬なり(笑))→1800m新馬戦快勝のフェイトフルウォーが今のところ第一候補でリストアップしてます。
…まだ皐月賞トライアルも始まってないのに(笑)。

追記 先のプニプニヨークンですが、先週の園田C1を斤量+1キロで快勝。B3クラスに昇級です!

度々コメント失礼します。
トーセンレーヴのデビュー戦同様に私にとっての注目レースでしたので、こちらの方もしっかり観戦してきました。
勝ったダノンシャークに関する感想は皆様ほぼ一致するところかと思いますが、私がパドックで一番印象に残ったのは同じディープ産駒でもヌーベルバーグの方でした。
「牡馬か?」と思わせるほどのごっつい馬体なのに、目つきが本当に優しいのです。
馬券もこちらから入ったのですが、4角のところで勝馬にあれだけ置いていかれては・・・
以前に栗山様が書かれていたようにトビが大きいが故に勝負どころで機敏に動けない欠点がもろに出てしまった感じでしょうか。
いい素質は持っていると思うので、何とか将来大きいところを取ってもらいたいものです。

>ダンディ“ゲッツ”さっさん様

ダノンシャークは成長曲線がグッと上向けば楽しみです。案外こういうタイプが将来大物になるのではないかと。府中2400mならチャンスがあるような気がします。フェイトフルウォーは新馬戦から3000m以上走りましたからね(笑)。

プニプニヨークンはB3ですか。この勢いならもっと行きそうですね~。

>まさねろ様

ヌーベルバーグはパッと見で牝馬には見えません。それでいて目が優しいというのはチャーミングですね~。馬体にはG1クラスの迫力を感じます。まだ実が入ってないのでしょう、これから充実期に入ればグングン良さが出てくるのではないでしょうか。ペースが上がったところで置かれるのはトビの大きさが関係あるのかもしれません。このあたりも筋力がついてくれば解消する部分だと思います。素質が開花する時を待ちたいですね。

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