ロジータの川崎記念
1月26日に行われた川崎記念はフリオーソ(1番人気)が楽勝。3年連続2着に敗れていたレースですが、東京大賞典の覇者スマートファルコンが回避したため今年はメンバーが軽く(2着はメイショウタメトモ)、直線で軽く仕掛けた程度で後続を5馬身引き離して逃げ切りました。単勝は100円の元返し。
http://www.youtube.com/watch?v=y3_62fusq7w
川崎記念の単勝元返しで思い出すのは90年、重賞「ロジータ記念」に名を刻む女傑の引退レースです。当時、東京都大田区にある血統専門誌編集部に勤めており、そこは川崎競馬場まで自転車で15分ほどの距離にありました。地方競馬のページを担当していたので、これは必ず観なければいけないとオンボロチャリをキコキコ漕いで競馬場に到着。平日の昼間にもかかわらず場内は観衆で膨れあがっており、馬券を買い求めるお客さんを捌くため、発走時刻が30分ぐらい遅れたのを思い出します。昔の地方競馬はこういうことがよくありました。レースはロジータの大楽勝。馬なりで独走する女傑にスタンドから大きな拍手が沸き起こり、競馬場全体がそれまで味わったことがないような温かな雰囲気に包まれました。直線ずっと拍手が鳴り止まないというレースは他に記憶がありません。単勝支持率は約80%でした。
http://www.youtube.com/watch?v=5vrtzD55f84
ロジータは繁殖牝馬としてもきわめて優秀で、そのファミリーを広げています。03年には息子のカネツフルーヴが、01年には孫のレギュラーメンバーが川崎記念を制覇しています。
ロジータは今年25歳。まだ健在です。ロジータ記念は昨年秋に21回目を数えました。わが国の軽種馬最長寿記録を持つシンザンは、自身の名を冠したシンザン記念が30回目を迎えたときにまだ存命中でした(!)。おそらくこれは世界記録でしょう。
かつて日本には「シンザンを超えろ!」というスローガンがありました。競走能力では上回ったものの、前記の記録を超えるのは至難の業です。新記録を作るとしたらロジータしかいないでしょう。
貴重なお話ありがとうございます。
発走時刻がそんなにも遅れたのですか。ロジータ世代は各地にも強豪がいた頃ですけど、ダービーグランプリでグレートホープや名古屋のサンリナールや道営のベストンダンディ、佐賀のギオンアトラスなどを破ったスイフトセイダイでさえ、子供扱いをされていたのですから、どれだけ強い馬だったのかが分かります。
投稿: キングトップラン | 2011年1月27日 (木) 12:53
チャリで川崎、川を渡ってよく行きましたよねえ…
あそこで焼きそば食ってると、なぜかN紙のY川さんと出くわすんだよなあ~
投稿: MJ | 2011年1月27日 (木) 16:24
ロジータと言えば地方から名馬が沸騰していた時代の牝馬の真打ちでした。
初めて川崎でこの馬を見た時は、パドックで首を下げてのんびり歩いていたのを思い出します。
年上の牝馬の混じった重賞で、ゴムまりのような筋肉を纏っているけど重苦しさの全くない馬体だった印象があります。気持ちも身体も既に別格だったのでしょう。
肝心のレースは2着に負けましたが(笑)
今は余り語られることのないこの名馬を取り上げてもらい、とても嬉しい気持ちになりました。
投稿: うまポーロ | 2011年1月27日 (木) 19:39
>キングトップラン様
スイフトセイダイは東京大賞典のパドックで見て、大きいなぁ~と感心したのを覚えています。騎乗した的場文男騎手は、カウンテスアップでハナキオーを破ったときのイメージで、スローペースの逃げに持ち込んだのだと思いますが、ロジータは切れますから、ああいう競馬になると逆に負けようがないんですね。ヨーイドンでは確実に勝ちますから。あの時期の南関東はレベル的にいまひとつだったような気がしますが、そのなかでロジータは別格でした。
投稿: 栗山求 | 2011年1月27日 (木) 23:19
>MJ様
六郷橋を渡るとき、冬はホントに寒くて寒くて……。
川崎競馬場で考えごとしながら歩いていたとき、Y川さんがふいに横から「栗山さん」と声を掛けてきて、ビックリして50cmぐらい飛び上がったことがあったな~(笑)。
投稿: 栗山求 | 2011年1月27日 (木) 23:36
>うまポーロ様
年季が入っていらっしゃいますね~。最近はロジータを生で見たという方があまり見られなくなって少し淋しい気もします。おっしゃるとおり「ゴムまり」という表現がぴったりの馬でしたね。まさにそういう感じの馬でした。
2着に敗れた報知オールスターCは、当初出走する意志はなかったのですが、ファン投票で1位となったため、予定を変更して急遽出走を決めたという事情がありました。馬の調子が万全ではなかったですね。
蛇足ですが、1着ダイタクジーニアス、2着ロジータはいずれもミルジョージ産駒。あの当時いちばん勢いのある種牡馬でした。大井から中央に移籍したイナリワンがG1を3勝したのもこの年(89年)です。ミルジョージにとって、ノーザンテーストの8連覇を阻止し、全日本のリーディングサイアーに輝いたのは大きな勲章です。社台スタリオンステーション以外で繋養された種牡馬がリーディングサイアーになったのはこれが最後です。
投稿: 栗山求 | 2011年1月27日 (木) 23:58
個人的には3連単3点で奪取したレースでした。
(まぁ絞らなきゃどうしようもなかったレースだったわけでw)
いつも素人にも分かりやすい血統論ありがとうございます。
素人考えですが、女性は子供を生むため体力の衰えが激しいんじゃないですかね?
子供に生命力の一部を持っていかれるともよく表現されますし
しかし平均寿命は女性が長いような気がします。
神はその点も考慮して女性を作ったのかなぁ~
投稿: Satisfer | 2011年2月 3日 (木) 12:49
ご的中おめでとうございます。こういうレースでも3連単があるから馬券を楽しめるわけで、ホントにいい時代になったと思います。ロジータのときはどのオッズも低すぎて馬券はまったく楽しめませんでした。
男性よりも女性のほうが平均寿命が長いのは、子供を産む女性に対する神様のご褒美だ、という話を子供の頃に聞いた覚えがあります。要するに出産という難事業に耐えうるために身体が頑丈に作られている、ということですね。生物学的に正しい考えなのかどうかは分かりませんが――。
投稿: 栗山求 | 2011年2月 3日 (木) 13:50