サトノオー圧勝
マイルチャンピオンシップは◎サプレザ(2番人気)で問題ないと思っていたのですが、スタートで2~3馬身の出遅れ。去年も出遅れていたのでこういう馬なのでしょう。ゴール前はクビ、ハナ、ハナと僅差の勝負だったので悔やまれます。
勝ったエーシンフォワード(13番人気)はノーマークでした。3月1日のエントリー「阪急杯はエーシンフォワード」で配合について褒めたことがあります。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/03/post-695e.html
ただ、1600mのG1では狙えません。そういう馬ではないと思い込んでいました。今回は岩田騎手の好騎乗が光ったと思います。あのコース取りは“岩田スペシャル”とでもいうべき彼の十八番です。
日曜日のレースで最も印象に残ったのは、G1レースではなく東京6Rの新馬戦(芝1400m)です。この日は東京競馬場で午前11時台と午後1時台の2回、JRA主催のイベントに出演する用事がありました。レースが行われたのは12時40分。ちょうど昼食どきで、8階の記者席で仕出し弁当を頬張りながら観戦していました。
そして、目撃したのがサトノオー(父ディープインパクト)の圧勝です。後続を引き離していくときに場内が沸きました。真横から見ると、前肢の爪先を地面と水平に伸ばしていくような、ちょっとルーラーシップを彷彿させる可動域の広い豪快なフットワークで、明らかに他馬と違う走りをしていました。
http://www.youtube.com/watch?v=-izwWmQONoQ
これは!と思い、食べかけの弁当を放置してエレベーターに飛び乗り、地下の検量室前へと急ぎました。引き揚げてきた安藤勝己騎手、その場にいた藤沢和雄調教師は、“これぐらい当然だよ”と言わんばかりに拍子抜けするぐらい平静でした。ジョッキーはインタビューで「落ち着いて走ってくれれば兄姉と同じぐらいには」と、言葉を選びながら期待のほどを語っていました。
『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想を転載します。
「◎サトノオーは『ディープインパクト×トニービン』という組み合わせ。母エアトゥーレ(阪神牝馬S)、2代母スキーパラダイス(ムーランドロンシャン賞)、3代母スキーゴーグル(エイコーンS)という良血で、半姉アルティマトゥーレ(セントウルS、シルクロードS)、半兄キャプテントゥーレ(皐月賞など重賞4勝)と兄弟もトップクラスで活躍している。稽古でも動いており死角が見当たらない。」
赤本(『POGの達人』)のクロスレビューには次のように書きました。
「ディープインパクトのリファールクロスは基本的に嫌ってみたいスタンスだが、アルティマトゥーレ、キャプテントゥーレの下となれば意地になって逆らうのもどうか。G1はともかく重賞クラスには出世しても不思議はない。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102789/
母エアトゥーレはすでにスカーレットブーケ、ビワハイジ級。伝えているものがズバ抜けています。「ディープインパクト×トニービン」はこれで〔2・1・0・0〕という成績ですから走りますね。エアグルーヴの娘グルヴェイグへの期待が高まります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103099/
ディープインパクト(=オンファイア)が Raja Baba と好相性であるということは当ブログでたびたび触れてきました。また、“サンデーサイレンス、ウインドインハーヘア、ロイヤルスキー”のトライアングルは、ダノンパッション、リルダヴァル(いずれも父アグネスタキオン)と同じです。要するに軽い切れ味が特長なわけですが、サトノオーにはトニービンというしっかりしたヨーロッパ血脈が入るので、軽いだけの馬ではないでしょう。ベストは1600mで、2000mまでは守備範囲です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100999/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103142/
たしかに今回のメンバー構成は能力差が大きかったと思います。ただ、他馬がどんな能力であろうと、それは勝ち馬の責任ではなく、今回のパフォーマンスの価値が目減りすることもありません。
エーシンフォワードは全く頭になかったので直線抜けて来た時は驚きました。
「岩田スペシャル」いい響きです(笑)
土曜の新馬戦でアサヒライジングの全弟コウヨウレジェンドが勝ち上がりましたね、調べてみた所ロイヤルタッチ×アサヒマーキュリーでデビューしているのはこの2頭だけでしてたのですごいですね。頑張ってクラシック戦線に乗って欲しいです。
投稿: たくぼん | 2010年11月22日 (月) 09:16
コウヨウレジェンドについては明後日あたりのエントリーで取り上げる予定です。好きな配合なもので(笑)。こういう配合構成の馬が頑張るとなぜか勇気づけられます。
投稿: 栗山求 | 2010年11月22日 (月) 22:49
サトノオーは兄姉と走り方が違うなぁと思いました。ディープは母方の血を素直に出すというよりも、自分の血を強く伝える種馬と考えていいのでしょうか?
投稿: Bucchi | 2010年11月23日 (火) 07:35
追い出しに入ってギアチェンジしたあとのサトノオーの走りは凄かったですねぇ~。あのフットワークはディープにも似ていないので、サトノオー独特のものではないでしょうか。ディープインパクトは相手方の繁殖牝馬の特長を活かし、自分の良さも伝えるという理想的な種牡馬ではないかと思います。
投稿: 栗山求 | 2010年11月23日 (火) 12:05