2024年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« 土曜日の2歳戦いろいろ | メイン | ディープインパクト産駒の格上がり戦 »

2010年11月29日 (月)

ジャパンCはローズキングダム

異様に長引いた審議は、松田博資調教師が裁決室に呼ばれたことで、「これは……」という空気になりました。その後しばらく経って裁決室の扉が開き、職員が出てきて着順掲示板の数字に修正が加えられました。

取材記者に囲まれたブエナビスタの松田博資調教師は、顔を紅潮させながら「だいたい今まででも、降着なんて、あんなんでなるわけがない!」。裁決委員に対しては「こんなくだらない奴さ、もう辞めさせりゃいいんだよ、ホンマに!」と目を怒らせながらブチまけました。

一方、繰り上げ1着となったローズキングダムの橋口弘次郎調教師は「ジャッジが遅すぎる。自信がないんじゃないの? たしかに勝ちにはなったけど複雑ですね。後味が悪いわ」と、ニコリともせず、まるで降着になった側のような暗いトーンで語りました。

降着の是非についてはいろいろ見方はあるとは思いますが、個人的には妥当だったかなと思います。
http://jra.jp/JRADB/asx/2010/05/201005050810p.asx

2着に降着になったとはいえ、○ブエナビスタ(1番人気)はスタートを切ってすぐ前の馬に接触して落馬寸前の不利があり、それを立て直して差し切ったわけですから強いの一語です。思い起こせば父スペシャルウィークも、99年の有馬記念でハナ差2着に負けていたにもかかわらず、騎手が勝ったと思い込んでウイニングランをしてしまったことがあります。こんなところで父娘が似てしまうとは……。
http://www.youtube.com/watch?v=FPhyyAN5ppE
http://www.youtube.com/watch?v=LcAX0YkPDA4

繰り上がり優勝を果たした△ローズキングダム(4番人気)は、正直、こんなに強い馬だとは思いませんでした。ちょっと見くびっていましたね。キングカメハメハ産駒はやはり東京コースで信頼できます。3歳馬のジャパンC勝利は01年のジャングルポケット以来9年ぶりです。

3着の▲ヴィクトワールピサ(8番人気)は完全に人気の盲点となっていました。ギュイヨン騎手は枠順の利を活かした最高の乗り方をしたと思います(ゴール前で粗相はありましたが)。角居勝彦調教師は「レースの後、ジョッキーからは若干距離が長いと言われました。このあとはオーナーと相談になりますが、距離が長いというならドバイを選択肢に入れて考えたいと思います」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語っているので、有馬記念には出ない可能性も……。

◎ナカヤマフェスタ(2番人気)は14着。凱旋門賞の激走のダメージが尾を引いていたということでしょう。パドックでは冬毛が目立ち、前走ほどの威圧感が感じられませんでした。先週咳をしていたという報道があったのですが、あるいはそのあたりの影響もあったのかもしれません。

東京競馬場ではお昼休みに七冠馬シンボリルドルフがお目見えしました。とても29歳とは思えない若々しい馬体。シンザンの長寿記録(35歳3ヵ月11日)を抜けるのではないでしょうか。85年のジャパンCは私も競馬場で観戦していました。あれから25年。同じ場所で再会できて感激しました。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/25490731

ジャパンCはローズキングダムを参照しているブログ:

コメント

ジャパンカップの審議は僕も妥当だと思いました。ここから先の話は個人的な感想ですが(笑)。ローズキングダムに不利が無かったら、ブエナビスタと叩き合いになっていたと思っています。ローズは併せ馬の形になればもう一伸びする馬ですし(東スポ杯や神戸新聞杯など)、今回のブエナにはゴール板前での余裕を感じませんでした(オークスの時の様などこまでも伸びていく感覚を受けませんでした)。なので、もしかしたらローズが叩き合いで競り落としていたんではないかと。あくまで想像の世界なので、これ以上語るつもりはないです。まだ有馬記念もありますし、再戦楽しみですね。


スローペースの中で3馬身ほど後ろにいた馬にあの位置で前に出られた(斜行された)わけで、たらればですがスムーズに行ってもブエナビスタが勝っていただろうと思うのが後味悪い結果になったのですかね。

ルールですから仕方ないんですが。
ブエナビスタは強すぎるんですが運がないなあと思いました。。

今回はJRAも本当に根性のいるジャッジでしたね。しかし、調教師さんがそこまで言っちゃうのは、ちょっとマズいですよね…。

>ユウ様

ブエナビスタの松田博資調教師は、日刊スポーツの記事によると「有馬記念? あんまり気分が悪いと使わないかもしれん」と言ったそうですが、まぁ使うでしょう(笑)。ローズキングダムも有馬記念に出るそうなので盛り上がりそうですね。楽しみです。

>たくぼん様

スミヨン騎手は上手いんですけどラフプレーが目立ちますね。あと、ゴール前の競り合いの際、劣勢になるとすぐに諦めてしまうので毎回ヒヤッとします。フランス流なのかスミヨン流なのか分かりませんが、彼の周りでそのあたりを注意する人がいないのかなと思います。

>キングトップラン様

松田博資調教師は降着直後でヒートアップしていましたから、怒りにまかせて思わず口をついて出てしまったということでしょう。

後味悪いJCでしたね、ウインズのモニターではブエナがローズに2・3回当たったあとカメラが切り替わりましたので良く判りませんでした。ブエナがゴールした後、ローズと位置が反対になってたので降着だなと思いましたが、確定するまでが長すぎです!馬券持ってた私はブエナが3着になるのでは?とヒヤヒヤでした。もっとスムーズに確定してもらいたいです。でも走るサンデーの子は2代目でもヨレるのを受け継いでますね、でゎでゎ失礼します。

今回は審議対象のシーンが3件あり、しかも直線の2件はかなり微妙でした。ですから時間が掛かるのはわかるのですが、それにしても長かったですね。基準を作って、それに沿ってしっかり判定するのは当然ですが、事務的なアナウンスやパトロールビデオの公開だけで済ますのではなく、判定の具体的な理由をJRAのサイト内で詳細に説明するといったことが、ファンサービスとしてあってもいいのではないかと感じました。1番人気が降着となるとそれだけ影響が大きく、判定に納得がいかない方は次からあまりお金を賭ける気にならないんじゃないかと思うんですよね……。また、外国人騎手が今回の判定を批判していましたが、JRAが判定基準を明確に示し、ビデオ映像を使って正当性を主張しないと、悪評のみが一人歩きし、日本競馬のイメージが下がってしまう危険性もあると思います。

ほんまおっしゃるとおり!JRAのホームページ見ても何も説明は書いてありませんし、自分でパトロールビデオ何回も見てここでああなってこうなって自分達で分析してました(笑)。
栗山さんも含めて競馬の見識の深い方々の情報を仕入れて今日の夕方くらいに自分の中でなんとなく解決できました。
馬券を買っている人はみんなお客さんなわけですからスミヨン騎手や松田博資調教師に説明したことを我々ファンにも教えて欲しいですよね。
特にジャパンカップは秋のG1の中で一番好きなレースでしたのでいろんな意味で残念でした。
たのむぞJRA!

たとえば落馬事故があったときに、ファンは騎手や馬の安否を一刻も早く知りたいと思うじゃないですか。そういう速報などもJRAのサイトで流してくれたらいいのになぁと思ったりします。ひょっとして死んだんじゃないか……なんてブルーな気持ちで以降のレースを楽しめませんから。ファンが知りたいと思う情報を適切に素早く提供することは大きなファンサービスではないかと思います。

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!