2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« エリザベス女王杯はスノーフェアリー | メイン | Northern Dancer 没後20年(2) »

2010年11月16日 (火)

Northern Dancer 没後20年(1)

1990年11月16日、20世紀を代表する大種牡馬 Northern Dancer が死亡しました。29歳。年も年ですからいつ死んでもおかしくないという心の準備はしていたのですが、いざ訃報に接すると「ああついに……」という軽い虚脱感があったのを覚えています。

当時、22歳の栗山青年は、『週刊競馬通信』という雑誌の編集に携わりつつ、「血統SQUARE」という枠をもらって連載コラムを書き始めたばかりでした。いまでも似たような生活をしているわけですから進歩がないというか何というか……。初めて書いたのは「オペラ座の夜」という5回シリーズ。4分の3同血の関係にある Nureyev と Sadler's Wells について、Dalmary にさかのぼる牝系から描き出したもので、Northern Dancer 系の主導権争いは Sadler's Wells が勝利したと結論づけました。

なぜこの題材を取り上げたかというと、当時の生産界において Northern Dancer の存在感はきわめて大きく、数ある後継馬のなかでどのラインが主流となるかということが主要な関心事だったからです。そして、いまでもはっきりと覚えているのですが、原稿を書き上げたその瞬間、Northern Dancer の訃報を耳にしたのです。個人的にはそうした点からも印象深い出来事でした。

本日は Northern Dancer 没後ちょうど20年目にあたります。

世の中が否応なく変わって行くように、血統の潮流も大きく様変わりしました。1990年の種牡馬ランキングを以下に示します。

1位 ノーザンテースト(by Northern Dancer)★
2位 ミルジョージ(by Mill Reef)
3位 トウショウボーイ(by テスコボーイ)
4位 モガミ(by Lyphard)★
5位 ノーザンディクテイター(by Northern Dancer)★
6位 マルゼンスキー(by Nijinsky)★
7位 ブレイヴェストローマン(by Never Bend)
8位 ラッキーソブリン(by Nijinsky)★
9位 リアルシャダイ(by Roberto)
10位 アンバーシャダイ(by ノーザンテースト)★

10頭中6頭が Northern Dancer 系です(★が付いた馬)。サンデーサイレンスもトニービンもブライアンズタイムもまだ出てきていません。これらが出揃ったのが90年代の前半。ここから日本の血統シーンは一変していきます。しかし、90年の時点では、このまま Northern Dancer 系の天下が続いていくのだろうと、深く考えるまでもなく当然のこととして感じていました。

20年が経過したいま、日本における Northern Dancer 系は傍流に追いやられています。09年の日本ダービーには Northern Dancer 系の出走馬が1頭もありませんでした。10年の種牡馬ランキングでは3位のクロフネのみが Northern Dancer 系で、10頭中5頭がサンデーサイレンス系。わずか20年でこんな事態になろうとは想像できませんでした。(続く)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/25419215

Northern Dancer 没後20年(1)を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!